仔犬の社会化
犬のトレーニング方法や行動修正方法は日々進化していて、その手法は、対象となる犬によっても変わってくる。
かつての「力による強制」訓練方法ではなく、犬の行動を理解したうえでのトレーニング方法が欧米から伝えられ、最近は「陽性強化」(褒めて育てる)が主流となってきている。
しかし、それよりなにより大切なのが、犬の社会化と呼ばれる、いわゆる「犬が人間社会の中で共存していくうえで、日常生活の様々なシチュエーションを想定して、それに馴らしていく」ということである。
どんなにトレーニングを積んでいても、怖くて家から一歩も出られないようでは、あまりにも悲しすぎる。
この社会化レッスンは仔犬であれば生後4週から12週ぐらいの、一番いろいろなものを受け入れやすい時期に行うことが奨められているが、実際にはその時期だけでレッスンが終わるわけではなく、その後もあらゆることを想定しながら、日々社会化は続けて行かなければならない。
管理人のところに先月からやってきたパピーは現在生後12週。二度目のワクチンが済んだところであるが、我が家に来てから「抱っこ散歩」なるもので、外に連れ出し、用事があれば車に乗せて先住犬と一緒に移動し、移動先ではカートに乗せて連れまわしている。
しかし、実際に自力で地面を歩かせたり、人や犬と直接接触させることは獣医師から禁じられている。
なぜなら、地面にある糞尿から感染する可能性は極めて高いし、成犬は発症していなくても罹患している可能性がある。また、人間が媒介する可能性もあるからだ。
まぁ、そんな神経質なことを言っていては、端から社会化は出来ないのだが、とりあえずは場所を選んで社会化を推進している。
実はワクチンを打っていたにもかかわらず、かつて4か月の仔犬を亡くした経緯があるので、「ウチは大丈夫」と言っていられない管理人。
(この時の死亡原因は明確ではなかったが、大学病院ではジステンパーを疑った。)
それでも、マニュアル通りにやろうとすれば、老若男女、被り物など、様々な人間との遭遇が必要となる。
しかし、なんといっても避けられない人間は獣医である。
予防接種や体調不良になれば必ず行かなければいけない場所。
以前にも書いているが、実は先住犬ニコルは、耳の治療以来獣医が苦手になってしまった。
それまでは、大喜びで行って、愛想を振りまき、楽しそうに帰ってきたものを、それ以来待合室に入った瞬間から心拍数があがり、熱も上がりそうな始末。
そんなこともあって、今回の仔犬は獣医好きになってもらおうと、初診察の時におやつを渡してもらうことにした。
一人目の獣医さん、ニコニコしながら仔犬の口におやつを放り込む。
仔犬も嬉しそうに尻尾をパタパタ。
いいぞ~。
ところが、二人目の獣医さん、仔犬を見て「オスワリは?オスワリ!」
「オスワリできないの?」と言っておやつを焦らしてしまった。
が~ん。
「オスワリ」は家では出来ます。でもキューは『sit』だし、初めての場所で初対面の人に言われても出来るわけがない。
仔犬はおやつがなかなかもらえない。
とりあえず獣医さんあきらめておやつを仔犬の口に放りこんだ。
う~ん。
「余計なことを言わずに口に放り込んでください。」と言えなかった管理人が意気地なしであった。
Vincent 生後90日
初めて安全そうな地面に自分の足で降り立ってみた。
全然物おじしないし・・。
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