犬のハズバンダリーケア

2024年9月13日 (金)

無理強いしなくてよくなるように

昨日、子犬にとって嫌なことを無理やりやらないお話をしました。
そのためには、子犬の好きなことと関連付けて、「嫌」にならないようにしていくことが大事と言うお話でした。

爪切りや、パッドの毛のカット、耳掃除、歯磨き、ブラッシングは、そもそもそれ自体が痛いことを子犬にしているわけではありませんが、体を押さえられて自由を奪われたり、足をつかまれること自体が好きでなかったりするので、お手入れ関係を嫌いになる犬は少なくありません。

しかし、最初少し怖いと感じたととしても、子犬の好きなものを使うことで気を紛らわすことができれば、好きなものと関連付けて、受け入れてくれるようになることも少なくありません。

さて、我が家のアシスタント、以前も書いたと思うのですが、故アシスタントがトリミングをしていているのを見ながら、早く自分の番が来ないかと待ち遠しく思っていました。
なぜなら、故アシスタントはトリミング中に美味しいものをもらっていましたし、本犬もとてもリラックスして横になっていたからです。

そのせいで、現アシスタントは私がフロアに座ると自分からやってきて、ゴロンと横になります。
その間にこちらはパッドの間の毛を切り、爪も切ります。
もちろん合間にオヤツも出ます。

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毎日のことではありませんが、必要なお手入れなので、気持ちよく付き合ってもらえるといいですね。

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2024年9月12日 (木)

嫌なことは無理やりやらない

犬にとって人との共同生活ではいろいろ嫌なことが起こります。
爪切り、歯磨き、ブラッシングにトリミングと、犬たちにとってはどうでもいいことを人は頑張ってやろうとします。
それは「あなたのためだから」というところから来るのですが、犬にとってはどうでもいい。
出来ればやってほしくない。と思っている犬は少なくありません。

そんなに好きではないことでも、嫌がらずにやらせてもらうには、力づくの「強制」では出来ません。
なぜなら、最初はなんとか成功しても、次回は犬が学習して逃げてしまったり、捕まえられても嫌がって、唸ったり噛んだりする可能性が高くなるからです。

小型犬であれば、抱っこで動きを封じることも可能ですが、中・大型犬になるとそうはいきません。

犬が「イヤ」という気持ちにならないようにやらせてもらうために、様々なハズバンダリーケアの方法があります。
ひとつは「チンレスト(顎のせ)」と言うもので、犬が人間の膝の上やテーブルや椅子の上などに顎をのせている間は「触ってもいい」というサインとして、様々なお手入れをさせてもらうという方法があります。
しかし、チンレストを教えるにはそれなりに時間がかかるので、子犬の場合は子犬の好きなこととセットしてあげるのも一つです。

今日は生後3ヵ月のK君のプライベートレッスンで爪切り。
右半分は前回やらせてくれたので、今日は左半分。

ペースト系のおやつをなめてもらっている間にサッと済ませます。

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犬も人もストレスが軽減できるといいですね。

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2024年8月31日 (土)

「社会化」が続く理由

子犬の「社会化」の重要性はいつも書いていることですが、大人になっても「社会化」は終わらないとも書いています。

「社会化」は犬にとって、人間社会で生きやすくしてあげるための重要なサポートです。
人間の子供と違い、言葉で言って納得させることはとても難しいので、犬自身に納得してもらうことが重要な「社会化」です。

先日、我が家の犬たちは、バイクやトラック、自転車などには全く反応しないと書きました。
場合によっては、車が走ってきても避けてくれるだろうぐらいの感覚で動かないので、逆に危ないくらいです。


さて、今朝の散歩中、近所の空き地で新築工事が始まり、大型トラックがふさいでいる道の端っこを避けながら歩いて公園に入りました。

その後排泄中の見習いが、トラックから大型重機が降りてくるのを見てびっくりして吠えました。

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スピードはありませんが、大きめの音を立てながらトラックから降ろされ、ゆっくり動いていくアースドリルは次に降りてくるユンボよりも怖かったようで、背中の毛を立てながら仁王立ち状態。

一度、後ろに下がりながら名前を呼びましたが、最初は聞く耳持たず。
何度か呼んだところ、ようやく気付いて戻ってきました。

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少し落ち着いたのか、背中の毛も立っていません。

少し距離をとったところで、動くアースドリルを見ているうちに、ようやく自分には関係ないと納得した見習いは、その後は普通に道を歩いて帰ることができました。

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吠えたことを「イケナイ」と叱ってもおそらく犬は意味が分からないので、一度冷静に戻してあげて、自分で納得するまで待つことが大事です。

「大丈夫、大丈夫」と言いながら近寄る必要もないし、逃げる必要もありません。
落ち着くのを待ってあげましょう。
もちろん、落ち着ける距離を取ることがポイントです。

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2024年8月19日 (月)

ワークショップに参加してきました。

今日は一般社団法人the VOICE(ぼいす)さん主催のワークショップに参加してきました。
コロナ禍で海外から講師を招いたワークショップが激減したため、VOICEさん主催のワークショップも2019年以来です。

今回はCAWWT(Constructional Approach to Animal Welfare and Training)のワークショップで、米国からCAAWT Constructional Affection Japan Tour 2024と題して、創始者のSean Will氏と西牟田真麻氏が来日しました。                      

犬のトレーニング方法は日進月歩。
愛犬のサポートのために、何が一番適しているかを考えることはとても大事です。
犬も当然個体差があるので、抱える問題も様々。
いかにわかりやすく伝えていくかを考えるのは、大変ですが楽しみでもあります。

今日デモ犬として参加してくれたVOICEの代表有働さん預かりのグローバー君。
緊張しながらも、上手に応えてくれました。

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有働さんにラブラブなグローバー君。
マリノア4歳。
現在新しい家族募集中です。
お問い合わせはVOICEさんへ。

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愛犬のぺろぺろチュウがちょっと苦手という有働さん。
私もちょっと苦手なので、ちょっとホッとしました。

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2024年7月25日 (木)

なんで急に怖がりになったの?

「子犬の頃は何に対しても果敢に突っ込んで行ったのに、生後半年ぐらいから、急にいろいろなものが気になり始めるようになった。」
と言うお話をよくお聞きします。

いろいろなものに警戒して、逃げたり、吠えたりするようになった愛犬を見て、「この子は怖がり。」と決めつけてしまう人もいますが、実は違います。

小さいころはいろいろなものに好奇心を持って接することが出来た子犬も、成長するにつれて警戒心が出てくるので、子犬の頃と同じような行動が取れるわけではなくなるからです。
いわゆる思春期と言われるもので、成長と共にメンタル面も変化し、ホルモンの変化と共に、様々な要因がかみ合って、犬自身も自分のメンタルをうまくコントロール出来ない状況になってしまうのです。

人間も、子供同士はすぐに打ち解けられたのに、思春期ぐらいになると、誰彼問わず仲良くなるのではなく、自分と合うか、安全か、など、様々な思惑を持って友達作りをするようになるのと同じですね。

よくあるのが、「大丈夫、大丈夫」と言った励ましの声をかけてしまうこと。

人間であれば、ママが大丈夫と言うのだから大丈夫だろうと理解することが出来ますが、犬の場合、すでに気持ちは警戒心満載で大丈夫では無いので、そこで「大丈夫」と声をかけられてしまうと、今の自分の不安な気持ち=「大丈夫」という言葉で表されると学習してしまい、何も無くても、「大丈夫」と言われると不安な気持ちになってしまう可能性があります。

では、どうすればいいのか。

基本は「平常心」です。
ハンドラがバタバタしてしまうと、犬の気持ちをあおってしまうので、落ち着いて愛犬の状況を観察して、今の気持ちを理解することが大事です。
理解したうえで、その気持ちを犬自身が「大丈夫」と学習できるようにサポートしていく方法を考えます。

怖いと犬が感じている環境を作って、馴れる練習をしていくわけですが、その時重要なのが怖いものとの距離です。
近すぎれば心穏やかにはいられないので、犬が落ち着いていられる距離で、犬に自分で「大丈夫」と学習してもらうことが重要です。


さて、今日は生後5か月のDさんのカウンセリングがありました。
「怖がり」と聞いていたので、なるべくこちらからはコンタクトを取らないようにしていたら、自分からチェックしに来る余裕がありました。

おうちの中では他人がいても、大分落ち着いていられたDさんでしたが、外に出ると、やはり怖いのか挙動不審になりました。

そこで、騒音の少ない道を選んで、トリーツを使いながらDさんとコンタクトを取りながら歩いていただくようにしたら、怖がると言われていた自転車とのすれ違いも、一瞬自転車に目をやっただけで、すぐ飼い主さんに意識を戻すことが出来ました。

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※すれ違う自転車を一瞬目視しましたが、怖がる様子は見せませんでした。

何も言わなくても、飼い主さんに意識を向けていれば大丈夫ということがわかれば、気持ちを切り替えやすくなります。

飼い主さんはトリーツを使う量に驚かれましたが、今は「怖くない」という気持ちづくりを集中して行う時期なので、たまにトリーツを渡すのではなく、頻繁にいい行動を褒めていく必要があります。
習慣になってきたら、少しずつトリーツは減らせます。

新しい行動を教えるよりも、気持ちを切り替えるには時間がかかります。
忍耐強く続けて行きましょう。

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2024年7月20日 (土)

愛犬の爪切り

犬と暮していると、犬にとって嫌なこともやらなければいけないときがあります。
もちろん、やらなくてもいいことは無理強いする必要は無いと思うのですが、ブラッシングや爪切り、歯磨き、動物病院での診察や検査など、避けて通れないことも沢山あります。
では、そんなときはどうすればいいのでしょうか。

体を押さえつけて、無理矢理やるのか。
二人がかりなら大丈夫だからと、多少暴れてもやり遂げてホッとするのか。

例えば、その行為が一生に一度のことであれば、場合によっては我慢できるかもしれませんが、生涯何度も続くことであれば、一度嫌悪刺激と学習されてしまったら、次は出来ないと思った方がいいでしょう。
なぜなら、犬はバカでは無いので、一度嫌な思いをしたことはそうそう忘れてはくれません。
同じようなシチュエーションや、同じツールを手にしたときは、さっさと逃げていなくなってしまったり、万が一捕まえられたとしても、唸ったり、歯を剥いたりするようになっているでしょう。

そうならないためにはどうすればいいのか。

最近はよく耳にするようになった「ハズバンダリーケア」というものです。

そもそも動物園や水族館などで行われているもので、大きい生き物に必要な診察や処置を施すために、動物が自ら受け入れられるように練習をしていくというものです。
檻や柵越しのケアしか出来ない危険な動物の場合は、動物がこちらに近寄ってきて身を委ねてくれなければできません。

そもそも動物が自分から寄ってきてくれるようになるためには、動物にとっていいことがあると学習させることが不可欠です。
それは決して強要するものではありません。
お互いストレスを軽減させながら、安全に作業することが重要です。


さて、今日は若いYさんのプライベートレッスンがありました。
リソースガーディングが酷かったことでお伺いするようになったYさんですが、最近は飼主さんとのボール遊びを楽しんでくれるようになり、落ち着いてコミュニケーションが取れるようになってきました。

今日も日常生活のお話をしていたとき、「爪が伸びて困っている」というお話を伺い、爪切りをすることにしました。

最初はブラッシングの時に使っていただいている「リッキーマット」を用意していただき、左の前足はすんなり切らしてくれましたが、右の前足の時に、「ちょっとやめて。」というサインが出ました。

大分落ち着いていられるようになったYさんなので、それ以上の接触はストレス過多になるので中断。

その後、何もしていないときに、前足に爪切りをあてさせてくれたらトリーツをひとつあげるようにして、何度か爪切りだけをあててみたところ、そんなに気にしていない様子だったので、休憩でケージに入っているときに、ケージの隙間から出た前足に同じように爪切りを当てたら、楽しそうにトリーツを待っているようになったので、ケージの隙間から前足が出たときに、さりげなく爪を切ってトリーツをあげたところ、とりあえず右の前足も切らしてくれました。

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爪切りが足に当たるとオヤツがもらえる。という一連の動作をYさんが理解してくれたので、無事に切ることが出来ましたが、切った爪の掃除をしようとしたら、ガン見されたので、齧るオヤツを食べている間にこっそり爪を片付けました。

ボール遊びのボールは上手に手渡しできるようになりましたが、目の前にあるものを取り去ることは、切った爪であっても気にするYさん。
まだまだ油断は禁物ですね。

ちなみに我が家の見習いも、小さいころはリッキーマットのお世話になりました。

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2024年7月14日 (日)

犬の身体能力を侮らない

アクティブ系の犬に限らず、一般的な犬種においても、犬である以上ある程度の身体能力を備えていることは日々の暮らしの中で多くの飼い主さんの感じるところだと思います。

「まさか、こんなことが出来るなんて。」
と言うことに限らず、最近ではSNSなどの動画でも、あっと驚く犬の行動に驚かされることは少なくありません。

我が家のアシスタントと見習いは、そもそも同じ犬種でありながら、全く別の身体能力を兼ね備えています。
その一つが跳躍力です。
特におもちゃ(ボールやディスク)が目の前にあると、跳びついて取ろうとします。
そのために、遊ぶ場所には気を付けないと思わぬ怪我をするので注意しなければと痛感しています。

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また、人との遊びとは関係なくても、犬にとって何か突き動かされるものがあれば、思わぬ力を発揮することがあります。

かつて単犬種レスキューのお手伝いをしていたとき、保護犬の里親希望者さんのお宅に伺って環境チェックをしていたことがありました。
環境チェックとは、犬の目線で、犬の安全が保たれているかの確認です。

家の中であれば、危険な物が犬の口や手の届くところに無いか。
入って欲しくない場所はゲートなどで制限されているか。
床は滑らないか。
犬の生活エリアの動線はどうなっているか。
などです。

家の外の場合は、玄関から犬が飛び出さないような工夫がされているか。
庭から外に出てしまうような隙間が無いか。
犬が口にして危険な動植物はないか。

そういった内容を、今まで犬を飼ってきた経験や、私の場合はプロの立場からアドバイスをさせていただくわけです。

もちろん、安全を配慮していたにも関わらず不慮の事故というものもあります。
例えば、2階から勝手に階段を下りないようにとゲートを付けておいたら、そのゲートを跳び越えてしまい、階段を落下して骨折したというような場合です。(実話)

助走距離が無いと跳べない犬と、助走距離が無くても跳べる犬、跳び越えなくてもよじ登る犬などもいます。

我が家の初代のハスキー犬は、庭に出していた時逃げ出したことがありました。
ひとりで近所の獣医さんを訪ねて行ったようで、電話があって発覚しました。

木戸も閉まっていたし、逃げられる隙間も無かったのに、どうやって逃げたかわからず、対処方法が見つけられなかったのですが、ある日庭に目をやると、垣根をよじ登っている彼の後姿を目にしました。
慌てて声をかけると、彼はすぐにやめましたが、まさかよじ登っているとは知りませんでした。
現在のアシスタントたちと違い、そんなに活動的な犬では無かったので、予測していなかったからです。
当然、垣根は撤去され、ブロックとスティールパイプを使ったフェンスに取り替えられました。
高さも1メートル50ぐらいはあったと思います。

どんなに気を配ったとしても、いわゆる「想定外」はあり得ますが、出来るだけ「想定外」にならないように、老婆心であったとしても、犬の安全を確保することは重要です。

家族になったばかりの犬たちであればなおさら、その子のことは未知数と言えます。

我が家でも外出時は出窓の窓を閉めていきます。
3階なので、万が一落下したら命の保証はありません。
現時点で日常的に出窓に乗る犬はいませんが、外から気になる物音がしたら見に行かないとも限りません。

「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、用心深くし過ぎて困ることはありませんね。

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2024年7月13日 (土)

気質に合わせた対処法

犬の性格や気質が個体によってそれぞれ違うのは人間と同じ。
「犬だから」と十把一絡げにする人はいないと思いますが、そうは言っても、「犬なんだから」とどこかでひとくくりにしていたりしませんか?

例えば、「こんなに愛しているんだから、何をやっても怒らないはず。」なんて思ったりしていませんか?

ハンドラ―と犬との関係性がしっかりと築かれ、犬に信頼されているのであれば、犬は多少のことは我慢しますが、まだ子犬だったㇼ、暮らし始めて数か月の間柄で、どこまで心を許してくれるかは個体によって異なります。

また、多少のことは我慢していても、それ以上は無理ということもあります。

かつて、我が家のアシスタントが生後8ヵ月の頃でしたでしょうか。
いつも行く公園で、いつも可愛がってくれる少年がいました。
少年はいつもアシスタントを見ると傍によって撫でてくれていました。
その時のアシスタントにはさほどストレスを感じているようには見られませんでしたが、ある日少年が抱きついて離してくれなかったとき、「ワン!」と一声吠えました。

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いっぱいいっぱいだったのでしょう。

それからは、抱きつきはご遠慮いただくようにしました。

先代アシスタントが常にウェルカムだったのと比べると、やはり違いがあります。

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それを理解して、個体に合わせた接し方が必要ですね。


さて、今日は若いYさんのプライベートレッスンがありました。
Yさん、私が行くと耳が平行になるくらい大歓迎をしてくれるのですが、なかなか傍に行かないと、「早く来い!」とお怒りになるタイプです。
当然私は落ち着くまで行きません。

落ち着いてから挨拶をしに行くと、やっぱり喜んでスリスリしてくるので、隣に座って「お利口さんね」と声をかけたり、「オスワリ出来る?」と言って、頑張ってくれたらご褒美をあげていました。
私に寄りかかっているので、さりげなく撫でていたら、ブルブルと体を震わせました。
「そろそろやめてね。」のサインなので、離れました。

するとYさんは、ゆっくりくつろいでお昼寝し始めました。

要は犬の機嫌を取るのではなく、犬の嫌がることを無理強いしないこと。

もちろん、一緒に暮らしていれば犬にとって嫌なことをお願いしなければならないときは沢山あります。
それを、少しずつ「大丈夫」にしてあげるためのサポートはとても大事です。
初めから敢えて嫌がることをしないということが、信頼関係を築いて行くためには不可欠ですね。

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2024年7月11日 (木)

愛犬は触られるのを喜んでいますか?

「愛犬を撫でていたら急に噛まれた」という事例は少なくありません。
飼い主にとってみれば、「かわいがっているのになぜ?」と言う感じでしょう。

しかし、この場合愛犬が急に機嫌を悪くして噛んだわけではありません。
ではなぜ噛んだのでしょうか。

犬の「噛む」行為自体は嫌なことをされたときの反射的行動です。
そう言われると、飼い主は、「いつも撫でて欲しくて傍に寄ってきます。」とおっしゃいます。

そうです。
犬も撫でて欲しい時もあるので、そういう時は自分から寄ってきます。
っが、途中で「もういいからやめて」と言ったわけです。

そもそも、犬は束縛されることはあまり好きではありません。
その中には、「抱きしめる」や「顔や体を撫でまわされる」というのも入っています。
子犬を捕まえようとしたり、抱きかかえようとすると、手足をバタバタさせてもがく犬は少なくありません。

そういう人間からの接触に対して、好きになるように馴らしてあげたり、あるいは好きではなくても、我慢できる程度にしてあげる人間側のサポートは不可欠です。
なぜなら、犬にとって人間のサイズは大きいので、圧を感じやすいからです。

人間馴れしていない保護犬と暮したことがある方はご存知ですが、初めから人間に親和性を持っている犬ばかりではありません。
人間への親和性は小さいころからの、ブリーダーさんたちのケアがあって初めて人間はいいものだというように刷り込まれていくわけです。
※パピーミルのように、ケージに入れっぱなしで手をかけられていない子犬たちは人に対して親和性を持ちづらいです。

子犬を迎えたら、圧を与えることなく、人間と暮すことが楽しいと犬たちに思ってもらえるようにしていくことが重要です。
これは、何も甘やかすという意味ではありません。
人間と暮すことの楽しさを教えていくだけです。

実は我が家の見習いは前肢を触れるのはあまり好きではありませんが、トリックで「お手・お代わり」を教える過程で、触っているとオヤツがもらえるという下地を作って、とりあえずは触らせてくれるようになりましたが、無理矢理掴もうとすれば手を引っ込めます。

「イヤだな」と感じることを無理強いするのではなく、少しでも「イヤ」ではなくなるようなサポートをすることが大事です。
「イヤ」と言う気持ちからすぐに噛むようにはなりません。
「イヤ」と言う気持ちを、身体を避けたり、唸ってみたりしながらサインを出しているので、無視しないことが重要ですね。

見習いにがドッグダンスのエンディングポーズで「お手」をお願いすると、「ワン!」と言うときがあります。

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頑張ってやってくれたら沢山褒めてあげます。

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2024年7月 1日 (月)

パーソナルスペースを尊重する

「パーソナルスペース」ご存知ですか?

「パーソナルスペースとは、他人に近付かれると不快に感じる空間」(ウィキペディアから)と言われています。

例えば、一人しか乗っていないエレベーターに後から乗ってきた人が隣に立ったら気持ち悪いですよね。
満員電車の場合はあきらめるしかありませんが、スペースがあるのに自分のスペースを侵害されるのは気持ちいいものではありません。

これは犬にも言えることです。
急に向かって来られたらびっくりしたり、警戒したり、不快に感じたりすることもあるということを頭の隅に置いておかなければいけません。

しかし、犬の場合、急に接近されて驚いて「ワン!」と言ってしまうと、なぜか謝るのは接近された側の飼主です。
「吠えてしまってすみません!」
そして、近づいて来た方も「吠えるなんて感じ悪い」という顔をあからさまにする人がいます。
「せっかく挨拶してやろうと思ったのに、感じ悪いなぁ。」という感じです。

いえいえ。
突然近づかれたら、人もびっくりするものです。
ましてや後ろから近づかれたり、トイレの最中で人も犬も全く周りに目がいっていないときなどはなおさらです。

我が家は中型犬2頭と散歩していることが多いので、道端で排泄している犬がいるときは、処理が終わるまで距離を取って待つようにしています。
相手の犬のパーソナルスペースがどれくらいかわからないからです。
急に吠えて飼い主を引っ張ったりしたら惨事になりかねません。

これは、いつも書いている、「ウチの犬は大丈夫」の弊害です。
あなたの犬のパーソナルスペースは狭いかも知れないけれど、よその犬のパーソナルスペースは広いかもしれない。
だからちゃんと尊重してあげましょうという意味です。

お友達になりたいと思ったら、まずは飼主さんに「いいですか?」という声掛けがマナーですね。
聞かれたら相手もYesかNoをちゃんと伝えてくれるはずです。

我が家は先ほど書いたように2頭の中型犬を連れて歩いていますが、時折同じ犬種の飼い主さんから声をかけられることがあります。
そんなときはまず「男の子ですか?女の子ですか?」と聞きます。
もし「男の子です」と言われてしまったときは、「ごめんなさ~い。ウチの片方はオスなので、男の子苦手なんです」とお伝えしてお別れします。
男の子全部がダメなわけではありませんが、ダメなこともあるので、お互い嫌な気持ちにならないための防御策です。

こんな対応を聞いて「かわいそうに。」と言う人も当然いるでしょうが、私は自分の犬に不要なストレスをかけたくないのでこの対応をしています。
もし「女の子です。」と言っていただいたときは、「もしかしたら激しくご挨拶するかもです。」と逆に自分の犬が女の子好きなことでご迷惑をかけてはいけないことも前もって伝えます。

こういったことを全く考えなくても問題ない犬と暮している方はラッキーです。
でも、そうではない犬がいることを知っておくことは大事ですね。
そしてそれは「可愛そう」なことでは無いと言うことも知っておいて欲しいと思います。

犬同士の挨拶は一方的に行われるのではなく、お互いが安心した状況で行われる方がいいに決まっています。
真正面から行くのではなく、少し斜に構えてチェックしあえれば問題なし。
片方が嫌がっていたら、すかさず呼び戻してあげるサポートも必要ですね。

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リードは少し緩めてあげることで、嫌だったら逃げることも出来るようにしてあげるといいでしょう。

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