「犬バカと呼んで」 #004
小学校の中学年くらいから、『犬を飼いたい!』という思いがさらに強くなっていった。
しかし、社宅にいる間は絶対に無理である。
そんな時、唯一私を満足させてくれたのは、夏休みに家族で遊びに行く山中湖で乗る引き馬だった。
当時は「ペットパーク」のようなものも無かったので、犬から一気に馬に飛んだ。
馬は犬よりもはるかに大きく、しかも乗れる。
長年テレビの西部劇の中でしか見たことの無かった馬。
初めて生で見て以来すっかりはまった。
その鼻はマシュマロのようにやわらかく、その毛並みはビロードのよう。
多少臭いがそんなことはまったく気にならない。
犬以外にも、こんなにキレイな動物が世の中にいたとは・・・。
実物を目の前にして「乗りたい!」と言わないわけはない。
ところがこの引き馬、意外と高い。
往復20分もしないのに、当時で1000円ぐらいしていたらしい。
(1000円っていくらぐらいの価値だったろう)
小学生の娘は二人。
当然一人乗れば、もう一人も乗りたいと言うわけだから、親としては二人それぞれにお金をかけるより、片道ずつ乗せようと考えた。
けち・・・。
それでも馬好きは続き、年に一回でも、片道でも、拝み倒して毎年乗った。
社宅を出てやっと一戸建てに移ったとき、近所に競走馬を預かる小さな厩舎を見つけた。
いるいる!馬が。
しかもサラブレッド。
私は学校が休みの度に覗きに行った。
あんまりしょっちゅう来るものだから、厩舎の人が、「乗ってみるかい?」と声をかけてくれた。
そう言われちゃぁ、「ノー」とは言いません!
「乗れるのかい?」
「ハイ。何度も乗ったことあります。」
ところが、今まで乗ったことのある馬と言えば、山中湖の引き馬。
つまりもう走ることを引退していたようなお年寄りたち。
西部劇のように腹を蹴ってもなかなか歩かない馬たちだったのだが、ここにいる馬は違っていた。
しかし、私は言わなかった。引き馬にしか乗ったことがないと・・。
鞍に座った私はもう嬉しくて仕方ない。
もちろん手綱を引いてくれる人はいないから自分でコントロールしなくちゃいけない。
始めはとりあえずゆっくり並足。
カンタン。カンタン。
そして、ちょっと腹を蹴ってみると並足の速度があがる。
いい感じ~。
もうちょっと蹴ってみた。
「いいんですか?私走りますよ。」と急に速足から駆け足にシフトアップ。
うっ、マジすか。
ちょっ、ちょっと待って下さい。
私駆け足はまだやったことが・・・。
ウェスタン乗馬のようにつかまるところも無い鞍の上で、頼りは手綱だけ。
でも、走り出した馬の止め方を知らない。
ひ~っ!
厩舎の人たちはお仕事しているからこちらの様子は気づかない。
しかし「乗れる!」と言ったからにはここで落ちるわけには行かない。
お願いだから止まって~(半泣き)。
そしてそんな私を哀れに思ったか、馬は外周を一回りしてやっと止まった。
落ちなくて良かった・・・。
そして私は犬だけでなく、馬も飼いたいと思い続けることになるのだった。
やっぱり愚か者かも・・・・。
そろそろ犬が出てこないとつづかないか・・・。
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コメント
まだまだおてんばガウガウのバフちゃんですが・・
うむ、なるほど 面白い
ところでオセロはどこにいったの?おせ~~ろ
投稿: ばふばふ | 2008.10.15 14:06
★ばふばふさま
バフちゃん、まだまだピチピチギャルまっしぐらなんですね。
オセロはまだ出てきません。
今しばらくお待ちを。
投稿: クリまま | 2008.10.15 17:47