「犬バカと呼んで』天国と地獄(#048)
ニッキーは骨折で「絶対安静」を言い渡されてしまったが
あのおてんばをどうやって「絶対安静」にさせるかと言えば、
やっぱり犬舎に入れるしかない。
我が家では、クリスの時もそうだったが、普段の生活で犬舎を使ったことが無かった。
台所以外はどこでも出入り自由だったし、留守番の時も部屋でフリーにしていたので、
全く必要なかったのである。
そこで、かつて夜寝る時だけ2階の寝室で使っていたスチール製の
折りたたみ犬舎を復活させることにした。
しかし『絶対安静』ならば、昼だけでなく夜も犬舎で寝かせた方がいいに違いない。
ところがこのスチール犬舎結構重い。
これを昼は居間、夜は寝室にと毎日階段を上げ下げするのは結構大変だったので、
仕方なく同じ物をもう一台購入した。
バリケンを当時知っていたら、絶対そっちを買ったのだが、
何しろ犬舎に疎かったので、同じスチール製の物を買ってしまったのである。
重いし、痛い出費だ。
こうしてニッキーは食事や排泄の時以外はほとんど犬舎での生活となった。
初めは多少文句を言っていたが、何を言っても出してもらえないのがわかると、
黙って、いつもうらめしそうに犬舎の中から私達を見ていた。
ただ、ずっと入れっぱなしもかわいそうなので、たまにハンスをしまって、彼女を出して遊んでやった。
ちょうどその頃、子供たちは2度目のワクチンも済み、散歩に出られる時期になっていた。
しかしニッキーは絶対安静。
お散歩は無理なので彼女だけ留守番の日が続いた。
一方ハンスは、初めての外に大興奮。
見るもの全てが新しく、楽しくてしょうがない様子だが、
クリスと並んで上手に歩く。
いやぁ、2頭目ってなんて楽なんだろう。
クリスが初めて散歩に出た時とは大違いだ。
平日は近所を歩いて散歩し、週末は車で大きい公園に連れて行って遊ばせた。
物怖じしないハンスは、年上のお姉さんやお兄さんについてまわったり、
クリスに投げたボールを一緒に取りに行ったりと、
まさに自由奔放に仔犬時代を謳歌していた。
しかも、ちょっと叱られるとすぐ「口舐め攻撃」をかけ、まるで
「アニキ!ボクは一生ついて行きます」
とでも言っているかのようだ。
なんとも世渡り上手なやつである。
かわいそうなニッキーのことなど少しも頭をよぎっていなかったに違いない。
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