「犬バカと呼んで」子供たちとの暮らし(#045)
クリスの子育ては予想外に上手だったと思う。
生まれて間もない仔犬たちを踏むことも無かったし、
泣かれればしぶしぶの時もあるが、
ちゃんとおっぱいもやりにいき、お尻の世話も上手だった。
結構子煩悩だった。
わがままいっぱいに甘やかしてきたけれど、
本能とはすごいものだと感心させられた。
しかも、彼女の叱り方は的を射ていて
多少のことは目をつぶっているように見えるが、
どうしても許せない時はガツン!
すると、子供たちは横っ飛びに吹っ飛ぶ。
かあさんはよほど怖い存在らしい。
また、外に出た娘がまだ小さかった頃、
公園で会った彼女がかあさんに近寄ろうとするたびに、
ガウガウ言って追い払っていたのに
大人になって彼女に会うと
もうガウることもなく、匂いをかいだ後、
「あ~、あんたなの。元気そうね。」
とそっけない挨拶をかわした。
もっと感動的な再会を期待していた私は少々がっかりした。
しかし、やはり彼女の子育ては学ぶところが多い。
しょっちゅうガミガミ言ってると効き目がないことを
彼女はちゃ~んと知っているのだ。
そう言えば、私はしょっちゅう言いすぎた・・・(汗)。
間もなくかあさんは12歳、子供たちも5月で10歳になるが、
怖いかあさんの威厳はまだまだ健在なクリ家である。
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