「犬バカと呼んで」トイレコマンドの成果(#053)
トイレコマンドに助けられたのはそれから半年ほど経った時だった。
子供たちが生後10ヶ月の頃、クリ家はいろいろあって、
長年住み慣れた家を出なくてはいけなくなった。
ところが次の家がなかなか見つからない。
なにしろ犬が3頭である。
予算内で収めようとしても、そうはうまくはいかないのが現実。
そこで、最終的な住まいを見つけるまで、一時的に賃貸生活をおくることになった。
当然都内で一軒屋など借りられないので、メゾネットタイプのアパート。
もちろん庭も無い。
あたりまえだ。
っが、ここで一番問題になったのがトイレである。
自転車で3分ほど走れば、土のある公園まで行けるが、
雨の日はとても無理。
子供たちはすでに外トイレの習慣がついていて室内でのトイレは
6ヶ月以上やっていない。
引っ越して最初の雨が降った朝、管理人は意を決して
小さいユニットバスの床にトイレシーツを敷いていみた。
最初にクリスを呼んでトイレコマンド。
しばらくはその狭さに躊躇していたが、
根気よく連呼していたら、小と大をすんなり済ませた。
よしっ!
さすがクリかあさん。
次にトイレの近いニッキー嬢ちゃんを呼ぶ。
ところがこの嬢ちゃん思いのほか簡単にしゃがんだ。
すごいっ!
さて、最後はハンスだ。
彼はオカマとは言え、一応男のなので足をあげることもある。
そこで、足をあげやすいように、ニッキーの使ったシートを
斜めに持ち上げてみる。
すると、ハンスがそのシート側の足をあげてチーッ。
すごすぎる!
そしてその晩も狭いバスルームにシーツを敷いた。
すると、クリス、ニッキー、ハンスの順番で呼ばれるままに入って行き、
用を済ませて出て行く。
特に嬢ちゃんは、バスルームでもトイレができることを知ったせいで、
昼間トイレに行きたくなると、自分で居間のドアをひっかき、
トイレに行きたいことを意思表示するようになった。
ドアに引掻きキズが付くのには閉口したが、
黙って居間でされるよりはずっといい。
匂いの問題もあったので、トイレタイム以外にトイレシーツは敷かなかったが、
勝手に入ってしてくることもなく、
仮住まいの半年間は、無事室内トイレが再度習慣化されたのだった。
バスルームトイレは、9年経った今も雨が降るたびに続いている。
もちろん雨が降っていなくても、管理人が体調をくずしていたり、
どうしても外に行かれないときには大変便利である。
なんとも飼い主孝行な犬たちである。
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