犬のハズバンダリーケア

2025年5月 5日 (月)

犬のボディランゲージ:毛が立つ

今日は犬のボディランゲージのはなし。

先日アニマルセラピーの動物介在教育では、小学生たちに犬との接し方を伝える活動も行っていると書きました。
その中では、
・勝手に知らない犬に手を出さない(飼い主に聞いてから)
・犬のそばで走らない
・犬をよく観察する
と言った話もします。

子供たちの中には当然犬を怖がる子もいますが、単に怖がるのではなく、犬という動物を知って、正しい接し方をすれば怖いものではないということも教育の一環として教えていくことが大事だからです。

「犬をよく観察する」ことは、犬のボディランゲージを読むことにつながります。
もちろん、短い活動時間の中で、犬のボディランゲージすべてを伝えることはできませんが、犬が警戒しているのか親しみを持ってくれているのかを知ることはとても大事なので、一般的に尻尾を振っているときはOKというような大雑把な伝え方はしていませんでした。
つまり、尻尾の振り方によってはウェルカムではないことも伝えていくわけです。

尻尾の位置、振り方によっては、真逆の意味になっていることもあるからです。

また、尻尾ばかりに気が行ってしまい、ほかの部分を見落としてしまうことも多いので、今日はそのほかの部分のひとつ、犬の首から背中にかけての毛の状態もとても重要なボディランゲージになっているというおはなし。

人間の場合「総毛立つ」という言葉があります。
簡単な説明では「恐怖や寒さによって体中の毛が逆立つ」様をいいます。

犬の場合も同様のことが、首から背中にかけて起こります。
警戒しているとき、恐怖を感じた時に、首や背中の毛が立ちあがるのです。
英語では「raised hackles」

短毛犬種は見ていてわかりやすいです。
どういう感じかと言うと、ローデシアンリッジバックのリッジのような感じで、その部分だけの毛が立ち上がっています。

犬の毛が立っているときは、犬は警戒心全開なので、対象物が生き物でなければ、自分で確認させることで落ち着くことができますし、相手が人や犬など生き物の場合は、一度距離を取ってあげれば落ち着けます。

そのまま距離を縮めてしまうと、吠えたり、場合によっては「窮鼠猫を噛む」事態にもなりかねないので、注意が必要です。

なぜこんな話を書いたかというと、背中の毛が立つことをあまり知らない人が多いのと、長毛犬種だと目立たないため気づかなかったりして見逃してしまうことが多いからです。

毛の長い、ショータイプのボーダー・コリーでも、首の後ろの毛ははっきり立ちあがりますし、見習いのようなスムースタイプの場合は、遠目にも明らかに毛が立っているのは目視できます。

興奮がマックスにならないように、気をつけてあげられるといいですね。

ボディーランゲージについての詳細は、Lili Chinさんの「DOGGIE Language」に載っています。
日本語翻訳版も出ているので、興味がある人は是非読んでみてください。

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2025年4月20日 (日)

犬のきもちを無視しない

犬のボディランゲージという言葉を知らない人は少ないと思いますが、
ボディーランゲージひとつひとつの意味をきちんと理解している人は多くはありません。
ましてや、犬と暮らしていない人は知る由もないでしょう。

犬はボディランゲージや声、行動によって自分たちのきもちを表しているわけですが、
「唸る」「吠える」「歯あて」「咬む」という行動は常にネガティブに捉えられがちです。

唸ったり、吠えたり、歯をあてたり、咬んだりする行動がすべてアグレッシブ(攻撃)とは限りません。
どちらかというと「防御」の結果であることが多いのが現状です。

よくある犬と子供の間で起きる交渉事件。
飼い主は「大人しい犬なんです。」と言っていることが多いです。
普段は大人しいのに、なぜ咬んでしまったのか。
そこに、犬のきもちは見過ごされていなかったのか。

何をされても耐える犬はいますが、すべての犬が同じではありません。
中には閾値が低く、すぐ限界に達してしまうこともあるでしょう。
その時犬が発したサインを見逃していると、犬はサインを出さずに「咬む」行動に出るようになります。

小さい唸り声を無視したり、こっちに来ないでという「吠え」を無視したりしていると、その行動を飛ばすようになるのは犬が学習する動物だからです。

自分の家に犬がいると、ついついよその犬も自分の家の犬同様、大人しくて、黙って撫でさせてくれるだろうと思っている人は少なくありません。
ましてや子供であれば、不用意に近づいていくこともあるでしょう。

人間でも、知らない人が急につかつかと近づいてきたら恐怖を感じませんか?

かつてボーダー・コリーの母子3頭で暮らしていた時の話です。
公園のベンチで犬友達とまったり歓談していたら、お散歩中の若い人たちが寄ってきて、急に我が家の息子犬の耳をガシッとつかみました。
私も犬もびっくりしました。

話を聞くと、若い学生さんがボランティア活動か何かで、障害を持っているお子さんたちのエスコートをしていたようです。
犬の耳を掴んだのは障害のあるお子さん。
エスコートしていた学生さんは必死にその手を開こうとしましたが、できませんでした。

私は自分の犬をひたすら励まし、犬も困惑した状態で私を見ていました。

しばらくして、お子さんが手を放し事なきを得ましたが、こんなことをされてどんな犬も黙っていられるわけはありません。
たまたまその犬はおっとりした性格で、人間への信頼度が高かったので、反撃しなかっただけです。

昨日のしつけ教室で、ご参加者の愛犬の様子を確認するために、私が犬に近づくことがありましたが、基本的に初対面の犬に対してぐいぐい近づいていくことはありません。
犬だって知らない人に近づかれたら不安を感じることがあるからです。
中には、どんな人にもウェルカムでフレンドリーなタイプの犬もいますが、どの子もそうではありません。
一見フレンドリーに見せて、実はちょっと怖がっていたりします。

そこで、ちょっと警戒している犬たちに対しては、正面からではなく、斜に構えて近づいて、犬と同じ目線で、まずにおいをかいでもらったりすることから始めます。
そのとき信頼を得られればすぐ次につながりますが、警戒心がなかなかとけない場合は無理はしません。
オヤツが仲立ちになることもありますが、常にそうとも限りません。
したがって、急にリードを引っ張ったりもしません。
犬に来るか来ないかの選択肢をあげます。
そうでなければ、犬のきもちを無視した押しつけになってしまうからです。

今朝は散歩の途中で遭遇した若い男性が、座っていた見習いを見て、「かわいい!」と言いながら、最初は普通に撫でていたのですが、何を思ったのか急に見習いのマズルを掴んで自分の顔を寄せました。
いやぁ、それは危ないなぁ。
私はさりげなく、「あんまりしつこいと咬むかもしれませんよ」とお伝えしました。
もちろん、一方では見習いに「アーちゃん、おりこうさんだねぇ。」と耐えていることを褒めてトリーツを渡し、その男性には「ありがとうございました」と言ってその場を後にしました。

離れた途端、見習いだけでなく、一緒にそばにいたアシスタントも体をブルブルっと震わせたのは言うまでもありません。

相手のあることなので、杓子定規に「触らないでください!」とは言えないのが人間同士のコミュニケーションですが、犬を犠牲にすることで結果お互いが傷つくのはよくありません。

普段危なくない犬であっても、追い詰められたら自分を守ろうとする行動をとる可能性があることを、知っておくことも大事です。
犬同士だけでなく、対人においても3秒ルールは適用したいところ。
犬を追い詰めていないか、行動を見直してみましょう。

先代のアシスタントは、公園で知らない子供にこんなことをされても気にしないタイプの犬でした。
興奮するわけでもなく、穏やかに受け入れる。
いわゆる社会性の高い犬でした。

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それはもちろん個体の性格もありますが、彼女が育った環境に、分別のあるお子さんがいらしたことも大きな要因だと思っています。

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2025年4月16日 (水)

毒入りキューにしないために。

「毒入り」と聞くと、なにやら危険を感じさせてしまいますが、
本当の毒が入っているのではなく、言葉の中に「毒」が入っているということです。

どういう意味かというと、「オイデ」や「来い」などの、愛犬を呼ぶキューや愛犬の名前そのもの。
飼い主に名前を呼ばれたり、「オイデ」と言われるたら愛犬は喜んでダッシュしてくるはずが、名前を呼んでも無視したり、「オイデ」と言われると立ち止まったり、どこかにいなくなってしまうということが頻繁にあるとすれば、それは犬の名前や「オイデ」などのキューに「毒」が入っている可能性があるということ。

では、「毒」とは何でしょうか。

名前を呼ばれて行ってみたら、ひどく叱られた。
「オイデ」と言われて行ってみたら、嫌いな爪切りが始まったり、楽しいドッグランでのお遊びタイムが終わってしまった。などという状況が頻繁に起こると、犬は自分の名前や「オイデ」という言葉自体に期待感が持てないので、無視するようになるというものです。

なんでうちの犬は呼んでも来ないのだろう。

そんなときは、「毒入りキュー」になっていないか確認してみるのもひとつです。

パピーレッスンでは、まず子犬の名前の価値を上げることから始めます。
子犬の名前の価値を上げるとは、名前を呼ばれると必ずいいことがあると条件づけていくことです。
呼ばれて振り返ったら、撫でてもらった、相手をしてもらった、美味しいものが食べられた、などなど、子犬にとって楽しいことと自分の名前を関連付けさせることです。

同様に、「オイデ」と言われて行ってみたら、楽しいことが起きると印象付けることがとても重要です。

我が家はオビディエンス競技などをやっていることもあり、「招呼(呼び戻し)」に関しては、何をおいても走ってくることを教えているので、「オイデ」などのキューに対しては一切ネガティブなことを関連付けていません。
※我が家では実際に犬を呼び戻すときは多頭飼いなので、それぞれの犬の名前を呼びます。
緊急事態の時は「来い!」と簡潔にいうこともあります。

我が家では「来い」の代わり、これからやることをその都度伝えるようにしています。

例えば、「爪切りするけど。」とか「口拭くわよ。」とか「足拭くわよ。」などです。
フリーで遊んでいるときにリードを付ける場合も、「リード(ハーネス)するわよ」と言ったりします。
犬たちはその意味を理解したうえで、自分から寄ってきてくれます。

これらの、犬たちにとってはあまり好きでないことに関しては、最初から無理強いするのではなく、少しずつ馴らしていくという「ハズバンダリーケア」を行うことも不可欠です。

愛犬とのコミュニケーションをうまく取るには、「犬の立場」に立ってみるとスムースにいくかもしれませんよ。

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※フリーで遊んでいるときに「リード」というとそばに来てくれる犬たち。

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2025年4月 7日 (月)

獣医師が苦手な犬の話

今は年に一度の狂犬病予防接種のシーズンです。
どうしても獣医さんに行かなければいけないのに、獣医さんが苦手な犬は少なくありません。

今回は病院が苦手ではなく、獣医さんの診察が苦手な犬の話です。

我が家の場合、1986年から犬暮らしをしていますが、最初の犬(ハスキー)の時代から、獣医師が嫌いな犬はいませんでした。
当然嫌なことをされたりもしますが、上手に気をそらしたり、美味しいものをもらったりしていると、嫌なこと(注射など)があまりクローズアップされずにやり過ごせるので、毎回楽しそうに病院に出かけていく犬ばかりでした。

中には、家の垣根をよじ登って脱走したあと、獣医さんの玄関前で確保された犬もいました。
いつも美味しいオヤツをもらっていたので、直行したのでしょう。

ところが、犬の気質は様々ですので、どの子も大丈夫というわけにはいきません。

特に我が家の7頭目の犬、現アシスタントですが、子犬の頃の初めての検診でかなりビビっていたので、オヤツをあげながら頑張ってもらっていたところ、目の検査で唸ってしまい、その瞬間リードを釣られたことでますます嫌悪刺激が増加してしまい、以後獣医師の診察が受けられなくなりました。

診察台までは喜んで乗り、獣医さんとも挨拶ができるのですが、体に触られたとたんにスイッチが入ってしまいます。
獣医さんを変えても同じでした。
つまり、病院に入りたがらないということは全くなく、女性の看護師さんや男性の獣医師さんでも、診察が始まらなければ大喜びで挨拶するほど人は大好きなのです。

ということで、彼には必ずマズルガードを装着して診察を受けるようにしてもらうことにしました。

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こんなにも繊細で神経質なタイプとは思っておらず、個体の気質の差には日々驚かされます。

しかし、犬も怖ければ反撃に出ないとも限らないわけで、そうなったときに、誰も怪我しないために「マズルガード」は有効です。
特にこのタイプは装着したままオヤツも食べられます。

今回予防接種と血液検査、触診と彼にとっては受難続きでしたが、オヤツを食べながら頑張りました。

獣医師や看護師の方々にとっても、危険と隣り合わせのお仕事ですから、安心してお仕事ができるためにも、マズルガードによって安全を確保することが大事です。

最初からマズルガードをすぐに受け入れられる犬は少ないので、日常生活のトレーニングの中に、マズルガード練習も入れておくといいでしょう。

一方見習いの方も大分緊張は見られましたが、こちらも診察中オヤツを食べながらしのぐことに。

しかし、本当にいっぱいいっぱいになると、オヤツを食べるどころではなくなります。
そんなときは、言葉で励まし、また食べられるようになるまで待ちます。
食べられなくなったのは、注射が終わって爪切りが始まった瞬間と、肛門腺を絞ってもらうとき。
誰だって緊張しますよね。

その後はまた食べられ、リラックス。
回復力も大事です。

ハズバンダリーケアの動画はこちら👇からご覧になれます。


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2025年3月 3日 (月)

愛犬のトイレは、外?中?

子犬のころ、あんなに大変だったトイレトレーニング。
散歩に行かれるようになって、外でもトイレができるようになると、飼い主はホッとします。

それでいいでしょうか。

よくお困りごとの相談にあがってくるのが、
「トイレを覚えてくれない」というもの。

「トイレを覚える」とは、トイレの場所を認識し、排泄したくなったら、トイレまで自力で行って用をたせるようになることですが、実際はそれだけではありません。
欧米の一般的な戸建て住宅の場合、ドアに取り付けられた犬用のドアから犬が勝手にバックヤードにトイレをしに行く話や、大型犬の場合は、ドアを手で掻いて、トイレを知らせるなんてことがよくあるので、トイレトレーニングの最終形は、バックヤードでトイレをすることだったりしますが、日本の住宅事情では、多くの飼い主さんが集合住宅に住んでいたり、あるいは戸建てであっても、庭がなかったりと、犬には厳しい環境だったりします。

そんなときはどうするのか。

外で排泄できるようになれば確かに楽です。
散歩に連れて行ったときにトイレを促してあげればいいのですが、悪天候の場合や、お腹の痛い時など、外まで行く時間がかかるような状態は人にも犬には辛いものです。

そこで、出来ればトイレは中でも外でも、どちらでもできるように教えてあげることが重要です。

外でトイレをするようになると、なかなか家の中ではしてくれなくなりますが、一日一回ぐらいは、トイレのキューでトイレシーツを使って家の中でも排泄する習慣を作っておいてあげると、いざというときや、旅行などの出先でもお互いのストレスが軽減されます。

つまり、トイレのキューを犬が理解できて、お願いした時にトイレをしてくれる状況が、いわゆる日本的なトイレトレーニングと言ってもいいでしょう。

我が家の場合、当然子犬のころにトイレシーツを使ってトイレのキューで排泄することを教えているので、外で排泄できるようになっても、悪天候の時は、家の中にトイレシーツを敷いてお願いするようにしています。
特に自室が3階なので、お腹が痛い時などは当然外まで我慢は出来ません。
夜中でも、私を起こさなくても排泄できる状態にしておいてあげると、犬もストレスが軽減されますね。

海外の人から見ると、日本の犬のトイレ事情はある意味不思議かもしれませんが、集合住宅の敷地内では犬を歩かせられない環境だったり、タワーマンションにお住いの方々にとっては「中トイレ」は欠かせないので、外・中、両方で出来るようにしてあげるといいでしょう。

特に、年齢を重ねると、介護が必要になることもあるでしょう。
先を予測したトレーニングは大事ですね。

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2025年2月 8日 (土)

2歳はターニングポイントのひとつ

子犬を迎えて日々奮闘している飼い主さんにとって、
「この子はいつになったら大人になるんだろう」と思わない日はないでしょう。

いつ大人になるのでしょう。

実際は個体差があるので一概には言えませんが、一般的には2歳前後。
雄犬の場合は、落ち着くのは4歳ぐらいなどとも言われています。

雌犬の場合は、シーズンが来ると少し落ち着く犬もいます。
逆に早期に避妊してしまうと、いつまでたっても子供っぽさが抜けないとも言われています。

いずれにしても2歳を過ぎるころには、ちょっとコミュニケーションが取りやすくなってくるというのが一般的。

午前中、ドッグダンスのプライベートレッスンに参加してくれたM君も、2歳を過ぎたころから、グループレッスン中の待機が鉄板になってきたのを覚えています。

そして午後のプライベートレッスンに参加してくれたYさん。
まもなく2歳を迎えようとしている最近、ちょっと行動パターンが変わってきたそうです。
今までは、ちょっとしたことでも気に入らないとスイッチが入りやすかったのですが、ここ数日、今までのような反応が減ってきたというのです。
大人の階段を上っているところでしょうか。

とは言っても、気に入らないときの反応がゼロになったわけではないので、気を緩めずよく観察していくことが重要です。

日常は行動範囲が制限されているYさんですが、ママとオモチャ遊びをするときだけフリーになります。
つまり、リードが付いていないときは走り回っていいとき。
そこで、今日はリードが付いていない状態で基礎練習。

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最初はリードを放した途端、走ろうとしたYさんでしたが、ゆっくり伝えてあげたら、フリーになっても走るわけではないと少し理解してくれました。

その後、爪切りが苦手なYさんの前足の爪だけ切らせてもらいました。
そもそも手を握られるのが嫌いなので、最初はリッキーマットなども使いましたが、今日は爪切りを足先に当てるとオヤツをもらえるというハズバンダリーケアから始まり、じっとしていられたらオヤツをあげ、爪を切らしてくれたらオヤツという流れを作って、前足だけ切らせてもらうことができました。
無理は禁物です。

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前回のレッスンから3週間。
ご家族が誰も歯を当てられていないと聞き一安心です。

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2025年2月 2日 (日)

犬の排泄

子犬を迎えると、なかなかトイレのタイミングが掴めず、「あ~ぁ」となることはみなさん経験されていることでしょう。
「あ~ぁ」とは、「犬が失敗した」のではなく、「犬に失敗させてしまった」という意味です。

人間が決めた場所で上手にトイレが出来ない場合、犬が悪いのではなく、トイレの設置場所や促しのタイミングが犬の行動と合致していないことによっておこる事象に過ぎません。

犬は場所で覚えたり、足元の感触で認識したりするので、最初に「ここ!」と決めてしまうと、なかなか変えられないこともあるので、トイレの場所はある程度決定した場所を教えてあげることが大事ですね。

我が家のアシスタント、子犬のころ2箇所に設置したトイレの一方を最終的に撤去しようとしたのですが、私の意見と彼のきもちが合わず、こちらの思惑とは違った方のトイレを残すことになりました。
彼は場所で認識したようです。

そういうことも考えて、トイレのトレーニングは柔軟に教えてあげないと、将来的に、「家の中でしかしない。」とか「外でしかしない。」と言うように、犬が頑なに主張し続けることにもなりかねません。

40年近く前、我が家に最初にやってきたハスキー犬は庭で排泄していました。
10歳過ぎた晩年、椎間板ヘルニアを患い急に立てなくなったとき、私が何度も庭に補助しながら連れていき、支えて待ってみましたが、彼は頑として排泄をしませんでした。
48時間近く我慢して、ステロイドが効いて自力で立ち上がれるようになり、初めて私の手を振り切って歩いて行って排泄しました。

今まで独りで出来ていたことなのに、急に抱きかかえられながらトイレをするよう言われても、そうそうは受け入れられなかったのでしょう。

今日はシニアなSさんのシッティングに行ってきました。
介助が必要になってから2回目でしたが、前回は私の介助では心許なかったのか排泄をしてくれませんでした。
そして今日も日中は全くしてくれず、このままではお漏らししてしまうのではと心配でしたが、夕方の介助でようやく排泄してくれました。
少しは信頼してもらえたのかもしれません。

トイレトレーニングがちゃんと出来ている犬であっても、周囲の状況を確認してからトイレを促してあげないと、なかなか排泄してくれないこともあるでしょう。
なぜなら排泄はとても無防備な状態だからです。

人間も、ドアの閉まらないトイレでは怖くて落ち着いては入れませんよね。

たかが犬のトイレと思わず、犬のきもちに寄り添ってトイレのキューを出してあげましょう。

急に冷え込んだのか、朝からちょっとお腹の痛かったアシスタント。
夕方の散歩は、めったに着せないのですが、洋服を来て出かけました。

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2025年2月 1日 (土)

グループ相談会開催しました。

今日はグルーミングサロンアプシーさんで定例のグループ相談会を開催しました。

グループ相談会では、犬とのくらしに役立つヒントを含め、犬とのかかわり方や、問題行動の改善策をお話させていただいています。

今日は犬の健康の話から始まりました。

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犬の後肢を含めたボディメンテナンスの話では、見習いがデモをやってくれました。

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高齢になってからではなく、若いころから犬の姿勢や体の使い方を観察しながら、サポートしてあげるといいでしょう。

そのあとは、分離不安やお散歩の問題、ハウスの問題など、様々なご相談がありました。

今回はプライベートレッスンを受けてくださった生徒さんや、相談会に参加されるたびに愛犬との関係性の変化を伝えてくださる方、新たに子犬を迎えた方や、お困りのある方などがご参加くださいました。

プライベートレッスンと異なり、グループ相談会では、問題が個人のものではなく、みんなで共有できること。
改善策のアドバイスを聞いて頂くだけでなく、実際に改善された方の実体験も直接お伺いできるのがメリットです。

犬の行動そのもをを取り上げるのではなく、その行動がなぜ出るのかを考えていただきながら、愛犬のサポート法を考えていくことが重要ですね。

ご参加いただきましたみなさま、お疲れさまでした!
いつも場所をご提供いただいておりますアプシーさん、ありがとうございます!

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2025年1月31日 (金)

選択肢は大事ですが。

「犬のきもち」についてはよくお話していますが、それは、犬のきもちを全部尊重しましょうというお話とはちょっと違います。
なぜなら、全部犬任せにしてしまうと、犬任せにできない状況に遭遇した時に、犬がストレスを感じてしまうからです。
「いつもなにをやっても許してもらえるのに、なぜ今日はダメなの?」という感じですね。

犬のきもちを尊重することは大事ですが、犬のきもちを理解したうえで、折り合いをつけていくことも、人間との共同生活には不可欠です。

おうちのルールなどを教えてあげることで、犬にとっても暮らしやす環境を作ってあげることが必要です。

例えば、
ハウスに入りたくない。
散歩に行きたくない。
大好きなおもちゃを渡したくない。
散歩中好きな方に歩いていきたい。
などなど、放っておけばただのわがままな犬になります。

こういった犬たちのきもちに「いいよ、いいよ」と言っていれば、旅先で犬が安全に過ごせるようにハウスを用意しても、「入らない!」と主張されるでしょうし、一緒におもちゃで遊ぼうと思っても、「絶対渡さない」と言われてしまえば、遊びは終わってしまうでしょう。

犬の顔色を見るのではなく、犬のきもちを理解したうえで、上手に折り合いをつけていくためのトレーニングをしてあげることが重要です。
「トレーニング」と言うと、押しつけのように聞こえますが、要は犬と上手にコミュニケーションを取るということです。

それは、
ハウスは楽しい場所、美味しいものが食べられる場所、ゆっくり寝られる場所と教えたり、
散歩に行くと、楽しいことがあると教えたり、
おもちゃを渡してもすぐに遊びが終わってしまうわけではないと教えたりすることがトレーニングです。

愛犬が理解できるまで、根気よく伝えていきましょう。

今日は若いKさんのお散歩レッスンがありました。
マイペースで歩くので、気に入らない人を見ると吠えてしまうKさん。
ママがどうやって歩いてくれると嬉しいのか伝え続けていったら、
少しこちらを気にするようになってきました。

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我が家の見習いにも、「散歩は一人で行くんじゃないんだけど・・。」と言っているのですが、時々忘れてしまうようなので、日々繰り返しています。
犬にも個体差があるので、身に付く前時間のかかる子もいます。
あきらめないことが肝心ですね。

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2025年1月30日 (木)

首輪を持たれることに馴らす

今日たまたまポップアップされたSNSの投稿。
首輪を持たれた子犬が必死で反抗して自由になろうと、首輪を持っている人に唸ったり噛もうとしていました。
そして、その動画を見た人が「虐待」とコメントしているというお話。

確かに、必死でもがく子犬を保定している様子はある種の虐待にも見えるかもしれませんが、その後子犬は少し静かになりました。
もがいても無駄だと少し学習したのでしょう。

力づくで犬を押さえつけるのはいただけませんが、犬の動きを止めることはある意味重要です。
それは犬の安全確保においても大事なことだからです。

先日、「首輪を掴まれることに馴らす」ことを書きました。
犬はそもそも自由を束縛されるのを好みません。
初めてリードを付けた子犬はリードによって自由が阻害されて暴れることもあります。
それを「イケナイ」と叱るよりは、リードが付いているといいことがあると犬に教えた方が犬のストレスは軽減されます。

首輪を持たれることも同様です。
犬が好きなオヤツを使いながら、首輪に触ったり掴んだりされることに馴らしてあげることで、犬は首輪を持たれても反抗しなくなります。

要は楽しいことと結びつけることで苦手を減らしていくことです。

首輪を掴んでガンガン引っ張ったりするのではなく、首輪を掴みながらおいしいオヤツを一つずつ継続的に上げていくだけで、首輪への嫌悪感が軽減されます。

大したことには思えないかもしれませんが、嫌なことを無理強いするのではなく、小さいころから馴らしてあげるといいでしょう。


さて、我が家の見習いは、アシスタントが練習中静かに座っていることを学んでいます。
静かに待っていれば自分の番が来ることはわかっていますが、それ以前に静かに待っていられたらアシスタント同様見習いにもオヤツが届けられます。

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トレーニングは楽しくなければ続きませんね。

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