頼りない飼い主

我が家の母イヌ、クリさんの尻尾には以前からおできがある。
脂肪の塊が出来やすいようで、一度袋もろともかきだしてもらったのだが、
一昨日シャンプーをしていて、また大きくなっているのを発見。
よく見ると、吹き出物のように、脂肪が爆発しそうだったので
自分で中身を出そうかとも思ったが、
結構根が深そうなので、昨日出先から直接獣医さんに寄った。

切って開いてみると、やはり沢山詰まっている様子。
麻酔をかけたとは言え、お尻の近くを触られているのは少々不快なクリさん。
動かないように頭をなでながら顔を抑え
「いい子。もう少しだから。」と励ましていたら
急にくらくらしてきた管理人。
まずい！これは立ちくらみのひどいやつだ。

「すみません。ちょっと座らせてください。」と先生に言って腰掛けたが
一向に良くなる気配がなく、ふっと意識が遠のいた。
気がつくと、「大丈夫ですか？」と看護婦さんに声をかけられている。

クリさんが頑張っていたのに、管理人がひっくり返った。
たまたま他には患者さんがいなかったので、
待合室でしばらく様子をみることに。

クリさんはやがて元気よく診察室から出てきて
「なんでいなくなっちゃうのよぉ！」と少々不満顔。

実は管理人がこういう場面でひっくり返ったのは4度目。
最初は居間で子どもが頭を切ったというお隣のスウェーデンの母子を、
言葉が通じないので、知り合いの救急病院まで車で運んだとき。

とても元気な赤ちゃんで治療中ひどく暴れたため
お母さんと一緒に抑えるように頼まれたのだが、
泣き叫ぶ子どもの声を聞きながら、必死で抑えているうちに気が遠くなって
目の前が真っ白になり椅子に座らせてもらった。

二度目は「影」が学校のガラス窓に腕をつっこみ
何針か縫わなければ行けなくなったとき。
半べその子どもの傍で、チクチクしているのを見て隣の診察台にバタン。

三度目は自分の目の治療中。
痛くて行っているのに、痛いところを何度もひっぱりながら
「うまくいかないわねぇ。」という先生の声を聞いている間に
すでにひっくり返っていた。

血を見てひっくり返るわけじゃない。
自分の指から血が止まらなくなっていてもひっくり返らないのだから。
なぜこういう時に貧血状態になって、ひっくり返るのかよくわからない。

昨日は結構ひどくて、おさまるまで30分以上かかってしまった。
とりあえず車に戻って休んだが、頭痛は始まるわ、気持ち悪くなるわで
結局家に帰っても夕食は食べられず、そのまま横になっていた。

まったく便りにならない飼い主である。

後日談：
今日会社から帰ってワンズと散歩に行こうとしたが、さすがにいつものように
ウォーキングをするパワーが無い。
自転車で行って戻ってから、誘惑に負けて、近所に出来た焼き鳥屋さんに飛び込んだ。
すみません。レバー下さい。