犬の行動学

2023年9月25日 (月)

犬種の選び方

犬と暮すことを選択した人は、どんな犬との暮らしをしたいのか、ある程度想像しているものです。
競技も含め一緒にドッグスポーツをするアクティブな生活、キャンプやマリンスポーツ、旅行など、一緒にレジャーを楽しむため、あるいは、パートナーとして心のよりどころにしたい人など様々でしょう。

どのようなライフスタイルを望むかによって、当然選ぶ犬種も変わってきます。
また、お住まいの住環境によっても制限が出るかもしれません。

いずれにしても、初めは「ただ犬と暮したい」と思っただけだったかもしれませんが、現実味を帯びてくるにしたがって、犬種も気になってくるはずです。

パピーレッスンや、デイリートレーニングでお伺いするご家庭でお話を聴くと、ご愛犬との出会いは様々ですが、目的意識を持っていらっしゃる場合は、犬種を決めていらっしゃることが少なくありません。

では、どうやって犬種を選ぶのか。

最近はSNSなどで、多くの情報が出回っています。
実際にその犬種を飼っている家庭の日常を垣間見ることもできます。
「ペットショップで目が合ったから」という理由だけでなく、もっと、これから家族になる犬のことを調べてから迎えて欲しいと思います。

なぜなら、「こんなはずじゃなかった。」という声は少なくないからです。

それは、単純に「犬と暮す」という生活の想像力が足りなかった場合もありますし、犬種による特性に翻弄されることもあるからです。

犬種にはそれぞれ、長年刷り込まれてきたDNAがあります。
犬種ごとに、目的があって人間によって作られたものだからです。

作業犬としての能力を最大限活用できるような選択交配をして生み出された犬種もあります。

そういう背景を無視しての犬種選びはとてもリスキーです。

かつて友人の愛犬が公園のハトを捕まえたことがあります。
その犬種は猟犬でした。

犬種の特性や良いところを評価するとともに、人間社会で一緒に暮すために気を付けなければいけないこともよく考えて迎える必要があると思います。

もちろん、予想を裏切る犬たちもいます。
シーズーなのに、走るのが大好きで、「持来」もエンドレスで楽しそうにやってくれたり、ボーダー・コリーなのに、ディスクを投げても2~3回しか取ってきてくれなかったりというような場合もあります。

しかし、一般的には、理想のワンライフに向けてどんなタイプの犬を探すかというのは、とても重要なポイントです。

かなり前から、意図的なミックス犬も市場に出回るようになりました。
介助犬として、好ましい性格の犬種と、毛が抜けない犬種を掛け合わせた犬種もいます。
最近では一般的になってきましたが、理由があっての交配や、系統立てて、プランニングされた交配はある程度許容されると思いますが、ただ「かわいい。」とか、「人気の犬種同士だから」と言った安易な交配は、それぞれの犬種が持つ遺伝病や、マイナス面のリスクを考慮していないこともあります。

すべてを理解したうえで、その個体を丸ごと受け止めることが大事ですね。
犬の特性を考えて、欲求を満足させてあげられるような「エンリッチメント」を考えることも重要です。

昨日までハンガリーで開催されていたOEC(Open Europian HTM & Freestyle Chmpionship)では、様々な種類の犬たちがハンドラーと共に素晴らしい演技を披露してくれました。

全体的には、活動的なボーダー・コリーが大きな割合を占めていますが、他犬種やミックス犬も多く参加していて、犬種の特性を生かした動きが取り入れられていて、観ていてとても楽しいコンペでした。

さて、我が家のボーダー・コリーたち。
一口にボーダー・コリーと言ってもいろいろです。
現在の犬たちは5頭目と6頭目のボーダー。

1頭目から4頭目までは、オーストラリアのショーライン、5頭目はイギリスのワーキングライン、そして6頭目はアイルランドのワーキングライン。

毎回驚かされることばかりです。

もうすぐ2歳になろうという6頭目見習いは、今日もお花畑でした。

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2023年9月16日 (土)

「咬む犬」と暮すこと

先週「人と動物の共生大学」のライブ配信で「触れない犬の行動療法の実際」というライブ配信がありました。
私は主催イベントで遠征していたこともあり、帰ってきてからアーカイブをゆっくり見ました。
獣医行動診療科認定医である奥田順之氏のお話です。

「触れない犬」とは触られることを嫌悪し、咬むというものです。
触る触らないに限らず、犬の咬みつき行動には様々な原因がありますが、どんな原因であったとしても、犬が嫌がっていることで「咬む」行動を選択していることに違いはありません。
※喜んで興奮しすぎて咬むのとではダメージが違います。

いくつかの症例のビデオを観ながら解説をされていましたが、小型犬であっても「咬む力」は相当なものですから、無傷でいられることはほとんどありません。
実際私も飼主さんが触れない小型犬に対し、緊急を要することで手を出さざるを得ず咬まれ、その後瘢痕化したため、治癒にはかなり時間がかかりました。

「咬む犬」の行動修正として、かつて某放送局が現場の実態を放映したこともありましたが、対処の方法はいくつかあったとしても、犬にとってストレスや負荷をかけすぎず、咬みつき行動を減らしていくには、その原因となることを人間がしないこと、あるいは、そういう環境に犬を追い込まないことが重要なポイントになります。
つまり、「咬みつきスイッチ」が入りづらい状況を続けていくことで、「咬む」行動の閾値があがり、ちょっとイラっとしてもすぐ咬む行動に出づらくなるようにするということです。

人と暮していく犬にとっては、嫌なことを全くしないで一生暮らすことは出来ません。
トリミング、爪切り、ブラッシング、獣医師の診察等々、犬にとって楽しくない状況は必ずついてまわります。

嫌なことを嫌なことと刷り込まないために、人間側が犬のきもちになってサポートしていくことが重要になります。

幸い我が家には、私を咬む犬は一頭もいませんでしたが、獣医師が苦手な犬が一頭だけいます。
獣医師を転々としたり、ハズバンダリーケアを施したり、診察をしなくても病院に何度か通わせてもらったりと、いろいろ試しながら暮らしています。

そもそも、犬が咬むようになるのは人間の問題であることも少なくありませんが、犬の個体による性質も大きく関わってくるので、「イヤ!」と言う気持ちを無視して強制していると、「イヤ」と唸ることを止めて、突然咬みつくようにもなってきます。

犬と暮すことを決めた人は、まさか自分の犬が自分を咬むようになるとは思ってもみないはずです。
特に小型犬の場合は、人間は力で押さえつけることが出来てしまうので、ついつい犬の気持ちを見落としてしまうこともあるかもしれません。

これは、犬の好きにさせるということではありません。

犬が嫌がることを強要するのではなく、犬が嫌がらなくても出来るようなサポートを時間をかけてやってあげる方法を見つけることが犬のストレスを軽減できるというお話です。

いろいろ強いてきても文句ひとつ言わずについてきてくれる性格の犬もいます。
おっとりしていて、いちいち細かいことは気にしないタイプなのでしょう。
そういう犬たちとの暮らしはのんびりした時間が流れています。
しかし、そんな犬ばかりではないので、愛犬の性格をよく知ることも大事ですね。

さて、我が家の見習い、人に手を握られるのは好きではありません。
足ふきも嫌いですが、無理矢理掴むのではなく、足をあげるたびにキュー(4本の足それぞれ)をつけてトリーツをあげていたら、とりあえずあげてはくれるようになりました。
でも、好きではないので、やたらにやらせることはありません。
あげてくれても握るのではなく、私の手や足に乗せてくれるだけでOKです。

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ドッグダンスのトリックには足(手)技が沢山ありますが、見習いの習得はむずかしそうですね。

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2023年8月10日 (木)

楽しいことは終わらないと伝える

犬は楽しいことが大好きです。
楽しいことが終わると思うと、何としても阻止しようとします。

漠然としていて、何が言いたいかわからないかもしれないので、簡単な例を二つ。

パピーレッスンで、子犬に初めてカラーやハーネス、リードを着けた時、犬たちはどんな行動を取ったか覚えていますが?
フリーズしたり、あるいはなんとかはずそうと噛んでみたり、リードを思い切り反対方向に引っ張って、ハンドラーの方に行くのを嫌がったりしませんでしたか?

つまり、今まで自由だった世界が、急に制限された状態になり、自由を奪われたことによるカルチャーショックを感じているのです。

もちろん、カラーなどを着けるときも、子犬にとって楽しいことや美味しいものと関連付けをしながら、少しずつ馴らしていくことで、最終的には気にせず装着させてくれるようにはなりますが、時間がかかる子もいます。

自由が奪われることは誰でも嫌ですよね。

そんな犬たちにとって、リードを外して遊びまわれるドッグランは夢のように楽しい場所なので、飼い主がいくら呼んでも戻ってこないというのは当然起こりうることと考えていいでしょう。

では、そうならないためにはどうすればいいのか。

日ごろからの呼び戻し練習は最低限必要なことですが、それに加えて、呼ばれて戻って来ても、楽しいことが終わってしまうわけではないと教えていくことが重要なポイントになります。
呼ばれたら家に帰る時間とインプットされていれば、5時のチャイムが鳴っても帰りたくない子供と同じで、なかなか戻っては来ません。

帰る時間になる前から、何度か呼び戻しては、「遊んできていいよ。」と解放してあげることで、犬は呼び戻されることが嫌悪刺激にならなくなります。

同様に、オモチャをなかなか渡してくれない犬の場合も、オモチャを取り上げるのではなく、まだ遊びが続くことを教えてあげると、取りに行ったオモチャをすぐに渡してくれたり、引っ張りっこの途中で離してくれるようになります。

なかなか手渡ししてくれない子の場合は、代替品を見せたり、美味しいオヤツをご褒美にあげることでも、出してくれるようになります。

今日のプライベートレッスンではA君のトレーニングのご褒美として引っ張りっこをやってもらいました。

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トレーニングのご褒美として使う場合は、トレーニングが継続されるので、オモチャを回収する必要がありますが、出してもらったオモチャをすぐにしまってしまうのではなく、数回繰り返すことで、A君が気持ちよく出してくれるように練習してみました。

根気よくやっていきましょう。

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2023年7月30日 (日)

リーダーになることと、力を行使することは違います。

子犬を迎えると、かわいくて仕方のないのは当然ですが、ときに、子犬のきもちを無視した行動を取ってしまう場合があります。
しかし、子犬のことを考えれば、子犬の人格(犬格)も尊重してあげなければいけません。
つまり、可愛いからと溺愛し、子犬の自立を妨げたり、何をやっても許してしまうのは犬にとっては大きな勘違いの元になります。

体が大きくなっても、同じようにふるまう犬を見て、急に「それは違う」と言われても犬は混乱してしまうので、小さいころから一貫した習慣づけを行っていくのが、犬にとって真に優しい対応と言えるでしょう。

もちろん、子犬の頃は赤ちゃんと同じなので、「イケナイ」と言いたくなるような行動を沢山とりますが、それは人間が環境を上手に整備することで、犬が「イケナイ」行動を取りづらくすることで防ぐことが可能です。

それでも、チャレンジャーな子犬たちは、好奇心のままに、様々な行動を取って飼い主をびっくりさせたりしますが、そんな時人間はどう対処したらいいのでしょうか。

かつて、とあるSNSで、愛犬に噛まれると相談したところ、力で組み伏せ、どちらが上かわからせるべきだというような書き込みがありました。
いわゆる、「甘噛みをしてきたらマズルをぎゅっと掴んで叱れ。」とか「甘噛みをしたら子犬の口の中にグーを突っこんで、『オエッ』とするまで手を出すな。」と言うようなニュアンスのものでした。

力で子犬をねじ伏せることで子犬は何を理解するのでしょうか。

賢い犬であれば、
・この人は痛いことをするから、この人の前では静かにしていよう。
(裏を返せば、痛いことをしない人には何をやってもいい。)
・この人は痛いことをするから、傍に寄らないようにしよう。
(呼んでも来ない犬になる)
・この人は痛いことをするから、この人が手を見せたら、マズルを掴む前に噛んで反撃しよう。
(甘噛みが本気噛みに移行する)

こんなことを考えるようになるのではないでしょうか。

ときに「主従関係」と言う言葉を耳にします。
そもそも「服従訓練」という言葉からして、犬を服従させることなのかと、勘違いさせてしまうような気がしますが、一般的なドッグトレーニングは、ハンドラー(飼い主)と犬との共通言語を教えてあげることで、犬がハンドラーのキューに対してすぐ行動できるようにしてあげることです。
その中に、どちらが上(主)か下(従)かという区別はありませんが、まったく同じ立場であるわけでもありません。
なぜなら、日常生活の中では、ハンドラーが犬を守る立場にあるからです。

そのために、ダメなことはダメと伝え、やって欲しい行動が出やすいように根気よくサポートしながら伝えていく義務が生じるわけです。

例えば、我が家の犬たち、先週避妊手術を終えた見習いは、傷口が開くといけないので激しい運動はさせられないのに、アシスタントをワンプロに誘います。

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そこで、私の目が届かないときは、必ず片方をクレートに入れていますが、同じ部屋にいるときはフリーなので、ワンプロが始まると「ダメよ~。傷口が開くから。」と言うだけで、ワンプロをやめてお互いのクレートに戻っていきます。

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力づくで引き離す必要は全くありません。
私が何を言っているのかちゃんとわかっているからです。

犬は時として、とても嫌な思いや怖い思いをしたことをなかなか忘れられず、トラウマを持ってしまうと、口で反撃するという行為に及ぶことがあります。

そもそも、気質に欠陥がある(生まれつき)攻撃的な犬でなければ、それ(反撃)は恐怖が原因での行動なので、その行動を止めさせようと力で押さえつけてもなんの解決にもなりません。
そんな行動を取らなくても、君は大丈夫だと理解できるまで、根気よく向き合っていくことが重要です。

かつて甘噛みする度に首輪を吊り上げられた犬が、首輪やリードに手が触れそうになると、家族全員を噛むという行動に出るようになりました。
首輪やリードに触れなくても、近くによるだけでも歯を剥くようになり、一切家族を信じない犬になってしまいました。

実はそんなに家族を信じていないのに、その犬は体を触って欲しい時だけ自分から人にすり寄っていくので、飼い主さんはついつい撫でてしまうのですが、気に入らなくなると、すぐにその手を噛もうとするので、飼い主さんはどうしていいかわからない状況になっていました。

力や強い口調で言えば言うほど、興奮はマックスになり手に負えない犬になりましたが、その犬にとって嫌悪刺激になる行動をご家族が一切やらなくなったら、噛む行動が出なくなり、噛むスイッチが入りづらくなりました。

一度崩れた信頼関係を築きなおすには時間がかかります。
手っ取り早く治す方法はありません。

可愛いからと猫かわいがりすることが犬との関係を築くことではないし、犬が言うことを聞かないからと力で押さえつけることも違います。
犬にとってわかりやすいのは、何がいいことなのかを明確にしてくれる人ではないでしょうか。

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2023年6月26日 (月)

吠えの対策について

最近よく耳にするのが、「無駄吠えをなんとかしたい。」というお困りごと。

犬にとって「無駄な」吠えは無いというのが個人的見解ですが、とは言え、吠えっぱなしの状態は、共に暮す人間にとっても、ご近所にとっても、当然のことながら本犬にとってもいいことではありません。
なぜなら「ストレス状態」が継続される上に、周囲にもストレスを与え続けるからです。

では、どうやって吠えないでいられるようにするのか。

まずは原因解明が先決です。

どんなシチュエーションで犬が吠えるのかを観察しなければいけません。

様々な吠えの原因としてよくあげられるのが以下のようなものです。

・要求吠え
・警戒吠え
・興奮(楽しい時や怖い時など)による吠え
・身体的な苦痛による吠え
・心理的な苦痛からくる吠え(分離不安など)

上記の吠えは原因が異なるために対処法も異なります。

例えば要求吠えにおいては、ハンドラーが一貫した態度を取って、吠えることで要求が叶うわけではないと伝えてあげる必要があります。
つまり、吠えても無駄だからやめた方がいいんじゃない?という提案です。

警戒吠えの場合、窓の外を通る見知らぬものや動物に対して吠えているのであれば、窓から外が見えないように、カーテンを閉めたり、犬の目線に合わせて、窓にフィルムを貼ったりすることで回避することができます。

インターホンの音が来客を連想させて吠えるのであれば、インターホンが鳴っても何も起こらないことを繰り返したり、インターホンと他の楽しいこと(ハウスでオヤツなど)を連携させて、吠える行動を出させないなどの対処法もあります。

身体的な苦痛は獣医さんに診断を依頼する必要があるでしょう。
急に始まったり、シニアになってで始めたら、認知症を疑うなども必要でしょう。

分離不安であれば、リラックスできる安全な場所を提供するといった環境設定も必要になるかもしれません。

いずれにせよ、ひとつの方法では解決できないので、原因を解明しながら、時間をかけて向き合っていくことが重要です。

くれぐれも、吠えるからとマズルを掴んで叱ったりしないように。
なぜか、「吠えたらマズルを掴めばいい。」という都市伝説がまだまことしやかに伝えられているようです。

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吠えている犬の画像がないので、いつも我が家の現アシスタントが、文句を言っているときの写真が出てしまいます(汗。

吠えの原因を排除しないまま口を押えたところで、果たして吠えることをやめるでしょうか。

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2023年6月11日 (日)

犬の行動は環境で変わる

「あたりまえ!」と言われそうな今日のお題。
犬だけでなく、どんな生き物も環境で変わります。

環境が変わることで、一体どのようなことが起こるのでしょうか。

初代のボーダー・コリー親子は、母犬が2歳、子犬たち(2頭)が生後10か月の頃引っ越しをしたのですが、引っ越し当時は新しい家の場所の認識も出来ず、特に子犬たちは散歩エリアが変わったことで、散歩中の緊張がひどくなりました。

思春期とも重なった子犬たちは、散歩中他犬が視界に入るたびに突然吠えるようになったのです。

姉弟2頭が一斉に吠えるので、周囲の方々には、なんとも申し訳ない状況でしたが、半年経つとまったく吠えなくなりました。
かつて我が家の犬が吠え立てた相手の方は覚えているので、逆にウチの犬を見ると吠えるようになりましたが、姉弟は全く反応しません。

環境の変化によって吠えるという行動が一時的に出たものの、慣れてきたら吠えなくなったというわけです。

引っ越しや家族構成の変化などは犬に大きく影響を及ぼすイベント。
人間は理由がわかっているので、変化によるストレスをなんとか克服していくことが出来ますが、犬には理由がわかりません。
ストレスがどんな影響を及ぼすかは予想できません。

環境の変化は犬の行動に変化を及ぼしますが、慣れることで、ストレスが軽減され、日常行動を取り戻すことも可能です。

愛犬の行動が変わった時は、何か身近に変化があったからかもしれませんね。

様子を見ながらサポートしていかれるといいですね。

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半年経ったらケロッと普通に散歩を始めた初代の犬たち。でした。

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2023年6月 2日 (金)

ドッグトレーニング:犬の気持ちになってみる

「あなたの犬は呼んだらすぐ来てくれますか?」

ドッグトレーニングの経験があったり、競技に出たことがある人にとっては、当然YESと回答される質問ですが、先日も書いたように、そもそも呼び戻す必要性を感じていない人にとっては、来てくれても来てくれなくても、日常生活上困らない方も多いようです。

では、戻ってこない犬をドッグランで放したらどうなるのでしょうか。

犬が遊びに飽きて疲れて戻ってきたところを捕まえれば家に帰れますが、まったく戻ってこようとしない愛犬を放ってしまったら、ハンドラーが戻って欲しいタイミングで帰ってくるかどうかはギャンブルとしか言いようがありません。

そうなると、ハンドラーは犬が戻ってきたらすぐにリードを着けて捕獲しようとするので、犬はますます逃げようとするでしょう。

自由を奪われるのは誰だって嫌なものです。
自由に走り回っている方が絶対楽しいに違いない。

ハンドラーの元に帰ってくることにメリットを感じない犬は、恐らく飽きるまで戻ってくることはないのではないでしょうか。

家の中と違い、外には楽しいことや興味をそそるようなものが沢山あります。
そっちに行くべきか戻るべきかの選択の中で、犬が迷うのはある意味当然のことです。

それでも、ハンドラー(飼い主)を選んで戻ってくるのは、すでに信頼関係が出来ているか、戻った方がメリットがあるに違いないと知っているか、あるいは戻ることが習慣になっているかのどれかでしょう。

最初は、犬が戻りたいと思う気持ちにしてあげることがハンドラーの仕事と言えます。
そのためには、戻った時に嫌なことが起こらないと伝えることが不可欠です。

しかし、人はついつい、戻ってきた犬をすぐに捕まえようとしてしまいます。

そんなことを学習している犬は、とりあえず戻ってはきても、ハンドラーから距離を取ったところからハンドラーの様子を観察し、捕まりそうになると、踵を返して走り去っていきます。

そうならないように、小さいころから、ハンドラーと一緒にいることの楽しさをしっかり教えてあげることが一番ですね。

さて、今日は若い犬たちのプライベートレッスンがありました。

ちょっと自由になると、ついついハンドラーそっちのけで好奇心のままに動きたくなるお年頃。
少しずつ、ハンドラーとの関わり方も教えていきます。

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まずは、犬にとって楽しいことを共有することから始めましょう。

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2023年5月18日 (木)

子犬との生活:世のお父さんたちへのお願い

子犬との生活の中で問題となってくる子犬の行動のひとつに「甘噛み」があります。

「甘噛み」とは、本気で噛むことではなく、いわゆる赤ちゃんの「おしゃぶり」のように、手に絡んでくることです。
赤ちゃんは歯が生えていないので問題ありませんが、子犬の場合、尖った歯は人間の手の皮を簡単に引き裂いてしまいます。

「甘噛み」と聞いて、「絶対に許さない」というご家庭もありますが、私は基本的には「甘噛み」は許容しています。
しかし、犬はロボットではないので、常に同じ力で噛んでくるわけではありません。
興奮すれば力も入るし、ある意味、どのくらいなら許されるのかチャレンジしている部分もあります。

そこで、力が入ってしまったときは、「痛いよ。」と伝えることで、子犬に、このレベルはダメだなぁと教えていくわけですが、ときに「甘噛み」も興奮すると加減が出来なくなってしまうこともあります。
では、興奮させなければいいのですが、そんなつもりはないのに、子犬を興奮させてしまうのが、世の男性陣(お父さんたち)です。

なぜか、男性は子犬と遊ぼうとすると、手を子犬の前にちらつかせて、手で遊ぼうとします。
手は、美味しいものをくれたり、優しく撫でてくれるもので、「おもちゃ」ではありません。

子犬にとって手の噛み心地は、絶妙です。
しかも動いていればそそられます。

是非、子犬と遊ぶときは手ではなくおもちゃを使いましょう。

そして、上手に出来たことを褒めるときも、顔の周りをグシャグシャに撫でまわすのではなく、体を優しくポンポンと叩く程度にしてみましょう。
手に向かってくることが少なくなるはずです。


さて、今日はパピーさんたちのプライベートレッスンがありました。

日々様々なことを学習していくM君。

今日はおもちゃの交換を学びました。

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口から離してもらうことを教えてあげることは、日常生活的にも大事です。
口にしては困るものをすんなり手渡してもらえると安心ですね。

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2023年5月 7日 (日)

パピートレーニング:好ましい行動を褒めて強化

子犬が人の手を狙って噛むのはよくある話です。
手だけでなく、足も狙ってきます。
なぜなら動くものに反応して追いかけて、動きを止めようとして噛むからです。

しかし、これらの動きは犬の本能的なものなので、叱ったところで止まりません。
むしろなぜ声を荒げられたのかわからず、さらに興奮がエスカレートすることもあるので、出来ればノーリアクションにとどめておきたいものです。

そこで、そういった動きを誘発しないように人間側の動きをみなおすことも必要です。
例えば、かわいいからと、子犬の顔を撫でようと手をヒラヒラさせれば、子犬は当然刺激されてしまいます。
そもそも、顔の周りを撫でられたくない子もいるので、そういう子は甘噛みと言うより、「やめて~!」と口で対抗することもあるでしょう。

手は子犬にとって美味しいものをくれたり、やさしく撫でてくれるもの(激しくではなく)だから噛まないことを教えていくには、やたらと手を使って子犬を興奮させないことも重要です。

ではどう子犬と接するのか。
歯がかゆくて何かを噛みたい子であれば、噛んでもいいおもちゃを提供し、おもちゃで遊びに誘ってあげることで、噛む対象を手からおもちゃに移すことができます。


さて、今日は昨日に引き続き、パピーさんのカウンセリングがありました。
興奮すると甘噛みがエスカレートするそうなので、まずは手の中にフードを握って頂いて、A君の様子を見ることに。

フードを力づくで奪うのではなく、どのタイミングでフードがもらえるのか、ちょっと考える時間をあげてみたら、自分からオスワリしてくれました。

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そのタイミングですぐ褒めて、握っていた手の中からフードを一つあげたところ、フードをよこせと詰め寄るよりも、座った方がいいらしいと、ちょっと学習してくれました。

日々の繰り返しで、いい行動はどんどん身についていくので、焦らずゆっくり伝えていきましょう。

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2023年4月29日 (土)

愛犬のマナー教室開催@有栖川公園

今日は有栖川公園にて、愛犬とのコミュニケーションを上手に取るためのヒントをお伝えする場をいただきました。

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参加犬は事前にお申込みを頂いた5頭の若犬たち。

前半は、犬に何かを教えるときに、わかりやすく伝えるヒントをお話ししました。

そもそも異種の人と犬。
同じ言語で話せるようになるためには、言葉を伝えることが不可欠です。

後半は、各参加犬の今のお困りごと。
犬たちが悪いわけではなく、誤解が生じて、人間が意図してないことを学習していることが往々にしてあるので、その辺りのお話をしながら、解決策を模索していきました。

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なお、今回は見習いが初単独デモに挑戦。
と言っても、出来ない犬の見本として連れて行ったのですが、何やら急にお利口さんになったのか、お教室中もクレートの中で静かに待っていて、時折通りがかった散歩犬に多少声をかけてはいたものの、ほとんど静かにしていることができました。
さらに、デモをお願いしようとしたら、家以外では、クレートの中でほとんど寝たことが無いのに、なんと寝ているという驚きの行動に。
多少大人になったのでしょうかねぇ。

デモもちゃんとやってくれました。

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いろいろあった1年半、少し成長が見えてきたような気がするのは、気のせいでしょうか。

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