「犬バカと呼んで」訓練の話その3(#035)
いろいろ悩んでいた頃、初心に戻る方法のひとつとして、
とてもいいやり方をみつけた。
それは、人の練習を見ることである。
自分だけでやっていると、いつの間にか人間の動きがいい加減になっていたり、
褒めるタイミングがずれてしまったりするが、
他人の練習を第三者の立場で見ていると、いろいろなことが見えてくる。
『犬がちょっと遅れている。』
『犬の気持ちがよそに行っている。』
『ハンドラーの指示のタイミングがずれている。』
などなど。
犬と一緒に歩いているときに自分で気づかなかったことが人のを見ているとよくわかるのである。
そして、自分の動きはどうなっているのかもう一度考えてみると、
やっぱり犬をよく見ていなかったことに気づくのである。
競技会に出ていたころ、みんなでビデオを撮りあったが、
家に帰ってゆっくり見ると、穴を掘りたくなることが何度もあった。
こんだけ離れたら「脚側行進」とは言わないだろうというほど
犬が横や後ろを歩いていたことも多々あり、
改めて教えることの難しさに頭をかかえた。
それでも、彼らが嬉しそうに動いてくれていればいいのだが、
つまらなそうにしていると、課題はどんどん増えていく。
何度もやめてしまおうかと思いながらもやめられなかったのは
犬たちと何かすることが楽しかったからにほかならない。
(2004年の競技会で)
いい意味でも、悪い意味でもドツボにはまっていたのである。
つづく。
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