「犬バカと呼んで」訓練の話その1(#033)
クリスのブリーダーさんが訓練士さんということもあって、クリスは生後半年ぐらいから大好きなボールを使って訓練をはじめた。
『脚側停座(ハンドラーの左側に座る)』
『脚側行進(ハンドラーの左側を離れず歩く)』
『招呼(離れているところから呼ぶ)』
『伏臥(伏せる)』などなど、
月に1回から2回のペースでブリーダーさん宅に通って基本を教えてもらった。
家の中でもテニスボールで遊んでいたクリスはボールを持っているだけで集中力が高まり、言われたことをどんどん吸収していく。
そんな彼女を見ていると、私はおもしろくなって基本訓練だけじゃなくいろいろなことを教えるようになった。
『吠えろ』
『お回り』
『脚飛び』
『八の字股くぐり』
『股くぐり歩き』
『バック』
『持来(ダンベルを取りに行く』
まるでサーカスの動物使いにでもなったかのように、小技を次から次へと教えていった。
当時私は自宅で仕事をしていたので、時間がかなり自由になり、彼女に十分時間をかけてやることができたことも理由のひとつだが、ひとつの技を一週間もしないで覚えていく彼女をみていると、教えることが本当に楽しくて仕方がなかったのである。
毎日朝夕の散歩の途中で、誰もいない空き地や駐車場に寄って、訓練の合間に遊びながら小技を教えた。
ところが、元来動くことの好きな彼女は、『脚飛び』や『股くぐり歩き』など訓練競技会で自由課目に指定されている『動』的な課目は楽しそうにやるのだが、全ての訓練の基本となる、『脚側行進』や『行進中の作業』など『静』の課目はつまらなそうにやる。
『脚側行進』では私から離れたり遅れたり、『常歩行進中の伏臥』と『常歩行進中の停座』を間違えてみたり、完璧とはほど遠い悪い癖がついてしまったのである。普段の練習ではボールが出るが、本番の競技会ではボールなどのモチベーション(犬の集中力を高めるための道具)を持ってはいけない。
頭の良い彼女はリンクに入ると、絶対ボールが出てこないことを知っているので、自由課目以外は非常につまらなそうに動く。
競技会自体にも飽きてしまって、本番ではなかなか良い点が取れなかった。
なぜ上手くいかないのだろう。
練習ではあんなに楽しそうに動いてくれるのに。
私はどんどんドツボにはまっていった。
つづく。
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コメント
吸収が早くて面白いっていうのは、
すごーくよくわかります。
今まで一緒に過ごしてきたイヌ達と比べても、
大きな差があります。
でもその後の悩みは、アタマがいいゆえの悩みですね。
投稿: がぶつかい | 2008.12.04 23:00
★がぶつかいさん
いらっしゃいませ♪
特別な犬種ですよね、やっぱり。
でもすっごくわがまま~(汗)。
投稿: クリまま | 2008.12.05 15:49