刺激への対処法は?
人間社会で日々当たり前に起こる様々な事象に関して、平常心を保てる犬は素晴らしい。
また、多少びっくりすることがあったとしても、リカバリーが速い犬はよく社会化されていると言っていいでしょう。
しかし、現実的には、様々な「物」や「事」に対して社会化トレーニングを行ってきても、100パーセント社会化できるとは限らないので、「社会化は犬にとって一生涯続くもの」といつも書いているわけです。
「社会化」とは「馴らしてあげる」ことです。
人間社会においてあたりまえに往来する、車、バイク、自転車、他犬、他人、走る子供、道端に置かれたゴミ袋や店先の上り旗、シャッターの開閉音、緊急車両のサイレンなどなど、毎日遭遇するものから、たまにしか遭遇しないものまで、多くの刺激に馴らしてあげることが「社会化」です。
全てにフレンドリーである必要はありません。
気にしないでいられることが大事です。
そのためのトレーニングの過程で、反応性が高くない場合は、普通でいられたら褒めてその行動を強化してあげればいいのですが、すでになにがしかの反応が出ている場合は、少しずつその刺激対象物に「馴らす」作業が必要になります。
では、日常の散歩で遭遇してしまう刺激対象物に対してはどう対処したらいいのでしょうか。
ここで重要なのは、刺激に対しての反応の度合いです。
どれくらい距離が取れれば大丈夫なのかが重要なポイントになります。
距離が取れない状態で遭遇してしまったときの緊急時どう対処すればいいのか。
一番簡単なのは、距離を取るために逃げること。
犬にやって欲しくない行動を取らせないためには、刺激に馴れていない状態で刺激と遭遇するのは出来れば避けたいので逃げるしかありません。
逃げられないときは、気持ちをそらしてあげること。
そんなシチュエーションで有効なのが食べ物や大好きなオモチャだったりしますが、犬が先に刺激に気づいてロックしたらそれも有効ではありません。
早めに気づいて気をそらすことが必要です。
オヤツを使って気をそらす方法に対して、一生オヤツ漬けになったら困ると思ってやらない人がいます。
そんなことはありません。
なぜなら、オヤツを見せて気をそらすのではなく、犬がハンドラーに対して意識を向けたことに対してご褒美としてオヤツをあげているからです。
つまり、犬の目の前にいつもオヤツをぶら下げているわけではないということです。
もう一つは鉄板のキューを作ること。
例えば「オスワリ」と言ったら、何があっても座ることと教えておくことで、飛びつきなどが回避できる場合もあります。
こういった対処法をその犬のレベルや状況によって使い分けながら、少しずつ刺激に馴らしていくトレーニングが別途必要になります。
一発殴って言うことを聞かせようとは思わないでくださいね。
今までやってきた行動パターンをすぐに変えることはできません。
時間をかけて、犬にとって「大丈夫」な気持ちを作ってあげることが大切です。
しかし、ここでもうひとつ大事なことは、犬は機械ではないので、行動変容が済んだからと言って、一生同じ状況が続くわけではありません。
犬にも感情はありますから、何か気に入らないことがあれば、今までやらなかった行動が急に出ることもあるでしょう。
油断は禁物ですね。
さて、今日も意識改革中のKさん。
お散歩とは、周りを気にして吠えることではなく、ママと一緒に楽しく歩くことと理解してもらうことが目標。
ママの意識が変わると、Kさんの意識も変化します。
人が近くに来ると吠えることが今は課題のKさんが、ママへの意識強化で、狭い道で人とすれ違ってもスルーすることができました。
座っているのは、ママがKさんのアイコンタクトに対してご褒美のオヤツをあげようとしたら、自主的に座っただけで、人が来たから座らせたのではありません。
気になるものが一つずつ減っていくといいですね。
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