テレビ見る？

「ママ。急にどうしたの？」

我が家の犬達がテレビを見るという話は、某テレビ局の動物番組やら
某ローカル紙に掲載されてしまったので、ご存知の方も多いと思う。

テレビを見る犬やネコは別にめずらしくはないらしい。
でもなぜ犬やネコはテレビを見るのか。

テレビで放映された時には、その筋のプロフェッショナルと言われる方が、
まことしやかにコメントされていた。
つまり、音や動く物に反応しているに違いないというものだった。

例えばクリスの場合、お気に入りの番組はテニスの試合中継である。
小さい頃からテニスフリークだった飼い主が練習や試合に連れまわしていたことと、
普段の訓練もテニスボールを使っていたことから、テニス（ボール）に対する好奇心が
生まれたことは容易に想像できる。

テレビで試合が始まると、最初はラリーの音に反応していたのかと思ったが、
何度か観察しているうちに、アナウンサーの解説が始まっただけでも、
テレビに集中することがわかった。音声を切っていても、テニスの試合が始まると、
おもむろに起き上がり、プレーヤーがサービスの体勢をとると画面に釘付けになる。

テニスやボールが好きで見ていることは当然のことながら、
画面の中でテニスをやっているんだと認識できる事がすごいのではないかと思ってしまう。

一方、テニスには全く興味を示さなかった娘のニッキーが、ある日突然動物番組を見始めた。
きっかけはどこの家でもよくある話（子供に対して）で、夕飯の支度をしている時、
あまりしつこくまとわり付くので、冗談で「ニッキー、テレビでも見てくれば。」と言ったのが始まりである。

彼女はおもむろにテレビの画面の前に行き、画面の中で動く動物を凝視して離れなくなった。
その時は、ふ～ん、ニッキーもテレビなんか見るんだわ。程度にしか思っていなかったが、
その後も動物番組をつけると、彼女はどこからともなくやってきて、テレビの前に鎮座する。
時には画面に手をかけることも。

彼女の場合は、動物以外には反応しない。人間が出てくると、途端に興味を失って戻ってくる。
人間と動物の区別をどこでしているのだろうか。
動き方でわかるのかもしれないなどと思っていたら、
なんと今朝、某公共放送曲でやっていた番組に出てきた動物の「絵画」に反応したのである。

当然「絵」だから動かない。描かれているのは「エイ」と「ネコ」。確かにネコの絵は、
いかにも飛び掛りそうなリアルなものだったが、それにしても「絵」である。

彼らにはテレビは一体どんな風に見えるのだろ。謎は深まるばかり。

逆に、何も見ないハンスは一体なんなんだろう。彼にはお気に入りの番組が無いと言うことか。
キレイなお姉さんが、画面から「お手♪」なんて言ったら飛びつくのかも知れない。