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2009.01.07

「犬バカと呼んで」ニッキーの災難(#047)

ハンスが意気揚々と台所の中を走り回ってから数日後、
ニッキーが何度もフェンスをよじ登ろうとしているところを目撃され
その都度私に叱られフェンスから下ろされていたにもかかわらず、
ある日jとうとうニッキーもフェンスを越えて台所に入った。

『アタシにだって出来るんだから!』

と言わんばかりに台所で嬉しそうに走り回っている。

あんなに言ったのに・・・。

そして彼女はまた叱られて居間に戻された。


しかし懲りない彼女は数日後またフェンスをよじ登った。
っが、今度は台所側に降り立つことは出来なかった。

2階で片づけをしていると、なんとも言えないような悲鳴が家中に響き渡った。

何事かと降りてきてみると、ニッキーが後ろ足をワイヤーのひとつにひっかけ
上半身が台所側に宙づりになっているではないか。
急いで後ろ足をはずそうとしたが暴れるのでなかなかはずれない。

ようやく引き抜いて後ろ足をよく見るが外傷はない。

しかし、『痛い!痛い!(ギャンギャンギャン)』と大騒ぎをしている。


そっと床におろすと、後ろ足をかばいながらピョコタンピョコタン歩いている。
ひどく痛そうである。


私は急いでかかりつけの獣医師のところへ連れて行きレントゲンを撮ってもらった。

骨折は見られないからおそらく捻挫だろうと言われて帰ってきた。


ハンスとニッキーの2頭だけなら、あまり激しく遊ばないので、
犬舎に入れる必要は無いだろう。
どうせ痛ければ遊ばないに違いないと思っていたのが甘かった。


さすがに怪我した当日はおとなしくしていたようだが、
翌日からは何もなかったかのようにハンスと走り回って遊んでいる。


傍で見ていても足をかばっている様子がないので、
やはり大したことはなかったんだと思ってちょっと後ろ足に触ろうとすると、
ヒャンヒャン泣いて片足をあげている。

ちょっとぉ、痛いの痛くないの、どっちなの?

よく見ると遊んでいないときはピョコタンピョコタン片足をかばうように歩いている。

やっぱり痛いんじゃないか。


その後何日か様子を見ていたが一向に良くならない。
捻挫ではなかったのだろうか。


今度は先回と違う病院で診てもらうことにした。
するとその先生、彼女の足を一目見るなり、


「折れてますね。でももう仮骨化してますよ。」


うそだ!

怪我した当日のレントゲンでは折れてないと言われたのに・・・・。


「今さら特に治療法は無いので、あと三週間は絶対安静にしていて下さい。」


かくして彼女の長い犬舎暮らしが始まったのであった。


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