子犬の社会化

2025年10月29日 (水)

嫌なことを受け入れてもらうためには

犬と暮らすことは、楽しいことばかりではありません。
犬のお世話も不可欠。
楽しいお世話もあれば、犬にとってはちょっと嫌なこともしなければいけません。

足拭き
ブラッシング
爪切り
歯磨き
シャンプー

これらどれをとっても、手抜きは出来ませんが、どの犬も喜んで受け入れてくれるわけではありません。

よくあるのが、初めてやったときは問題なかったのに、2度目にやったら嫌がって噛まれた。というケース。
初めの一回目は、犬も何が何だかわからずフリーズしていたために出来たけれど、2度目は犬が学習しているので、嫌なことをされまいと抵抗するというものです。

前足を触れることを好まない犬も少なくありません。
そこで、無理やり前足を引っ張られて拭かれたり、爪切りをされるとなると、犬は抵抗する可能性が高くなります。

そうならないために、最初のアプローチから、犬のきもちを考えて、いやにならないための工夫をしながらサポートしていくのが重要です。

効果的な方法のひとつが、リッキーマットを使ったもの。
リッキーマットとは、でこぼこしたマットの表面に、ペースト状のトリーツを塗ることで、犬がそれをなめている間に、少しずつ嫌なことが嫌でないかもと感じさせるためのものです。

ある意味気をそらすわけですが、気をそらしているからと、全部の足をいっぺんに爪切りしようと考えないこと。
短い間に嫌なことを済ませ、リッキーマットが出てくることを楽しみに待てるように行動と関連付けていくことがポイントです。

お散歩から帰って足を拭くことが日課だったK君も、玄関にリッキーマットを張り付けて、足拭きの間、トリーツを舐めてもらっていたら、足拭きに対して過剰反応しなくなり、最終的にはリッキーマットが無くても、落ち着いて足を拭かせてくれるようになりました。

犬が嫌がることをお願いするときは、一回では終わらないことなので、先を見据えて、ゆっくり馴らしてあげることが大事ですね。

チビの頃、リッキーマットで爪切りをしていた見習い。

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今もそんなに好きではありませんが、とりあえずやらせてくれます。

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2025年10月18日 (土)

洪水療法はリスキーです。

犬の社会化では、犬にいろいろなことを犬に経験させて、馴らしていくことが主な作業となります。
つまり、経験値をあげていくことが、その後遭遇する様々なものに対しても、「この前見たものと似ているから大丈夫」と自信をつけさせる一助となるからです。

しかし、いくら経験値が重要とは言っても、犬が警戒心から後ずさりしてしまうようなものに対して行う、「馴らす」作業には注意が必要です。

なぜなら、一度警戒心を持ってしまうと、すぐには受け入れづらいからで、これは犬に限ったことではありません。

「馴らす」作業では、最初からハードルを上げすぎないことがポイントです。

例えば、犬に対して警戒心が強い犬の場合は、遠くから犬を視界に入れて、何もネガティブなことは起こらなかったという経験値を増やしながら、他犬との距離を少なくするという工程が不可欠です。

犬が苦手な犬を急に、素性のわからない犬たちが走り回っているドッグランに投げ込めば、それはその犬にとって更なる恐怖心を植え付けないとも限らないので、限りなくリスキーと言えます。

このような方法は「洪水療法(Flooding)」と言われ、基本的には推奨されない手法です。

もちろん、凶ではなく吉と出るかもしれませんが、凶と出た時は、その後の犬の一生にかかわる大きなトラウマになって、ハンドラーと犬との信頼関係を再構築できなくなるかもしれないため、リスキーと言われているわけです。

蛇の嫌いなインディ・ジョーンズが、蛇の穴に落ちた時の気持ちと同じと考えましょう。
果たして、インディは蛇を克服できたのでしょうか。

そうならないために、苦手なものに対しては、距離を少しずつ縮めながら、
犬自身が「大丈夫」と確信できるまで、ゆっくり社会化を進めていくことが重要です。
くれぐれも、犬に負担をかけないことが大事ですね。


さて、我が家の見習いは他犬反応があります。
いわゆる、スルーできないので、社会化不足とも言えます。

犬と遭遇すれば、挨拶しようと興奮し、そばまで行けばお腹を出してひっくり返る。
ある意味、ウェルカムというより、「私には敵意はありませんので、くれぐれもよしなに・・・。」と言っている感じです。

そもそも、平常心が保てていれば、初対面の犬にお腹を見せる必要はありません。

いずれにしても、他犬に興奮するので、急に見ず知らずの犬との距離を縮めることはありません。
まずは、距離をとって、平常心を保つことが最優先。

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大丈夫とわかれば、リードを緩めて、見習いの選択肢に委ねます。
もちろん、過剰な反応が出ているときは、呼び戻して落ち着くのを待つことも大事。
相手がある場合は、相手の気持ちも考えないといけません。

「社会化」とは、他犬と仲良くすることではなく、いちいち気にしないで平常心を保てること。

見習いの修行はまだまだ続きます。

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2025年9月15日 (月)

なぜ散歩で歩かない?

我が家の犬たちは幸い散歩は楽しそうに歩いてくれますが、クライアントさんからは、「歩かない」「行きたがらない」というお話もよく聞きます。

なぜ行きたがらないのでしょうか。

以前見させていただいたワンコさんは、怖くて外に出られない子でした。
様々な音が苦手で、家から一歩も出たくないと言われ、飼い主さんが困って連絡をくださいました。

そこでお願いしたのは、時間をかけること。
無理やりリードを引っ張って外に出ても、直ぐに座り込んだり、音がするたびにビクビクしてフリーズしてしまうので、その子にとって、散歩は拷問でしかないと感じていたので、少しずつ「音がしてもあなたには関係ないから大丈夫」と自分で納得する時間を取ってあげることから始めました。

長めのリードを付けて、本犬が歩きたい。飼い主さんと一緒に行きたい。と思えるようになるまで待ち、結果お散歩に出られるようになりました。

時期によっては、不快な気温や地面の暑さが原因となって、外に行きたがらない犬もいます。
小型犬であれば、アスファルトからお腹までの距離が近すぎて、蒸し焼き状態になると感じれば、当然外は楽しい場所ではありません。

あるおうちでは、飼い主さんが愛犬のためと思い、沢山散歩に行かなければと、仔犬のうちから長時間歩かせすぎて疲弊させてしまい、仔犬にとって散歩は苦行のようになってしまい、「行きたくない」と主張される場合もあります。

つまり、散歩に出るメリットを感じていない犬にとっては、散歩は苦痛でしかないというわけです。
しかし、その犬にとって楽しいことが起きるシチュエーションを散歩中に取り入れてあげることで、散歩も悪くないと思えるようにすることは可能です。

散歩に出て、どんどん家から遠ざかっていくと思うと、不安でスピードが落ちてしまうのであれば、家の周囲を何周でもまわってあげることから始めると安心するかもしれません。

犬は散歩が好きなもの。とか、犬は猫と違って食べ物を残さない。と言われていたことが変わりつつある昨今。
社会化も含め、様々な経験を少しずつ増やしたり、十分な運動量を確保してあげることで、少しずつ問題が解決していくこともあります。

ハンドラーが犬の様子を観察しながら、犬の抱えている問題や勘違いを少しでも解決できるといいですね。

先日、匂い嗅ぎがひどくで、散歩がままならない方のお話を聞きました。
オス犬だから、電柱の匂いをかがせなければいけないと思い込んでいた飼い主さん。

匂い嗅ぎが悪いわけではありませんが、人よりも秀でた嗅覚を持っている犬たちにとって、わざわざ電柱に鼻を押し付けなくても、空気中に漂っている浮遊臭で、ある程度誰が通ったかぐらいはわかる犬たちです。

電柱の横を通り過ぎただけでもすぐに識別できるので、満足いくまでじっくりかがせなくても、「行くよ」と声をかけたら、直ぐについてきてくれるようになりました。

好きなだけ嗅いでいいよ。と時間をあげれば、犬たちはずっと嗅ぎ続けて自分の世界に入ってしまう子もいます。
それを良しとするか、直ぐに切り替えて欲しいと考えるかは飼い主さん次第。

愛犬とうまく折り合いをつけていくことが大事ですね。

さて、我が家の見習い。
女子なのに、道路にされた排尿の跡が気になって仕方がありません。
場合によってはマーキングすることもあります。

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私としては、これ以上公共の道路にシミを残したくはないので、気になっていると思っても、声をかけて立ち止まらないように促します。
マーキングは生理現象なので、お任せしてしまえば、習慣になってしまいます。
オス犬であっても、小さいころからマーキングの習慣が無ければ、あちこちで足をあげることはしません。
ここならいいよ。と言う場所で散策してから足をあげるようにコントロールすることは可能です。

それを、可愛そうと思うかどうかも飼い主さん次第。

上手にコミュニケーションが取れるといいですね。

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2025年9月 3日 (水)

ドッグラン、行く?行かない?

犬を飼い始めると、「犬の友達を作らなければいけない。」と悩む飼い主さんは少なくありません。
犬と仲良く遊べないと「社会化できていない」と思われてしまうからです。
本当にそうでしょうか。

犬同士、仲良く遊べない犬は社会化が出来ていないのでしょうか。

犬は人間と違い、体格が50倍も違うこともあります。
サイズの違う犬同士、遭ったときから違和感なく挨拶が出来る犬もいれば
警戒したり、怖がったりする犬も少なくありません。
ましてや一緒に遊ばせるとなったら、リスクが大きすぎます。

「社会化」とは犬や他の様々なディストラクションがあっても、平常心を保てること。
決して仲良く遊ぶことではありません。
ポジティブであろうとネガティブであろうと、興奮しないことが大事。

もちろん、ドッグランなどに自由運動に出かけることはいいことですが、
目的が犬と遊ぶことにしてしまうと、犬は飼い主さんよりも犬との遊びを優先するようになります。

競技犬であろうと一般家庭犬であろうと、犬にとっての一番は飼い主さんであって欲しいもの。
そのためには、飼い主さんの呼び戻しにきちんと反応出来るようになってから、
ドッグランを楽しんで欲しいと思います。

我が家のアシスタントは、小さいころから犬への関心がなかったため、
しつこくされることが好きではないので、ほとんどドッグランには入っていませんが、
見習いは、呼び戻しが出来るようになってからドッグランに連れて行きました。

犬との距離感を確認するためでしたが、自由奔放に一人で走っていた黒い顔の見習いは
常連さんたちに嫌われたようで、すぐにターゲットにされてしまいました。

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幸い、見習いはフレンドリーな性格なので、犬に対してアグレッシブにはなりませんでしたが、
呼び戻しは出来ても、この状況だと、恐らく戻ってこられません。

愛犬を守れるのは飼い主だけ。
よく状況を確認してから利用するといいでしょう。

ドッグランを利用する前には必ず周りの様子に馴らしてから入るようにしましょう。

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空いている時間帯を狙って入り、呼び戻しができるかどうかを確認します。

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犬がちゃんとハンドラー(飼い主さん)の位置に意識を持てるようになってから
ドッグランを楽しんでください。
ハンドラーが安全地帯だと犬が認識することが大事ですね。

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2025年7月26日 (土)

問題行動の対処法

犬と暮らすことで、人にとって犬の行動が「問題」となる場面は沢山ありますが、ある程度は、人間側の物理的な環境設定によって防ぐことが可能です。
つまり、問題が出るであろうことを予測して、問題が出る前に、問題が出ない環境を犬に提供するということです。

簡単な例を挙げれば、「ゴミ箱漁り」は、犬がアクセスできない場所にゴミ箱を置くということ。
ちなみに我が家のごみ箱は犬が届かない場所に置いてあります。
蓋付にしたり、電動式にしたりと、犬が食べ物の残りだったり、危険なものを口にしないでいいようにするということです。

物理的ではない環境設定においては、犬の問題行動が出る前に、出ないことを褒めたり、問題行動と相反する行動を褒めるというもの。

散歩中刺激になりえるものを犬が見てしまっても、冷静でいられたら褒める。
他犬と遭遇しても、興奮していなかったら褒める。
人に跳びつくシチュエーションであれば、跳びつく距離感の前にオスワリ出来たら褒めるなど、その行動が出づらい状況を作って、やらなかったことややって欲しいことが出来た時に褒めることで、改善の道を探ることができます。

犬にとっては「△△しないで!」と教えるより、「〇〇してね。」と伝える方がわかりやすいので、犬の行動の上げ足を取るのではなく、いい行動をキャッチして褒めておく方が、人にとっても犬にとってもストレスレスです。

さて、我が家の見習いは、様々なディストラクションを加えた練習会で、一番気持ちをそがれたのが、人による「こんにちは~。」や「こんばんわ~。」の挨拶の声でした。

動画を撮っておけばよかったのですが、伏せているのに、声が聞こえると途端に尻尾がパタパタ。
声だけでこれだけ反応するのですから、近づいてこられたら挨拶しにいくことは明らかです。

かつて、我が家のアシスタントも若いころに、挨拶の言葉がトリガーになって、興奮していたことがありました。
その時は、誰もいなくても、歩きながら「こんにちは。」「おはようございます。」と言い続けていたら、彼は何も起こらないと理解して、興奮しなくなった経緯があります。

フレンドリーなのは有難いのですが、興奮し過ぎはNG。
犬に対しても同様なので、挨拶に行かなかったら褒めて遊びます。

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性格はいいので、犬に対してネガティブな感情は持たせたくありません。
「いけない!」と叱責すれば、犬と遭うこと自体が彼女にとってストレスになるからです。
そもそも、たとえ叱っても、何がいけないのか伝わらないことが一番大きな原因ですね。
時間をかけても、許可なく勝手に挨拶には行けないことを伝えていきます。

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2025年7月24日 (木)

社会化はつづく

今は「仔犬の社会化」を知らない人はほとんどいないと思いますが、その「社会化」はいつまでやらなければいけないだろう。と思う人は少なくありません。

「子犬の頃にちゃんと社会化したから、もう大丈夫。」かもしれません。
その時期にあらゆる社会化ができていれば、その後怖いものを見ても、「般化」によって、興奮からのリカバリーも速くなるので、大きな問題にはなりません。

しかし、犬には個体によって気質が異なります。
人間と同じで、「気にしない」と感じる人もいれば「気になる人」もいるので、個体に合わせた対応が不可欠です。

つまり、個体によっては、日々の生活の中で、社会化は続けた方がいいということ。

今日散歩中に、道に落ちていた真っ黒い物体。
私も一瞬「?」と思いましたが、見習いも気になったようで、遠目に「ヴーッ」と声が出ました。
それに関しては、私は何も言いませんでした。
彼女は「あれ、怪しいわ。」と言っているだけだからです。

しかし、自分から近づいて行って、大丈夫と判断したら、そのまま気にせず歩き続けました。
もちろん、アシスタントは全く意に介していませんでした。
経験値の差でしょう。

練習場には、朝のお散歩に集まった人たちがいたので、人や犬が大好物な見習いのディストラクション練習。

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落ち着いていられたことを褒めてベースに戻り、飼い主さんたちにお礼を言いに行きました。

その間、犬たちはセトル(落ち着いて待つ)。

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言われなくても、どうすればいいのかわかっていることが大事。
アシスタントは問題ありませんが、見習いはまだまだなので、敢えてこういうシチュエーションで練習します。

いつもお相手してくださるご近所の皆様に感謝です。

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2025年7月22日 (火)

犬の興奮対策

犬が興奮する原因は様々です。
「ディストラクション」の話でもよく出てきますが、ポジティブな興奮とネガティブな興奮とに分けることができます。

ポジティブであろうとネガティブであろうと、犬が平常心を失ってしまうほど興奮するような場合、その原因となるものは犬にとっての「ディストラクション」です。

では、その興奮にどう対処するのか。

そもそもは、その刺激対象物から距離を取って、少しずつ平常心が保てるように馴らしていくことから始めるのがいいのですが、それ以前に、刺激対象物に気持ちを持っていかれないように、ハンドラーとの関係性が出来ているのが一番いいわけです。

そうは言っても、仔犬や、経験値の少ない若い犬にとって、刺激は大敵(ポジティブであれば大好物)で、ハンドラーの魅力より強いことも多々あります。
ではどうすればいいのか。

初めは、刺激からの距離を取って、犬にとって刺激になっていない状態にすること。
次に、犬が刺激の元を視認しても、平常心を保てる距離で、平常心でいながら、ハンドラーにフォーカス出来たことを褒めます。
ひとつひとつのレベルで、必ず犬が褒められる状況を繰り返し練習しながら、刺激との距離を詰めていき、最終的には刺激に馴らしていくことがとても大事なプロセスです。
専門用語では「脱感作」と言われます。

さて、今日は若い男子K君のプライベートレッスン。
目下の問題は、テレビで流れるスポーツ番組への過剰反応。

昔のテレビと異なり、今の大画面テレビでは、映る映像も巨大。
特にスポーツ番組は、人が走り、ボールが飛び交ったりして、動くもの全てに反応しやすいハーディング系の犬にとっては大好物。

テレビの仕組みが分かっていない犬の場合、画面に突撃したり、画面の裏にまわったりして、画面の中のものにアクセスしようとします。

K君も例にもれず、動くものは気になるようなので、今日は実践対策。

テレビから少し離れた場所で、ハンドラーフォーカスを高めてから、テレビを付けて、反応しないことを褒めていきます。
敢えて、フセやスワレ、ましてや「ダメ!」も言いません。
興奮している犬を大きな声で叱っても、耳に届かないからです。

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ここで大事なのは、犬に見せないのではなく、見ても気にしないでいられるようすること。

よくある、散歩中の他犬反応も同じ対策です。
見せないようにするのではなく、見てもトリーツが食べられる距離から始めることが大事です。

好ましい行動が出たらすかさず褒めることで、テレビに行くよりも、ハンドラーの近くにいた方がいいと刷り込んでいく必要があります。

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もちろん、頑張ったあとは、ボール遊びでリラックス。

少しずつ、時間をかけて学習してもらうことがポイント。
一回や二回では修正できませんので、忍耐強く続けていきましょう。

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2025年7月21日 (月)

週末はセミナーに参加してきました

週末は清里で開催されたドッグトレーニングのセミナーに参加してきました。
内容は、「プレパピーセミナー」と「遊びセミナー実践編」です。

初日のプレパピーセミナーでは、これから仔犬を迎えようと考えている人や現在仔犬と暮らしている人、そして犬関連の仕事をしている人が参加されました。

子犬は体が小さいので、ついつい人間の意のままに出来ると考えている人は少なくありません。
意のままにできれば、いい子になって、自分の言うことを聞く子に育つ。
そう思って、力で無理やり言うことを聞かせようとしてトラブルに発展することが沢山あります。
よくある「うちの子噛むんです。」というお困りごとは、まさにその結果とも言えます。

そうならないために、どうやって仔犬の頃からコミュニケーションを取っていくのかを細かいステップで観ることが出来ました。

2日目は遊びセミナー実践編。
愛犬とのコミュニケーションの始まりは遊びから。
遊び一つをとっても、犬が楽しんでいるのか、犬が嫌がっているのか、そんなところをちゃんと見極めないと、良好な関係性は築けません。
遊びを通してのコミュニケーションから、人への信頼関係、親和性、様々なものが作り上げられていくので、ドッグスポーツを楽しむ人に限らず、一般の家庭犬にとっても大事な犬との遊び方。
簡単そうで実は奥が深い。

2日間のセミナーは、今までお伝えしてきたことの再確認だけでなく、様々なヒントが盛り込まれ、当然のことながら、我が家の犬たちにも実践できる内容で、とても勉強になりました。

講師を務めてくださったシュークレーム翔子氏の言葉、「人が変わらなければ犬は変わらない。」は、「犬を変えようと考える前に、自分が変わらないといけない」ことを改めて実感するものでした。
これは人間関係にも通じることですね。

さぁ、これから少しずつアプトプットしていきましょう。

セミナーの合間の犬たちとのリフレッシュ時間。

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2025年7月 1日 (火)

子犬の社会化

子犬にとって社会化が重要なのは明らかですが、ワクチンプログラムの関係で、子犬がなんでも受け入れてくれる時期に自力で散歩に出るのは難しいのが現実です。

そこで、一般的にお願いしているのは「抱っこ散歩」
子犬が自分の足では歩けない時期から、抱っこで外に連れ出し、様々な生活音に馴らしたり、実際に目の前を走りすぎる車や自転車、人や犬を目視させて、いちいち反応しなくていいことを教えていくわけです。

子犬は日々育っていくので、中型犬より大きくなると、抱っこができなくなります。
そこで登場するのがカート。
カートに乗せて、社会化散歩を楽しんでもらうわけです。

我が家は大型犬2頭とのくらしの後、中型犬との暮らしになりましたが、カートは子犬だけでなく、歳を取った犬の散歩のサポートにも使えます。
初代のボーダー・コリーは抱っこ散歩で頑張りましたが、シニアになってカートを購入してからは、子犬が来るとカートで移動するようになりました。

近所をただ散歩するだけでなく、今後犬たちにとって大きな刺激となりそうな車やバイクを見せに幹線道路沿いを歩いたり、交差点で行き交う車を見せたり、公園の中ではドッグランやスケボーのバンクなどを見せました。

おかげで、我が家の犬たちはバイクや自転車、キックスケーターもスルーできています。
要は,犬たちにとって周りにあるものは景色の一部でいちいち一喜一憂しなくてもいいと理解してもらうこと。


さて、今日はパピーさんのレッスンがありました。
カートも準備していただいたので、初カート散歩。

車の走る音だけでなく、風の音、エレベーターの乗り降り、空を飛ぶ鳥など、初めてが盛りだくさん。

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そんななかで、落ち着いていられたら、褒めてフード。
フードが食べられるのはメンタルが落ち着いている証拠。

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自分の足で歩けるようになるまで、少しずつ経験値をあげてもらいます。

かつて社会化のひとつに、「何人もの人に会って抱っこしてもらうのがいい」というのがありました。
確かに人にも馴れてもらうことは大事なことですが、「抱っこしてもらう」と言うのは無理があります。
なぜならそこに子犬の選択肢がないからです。

子犬がもし自分から寄っていくなら問題ありませんが、無理やり抱っこするのは子犬の意思を無視してしまうことになります。
社会化は子犬の意思を尊重しながら行う必要があります。
そして決して無理をしないこと。

これからが楽しみなEさんでした。

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2025年5月29日 (木)

子犬の社会化

子犬の社会化が重要ということを全く知らない飼い主さんはほとんどいないと思いますが、どう重要なのか、実際どのようにすればいいのかを完璧に理解している人はまだまだ少ないようです。

実は、本来子犬の社会化はブリーダーさんのおうちにいるところから始めてほしいと思っています。
しかし、意識が高いブリーダーさんでなければ、到底そこまで望むのは難しいかもしれません。

子犬を育てるいい環境と言うと、自然豊かな場所を想像しがちです。
もちろん、広いバックヤードや、自由運動ができる場所は重要ですが、その環境にプラスして、子犬の受容性が高いときに、敢えて生活音や人間社会の騒音にさらしてあげることが子犬のこれからを考えると不可欠です。

かつて知り合いのブリーダーさんは、生後1か月を過ぎたころから車に子犬たちを乗せて、幹線道路の片隅で騒音や様々な人間に馴らすというひと手間をかけていました。

子犬はブリーダーに残る子以外は必ず新しい家庭のもとに旅立っていきます。
どんなところに行くかは全くわからないので、どこに行ってもやっていかれるようなサポートが大事ですね。

かつて、郊外のブリーダーさんからやってきた子犬を散歩に連れ出そうとしたところ、まったく動けず、玄関からも出られないとご連絡をいただきお伺いしましたが、子犬が玄関から門まで自力で歩けるようになるまで1週間。
門から出て歩き始めるまでにさらに数レッスン。
実際門から出て歩けるようになっても、車の音やバイクの音が聞こえるたびにフリーズし、オヤツも口にできないほどでした。

ご近所の公園にたどり着くまで1か月以上かかったような記憶があります。
もちろん、たどり着けても、自信を持って歩いているわけではありません。
しかし、飼い主さんも頑張ってサポートしてくださったので、その子は普通の生活ができるまでになりました。

個体の性格にもよりますが、小さいころから経験値を増やしていくことが重要です。

もちろん、大事な時期に社会化がうまくいっていなかったとしても、犬は日々成長しているので、犬のペースに合わせて、少しずつ馴らしていくことで、犬の「大丈夫」を増やしてあげることができます。
焦らず、根気よく。ですね。

ちなみに、我が家の見習いは、生後2ヵ月半のとき、公園のスケボーコーナー脇で馴致。

時折、自転車のお兄さんや騒ぐ子供の声に耳を澄ましながらも、

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持って行ったオモチャで遊ぶ余裕もあり。

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今でもオモチャには目がありません。

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