子犬生活

2023年11月23日 (木)

叱らないパピー生活

子犬を迎えると、ついつい「ダメ!」や「イケナイ!」を連発してしまう方が少なくないようです。

どんな時に子犬を叱ってしまうのでしょうか。

トイレの失敗?
いたずら?
甘噛み?

「ダメ!」や「イケナイ!」と言うことで、果たして犬は理解できるのでしょうか。

もし、一度でその行動が治っていないとすれば、子犬には伝わっていないということになります。
大きな声で圧をかけることで、犬は一瞬ひるみ、その行動が止まることはあっても、理解出来て二度としなくなることはありません。
もし二度としなくなることがあれば、その時子犬はトラウマに近いものを受けているに違いありません。

何度も何度も繰り返し犬を叱らなければいけない状況は、恐らく犬だけでなく、ハンドラー(飼い主)にとっても大きなストレスではないでしょうか?

そんなことでもし悶々としている方がいたら、一度、なんで子犬を叱ったのかよく考えてみましょう。

例えばトイレの失敗。
決まったところでなかなかできないのであれば、失敗しづらいような環境を作ってみてはいかがでしょうか。
場所だけでなく、トイレに行きたくなりそうなタイミングで、トイレスペースにいざなってみるというのもひとつです。

例えばいたずら。
噛んで欲しくないものを噛むのであれば、子犬が小さいころは、お口や手が届くところに、悪戯されては困るものを置かないという方法があります。
また、目が届かない時間は、クレートやケージを利用して、物理的に行動範囲を制限することもできます。

例えば甘噛み。
本当に遊んで欲しくて甘え噛みをしているのであれば許容し、興奮してエスカレートして噛みが強くなってきたときは、遊び自体を中止し、子犬が落ち着くまで一度距離を取る(ケージで休憩)ことも出来ます。

なんでも「ダメ!」や「イケナイ!」と言う前に、そういう状況を減らし、子犬が自然とやっている好ましい行動、例えば跳びつかないでオスワリをしたり、上手にトイレを成功させたり、噛まずに舐めてくれたりしていることをきちんと褒めてあげる方が犬にはわかりやすいものです。

さて、今日は生後6か月のAさんのプライベートレッスンがありました。
そもそも遊び好きな犬種でもあるボーダー・コリー。
何とかして飼い主さんの気を引こうといろいろ考えて行動しています。

活動的な犬種の場合、一緒に遊ぶことはとても重要です。
「人と遊ぶことが楽しい」と思ってもらえるよう、人間も頑張らなければいけません。

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さらに、繰り返し「放せ。」と伝えたところ、すぐに言葉の意味を理解してくれました。
もちろん、さらなる繰り返し練習は欠かせません。

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知らないうちに賢いAさんのペースに引き込まれないように、人間もいろいろ考えて行動しなければいけませんね。

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2023年10月31日 (火)

愛犬の排せつ物、どのように処理していますか?

これは「拾って帰る。」という次元の話ではなく、持って帰ったものをどうするかということです。

これは毎日のことなので、みなさん当然何かしらの処理をしていると思いますが、気軽に人間のトイレに流している方も少なくないのではないでしょうか。

基本的には、これはおすすめできません。
とりあえず家の便器から流れていくので大丈夫と思われがちですが、実際は詰まる可能性が高いからです。
特に中型犬以上で、いつも硬めのしっかりしたブツを処理していらっしゃる方は、便器に流すのは危険です。
戸建ての住宅の場合、すぐに外に下水道管に直結しているから大丈夫と思う方もいらっしゃいますが、二階のトイレの場合は、家の中の配管内で詰まるリスクがあります。

集合住宅の場合、配管径は戸建てよりも大きいかも知れませんが、専門家ではないので何とも言えませんが、万が一詰まらせたときの修理はとても大掛かりになるはずです。

実はこの話、昨日クライアントさんと猫談議になった時にでたのですが、猫の排せつ物だけでなく、犬の排せつ物の処理も、出来ればゴミの日に安全に出すようにすると、リスクを回避することができるでしょう。

トイレに流す前に、ちょっと考えてみましょう。


そして、排泄に関してももう一つの話し。

今日練習会の時に出たのですが、愛犬のオムツ(マナーベルトなど)がはずせないという話を聞きました。

そもそも、オムツはなんのためにするのか。
人間の場合、まだトイレを教えられない赤ちゃんは当然オムツをしています。
しかし、次第に自分で「トイレ」と言えるようになって、たまに失敗することがあったとしても、次第にパンツに移行していきます。
そのためにも、昔はなるべくお出かけの時以外は布オムツを使って、不快感を感じさせることも重要とパンツに移行しやすくなると言われていました。
今はどうなのでしょうかね。

一方犬の場合はどうでしょうか。
トイレを覚えるためには、トイレの場所を教えることから始めます。
しかし、トイレの場所を認識できるようになれば、トイレのキューも理解できるようになり、トイレの失敗も少なくなります。

今は犬と一緒に入れる施設は沢山あり、トイレの失敗をさせないようにマナーベルトの着用を義務付けしているところもありますが、日常では、オムツを使用しなくても生活できるようにトイレトレーニングをしてあげることが、何かを装着される不快感も含め、犬のストレスを軽減できるかもしれませんよ。

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2023年10月23日 (月)

名前にはポジティブな印象付けを。

子犬が来たら当然名前を付けます。
そして可愛い子犬の名前を、意味もなく連呼していたりします。

〇〇ちゃん、可愛いねぇ~。
〇〇ちゃん、どうしたの~?
〇〇ちゃん、お腹空いたの~?
〇〇ちゃん、なんで吠えるの~?

そして、場合によって、と言うより、必ず出てくるのが、

〇〇ちゃん、ダメ~!

子犬のあらゆるいたずらやトイレの失敗などのネガティブワードです。

家族の中心になっている子犬なので、みんなが名前を呼んで、いろいろ言っているのは仕方がありませんが、出来ればそれだけで終わって欲しくないものです。

つまり、名前の価値をちゃんとあげることが大事だということです。

価値をあげるとはどういうことでしょうか。

それは、子犬が名前を聞いたら、飼い主の元にすっ飛んでくるくらいにして欲しいということです。

そのためには、まず子犬の名前とネガティブワードを一緒に使わないこと。
人間の子供でも、自分の名前を呼ばれるとき、怖そうな声のトーンや次に来るネガティブワードで、隠れたくなったりするものです。

そうならないために、子犬の名前を呼ぶときは、必ず子犬にとって楽しいことが起きると刷り込んでおかなければいけません。
そうすることで、外で楽しそうに遊んでいても、呼ばれたら走って戻ってくる犬になるはずです。
※もちろん、思春期に入れば、他の物に気を取られて、ハンドラーの声が耳に届かないことも後々出てくるので、出来る限り名前に対する印象を良くしておくことは不可欠です。

どんなに頑張っても、名前だけで飛んで来る犬にするのはとても大変です。
訓練競技などでは「招呼」という呼び戻しの課目があるので、我が家では名前だけで飛んで来るように教えていますが、様々な刺激がある日常生活ではなかなか難しいものです。

そこで、次に必要になるのが「オイデ」や「オスワリ」、「マテ」などの行動をきちんと教えて、その行動を名前の次に言ってあげることです。
つまり、「〇〇ちゃん、オイデ♪」や「〇〇ちゃん、オスワリ。」のように、何をやって欲しいのかきちんと伝えることが重要です。
ただ、名前を呼んだだけだと、「聞こえてるわよ。用事があるならさっさと言ってよ。」という具合に、まったく反応してくれないことも出てくるからです。

要は、名前を無駄に呼ばず、大事なことをきちんと伝えて、犬が理解しやすいようにすることです。

阿吽の呼吸になるまでは、きちんと大事なことを伝えることは不可欠ですね。

さて、今日は1歳すぎのPくんのレッスンでした。

おうちの中で、「オイデ」や「ツイテ」などの練習をやってくださっているので、今日は外でも出来るように練習しました。

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刺激が少ない場所でしたが、Pくんはちゃんと飼い主さんの声を聴いて行動することが出来ました。

日々の練習の賜物ですね。

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2023年9月29日 (金)

ドッグトレーニング:興奮しても声が届くように

子犬は産まれて数週間すると少しずつ性格が出てきます。
同じ親から生まれても、当然個性があるので、皆同じではありません。

ガチャガチャと動き回る子、周りの犬の様子をよく観ている子、調子のいい子、いつも出足が遅れる子など様々です。

ドッグスポーツなど、アクティブなことをしたいと思うと、ついつい動きのいい犬を選びがちですが、実は運動性能よりもメンタルを重視することが多いのです。
もちろん、運動性能はいいに越したことはありませんが、メンタルの比重に重きを置くハンドラーは少なくありません。

これはドッグスポーツに限らず、一般家庭犬においても同様です。
様々な刺激に対して、過剰に反応して動き回る犬よりは、落ち着いたメンタルを持って、人間社会に適合してくれる犬の方が一緒に暮らしやすいからです。

我が家のボーダー・コリーたちも皆違うので、個人的にはいろいろ楽しませてもらっていますが、落ち着いた犬と一緒にいる時間は、なんとも気持ちがいいものです。

もちろん、ドッグスポーツをやっているときは、犬たちの素晴らしい身体能力の高さに感動しますが、冷静さを欠いてしまうと、ある意味厄介です。
我が家の口癖は「〇〇ちゃん、聴いてる?」

つまり、人の話に耳を傾ける冷静さが重要と言うことです。
何もしなくても、そういう犬になるわけではありません。
手抜きしないで、きちんと伝えていくことが大事ですね。

きちんと伝えてあっても、周りの刺激に翻弄される犬たちは少なくありませんので、少しずつ「冷静」でいられることを教えていかなければいけません。

今朝、犬たちのトイレタイムのときに、すぐそばを犬が通って行きました。
残念ながら見習いが一声吠えたら、相手も吠えて興奮し、さらに通りがかりの犬も興奮して吠えて大合唱に。

幸い「フセ」のキューでアシスタントと見習いはその場で伏せてくれたので、他犬同士の喧騒に巻き込まれることはありませんでしたが、興奮マックスの時に人の声が耳に届くようにするには日々の練習が欠かせません。

今日のプライベートレッスンでは、身体が大きいA君に、興奮してもオスワリ出来るような練習をしました。

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いくら大人しいA君でも、身体が大きいと、動いただけでもお子さんが転ぶ可能性もあります。
座ってご挨拶ができるように、「オスワリ」を鉄板にしたいですね。

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2023年9月24日 (日)

楽しいことなら、子犬はどんどん吸収していきます。

今日はパピーレッスンがありました。

人にも犬にもフレンドリーなPくん。
私が行くことも大きなディストラクションになっていて、大歓迎の後、興奮しすぎるとマウントまですることもしばしば。

マウントは別にマウントを取ろうというのではなく、犬同士の遊びのひとつでもあるのですが、出来れば人間にはやって欲しくないと思う方は少なくありません。

Pくんは、飼い主さんにはやらないので、やられる相手はお友達の飼主さんや、Pくんが興味のある人。
ということで、そういうときは、「ダメ」と言うより、Pくんを呼び戻して気持ちをリセットさせてあげる作戦にしました。

呼び戻しの練習は日常的にやっているPくん。
今日は私との挨拶で興奮する前に呼び戻す練習を繰り返していただいた後、ちょっと興奮の度合いをあげてマウントしそうになったときに呼び戻して頂いたら、なんとPくん二つ返事で戻って行きました。
ちょっと寂しい感じがするほどクールな戻りにびっくり。

日々の練習の成果ですね。

呼び戻しのあとは、脚側に来てもらう練習を追加しました。

呼び戻されると、飼い主さんの足元で、正面から飼い主さんを見ながら座れるPくん。
そのあとに、飼い主さんの横につくように誘導してあげたら、これもすぐに理解してくれたPくん。

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Pくんはトレーニングを楽しいゲームと考えていてくれるので、どんどん学習が進んでいきます。

強制せずに、Pくんの自発性や考える力を尊重していくことで、集中力もどんどんあがります。
もちろん、少しやったら休憩を取って、頭をクールダウンさせてあげる時間も大切ですね。

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2023年9月16日 (土)

「咬む犬」と暮すこと

先週「人と動物の共生大学」のライブ配信で「触れない犬の行動療法の実際」というライブ配信がありました。
私は主催イベントで遠征していたこともあり、帰ってきてからアーカイブをゆっくり見ました。
獣医行動診療科認定医である奥田順之氏のお話です。

「触れない犬」とは触られることを嫌悪し、咬むというものです。
触る触らないに限らず、犬の咬みつき行動には様々な原因がありますが、どんな原因であったとしても、犬が嫌がっていることで「咬む」行動を選択していることに違いはありません。
※喜んで興奮しすぎて咬むのとではダメージが違います。

いくつかの症例のビデオを観ながら解説をされていましたが、小型犬であっても「咬む力」は相当なものですから、無傷でいられることはほとんどありません。
実際私も飼主さんが触れない小型犬に対し、緊急を要することで手を出さざるを得ず咬まれ、その後瘢痕化したため、治癒にはかなり時間がかかりました。

「咬む犬」の行動修正として、かつて某放送局が現場の実態を放映したこともありましたが、対処の方法はいくつかあったとしても、犬にとってストレスや負荷をかけすぎず、咬みつき行動を減らしていくには、その原因となることを人間がしないこと、あるいは、そういう環境に犬を追い込まないことが重要なポイントになります。
つまり、「咬みつきスイッチ」が入りづらい状況を続けていくことで、「咬む」行動の閾値があがり、ちょっとイラっとしてもすぐ咬む行動に出づらくなるようにするということです。

人と暮していく犬にとっては、嫌なことを全くしないで一生暮らすことは出来ません。
トリミング、爪切り、ブラッシング、獣医師の診察等々、犬にとって楽しくない状況は必ずついてまわります。

嫌なことを嫌なことと刷り込まないために、人間側が犬のきもちになってサポートしていくことが重要になります。

幸い我が家には、私を咬む犬は一頭もいませんでしたが、獣医師が苦手な犬が一頭だけいます。
獣医師を転々としたり、ハズバンダリーケアを施したり、診察をしなくても病院に何度か通わせてもらったりと、いろいろ試しながら暮らしています。

そもそも、犬が咬むようになるのは人間の問題であることも少なくありませんが、犬の個体による性質も大きく関わってくるので、「イヤ!」と言う気持ちを無視して強制していると、「イヤ」と唸ることを止めて、突然咬みつくようにもなってきます。

犬と暮すことを決めた人は、まさか自分の犬が自分を咬むようになるとは思ってもみないはずです。
特に小型犬の場合は、人間は力で押さえつけることが出来てしまうので、ついつい犬の気持ちを見落としてしまうこともあるかもしれません。

これは、犬の好きにさせるということではありません。

犬が嫌がることを強要するのではなく、犬が嫌がらなくても出来るようなサポートを時間をかけてやってあげる方法を見つけることが犬のストレスを軽減できるというお話です。

いろいろ強いてきても文句ひとつ言わずについてきてくれる性格の犬もいます。
おっとりしていて、いちいち細かいことは気にしないタイプなのでしょう。
そういう犬たちとの暮らしはのんびりした時間が流れています。
しかし、そんな犬ばかりではないので、愛犬の性格をよく知ることも大事ですね。

さて、我が家の見習い、人に手を握られるのは好きではありません。
足ふきも嫌いですが、無理矢理掴むのではなく、足をあげるたびにキュー(4本の足それぞれ)をつけてトリーツをあげていたら、とりあえずあげてはくれるようになりました。
でも、好きではないので、やたらにやらせることはありません。
あげてくれても握るのではなく、私の手や足に乗せてくれるだけでOKです。

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ドッグダンスのトリックには足(手)技が沢山ありますが、見習いの習得はむずかしそうですね。

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2023年9月15日 (金)

分離不安や要求吠えを減らすには。

コロナ禍でリモートワークが当たり前になったあと、再び出勤するようになってしまった飼い主さんの後を追いながら、分離不安になっていた犬たちは少なくありません。
それまではちゃんとお留守番が出来ていたのに「なぜ?」と飼い主さんは思ったことでしょう。

犬と暮す家庭の状況は様々です。
夫婦共働きのご家庭もあれば、在宅ワークや、専業主婦(夫)で、一日中おうちにいられる家庭もあります。
どちらが良くて悪いかという話ではありません。
要は、犬にとってギャップを減らすライフスタイルを考えてあげなければいけないということです。

共働きのご家庭の場合、お休みの日は愛犬とべったり過ごし、出勤の日は何時間も一人で留守番をさせるというのは、犬にとってギャップが大きすぎます。
もちろん、犬も次第に慣れていくかもしれませんが、、子犬の頃はその都度一喜一憂してしまう可能性があります。

一日中一緒にいられるご家庭であれば、いつも一緒にいることが当たり前になっている犬たちにとって、飼い主さんだけの急なお出かけや、長時間のお留守番はとても不安になって、吠えが出たりすることも少なくありません。

ではどうすればいいのでしょう。

一番犬にとってストレスが少ないのは、小さいころから一人でいる時間を作ってあげることです。
遊びたくてパワー全開の時に無理矢理ハウスやケージに入れるのではなく、沢山遊んで疲れた時や、食餌が終わった時など、休んで欲しい時間や、昼寝の時間などを使って、自然に飼い主さんと距離を取る時間を作るよういしていくとストレスは軽減されます。

いつも好きな時に飼い主さんにアクセスできることが習慣になってしまうと、置き去りにされたときの不安感やストレスは尋常ではありません。
そうなったときに、不安な気持ちから、破壊行動をしたり、トイレの場所がわからなくなって、トイレではない場所で排泄してしまったり、あるいはずっと吠え続けるといった異常な行動にでるようになってしまいます。

これは一日中ハウスに閉じ込めておく、いわゆる「犬舎飼い」とは全く意味が違います。

一人でいることに慣れてもらうことは、犬たちの十年以上に渡る犬生の中では、今後ともありうる状況なので、そういったことも見越して、小さいころから練習しておくと、人も犬もストレスが軽減されます。


さて、我が家の見習い、先週末のイベント時ではハウス待機も必要でした。
もちろんプールサイドで走り回ったり、ワークショップでデモをしたり、外のドッグランで遊んだりと、いろいろ楽しい時間もありますが、イベント中は待機していなければいけないので、静かに待つことも覚えなければいけません。
今回も、イベント会場で待機する状況と、宿泊ホテルの部屋で待機する場面両方ありましたが、部屋の待機時は問題なく静かに過ごしてくれました。

アシスタントは生後4か月ぐらいから、ハウスに入っている時はほとんど寝ていたので、大きな問題にもなりませんでしたが、見習いはいつもこちらを見張るようにじっと見ていて、なかなか寝てくれない上に、アシスタントをハウスから出すと、一時的に吠えてアピールするので、その辺りも少しずつ我慢することを覚えて欲しいところ。
信頼できるパートナーまでは、遠い道のりかもしれません。

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家では大変静かに待機できているのですけどね。

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2023年9月14日 (木)

いたずらするのは犬の問題?

子犬のトレーニングやレッスンを依頼されるときのお困りごとのひとつに「いたずら」があります。
いろいろなものを齧ったり、咥えて逃げたり、場合によっては危険なものを口にいれてしまったりと、レベルは様々です。

一般的で一番簡単な予防策は、犬にとっていたずらの対象となるものを、犬の口や手の届くところには置かないということです。

よくあるいたずらの対象物は、人の洗濯物で、特に靴下がターゲットになりやすいようです。

洗濯前であろうが後であろうが、靴下を咥えて逃げ回る子犬を見ると、人はついつい追いかけて、「ダメ!」と言いながら、無理矢理口を開けて出させようとします。
犬は追いかけられることが楽しくてますます逃げ回り、取り返そうとするくらいだから、とても大事なものだと思ってますます死守しようとします。

そんなときは、「靴下なんて興味ないわ~。」という素振りをしたあと、さりげなく、子犬の好きなオヤツを床に何粒か落としてみると、そちらに気が向くので、その間にこっそり靴下を回収してしまうというものです。

いずれにしても、楽しいことをやりたいのが犬の本質です。
靴下を咥えて走ることは楽しいからやっているわけです。

では、靴下以外に楽しいものがあればどうでしょうか。

今日のプライベートレッスンは、若犬のPくん。
いたずら好きなのと、同居のネコちゃんにしつこいこともあって、かまってあげられないときや目が離せないときはケージにいてもらっていますが、少しずつケージの外時間も増やしていく過程の中で、今まで手の届かないところにおいてあったおもちゃの中から、一人遊び用のおもちゃだけをP君が出せる場所に置いたところ、いたずらの対象はおもちゃに限定されてきたそうです。
飼い主さんと遊ぶ特別なおもちゃは、飼い主さんが出してあげています。

これは一例でしかありません。
どの子もうまく行くわけではないのも確かです。
しかし、いろいろ工夫しながら、犬の「楽しみ」を奪うことなく、うまく折り合いがつく方法を考えることが大事。

おうちの中での呼び戻し練習も精度があがってきたPくん。

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これからは、外でも少しずつ「出来る」を増やしていきましょう。

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2023年8月31日 (木)

お散歩は大事ですが、無理をしないこと

子犬のワクチンプログラムが終わると、ようやくお散歩に出られると人は喜びます。
恐らく、犬も抱っこ散歩やカート散歩で馴らしてあれば、外に行きたいと思うようになっているはずです。

実際自分の足で歩くようになると、初めは多少怖がって上手に歩けない犬もいますが、無理強いせずに、自分から歩き出すのを待ってあげることで、おっかなびっくりだった子犬が、いつしかグイグイ飼い主を引っ張って行くようになっていたりするものです。

いずれにしても、一緒に外を歩けるようになると、人はついつい楽しくて、「もっと」と足を伸ばしてしまいがちですが、ワクチンが終わったくらいの子犬たちと言えば、人間の子供で言えばまだ2~3歳のレベルです。
当然トイレも失敗するぐらいですから、頭も含めて未発達です。
沢山歩かせれば疲れてしまいますし、骨にも負担がかかります。
ましてや、今の時期はまだ暑いので、朝早い時間や日が暮れてからとは言え、蒸し暑さは変わりません。
気候のいい場所でない限り、足裏や口でしか発汗して体温を下げられない犬たちにとってはかなり辛いものとなります。
すると、「散歩は暑くて疲れるから楽しくない。」とインプットされてしまい、ハーネスやリードを見ただけで逃げてしまうようになることもあります。

今日も仕事先で、散歩中の小型犬が止まって動かなくなっているシーンを見ました。
周りに日影は無かったので、日向を歩いて来たのでしょう。
ついつい声をかけたくなりましたが、飼い主さんがすぐ抱き上げたので、何も言いませんでした。

「犬だから散歩が好きであたりまえ。」と言うのが通用しない昨今。
行きたくない理由(原因)を考えてみると、行きたくなるようにサポートしてあげられることもあるので、よく話し合ってみるといいかも知れません。

逆に、暑くてひっくり返りそうになってもガンガン行くタイプの子たちは、人間が強制的に休ませないといけません。

たかが散歩、されど散歩。

楽しい時間が共有できるといいですね。

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散歩は好きなお二方。
ちょっと前に出過ぎなのが難ですけど・・。

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2023年8月26日 (土)

基礎トレーニングが必要な理由

「ウチの犬は家庭犬(ペット)だから、トレーニングはいらない。」と思っている人は少なくありません。
敢えてプロに依頼するとしたら、なにがしかの行動問題が出てきたときと考えている人たちです。

ただ、この行動問題は、犬に問題があるわけではなく、人間側が問題にしない限り、問題ではないとも言えます。
つまり、飼い主の数だけ家のルールがあるわけで、それは皆同じではないからです。

例えば、バックヤードがある家では、トイレは外でするものと決めてしまえば、家の中でのトイレトレーニングは必要ありませんし、不随するトイレシーツの悪戯もないでしょう。

家の中は土足という家庭では、家に入るときに嫌がる犬の脚を拭くことも無いので、噛まれることもないでしょう。

いずれにしても、問題と言われるのは、ルールに合わないからで、問題にならないようにするには、家のルールを教えてあげることだけです。

しかし、こういった日常生活のルールを伝えること自体が、基礎トレーニングが出来ていないと、うまく伝わらないということになりかねません。

例えば跳びついてはいけないと犬に教えたいとき、跳びつく犬に「ダメ」と言い続けても、なかなか伝わりづらいものです。
逆に、オスワリしている犬を褒め続けた方が、オスワリの頻度が高くなり、跳びつきが減少するようになります。
しかし、一瞬芸ではない「オスワリ」を教えるということが基礎トレーニングであり、お願いしたことをきちんとやってもらえるように伝えることが、基礎トレーニングの過程で人も犬も学ぶところなのです。

どうやって愛犬にやって欲しいことを伝えていくのか。
念や目力では伝わりません。
ひとつひとつ丁寧に、やって欲しい行動を褒めて強化していくことが、犬にとってもわかりやすい学習になります。

ペットだからトレーニングは要らないのではなく、愛犬に伝えることを学ぶ過程として、トレーニングをやっていくことがコミュニケーションの第一歩ですね。

さて、今日は8か月のM君のレッスンがありました。
M君の大好きなものを使って、「ちょうだい」を教える傍ら、集中力アップとして、探し物ゲームにチャレンジしてもらいました。

犬はどちらかというと動体視力がいいので、動いている物はすぐ見つけられますが、動かないものを目で探すのは難しいので、嗅覚を使ってもらいます。

初めは目視から教え、次第に視界から隠していくと、自然に嗅覚モードにスイッチして、集中して探し始めました。
まさに、作業モードです。

みつけてもすぐに手に入らない時は、いろいろ試行錯誤しながら作業を続けてくれました。
諦めることなく欲しいものをゲット。

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意気揚々として飼い主さんの元に咥えて戻りました。

202308261

愛犬の能力のすばらしさに気づくときですね。

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