「犬バカと呼んで」#005
さて、いつまで経っても犬が出てこないと自然消滅しかねないので・・・。
ついに、
第一章 犬との出会い
犬が来た!
中学三年の冬、私たちは父の仕事の都合で千葉に引っ越すことになった。
今度はどうやら庭付きの一戸建てらしい。
物心ついてから、ずっと集合住宅だったが、やっと念願の『犬購入計画』を実行に移す時がきた。
と言っても、中学生の私にはどうやって犬を探していいかわからない。
ただ「ねぇ、犬が飼いたい!」と言うだけ。
無計画な計画である。
しかし、父もまんざら嫌いなわけではない。
私が生まれた頃には「チコ」がいたのだから。
そこで、父は個人の繁殖家の広告が沢山載っている雑誌買ってきた。
お目当ての犬種はもちろんコリー。
当時犬と言えばなんと言っても『名犬ラッシー』である。
『名犬リンティンティン』でも良かったが、さすがにシェパードを買ってくれとは言えなかった。
生後3ヶ月で我が家にやってきた彼女の名前はポリー。
当時見ていた外国テレビドラマの主人公ポリアンナからとったのである。
引き取りに行った帰り道、彼女は車酔いしたが、後にも先にもその一回きりで、その後はいつも、車のエンジンをかけると一番先に飛び乗る無類のドライブ好きになった。
私の理想は家の中を犬が自由に歩き回る外国ドラマのような家庭だったが、両親にその発想はなかった。
庭の西側に通路を仕切って、彼女が自由に動けるスペースを造り、その片隅に犬舎を置いた。
つまり彼女は外飼いの犬になったのである。
しかも、念願叶って犬がやってきたというのに、当の私は往復5時間もかけて引っ越す前の学校に通っていたので、平日はまったく犬に触る時間がない。
したがってお世話もゼロ。
週末ちょっと庭で遊んでやるくらいだ。
そんな彼女の一番の思い出は、雷や花火がなると庭のかんぬきを開けて、勝手に出て行ってしまうことだった。
今で言う、『音響シャイ』というやつである。
庭から逃走してどこに行くかと見ていると、
ガレージの前の道路を行ったり来たり。
住宅街で、ほとんど車も通らなかったから問題はなかったが、さすがにいなくなっては困るので、雷が聞こえると、母は玄関の中に入れてやることにした。
すると彼女はこっそり居間にあがってきて、テレビを見ている私達の後ろで静かに寝そべっていた。
やはり人間の傍にいたかったに違いない。
そんな彼女も、投薬を受けていたにも関わらず、外で飼っていたせいか7歳でフィラリアにかかって逝ってしまった。
ほとんど彼女の世話をしていた母は、
「ポリーが死んでしまったことは残念だけど、外で飼っていたので、
いなくなったにことに対する喪失感はあまり無かったわね。」と言っていた。
そんなものなのかなぁ。
家の中で飼っていたら、もっと触れ合えたにちがいないだろうに・・・・。
若干の後悔が残る初めての犬との出会いだった。
母とポリー
(かなりの色あせ写真。年代がわかるなぁ・・)
つづく・・・。
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