相手や、相手の犬のきもちを想像する。
今日のプライベートレッスンで、クライアントさんからこんなお話を聞きました。
散歩中、他犬に対して興奮することなくやり過ごせるよう一生懸命愛犬をサポートしていたところ、愛犬が静かにオスワリをして待っていられたので、沢山褒めてあげていたら、真後ろに今やり過ごしたはずの犬が戻ってきたため、結局驚いた愛犬が激吠えして、嫌な経験値が増えてしまう結果となり、とてもがっかりしたというもの。
こういうことは本当によくある話です。
逃げ場が無く、他犬との距離が取れない(歩道が狭かったり)ために、オスワリをさせて飼い主に集中させ、褒めながらオヤツをあげている間にやり過ごそうとしているのに、なぜか相手が立ち止まって自分の犬を寄せて来たり、なかなか立ち去らなかったりという場面です。
そして、こちらの犬が吠えてしまうと、中には「自分の犬は何にもしていないのに、なんで吠えるんだ!しつけが出来ていない犬だ!」と捨て台詞を吐いて行く人もいます。
愛犬が見知らぬ他犬に対して緊張したり、興奮してしまい吠えてしまうことをよくわかっている飼い主さんの多くは、「吠えないでやり過ごして欲しい。」と思っています。
そのためには、どうやって愛犬をサポートしたらいいのか、試行錯誤しながら頑張っている飼主さんは少なくありません。
先日、「吠え」は出なくても、車通りの多い交差点に興奮する子犬のケアの話を書きました👇。
http://chn.air-nifty.com/dance_with_dogs/2021/07/post-75713a.html
少しずつ、「大丈夫」を増やしてあげる方法ですが、他犬に対する攻撃性の無いリアクティブな反応も同じです。
もちろん、何をやってもダメだからとあきらめている飼主さんもいますが、なるべく吠えないで欲しいと願っていることは同じだと思います。
「犬は吠えて当然。」と寛大に見てくれる人もいますが、世の中そういう人ばかりではありませんし、犬を飼っている人も飼っていない人も、同様に嫌だと思う気持ちがあることも事実です。
また、吠える原因が犬にとってストレスになっていることは事実です。
「好きで吠えさせているのではない。」
「だったらなんとかしなさいよ。」
と言ったやりとりが聞こえてきそうですが、吠える犬を持っていない人の中には、吠えてしまう犬と暮らしている飼い主さんの気持ちが全く想像できない人がいます。
先ほどのクライアントさんは、他犬をやり過ごすために、愛犬に集中し、良い行動を褒め、愛犬と会話をしているのですが、その状況を全く把握せずに、自分の犬が行きたがっているからと犬を相手の犬に近づけてくる。
中には、「犬友達を作ろうと思って。」という方もいるかもしれません。
しかし、たとえ悪気がなかったとしても、「いいですか?」や「近づけても大丈夫ですか?」ぐらいの声掛けをしてからというのが基本のマナーです。
犬同士にも相性があります。
相手が嫌だというサインが読めないのであれば、飼い主さんに聞いてみましょう。
犬嫌いな子は社会化不足が原因とは限りません。
飼い主さんが手を抜いたのでも、犬の性格が悪いわけでもありません。
ちょっと、引っ込み思案や警戒心が強かったり、あるいは嫌なトラウマを持っていたり、打ち解けるまでに時間がかかることが多いものです。
ちなみに我が家の見習いは、小さいころから、公園の諸先輩方に相手をしていただき、犬同士の挨拶はわかっているので、子供の頃は一見さんとも仲良く遊んでいました。
大人のオスになって、オス犬に対する警戒心が強くなりましたが、時間をかければ気にしないでいることは出来ます。
しかし、急に寄って来られれば、こういう顔になります。
吠える、吠えられるはお互いストレスになるので、出来るだけそういう状況を作らないサポートが出来ればいいですね。
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