「犬バカと呼んで」犬の被害その1(#056)
イヌたちのいたずらによる物理的被害の次は管理人の肉体的被害の話。
なんか不幸な話ばかりが続いているなぁ。
イヌと暮らしていれば、ぶつかってアザが出来たり、
遊んでいて歯が当たったなどというのは日常茶飯事だったが、
なんと言っても一番痛かったのは、骨折である。
幸い大きな骨折ではなかったが、かなり泣ける場所である。
左足の小指だ。
足の小指はテーブルの脚などにぶつけても涙がちょちょぎれるが、
このときばかりは起き上がれなかった。
事件は仮住まい中の貸家の居間で起こった。
昼下がり、そこはかとなく眠気が襲ってきているが
ソファはすでに廃棄処分になっているので、
まったり横になる場所もありゃしない。
初夏だったので、仕方なくリビングのフローリングの上にゴザを敷き、
窓を開け放して、日差しの中でまどろむことにした。
イヌたちも管理人の周りでごろごろしている。
贅沢な時間だ。
貸家の南側は食品流通の中継倉庫になっていて、始終トラックが出入りしたり、
作業員の声が聞こえる騒々しい環境だったが、
ちょうど昼休みなのか、し~んと静まり返っている。
ところが、突然塀の向こう側から人が顔を出したので、
ニッキーがびっくりして窓に向かって突進した。
当然窓には網戸がはまっている。
網戸が危ない!
半分寝ぼけた私はとっさに立ち上がってニッキーを後ろから捕まえようとしたが、
フローリングの上に敷いたゴザがすべり、
体勢を崩した私はそのままつまずいてひっくり返った。
左足の小指に全体重がかかった。
いった~い!
涙が出るほど痛かった。
しばらく痛い小指をさすりながら様子を見ていたが、
そのうち気持ちが悪くなってきたので、這うように2階に上がってベッドに横になった。
この痛みは絶対折れているに違いない。
以前尾てい骨を2度ほど追っているので、骨折の痛みは感覚的にわかる。
吐き気がおさまるのを待って、整形外科に行くことにした。
すでに指がパンパンに腫れて靴が履けない。
仕方なくサンダルをつっかける。
ところがたかが小指一本なのに、全く力が入らず一歩も歩けない。
これでは50メートル先に借りている駐車場までも行かれない。
とうしよう・・・。
そうだ!
自転車がある。
自転車を片足こぎしてなんとか駐車場まで辿り着いた。
いやはや、痛いだけでなく、ぶざまな自分が情けなくて涙が出る。
右足をペダルに乗せたとき、オートマチック車で本当に良かったと思いながら病院に向かった。
結果はやはり骨折。
全治2ヶ月と言われる。
小さな添え木をしてもらった。
なんとか歩けそうだ。
そしてこんな思いをしたにもかかわらず、網戸にはしっかり穴が開き、
仮住まいを退去する時にはしっかり請求された。
疲れる・・・・。
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