パピートレーニング

2025年7月 2日 (水)

「ちょうだい(出せ)」を教える

子犬と遊ぶにはオモチャを介して遊ぶのがまず第一歩です。

撫でている手に甘噛みをしたり、動く手を追いかけるようになってしまうと、本気でなくても歯が当たったりして、人にとっても犬にとっても楽しくありません。
そこで、手をオモチャにするのではなく、噛んでも壊れないオモチャや、引っ張りっこや投げたりできるようなオモチャを使って遊ぶことをお奨めしています。

ボールなどのオモチャは転がしたり投げたりしながら子犬に興味を持ってもらうことから始まりますし、引っ張りっこのオモチャも、子犬の目の前で動かしながら、子犬が釣れるのを待ってあげると楽しく遊べるようになります。

オモチャを介して上手に遊べるようになるには、子犬からオモチャを受け取ることも必要になってきます。
受け渡しができないと、子犬はおもちゃを持ち逃げして一人遊びをしてしまい、人間がいなくてもいいと思ってしまうからです。

そうならないためにも、子犬からオモチャを渡してもらうことを教えておくことが大事。

無理やり取り上げるのではなく、渡してくれればまた投げてもらえるし、引っ張りっこも出来ると教えていきます。

子犬がオモチャを渡してもいいと思ってもらうためには、人に渡したらそれで遊びが終わってしまうと思わせないこと。
渡しても続きがあると思えば渡しやすくなります。
もちろん、遊びには終わりがあるので、最後は子犬が飽きる前に人が終わらせることも大事ですが、一度で終わってしまうと楽しくないので、何回でも続くと刷り込んでおくことが重要です。

それでもなかなか放してくれそうもないときは、全く同じオモチャか、同等の価値があるオモチャを用意して、持ってきたときに、もう一つを見せて放すのを待つという方法があります。

一度に二つは咥えられないので、当然一つは手放すことになるからです。

手放す瞬間に「ちょうだい」や「出せ」「放せ」などのキューをのせていけば、次第にキューと手放す行動がリンクされて行き、最終的にはキューで口から放してくれるようになります。

焦らず、少しずつステップアップしていきましょう。


さて、今日は若いK君のプライベートレッスンがありました。

遊びにも付き合ってくれるようになり、人とのコミュニケーションも大分取れるようになってきたK君。
ボールキャッチもとても上手です。

今日はママとのボール遊びの中で、少しずつ「放せ」のキューを教えてあげました。

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暑い時期はなかなか外では遊べないので、家の中でストレス発散させてあげることも必要ですね。

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2025年7月 1日 (火)

子犬の社会化

子犬にとって社会化が重要なのは明らかですが、ワクチンプログラムの関係で、子犬がなんでも受け入れてくれる時期に自力で散歩に出るのは難しいのが現実です。

そこで、一般的にお願いしているのは「抱っこ散歩」
子犬が自分の足では歩けない時期から、抱っこで外に連れ出し、様々な生活音に馴らしたり、実際に目の前を走りすぎる車や自転車、人や犬を目視させて、いちいち反応しなくていいことを教えていくわけです。

子犬は日々育っていくので、中型犬より大きくなると、抱っこができなくなります。
そこで登場するのがカート。
カートに乗せて、社会化散歩を楽しんでもらうわけです。

我が家は大型犬2頭とのくらしの後、中型犬との暮らしになりましたが、カートは子犬だけでなく、歳を取った犬の散歩のサポートにも使えます。
初代のボーダー・コリーは抱っこ散歩で頑張りましたが、シニアになってカートを購入してからは、子犬が来るとカートで移動するようになりました。

近所をただ散歩するだけでなく、今後犬たちにとって大きな刺激となりそうな車やバイクを見せに幹線道路沿いを歩いたり、交差点で行き交う車を見せたり、公園の中ではドッグランやスケボーのバンクなどを見せました。

おかげで、我が家の犬たちはバイクや自転車、キックスケーターもスルーできています。
要は,犬たちにとって周りにあるものは景色の一部でいちいち一喜一憂しなくてもいいと理解してもらうこと。


さて、今日はパピーさんのレッスンがありました。
カートも準備していただいたので、初カート散歩。

車の走る音だけでなく、風の音、エレベーターの乗り降り、空を飛ぶ鳥など、初めてが盛りだくさん。

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そんななかで、落ち着いていられたら、褒めてフード。
フードが食べられるのはメンタルが落ち着いている証拠。

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自分の足で歩けるようになるまで、少しずつ経験値をあげてもらいます。

かつて社会化のひとつに、「何人もの人に会って抱っこしてもらうのがいい」というのがありました。
確かに人にも馴れてもらうことは大事なことですが、「抱っこしてもらう」と言うのは無理があります。
なぜならそこに子犬の選択肢がないからです。

子犬がもし自分から寄っていくなら問題ありませんが、無理やり抱っこするのは子犬の意思を無視してしまうことになります。
社会化は子犬の意思を尊重しながら行う必要があります。
そして決して無理をしないこと。

これからが楽しみなEさんでした。

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2025年6月30日 (月)

犬のハズバンダリーケア

ハズバンダリーケアとは動物に苦痛を感じさせずに、動物にとって必要な診療などを行うためのトレーニングプロセスです。
トレーニングと言うと、何かを犬にさせるという感じを受けますが、要は犬がこのメソッドを理解し、YESかNOかの選択肢を持つことです。
嫌がる犬に無理やり何かをさせることではありません。

さて、今日Facebookに見習いのTシャツ着脱動画を載せました。
黒い見習いにとっては、日差しの強い日は、直射で暑くなりすぎないよう、一枚カバーしてあげることが大事です。

初めて着せるときは、自分から首を突っ込めるようにトリーツを使ったりもしました。
そもそも、手足を握られるのが好きではないので、自分から手をあげてくれるように「お手・お変わり」も教えました。

今ではオヤツがなくても、Tシャツを着るときは自分から頭を入れてくれるし、袖口を見せれば前足も上げてくれます。
うまく入らないときだけ、軽くサポートします。

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脱ぐ時も、自分から頭を後ろに戻して脱ぐまで待っています。
前足も同様です。

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よく、レインコートを着せると嫌がり、「噛む」というご相談を受けます。
無理やり着せるのではなく、着てもいいと自分から近寄ってくれるトレーニングが必要です。
無理やり抑え込めばますますストレスを溜めて嫌がるようになります。

人間の方が体も大きいし、子犬の頃は特に力で抑えられると思い、力づくで行動を変えようとすれば、犬のストレスが少しずつ溜まって、あるとき爆発しないとも限りません。

時間をかけて「大丈夫」と犬が思えるようにサポートすることが大事ですね。

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2025年6月27日 (金)

パピートレーニングは楽しいが基本

子犬を迎えると、いろいろと教えてあげなければいけないことが出てきますが、どれ一つとっても、子犬にとって楽しく、ポジティブなことでなければ子犬は学習を続けてくれません。
子犬は正直なので、嫌なことをされれば逃げるし、寄ってこなくなるからです。

基本は、人と関わると楽しいと教えていくこと。
「しつけは最初が肝心」と力づくで言うことを聞かせようとは思わないでくださいね。

「我が家のルール」を楽しく教えていきましょう。


さて、今日は生後3か月のEさんの2回目のレッスンでした。
1回目はハウスを居心地よくすることと、飼い主様へ子犬に接するときの基本のお話。

1週間頑張ってくださったおかげで、ケージでの要求吠えもさほどなく、トイレのはずしも数パーセントだそうです。
素晴らしい!

そして今日は子犬が人間にとって好ましい行動を取りやすくするための環境づくりと、遊びのお話。

あまりの可愛さに、ご家族みなさまがメロメロになることは明らかなのですが、これから先15年以上に渡るドッグライフを快適にするためい、さらなる「忍耐」のお話もしてきました。

Eさんの名前の価値をあげ、呼ばれて行くといいことがあるという刷り込み。

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最後は楽しく遊ぶこと。

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遊びに飽きてエキサイトしそうになったので、ケージに誘導してあげたら、ちゃんと排泄を済ませてくれました。
成功体験を積み上げていくことが大事ですね。

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2025年6月21日 (土)

環境の変化が新しい習慣作りのチャンス

新たに犬を迎えるときは、犬にとっては全く環境が変わるときでもあります。
子犬であれ成犬であれ、今までの環境と異なる環境になることで、当然様々なルーティンも変化することになります。

それはある意味「リセット」のチャンス。

今までやっていた好ましくない習慣をなくすことができる場合もあります。
例えば、戸建ての1階が居住エリアだったときは、窓の外を眺めながら、バイクや宅配便のトラックに吠えるという習慣がついていたとしても、マンションなどの集合住宅に引っ越し、窓の外の景色が変わった場合、当然そのような習慣は出なくなります。

我が家の場合、一時的に仮住まいをしていたときは、庭で排泄がさせられなかったため、子犬の頃のように、家の中でのトイレに変更せざるを得なくなりました。
当時3頭のボーダー・コリーと暮らしていたので、近くに公園などが無い住宅街での散歩中に排泄をさせることは近所迷惑以外の何ものでもなかったからです。

室内トイレを再開したことで、その後現在の家に越した後も、外と中と両方でのトイレが出来るようになり、老犬になってからの介護生活も楽になったのを覚えています。

長年の習慣を変えるのは難しいものですが、環境が変わることで必然的に変えざるを得ないことも出てくると、リセットしやすくなるかもしれませんね。


さて、今日はお迎えしたばかりのパピーさんのレッスンがありました。

レッスンと言っても、現時点でのメインは飼い主様へのアドバイス。

賢い犬との暮らしは、人間も頑張らないとなかなか大変で、気が付いたら犬のペースになっていたと言うことも沢山あります。

愛情は沢山かけて、伝えることはきちんと伝えてあげることが大事。
子犬に勘違いをさせないように、上手にサポートしていきましょう。

今日の学びは、
・名前を呼ばれるといいことがある
・ハウスを覗くと美味しいものが入っていたりする
・人との遊びは楽しい

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うまく伝わったでしょうか。

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2025年6月17日 (火)

犬のトイレのはなし

犬と暮らし始めると、一番気になるのがトイレトレーニングです。
では、トイレトレーニングとは一体どんなことを言うのでしょうか。

トイレトレーニングは「トイレシーツの上でトイレすること」ではありません。
トイレ(排泄)を意味する言葉のキューを犬に理解してもらうことです。

この違いはなんでしょうか。

トイレシーツの上でトイレをすることは室内であれば当然のことです。
しかし、もしトイレシーツがない場所だったらどうでしょうか。

欧米のドッグトレーニングでは、犬の排泄は屋外(バックヤードなど)が一般的なので、
犬がトイレに行きたいと言えば、ドアを開けてあげればいいわけです。
つまり、家の中でトイレをさせないのがトイレトレーニングと言うわけです。

しかし、日本の住宅事情では、庭がある家は限られているし、
集合住宅の場合、外に出るまでに時間がかかってしまうので、
外トイレオンリーにしてしまうのは現実的ではありません。

そこで、外でも中でも、お願いした時に犬が排泄できるような言葉のキューをきちんと教えてあげることがトイレトレーニングです。

アニマルウェルフェアの観点から、家の中でのトイレは犬に優しくないと思う方も少なくないでしょうが、長い目で考えてみてください。
シニアになって、若いころのように思い通り動けない愛犬が夜中にトイレに行きたいと言ったときや、嵐の日のトイレ出しはどうでしょうか。

我が家は今まで6頭の犬たちと暮らしていますが、そのうちの3頭は晩年介護が必要になった犬たちでした。
私の居室は3階なので、体調が悪い犬たちは当然抱いて移動することになります。
元気で若い犬たちは抱くのは簡単ですが、ぐったりした犬たちを抱きかかえるのは思いのほか大変です。

いずれにしても、外でも中でもトイレができるようにしてあげると、お互いのストレスは軽減されるでしょう。

途中から変えるのは時間がかかってしまうので、小さいころから習慣にしておいてあげると、犬にもわかりやすいです。

ちなみに、我が家の犬たち、当然外でもお願いすればトイレをするし、屋内でも、トイレシーツを敷いてお願いすると済ませてくれます。

ドッグスポーツを楽しみたい方も、先のことを考えて、トイレのキューをきちんと教えてあげると、競技中の排泄も避けられますね。

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小さいころは当たり前のように室内に置かれていたトイレトレー。
トイレが外で出来るようになって回数が減ってくると、外トイレに完全移行してしまうおうちが少なくありません。

キューで出来るようにしてあげると、外でも中でも出来るようになるはずです。

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2025年5月29日 (木)

子犬の社会化

子犬の社会化が重要ということを全く知らない飼い主さんはほとんどいないと思いますが、どう重要なのか、実際どのようにすればいいのかを完璧に理解している人はまだまだ少ないようです。

実は、本来子犬の社会化はブリーダーさんのおうちにいるところから始めてほしいと思っています。
しかし、意識が高いブリーダーさんでなければ、到底そこまで望むのは難しいかもしれません。

子犬を育てるいい環境と言うと、自然豊かな場所を想像しがちです。
もちろん、広いバックヤードや、自由運動ができる場所は重要ですが、その環境にプラスして、子犬の受容性が高いときに、敢えて生活音や人間社会の騒音にさらしてあげることが子犬のこれからを考えると不可欠です。

かつて知り合いのブリーダーさんは、生後1か月を過ぎたころから車に子犬たちを乗せて、幹線道路の片隅で騒音や様々な人間に馴らすというひと手間をかけていました。

子犬はブリーダーに残る子以外は必ず新しい家庭のもとに旅立っていきます。
どんなところに行くかは全くわからないので、どこに行ってもやっていかれるようなサポートが大事ですね。

かつて、郊外のブリーダーさんからやってきた子犬を散歩に連れ出そうとしたところ、まったく動けず、玄関からも出られないとご連絡をいただきお伺いしましたが、子犬が玄関から門まで自力で歩けるようになるまで1週間。
門から出て歩き始めるまでにさらに数レッスン。
実際門から出て歩けるようになっても、車の音やバイクの音が聞こえるたびにフリーズし、オヤツも口にできないほどでした。

ご近所の公園にたどり着くまで1か月以上かかったような記憶があります。
もちろん、たどり着けても、自信を持って歩いているわけではありません。
しかし、飼い主さんも頑張ってサポートしてくださったので、その子は普通の生活ができるまでになりました。

個体の性格にもよりますが、小さいころから経験値を増やしていくことが重要です。

もちろん、大事な時期に社会化がうまくいっていなかったとしても、犬は日々成長しているので、犬のペースに合わせて、少しずつ馴らしていくことで、犬の「大丈夫」を増やしてあげることができます。
焦らず、根気よく。ですね。

ちなみに、我が家の見習いは、生後2ヵ月半のとき、公園のスケボーコーナー脇で馴致。

時折、自転車のお兄さんや騒ぐ子供の声に耳を澄ましながらも、

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持って行ったオモチャで遊ぶ余裕もあり。

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今でもオモチャには目がありません。

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2025年5月22日 (木)

子犬の選択肢を尊重する

生後2ヵ月前後で迎えた子犬は、怖いものがあってもすぐに受け入れられるという特性がありますが、その好奇心が次第に警戒心に変わってくる時期を迎えるようになります。
それがちょうどワクチン接種が終わった子犬の成長期と重なり、目にするもの全てを警戒し、後ずさりしたり、吠えたりするという新たな行動を見せるようになるわけです。

そんなとき、ついつい飼い主が言ってしまう言葉が「大丈夫」です。

人間はそれが何かを知っているので、「なんでこんなものを怖がるの?」という気持ちになって、こんな言葉が出てしまうわけですが、当の本犬は若干および腰になっているので、それを無理やり引っ張って対象物に近づけるのは禁物です。

ここで犬に学んでもらいたいのは、自分から近づく勇気と、その結果なんでもなかったと確認することです。

そんな成長過程の愛犬には、人間側の「待つ」というスタンスで見守ってあげることが大切です。

無理やり引っ張っていくと、飼い主への信頼度も下がりますし、自分で確認して自信を持つというプロセスを飛ばしてしまいます。

飼い主が少し対象物に近づいてみることで、子犬の背中を押すこともできますが、決して引っ張らないこと。

そんなときに必須なのが、少し長めのリードです。

短いと犬の逃げ場をなくしてしまいますし、飼い主が対象物に近づこうとすると、犬を引っ張ってしまうことになります。

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気になるものは自分で確かめられるように、時間とスペースを用意してあげることが大切ですね。

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2025年5月21日 (水)

ディストラクションは外だけではありません。

犬にとってのディストラクションは様々というお話はよく書いています。
ポジティブなディストラクションもあれば、ネガティブなものもあります。

家の中で出来ることが外で出来ないことは、外からの刺激に犬が負けてしまうからです。
そうならないために、家の中で出来ることをまず鉄板にすることが重要です。

家の中は刺激が少ないので、犬の成功率は高くなり、犬の学習も進みます。

家の中で出来たからと言って外ですぐ出来るようにはならないということは何度も書いていますが、実は家の中にも様々なディストラクションを設定することができるので、今日のように暑くて外で練習できないときは、家の中でディストラクションを設定して練習することも可能です。

ディストラクションは、食べ物やオモチャでもいいですし、あるいは同居のほかのご家族でも大丈夫です。

ということで、今日のK君のレッスンでは、飼い主様が交代でディストラクションになりながら、基本トレーニングをやってくださいました。

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ディストラクションへの対処法が家の中でも練習出来れば、外での対処もスムースに出来るようになるでしょう。

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2025年5月 1日 (木)

なぜ犬はその行動をとるのか

なんとも漠然としたお題ですが、犬たちが自発的に取っている行動が繰り返される場合、そこには何かしらの報酬が犬に出ていることが原因となっています。
報酬はトリーツなど人間が与えるものに限りません。

人間にとって問題行動と言われる行動では特に犬にとってメリットがあることが多いものです。

例えば、
・何かを破壊する:中から綿が出てきたりしておもしろいのでやめられない。
・ゴミ箱をあさる:中から美味しいものが出てきた。
・テーブルに足をかける:たまたまテーブルに足をかけたら、美味しいものが落ちたので、またチャレンジする。
・吠える:吠えることによって要求が満たされたので、吠える行動が頻繁に出るようになる。
・リードを引っ張る:行きたいところに行こうとリードを引っ張っていくと飼い主がついてきて行きたい方に行かれる。
・人に飛びつく:人が撫でてくれたり、押し返そうとされたりして構ってもらえた。

どれも、犬にとって何かしらのメリットがあるからこそ繰り返される行動なので、単に叱ったところでやめられないというのが犬側の主張です。

では、これらの行動をやめてもらうためにはどうすればいいのか。

そもそも、行動が出ないような環境設定をすることで回避できることもあります。
犬がある程度大人になって落ち着くまで、犬の手や口が届くところに、食べられて困るものをおかないなどが解決策のひとつです。
なぜなら、子犬の頃にやらなかった悪戯を成犬になって突然やるようになることはとても少ないからです。

子犬はそのエネルギーの発散させる場所を求めているので、真剣に向き合って遊び、疲れたらハウスで寝るというルーティンを作ってあげると、退屈しのぎの悪戯を防ぐことができます。

一方、人と関わる中で発生する問題行動に関しては、人間がその要求を叶えないという一貫した行動をとり続けることで犬はメリットがないことを学習することができます。

吠えても要求がかなわない。
飛びついても構ってはもらえない。
リードを引っ張っても行きたいところには行けない。

これらを一貫して犬に伝えていくと、一日では理解できなくても、次第にわかってくるようになります。
もちろん、その代わりに、好ましい行動をとっているときはしっかりと褒めてあげることで、報酬を得るためにはどんな行動を取ればいいのかを犬に伝える手順は不可欠です。

一般的な日常マナーだけでなく、犬に新しい行動を教えるドッグスポーツなどでも、犬がこちらの教えたい行動をとりやすいように上手に環境設定していくことが重要になります。

今日は見習いにハンドラーの背中に乗るというトリックを導入してみました。

背中に前足をかけて飛び越えることはすでに学習していますが、背中に滞在することは教えていません。

そこで勢いで飛び越えるのではなく、背中をターゲットに乗ることを教えるために、トリーツを使って誘導してみました。

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トリックによっては一人では教えづらいものもありますが、工夫するとなんとかなることもあります。

ちょっと犬の立場に立って考えてみるとわかりやすかもしれませんね。

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