犬と話す
知人のBlogで「犬との会話」について書いてあった。
意識しているいないに関わらず、動物と共に暮らしている人は必ずこういう行動をとっているに違いないと私は思う。
当然我が家でも、始終私だけの声が部屋にひびいている。
彼らに何かを問いかける場合は当然のことながら、返事などあてにしていないような、こちらが勝手に語りかけていることも多いだろう。
「そろそろお散歩行く?」「ごはんにしようか。」「今日は雨ね。」「今日もいい子にしていた?」等など。
当然相手はそれに対して言葉を返してくれるわけではないが、「そろそろお散歩行く?」と言えば、部屋の出入り口の前でドアが開けられるのを待っているし、「ごはんにしようか。」と言えば、小首をかしげ、嬉しそうに尻尾を振る。
「今日は雨ね。」と言えば、窓際に行き、外のにおいをかいで「本当に雨?」とでも言うかのように確認する。
そして仕事から帰って、「いい子にしていた?」と聞けば、「もちろん!」とでも言うかのように、尻尾をぶんぶん振りながら、「いい子だったから、早く遊ぼう!」とばかり、人の周りをわさわさ回ったりして、全身で応えてくれる。
これらの会話(?)は飼い主が犬とコミュニケーションをとる手段でもあるので、どんどん話しかけていくことで、更に犬達は言葉を覚えていくというメリットがある。
ところが、これとは異なり、私はある時期、誰にも話せない愚痴を愛犬に向かってしゃべっていたことがあった。
彼と散歩に出るたびに、家の中では言えないようなことをぶつぶつ話していたのである。
もちろん彼はそれに対して何も言ってはくれないが、私は彼に話すことで、自分では気づかないうちに、カウンセリングを受けている患者のようになっていた。
ところがその後どこかで、「犬は飼い主が辛そうな話をすると、かなりストレスになる。」と書かれているのを読んだ。
よく考えてみれば当然のことだったろう。
愚痴だから楽しそうな顔をしているわけでもないし、難しい話だから、当然彼の理解の範囲を超えている。
それを念仏のように唱えながら歩いていたのだから、彼にとっては非常に苦痛な散歩だったに違いない。
彼は8年前の3月2日、11歳を目前に他界しているが、今思えばかわいそうなことをしてしまった。晩年は彼自身もヘルニアを患って辛かったというのに。
日々のドタバタに紛れ、すっかり命日を忘れていたダメ飼い主に、彼はリマインドしてきたに違いない。
これからは、現在の同居犬たちにも極力楽しい話をするように心がけねば!
さて愚痴は部屋の壁にでも向かってするか。かなり危ない人になってしまいそうだ。
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コメント
こてBonBonです。
彼の命日は3月2日ですか。
「犬との会話」を書いたのが3月2日です。
彼は「犬ともっとお話をしなさい」と言ってるんでしょうね。
僕も、こてつともっとお話をしよっと。
投稿: こてBonBon | 2005.03.04 23:11
もしもジェミニと暮らして無かったら、一人暮らしの私は家に居る時、全くしゃべるという事をしないのだろうと思います。
でも、ジェミニが居るお陰で、私も一人でしゃべってます(爆)
「イヌの心理」という本では、犬は会話のような長い文章は解らないって書いてありましたけど、毎日話しかけていると、その長い文章の中から知っている単語(の響き)をキャッチしてくれますよね。
ワンコの方も一生懸命、飼い主の言ってる事を理解しよう、と思っているでしょうね。
だから飼い主の方も、彼らが出しているシグナルを見落とさないようにしなくては・・・なんて思った次第です~♪
ボーダーさんは頭が良いから、たくさん単語を覚えそう。
投稿: Geminiママ | 2005.03.05 01:57
★こてBonBonさん
こてちゃんは、パパとママとどっちと話すことが多いのでしょうか。
ウチは全然聞いてない子もいます(汗)。
★Geminiママ
「影」が生まれてしばらくは、引越したばかりということもあり、私は誰とも話す機会がなかったので、結構危なかったです。
たまに母が電話してくると、ついつい長電話になりました。
やっぱり相手がワンでも、話すというのは精神衛生上必要ですね。
ボーさんたちは、都合の良いところだけを聞いています(笑)。
投稿: クリまま | 2005.03.05 23:52