「犬バカと呼んで」#007
自分で犬を飼う
それから5年ほどして、今度こそ本当に自分で世話が出来る犬を飼う機会を得ることが出来た。
しかし、きっかけはなんと空き巣だった。
縁あって東京に戻ってきた私は年末年始の家族旅行から帰って空き巣に入られたことを知った。
2階の子供部屋の窓ガラスが割られ、1階の居間から出て行ったようだ。
確かに住まいの周りはどちらかと言うと閑静な住宅街。
しかもご近所は海外から赴任してきた外国人ばかりで、クリスマスから年明けまでほとんどお留守。
入るのは簡単だったことだろう。
その時、初めて、もし「犬を飼っていれば、最初からターゲットにされなかったのでは。」という発想が生まれたのである。
子供もまだ小さく、元夫は出張がち。
犬がいたほうが安心だというのは自明の理だった。
そして私たちは犬探しを始めることになった。
『また犬が飼える!』しかも、今度は自分でちゃんと面倒がみられるのだ。
私は有頂天だった。
さて、どんな犬を飼おうか。
番犬と言えば吠えなきゃいけない。
ある程度大きさがあって、それでいてしつけの経験のない私にも扱える犬種。
でも無駄吠えが多いと近所迷惑になるので、必要な時だけ吠えてくれる犬。
そんな都合のいい犬種があるだろうか。
私の夢はどんどん膨らんでいったのだった。
つづく・・・。
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