犬の学習理論

2025年6月22日 (日)

犬に伝えるには一貫性を持って繰り返すことが大事

当たり前のお題ですが、ちょっとした手抜きによって、せっかく身に付いた習慣がまた元に戻ってしまうことは沢山あります。

例えば、ドアを出るとき。
どんなドアでも、ハンドラーが先に出るか、あるいはハンドラーが許可してから出るというように伝えておかないと、ドアが開いた瞬間に飛び出すというアクシデントが起きないとも限りません。

玄関のドアは危機管理の面から考えても、きちんと伝えておきたいところですが、出先であっても、宿泊施設のドアから飛び出たりしないように、教えてあげることはとても重要です。

「マテ」や「オスワリ」をさせることで、出にくくすることはできますが、解除されたからと言ってダッシュするのは危険なので、そのあたりも上手に伝えてあげるといいでしょう。

しかし、もうわかっているはず。と勝手に出てしまったことをそのままにしてしまうと、犬はどっちでもいいのかと学習します。


かつて我が家で預かった知人の犬のはなし。
その家では、ドッグフードをボールに入れたまま次の食事の時間まで放置しておく習慣がありました。
そもそもはすぐに食べないからだったと聞いていますが、我が家で預かったとき、フードを提供すると、一粒一粒ボウルから出して床に落として転がしてから食べるという遊び食いを始めました。

遊びながらでもすぐ食べるのかと観ていたら、そのまま他のことをしに行ったりして、一向に食べる気配がないので、我が家の犬が食べてもいけないと思い、下げるようにしました。

次の食餌の時も同じように遊び食いをしたので、すぐに下げたところ、3回目のご飯の時は遊ばずすぐに全部食べ終わりました。
結局預かっている間、ごはんは直ぐに食べないと下げられると学習したので、遊び食いは起こらなかったのですが、自宅に帰ってまた同じ食べ方をしていたために、再び我が家で預かったときは、また遊び食いをしていました。

きちんと続けてくれれば、きっとちゃんと食べられる犬なので、問題は犬の側にはないということです。

そもそも朝から夜までフードを出しっぱなしにするというのは衛生的にも問題ありですので避けたいところ。

犬はどんなところで学習しているかわからないので、気を付けて行動確認してあげることも必要ですね。

見習いにヒールワークを教えるときは、顔をあげるように教えています。
見習いの場合、顔があがっていないと、違うことを考えてしまうからです。
顔が下がっていることをそのままにしておくと、どんどん顔はあがらなくなります。

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日々の繰り返しは大事ですね。
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2025年6月20日 (金)

犬を暇にさせない

子犬や思春期の若犬のエネルギーが高いのはあたりまえのことです。
一日静かにじっとしていたら病気を疑った方がいいくらいです。

有り余ったエネルギーをどうやって発散させるのかは飼い主次第。

放置しておけば、いわゆる「余計なこと」をするようになります。
つまり、人にとっては好ましくない行動です。
もちろん犬にそんなつもりはなく、単に時間を持て余しているので、自分で自分が楽しく過ごせる方法を見つけ出しただけのこと。

犬に余計なことをしないようにしてもらうには、犬を暇にさせないことがポイントです。
一緒に遊んだり、かまってあげられないときは、知育玩具と食べ物を組み合わせたもので、頭と顎を使ってもらうとか、様々な方法があります。

一緒に遊ぶときも、真剣に体と頭を使わせてあげることが大事。
スマホ片手にボールを投げていれば、犬は気づけばほかの人のところにボールを持っていくようになるでしょう。
つまり、魅力的な人と遊びたいと思うのは犬も人と同じと言うことですね。

そうならないために、人は犬が喜ぶツボを探さなければいけません。
マニュアル通りの犬はいないので、その犬にあった遊び方があるはずです。

思い切り頭と体を使って遊べば、そのあとは寝るだけなので、あまり余計なことは考えたりしなくなります。

いずれにしても、メリハリを付けて接してあげることがポイントですね。


さて、今日は若いK君のプライベートレッスンがありました。

まだまだいろいろなことに興味津々で、エネルギーも満タンなK君ですが、外では車や自転車などのディストラクションを無視できるようになってきました。
小さいころからきちんと伝えてきた成果でしょう。

今日はテレビの球技系スポーツ番組に反応する行動への対処法をいくつかお伝えしてきました。

昔と違って、今のテレビは大画面ですので、人のサイズも実物大。
目の前で動いていれば反応したくなるのが牧羊犬です。

大興奮しても「報酬」が得られないことを学習してもらいながら、それよりももっと楽しいことがあるという方法でトライしていただきました。

人との遊びが楽しいと理解してもらうことは、様々な面において必須です。
犬だって、嫌なことより楽しいことを好みます。
トレーニングも、楽しくなければ続きません。

今日は遊びの中で、「放して」も一緒に覚えてもらいながら、K君には沢山報酬を得ていただきました。

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ネガティブに伝えるよりもポジティブな方が犬は人と関わろうとしていきます。

日々楽しく繰り返し伝えていきましょう。

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2025年6月19日 (木)

せっかちは禁物

犬との暮らしを考えた時、あなたの理想はどんなドッグライフでしょうか。

一緒にカフェに行ったり、旅行に行ったり、のんびり散歩したり、犬と遭えば楽しそうに遊び、帰ると言えばすぐに戻ってきて、散歩から帰れば、足拭きやブラッシングも嫌がらず、人が食事をしているときは、静かに自分のベッドで寝息を立て、ソファでテレビを見ているときは隣で静かに撫でさせ、仕事に出ているときは静かに留守番、夜はベッドの足元で布団を温めてくれる。

こんな暮らしを想像したりしていませんか?

しかし、どんな犬もそんな犬に直ぐにはなれません。
これらすべてをこなせるようになるためには、人も犬も並々ならぬ努力が必要です。

ローマは一日してならず
犬も一日でスーパードッグにはなりません。

恐らく、10年ぐらい一緒に暮らしていると、観察力に長けた犬たちは、飼い主の行動パターンを熟知して、何も言わなくても、飼い主に合わせてくれるようになっているかもしれませんが、子犬や若犬にそれを求めるのは無理です。

では、どうするのか。

やはり、ひとつひとつ教えていくしかないのです。

それぞれのシチュエーションでどう行動して欲しいのかをきちんと伝えなければ、犬は衝動のままに行動します。
特に好奇心旺盛の犬であれば、なんにでも自分から向かっていき、警戒心が強くなれば、様々なモノや音に対して警戒警報を鳴らしていくでしょう。

どうやったら、ストレスを軽減し、お互いが気持ちよく暮らしていけるかを伝えるのは飼い主の仕事。

時間をかけて、犬に教えていくという犬育てのプロセスを楽しみましょう。

さて、今日の朝の練習は見習いにとってとてもハードルが高いものとなりました。
というのは、見習いは他犬や人に興味津々で、すぐに気持ちを持っていかれてしまうからです。
いわゆる、挨拶すれば気が済むというタイプですが、
遭う犬がすべてが見習いと挨拶したいとは限らないので、基本勝手に挨拶には行かないように伝えています。

朝の練習場所にはちょうどいい具合に、お散歩に来た飼い主さんたちがいました。

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そんな中でも、よく集中して練習できていた見習いです。

日々の繰り返し練習は必ず犬を成長させます。
時間はかかる子もいますが、あきらめないことが重要なポイントですね。

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2025年6月10日 (火)

言葉の価値を下げない

犬とのコミュニケーションの方法は様々ですが、一番わかりやすいのはきちんと教えた言葉です。
それは犬の名前だったり、あるいは行動を示す言葉であったり、あるいは見知った人の名前だったりします。

犬がその言葉を聞くことで、ハンドラーの言っていることがきちんと理解できていればコミュニケーションはとても取りやすくなるわけです。

もちろん、人間の言葉を教えて、人間の要求だけを押し付けるのではなく、犬のボディランゲージを読むことで、コミュニケーションをとることが最も重要ですが、伝えたいことが伝わらないと、人も犬もフラストレーションを溜めてしまうので、きちんと、正しく言葉の意味を伝えることは大事ですね。

例えば、愛犬の名前。
名前を呼ばれるたびに犬にとっていいことが起きれば、犬はその言葉を聞くたびにワクワクし、呼んだ人に喜んでついていくでしょう。
しかし、呼ばれるたびに叱られたり、嫌なことをされたりすれば、名前を呼ばれたら無視したり、逆に隠れてしまったりすることもあるでしょう。

犬の名前の価値を下げないためには、犬にとっていいことが起こるときに名前を呼んであげることが重要です。

また、行動を意味する言葉の場合、前にも書いていますが、「オスワリ」や「フセ」のように、犬の姿勢を示す言葉を言って、犬が間違ってしまったとき、大勢に影響がないと、ついついそのままにしてしまいがちですが、犬に正しく言葉の意味を伝えるためには、「オスワリ」と「フセ」の違いをきちんと伝えないと意味がありません。
なぜなら犬はどちらでもいいと学習してしまうので、その後で「オスワリ」と言われて「フセ」た犬をなじるのは理不尽だからです。

人間同士ではあたりまえですが、人と犬との間でも言葉はとても重要です。
「散歩に行こうか」と言っただけで、尻尾をぶんぶん振ってくれる犬を見れば、言葉の重要性がよくわかるでしょう。

さて、今日は若いM君のレッスンがありました。

あいにくの雨で家の中で行いましたが、今日のポイントは歩いているときでもきちんとハンドラーの言葉に耳を傾ける練習。

「フセ」をお願いして出来たらきちんと褒めますが、

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ちょっと違ってしまったときは、そのままにしないこと。
叱るのではなく、出来るようにサポートしながら、学習してもらいます。

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賢い犬たちは、きちんと伝えれば必ず理解してくれるので、あきらめずに繰り返し教えてあげることが大切ですね。

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2025年6月 7日 (土)

日々の繰り返しは大事

今日は久しぶりに2歳になったYさんのレッスンに伺ってきました。

お散歩の様子から拝見させていただきましたが、
以前はタイルの目地が気になったり、動くものが気になったりのYさんが
ちゃんと落ち着いてママに意識を向けて歩けるようになっていました。
飼い主さんの日々の成果がちゃんと出ていますね。

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そしておうちの中では、ハウスも相変わらず鉄板で、
飼い主様が日々Yさんにやって欲しいことを伝えてくださっている結果です。
っが、柴犬さん特有の興奮しやすいところがまだちょっと気になるところ。

そこで、以前にも少しやりましたが、再度インパルスコントロールの強化練習。

大興奮していては欲しいものは手に入らないことを伝えていきます。

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賢いYさん、2~3回やればすぐにゲームのルールに気づきます。

そこで、お願いしたいのが、早く落ち着くことと、落ち着いた状態の維持。

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トレーニングは犬にとってはゲームと同じ。
楽しくなければ続きません。

毎日少しずつやっていくことが大事です。

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2025年6月 4日 (水)

自分から落ち着くのを待つ

我が家にもいますが、そもそもテンションが高い犬、興奮しやすい犬、いい意味で意欲的な犬はいます。
しかし、犬も人同様、冷静でいなければ、人の声は耳に届かないので、必要なときはテンションがあがってもいいのですが、普段からあがりっぱなしにならないようにすることも必要です。

もちろん、年齢を重ねていけば、多少落ち着きは出てくるかもしれませんが、子犬の頃から放置していれば、高いテンションのままという犬もいます。

楽しく遊ぶときはテンションが高くても構いませんが、作業をお願いしたり、日常生活の中では冷静でいることを教えてあげることも重要です。

例えば散歩に出ると聞いて、ほぼ半数以上の犬たちはワクワクしながらその瞬間を待っているので、その勢いで外に出てしまえば収拾がつかなくなるのは火を見るよりも明らかです。

そこで、玄関のドアを出るマナーを教えたり、玄関から外に出ても、どこかにダッシュで行かないことを子犬の頃から少しずつ伝えていくわけです。

一方では、警戒心が強くて、玄関から外に出られなくて困っていらっしゃる方もいて、そういう方にとっては、飛び出していく犬たちはうらやましいかもしれませんが、出た先が公道だった場合、車にはねられるかもしれないので、きちんと伝えることは大切です。

一人で散歩に行くのではなく、ハンドラーと一緒に行くことを教えていくのは犬によっては時間がかかりますが、早く先に進もうとせず、まず落ち着けるメンタル作りからしていくといいでしょう。
当然「落ち着け」と言ってもわからないので、落ち着ける環境で落ち着くのを待つことも大事です。

犬によっては外に出ると様々な環境刺激に飲まれてしまい、人の声すら耳に届かなくなる場合もあります。
いつも書いているように、家の中で出来ていることを、少しずつ外でも出来るようにサポートしていきましょう。

さて、今日は1歳になったばかりのK君のプライベートレッスンがありました。
おうちの中ではコミュニケーションも取れて、とてもいい子に育っていますが、犬種柄、外の刺激が大敵です。

それでも日々飼い主様が頑張ってくださっているので、自転車への反応も大分なくなってきました。

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思春期真っただ中なK君にとって、他犬の存在が今は何よりも気になるようです。
少しずつ、自分とは関係ないと学習してもらうことが重要ですね。

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2025年6月 3日 (火)

ひとつひとつを確実に。

昨日、ハードルを上げすぎないという話を書きました。
今日も似たようなことではありますが、新しいことを教えようと思ったら、
ひとつに特化して教えると、犬の理解は早まります。

例えば、「オスワリ」を教えようと思っているとき、ついでに「フセ」と言ってしまっていませんか?
出来るような気がして、オスワリした後続け手で誘導しながらて「フセ」と言うと、犬はなんとなくやってくれるので、人はついつい犬が理解しているような気になってしまいます。

しかし、実際犬に「フセ」と言うと、犬の頭のなかにはクェッションマークが飛んでいたり、とりあえずオスワリをしたりするということが起きてきます。
つまり、犬はまだ理解していないということです。

「オスワリ」を教えるのであれば、まず「オスワリ」の行動に特化して何度も繰り返してあげることが犬に伝える早道です。

最初はオヤツを持って誘導しても構いませんが、最終的にオヤツを持たず、ハンドラーが余計な動きをしなくても、犬が「オスワリ」と聞いてすぐに腰を下ろしてくれたとすれば、とりあえず、立っている姿勢からのオスワリを覚えたと言えるでしょう。

もちろん、伏せた状態からのオスワリも教えてあげないと、犬は伏せていても、一度立ち上がってからでないと「オスワリ」をしなくなってしまいます。
ひとつひとつ、犬の理解に合わせて伝えていくことが大事です。

そして、おうちの中でそれが出来たら、玄関先や、道路わき、公園と言った具合に、様々な場所で経験値をあげていくことで、完璧に「オスワリ」が出来るようになります。

競技に出る出ないにかかわらず、犬に動作を教えてあげることは一緒に暮らしていく中ではとても大事なことです。

犬の安全を確保するためにも、言葉はきちんと教えてあげましょう。

さて、朝から雨で外で練習ができなかった我が家のアシスタント。
なぜかバランスエクセサイズが大好きで、踏み台を出すと勝手に乗ってやり始めます。

いわゆる筋力アップの練習なので、人間から見るとそんなに楽しくないように思えるのですが、必ずトリーツが出ることもわかっているので、本犬はワクワクしております。

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2025年6月 2日 (月)

自信をつけるにはハードルを上げすぎない

愛犬と家の中で練習していると、いろいろなことが出来るようになりますが、
いざそれを外でやってもらおうとすると、犬は「???」になっていることが多いものです。

そもそも家の中と外では環境刺激が異なるので、気持ちをそがれて集中が取れないというのもひとつですが、家の中でやっていることを、外でもやるという習慣がないと、犬はなかなかその気にならないこともあります。

だからと言って、外で何かをさせようとすれば、犬は集中が切れて出来ない。
出来ないと褒められない。
褒められないと犬は楽しくないから、ほかの方に集中が向く(地面の匂い嗅ぎなど)。
するとお願いしても耳に届かないからできない。
出来ないから褒められない。

まさに負のループにはまっていくことになります。

外では、ハンドラーと目があっただけでも褒めることから始めると、
何かいいことが始まるかもしれないと犬は思うようになります。

難しいことをお願いするのではなく、簡単なこと(オスワリなど)でも、外ですぐやってくれたら、すご~く褒めてみてください。
犬の自信に繋がるかもしれませんよ。

一緒に歩くだけでも、顔を見てくれたら褒められる見習い。
ただいま右脚側強化中です。

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2025年5月28日 (水)

賢い犬は大変です。

犬が賢いことは多くの人が知っています。
しかし、いざ自分の犬のことになると、「うちの犬はバカだ」という人がいます。

日本人は謙遜の文化ですから、自分の子供もバカだという人が少なくありませんが、
本当に愛犬がバカだと思っている人は少なくないようです。

よくあるのが、
・覚えが悪い
・オヤツがないとやらない
など。

覚えの良しあしには確かに個体差があると思います。
性格的に頑固で、一度決めたことをなかなか変えたくない犬というのもいます。
トイレの場所などでは、飼い主が決めた場所じゃない場所の方が落ち着くので、そこでばかりするというのもあります。

オヤツに関して言えば、それは完全に人間側の問題で、犬に落ち度はありません。
オヤツが目の前になくても、ご褒美は必ず出るから大丈夫と伝えきれていない結果です。

賢ければ賢いほど、オヤツのあるなしも敏感に察知するので、そういう犬ほどきちんと伝えてあげないと、人間の遊びには付き合ってくれなくなります。
また、ご褒美をオヤツに頼っていることにも原因があります。
食べるもの以外にも、犬にとって飼い主さんを魅力的にするのは、犬と一緒に遊ぶこと。

要は犬にとってそれ楽しいかどうかなので、無理やり何かをやらせようと思っても、なかなかうまくいかないということになりかねません。

また、「『賢い犬種 』だと思って迎えたのに、悪戯はひどいし、全然言うことを聞かない。」という場合は、犬が退屈してしまい、その能力を持て余しているような場合があります。
同じパターンでは、すぐ予測して飽きてしまったり、人間の言うことに一貫性がないと、自分のルールで動くので、人の話を聞かない犬になっていたりすることもよくあります。

つまり、賢い犬ほど大変だということです。

まずは、犬にうまく伝えられているか。
犬が一緒にいると楽しいと思ってくれる飼い主なのか。
そんなところを見直してみると解決策が見つかるかもしれません。


今日は若いMくんのプライベートレッスンがありました。

飼い主さんと遊ぶことが楽しくなって、遊びの中にトレーニングを混ぜていくことで、動きもよくなってきました。

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もちろん、ご褒美はオヤツだけではありません。

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競技に出るわけではありませんが、そもそも動きが速くて賢い犬種なので、そのエネルギーを持て余さないように飼い主さんも頑張ってくださっています。

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2025年5月26日 (月)

ついつい言ってしまう禁止ワード

犬はとても賢い動物です。
いつも書いていますが、こちらが意図していないことも確実に学習しているので、思った通りに行かないというのはよくある話です。

つまり、こちらが無意識に言ってしまう言葉にたいして、犬は勝手に事象をリンク付けし、その言葉がトリガーになって、さらに犬の過剰反応を誘発する場合があるということです。

何やらわかりづらい内容ですが、
例えば、犬が怖がっているとき、人はつい「大丈夫」という言葉を言ってしまいます。
しかし、犬が「大丈夫」という意味を知らなければ、「大丈夫」と言われているときは、自分にとって怖いもの、あるいは怖いことが起こるときと予測するようになります。
現に、犬が怖いというサインを出しているのですから、犬のきもちは「怖い」という心理状態にあるわけです。

犬が自分で「怖い」気持ちを乗り越え、「大丈夫」を実感したときに、「大丈夫だったね。」という声かけをしていけば、恐らく「大丈夫」という言葉はポジティブな意味と学習されますが、怖がっているときに「大丈夫」を連発するとネガティブになります。

また、他犬とすれ違うたびに興奮してしまうような犬に対して、他犬が視野に入るたびに、「吠えないよ。」や「吠えたらダメよ。」と言ったことを、ちょっと語気を強めて言い続けていると、犬は他犬と遭遇する度に叱られているような気持になって、さらに他犬に対して嫌悪感を抱くようになってしまいます。
すると、他犬のオーラが安定している場合であっても、こちらから吠えてしまう状況になりかねません。

「行かない」「吠えない」と言った、「〇〇しない」という伝え方より、「オイデ」を使ったり、吠えていないときを褒めていくようにすると、少しずつ「犬を見ると褒められる」という法則が出来上がり、犬のメンタルも落ち着いてきます。

人はついつい犬のミスの方に目についてしまいますが、犬のいい行いをキャッチして褒めていくことで、犬の好ましい行動が増えるようにしていきましょう。

さて、昨日カウンセリングに伺ったLくん。
飼い主様とお話しているときは、ちゃんと足元で寝そべっている、いわゆるオフの状態が出来ているおりこうさん。
私との会話も、一生懸命理解しようと頑張ってくれました。

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生後11ヵ月、思春期真っただ中のL君は伸びしろがいっぱい。
これからが楽しみですね。

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