犬の行動学

2025年6月12日 (木)

鼻を使うのは楽しい

犬の嗅覚がずば抜けていることは周知の事実ですが、その嗅覚が日常生活でどれほど生かされているかは犬のみぞ知るというところでしょうか。

犬に嗅覚を使わせてあげるというのは、いわゆるエンリッチメントの観点からもおすすめしたいところです。

ノーズワーク競技も日本で行われるようになってきたので、犬の嗅覚エクセサイズは着実に広がっているようです。

我が家の犬たちは、FCIオビディエンスをやっているので、課目の臭気選別を教える必要性から、我流のノーズワークで正解を探してくることを教えましたが、その派生として、林の中で見つけた小枝に私の手の匂いを付けて隠し、犬たちに探してもらうというゲームをやります。

競技の課題と違い、正解が置かれた場所が決まっていないので、犬は広い範囲の中、地面から上がってくる浮遊臭を頼りに、小枝を探してくることになります。
ハンカチ落としのように、どこに隠すかは見えないので、犬たちは私の通った場所を追いながら探してきます。

時には数分かかってしまうこともありますが、条件が良ければ10数秒で見つけてくることもあります。

そして何より楽しいのが、彼らが地面に鼻をこすりつけるように臭気を追っているときに、浮遊臭に気付いて踵を返した瞬間を目の当たりにしたときや、咥えて戻ってきたときの満足げな表情を見た時です。

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耳や目が衰えても鼻だけは最後まで残る大事な感覚。
楽しく使わせてあげたいですね。

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2025年6月11日 (水)

オヤツ(食べ物)は大事なバロメーター(指標)

犬は猫と違い、出された食べ物を残さないと昔から言われていました。
しかし、最近は犬でもあまり食べることに興味が無い犬もいるので、一概に犬を「食べ物で釣る」と言うのは難しくなってきているようですが、今回は食べ物に関して、ほぼ好き嫌いは無いという犬たちのお話です。

食べ物が好きな犬たちにとって、目の前に出された物は大概すぐ口にします。
犬によっては、飼い主さんからしか食べないという律儀なタイプの犬もいますが、基本的に食べるものは何でも好きな犬が食べ物を口にしないときは「普通じゃない」と考えます。
もちろん体調が悪くて食欲が無い場合もあるでしょうが、健康上問題が無いのに食べないという場合は理由があります。

それは、どんな理由なのでしょうか。

・他のことに気を取られて食べない。
「他のこと」とは、犬にとって食べ物よりも大好きなものです。
目の前に大好きな人がいたり、大好きなオモチャがあったり、あるいは犬友達がいるときなど、食べ物の優先順位がそれ以上の物にとってかわられたときです。

・他のことが気になって食べられない。
いつもと違う不慣れな場所で緊張していたり、危険を感じているときは食べ物が口にできないときがあります。
特にこれからのシーズン、花火や雷鳴などによって、恐怖心が出てしまうと、犬は食べることができなくなります。

また、食べ方も犬の心理状態によって大きく影響されます。

いつもお腹が空いているような犬で、なんでもかんでもがっついて、指まで食べてしまう勢いの犬には、ゆっくり食べることを教えておくことが必要ですが、普通に手から食べ物をもらって食べる犬が、手からむしり取るようにがっついているときはメンタルが安定していない状態です。

先ほど書いたように、「食べない」状態や「食べられない」状態まで行かなくても、興奮しているようなときは、落ち着いて匂いを嗅いだり、味わうことなく、飲み込もうとします。

犬のポジティブトレーニングでは当たり前のように使う食べ物(トリーツ)ですが、犬に渡す方法も、単に口に放り込めばいいのではなく、落ち着いて食べられるように、状況によってはデリバリー方法を変えていく必要もあるでしょう。

「食べ物さえあればなんでも言うことをきく」と食べ物を過信し過ぎず、犬の心理状態を観察しながら、上手に使っていかれるといいですね。

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犬のきもちづくりは大変ですね。

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2025年5月28日 (水)

賢い犬は大変です。

犬が賢いことは多くの人が知っています。
しかし、いざ自分の犬のことになると、「うちの犬はバカだ」という人がいます。

日本人は謙遜の文化ですから、自分の子供もバカだという人が少なくありませんが、
本当に愛犬がバカだと思っている人は少なくないようです。

よくあるのが、
・覚えが悪い
・オヤツがないとやらない
など。

覚えの良しあしには確かに個体差があると思います。
性格的に頑固で、一度決めたことをなかなか変えたくない犬というのもいます。
トイレの場所などでは、飼い主が決めた場所じゃない場所の方が落ち着くので、そこでばかりするというのもあります。

オヤツに関して言えば、それは完全に人間側の問題で、犬に落ち度はありません。
オヤツが目の前になくても、ご褒美は必ず出るから大丈夫と伝えきれていない結果です。

賢ければ賢いほど、オヤツのあるなしも敏感に察知するので、そういう犬ほどきちんと伝えてあげないと、人間の遊びには付き合ってくれなくなります。
また、ご褒美をオヤツに頼っていることにも原因があります。
食べるもの以外にも、犬にとって飼い主さんを魅力的にするのは、犬と一緒に遊ぶこと。

要は犬にとってそれ楽しいかどうかなので、無理やり何かをやらせようと思っても、なかなかうまくいかないということになりかねません。

また、「『賢い犬種 』だと思って迎えたのに、悪戯はひどいし、全然言うことを聞かない。」という場合は、犬が退屈してしまい、その能力を持て余しているような場合があります。
同じパターンでは、すぐ予測して飽きてしまったり、人間の言うことに一貫性がないと、自分のルールで動くので、人の話を聞かない犬になっていたりすることもよくあります。

つまり、賢い犬ほど大変だということです。

まずは、犬にうまく伝えられているか。
犬が一緒にいると楽しいと思ってくれる飼い主なのか。
そんなところを見直してみると解決策が見つかるかもしれません。


今日は若いMくんのプライベートレッスンがありました。

飼い主さんと遊ぶことが楽しくなって、遊びの中にトレーニングを混ぜていくことで、動きもよくなってきました。

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もちろん、ご褒美はオヤツだけではありません。

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競技に出るわけではありませんが、そもそも動きが速くて賢い犬種なので、そのエネルギーを持て余さないように飼い主さんも頑張ってくださっています。

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2025年5月26日 (月)

ついつい言ってしまう禁止ワード

犬はとても賢い動物です。
いつも書いていますが、こちらが意図していないことも確実に学習しているので、思った通りに行かないというのはよくある話です。

つまり、こちらが無意識に言ってしまう言葉にたいして、犬は勝手に事象をリンク付けし、その言葉がトリガーになって、さらに犬の過剰反応を誘発する場合があるということです。

何やらわかりづらい内容ですが、
例えば、犬が怖がっているとき、人はつい「大丈夫」という言葉を言ってしまいます。
しかし、犬が「大丈夫」という意味を知らなければ、「大丈夫」と言われているときは、自分にとって怖いもの、あるいは怖いことが起こるときと予測するようになります。
現に、犬が怖いというサインを出しているのですから、犬のきもちは「怖い」という心理状態にあるわけです。

犬が自分で「怖い」気持ちを乗り越え、「大丈夫」を実感したときに、「大丈夫だったね。」という声かけをしていけば、恐らく「大丈夫」という言葉はポジティブな意味と学習されますが、怖がっているときに「大丈夫」を連発するとネガティブになります。

また、他犬とすれ違うたびに興奮してしまうような犬に対して、他犬が視野に入るたびに、「吠えないよ。」や「吠えたらダメよ。」と言ったことを、ちょっと語気を強めて言い続けていると、犬は他犬と遭遇する度に叱られているような気持になって、さらに他犬に対して嫌悪感を抱くようになってしまいます。
すると、他犬のオーラが安定している場合であっても、こちらから吠えてしまう状況になりかねません。

「行かない」「吠えない」と言った、「〇〇しない」という伝え方より、「オイデ」を使ったり、吠えていないときを褒めていくようにすると、少しずつ「犬を見ると褒められる」という法則が出来上がり、犬のメンタルも落ち着いてきます。

人はついつい犬のミスの方に目についてしまいますが、犬のいい行いをキャッチして褒めていくことで、犬の好ましい行動が増えるようにしていきましょう。

さて、昨日カウンセリングに伺ったLくん。
飼い主様とお話しているときは、ちゃんと足元で寝そべっている、いわゆるオフの状態が出来ているおりこうさん。
私との会話も、一生懸命理解しようと頑張ってくれました。

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生後11ヵ月、思春期真っただ中のL君は伸びしろがいっぱい。
これからが楽しみですね。

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2025年5月25日 (日)

犬飼の先輩の言うことがあなたの犬にあっているかどうかはわかりません。

何とも長いお題ですが、ずっと昔、かれこれ40年近く前、
公園に犬と散歩に行くと、まことしやかに「犬のしつけはこうするものだ」と
勝手に人の犬のリードを持って教えてくる「自称訓練士」がいました。

今でも同じようなことをする人がいるようです。

確かに経験豊富な飼い主さんは沢山いますし、
その方々の言っていることは正しいこともたくさんありますが、
実際にどれくらいの数の犬や犬種と関わっているかどうかはわかりません。

犬種の特性の話はここでもよく書いています。
個体の違いも同様です。

この子にはあっているけど、この子には向かないという方法もあるので、
十把一からげに犬のトレーニングはできません。
ましてや、行動に何かしら問題が出そうなときはとても微妙な時期ですので、
その犬をよく知って、対処方法考えることが重要です。

もともとフレンドリーな気質に特化して繁殖されてきた犬種もいれば、
作業犬として、細かいことにも注意を払うように繊細さを求められた犬種もいます。

見た目に出た行動が同じであっても、犬の事情は違うので、同じ方法で修正出来るとは限らないのです。

「小さいころからマズルコントロールをした方がいい」ととある飼い主さんが言いながら、他人の犬のマズルをぎゅっと掴んで犬に怪我をさせたそうです。

人間のお子さんに、「しつけとはこういうものだ。」急に平手打ちを食らわせたら大問題ですよね。

そもそも「マズルコントロール」ってなんでしょう。

「マズルコントロール」とネットで検索すると「マズルガード」の話が出てきます。
「マズルガード」は犬の状況に合わせて一時的に使用するためにはとてもいいツールですが、それは犬にとっての罰でもなんでもありません。
万が一の状況を予防するためのもので、恒久的に使用するものでもありません。
しかし、どんな犬も装着できるようなトレーニングをしておくことは悪いことではありません。

一方「マズルコントロール」は、言うことを聞かない(反抗的?)な犬に対して、人間の強さを示すために力を入れてマズルを掴むという方法だったようです。

生まれつき反抗的な犬はいません。
ハンドラー(飼い主)とうまくコミュニケーションが取れていない結果、反抗的に見えているので、犬だけの問題ではありません。
それを力に任せて、犬にとって繊細な部位であるマズルを力を入れて掴むのは反則です。
親犬が子犬に教育的指導を入れるのとは違うからです。

いずれにしても、様々な諸先輩の話に耳を傾けることはいいことですが、実践すべきかどうかは本人が決めることです。

犬のトレーニングも日進月歩。
古い手法にとらわれず、犬の福祉(Welfare)を考え、科学的根拠に基づいたトレーニング法で導いてあげましょう。

我が家はマズルには優しく触ります。

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すると、こんなこともさせてくれます。

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マズルに触ることが嫌悪刺激になれば、歯磨きもさせてもらえなくなるでしょう。

犬に苦痛を与えないで上手に伝えていくのが人間側の技量ですね。

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2025年5月23日 (金)

犬種の特性を侮らない

犬と暮らしている人がすべて全犬種が好きとは限りません。
ある特定の犬種が好きで犬と暮らしている人は沢山います。
もちろん、特定犬種は一つとは限らないので、多頭飼いされている人の中には、異なる犬種を飼っている人もいます。
いずれにしても、犬と暮らしている人が全ての犬種を好きとは限らず、自分のライフスタイルに合う犬種を好んで暮らすケースはよくあることです。
なぜなら、犬と暮らせば暮らすほど、犬種による特性を知ることになるので、自分と合わないタイプの犬種とは暮らしづらいということもわかってくるからです。

我が家も、コリー、ハスキー、そしてボーダー・コリーと暮らし、ボーダー・コリーが自分のライフスタイルにあっているので、今は5頭目と6頭目のボーダー・コリーと暮らしています。

初めて犬暮らしをする人は、外観から特定の犬種や、個体を気に入って迎え入れることが多く、後になってその犬種の特性を知るというケースは少なくありません。
もちろん、お迎えする前から犬種のことを勉強している方もいらっしゃいます。

一緒に暮らし始めてから「こんなはずじゃなかった」となる前に、犬種の特性を知っておくことはとても重要なことです。

例えばスヌーピーで一躍有名になったビーグル。
愛らしい瞳が人を魅了しますが、もともとはセントハウンド。
つまり嗅覚に優れているので、猟や麻薬探知などを得意とする犬たちです。
鼻を使う犬たちにとって、地面の匂い嗅ぎは日常。
さらにハンティング中にあげる吠え声も独特です。
それを知らないで一緒に暮らせば、歩いているとき地面から鼻が離れないとか、吠え声がうるさいとか言われてしまうと、ビーグルたちは困ってしまうわけです。

同様に、我が家にいるボーダー・コリー。
もともとは牧羊犬です。
群れから羊が離れないように常に監視モードに入っていて、その運動量たるや半端ではありません。
そんなボーダー・コリーの目の前を子供が走り出したらどうなるか。

反射的に追いかけたり、歯をあてる可能性はゼロではありません。
そうならないために、その行動を出づらくするためのトレーニングが欠かせません。
放っておけば、バイクや車を追いかけようと大興奮させてしまう可能性があるからです。

この場合、「追うな」と全てを制限するのは犬のエンリッチメントを阻害してしまうので、追ってもいいものを代わりに与えることが重要です。
例えばボールやディスクなど、遊びの中で本能を満たしてもらうことが日常生活での問題を軽減していくためにとても重要になります。

本能を完全に消すことはできませんが、代替行動によって、犬のエンリッチメントを確保することで、ストレスを軽減させながら、人と暮らしやすい状況を作っていきましょう。

我が家の犬たちは基本的に人や車などは追いかけませんが、急に横にあったものが動くというシチュエーションでは反射的に動く可能性があります。
そういう事象に対しても、ある意味「鈍感力」ではありませんが、気にしないでいるように、日常的には様々なディストラクションの中で練習をしています。

昨日はちょうど学校に行く子供たちが走ってきそうな状況だったので、静かに伏せて待つ練習。

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全てを予防することはできませんが、予測することである程度の予防トレーニングは可能です。

動きの速い犬たちと暮らすときは、人もアンテナを張っておかないと対処できないので、犬種選びは重要ですね。

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2025年5月22日 (木)

子犬の選択肢を尊重する

生後2ヵ月前後で迎えた子犬は、怖いものがあってもすぐに受け入れられるという特性がありますが、その好奇心が次第に警戒心に変わってくる時期を迎えるようになります。
それがちょうどワクチン接種が終わった子犬の成長期と重なり、目にするもの全てを警戒し、後ずさりしたり、吠えたりするという新たな行動を見せるようになるわけです。

そんなとき、ついつい飼い主が言ってしまう言葉が「大丈夫」です。

人間はそれが何かを知っているので、「なんでこんなものを怖がるの?」という気持ちになって、こんな言葉が出てしまうわけですが、当の本犬は若干および腰になっているので、それを無理やり引っ張って対象物に近づけるのは禁物です。

ここで犬に学んでもらいたいのは、自分から近づく勇気と、その結果なんでもなかったと確認することです。

そんな成長過程の愛犬には、人間側の「待つ」というスタンスで見守ってあげることが大切です。

無理やり引っ張っていくと、飼い主への信頼度も下がりますし、自分で確認して自信を持つというプロセスを飛ばしてしまいます。

飼い主が少し対象物に近づいてみることで、子犬の背中を押すこともできますが、決して引っ張らないこと。

そんなときに必須なのが、少し長めのリードです。

短いと犬の逃げ場をなくしてしまいますし、飼い主が対象物に近づこうとすると、犬を引っ張ってしまうことになります。

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気になるものは自分で確かめられるように、時間とスペースを用意してあげることが大切ですね。

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2025年5月21日 (水)

ディストラクションは外だけではありません。

犬にとってのディストラクションは様々というお話はよく書いています。
ポジティブなディストラクションもあれば、ネガティブなものもあります。

家の中で出来ることが外で出来ないことは、外からの刺激に犬が負けてしまうからです。
そうならないために、家の中で出来ることをまず鉄板にすることが重要です。

家の中は刺激が少ないので、犬の成功率は高くなり、犬の学習も進みます。

家の中で出来たからと言って外ですぐ出来るようにはならないということは何度も書いていますが、実は家の中にも様々なディストラクションを設定することができるので、今日のように暑くて外で練習できないときは、家の中でディストラクションを設定して練習することも可能です。

ディストラクションは、食べ物やオモチャでもいいですし、あるいは同居のほかのご家族でも大丈夫です。

ということで、今日のK君のレッスンでは、飼い主様が交代でディストラクションになりながら、基本トレーニングをやってくださいました。

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ディストラクションへの対処法が家の中でも練習出来れば、外での対処もスムースに出来るようになるでしょう。

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2025年5月19日 (月)

飼い主さんを一番にする

いつも書いている、「家の中では出来るのに外では出来ない」という状況では、犬が外の刺激に負けてしまっていることが原因になっていることが多いものです。

家の中と異なり、外には様々な刺激が満載です。
それは、目から入るもの、耳から入るもの、鼻から入るものなど、犬の五感を刺激するものばかりです。

そのため、いわゆる「社会化」と言われる「馴らす」工程が犬育てには欠かせません。


さて、今日は犬に対して過剰に反応してしまうLさんのプライベートレッスンを公園で行いました。
Lさんの反応はポジティブなものですが、一緒にいる飼い主さんの声が届かないぐらいの興奮は避けたいもの。

日常生活のお散歩コースは道も狭く、犬と遭遇する機会が想定しづらいので、犬との距離が取りやすい公園で練習することにしました。
今回は2度目で、その間にもご家族と一緒に公園体験をしていただいています。

犬たちが吠えながら走り回るドッグランの刺激はあまりにも強すぎて10メートル離れたぐらいでは全く効果が得られないので、50メートルぐらい離れた場所でまず遊ぶことから始めていただきました。

遊びは、Lさんの好きなオモチャを投げて、取ってきてもらうというもの。
犬はそもそも走って追いかけることが好きですが、それを公園でやれるかどうかが大きなポイント。

最初はドッグラン内の犬たちの動向が気になっていたLさんでしたが、少し距離を取ったことで、飼い主さんが投げたオモチャを勢いよく取りに行き、持ってきてくれるようになりました。
しかし、Lさんがオモチャを咥えたからと言って、その場で呼ぶだけではなかなか戻ってこられません。
飼い主さんと離れてオモチャを咥えた瞬間、周りが気になってしまったりするので一瞬フリーズしてしまいます。
そうならないためには、Lさんがオモチャを咥えた瞬間、飼い主さんが反対方向に向かって走りながらLさんを呼ぶこと。

飼い主さんが動くことで、Lさんは今度は飼い主さんを追いかけたい気持ちになるので、フリーズする暇がありません。

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ちゃんと戻ってきてくれたら、また引っ張りっこで遊びます。

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すっと以前、「犬のトレーニングでは、ハンドラーが犬の3倍以上動かなければいけない。」と教わったことがあります。

人が手抜きしてじっとしていては、犬も動いてはくれません。
飼い主さんと楽しく遊ぶことが飼い主さんへの意識を高めることになり、ひいては他犬に反応するよりも、飼い主さんとの交流を楽しめるようになっていきます。

犬と遊ぶのが悪いわけではありません。
犬同士の遊びも楽しいけど、一番は飼い主さんになるように人間も努力が必要ですね。

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2025年5月17日 (土)

ドッグダンスコンペに参加しました

今日は埼玉北ドッグダンスクラブ主催JKCドッグダンス競技会に見習いと参加しました。
ジャッジは昨日のワークショップに引き続きフィンランドから来日していらっしゃるKatja Tamminen 氏。

昨年からJKCのドッグダンス競技会に参加し、今回2度目の見習い。
見習いのルーティンは今年になって新たに構成を考えた曲で、コンペでのお披露目は今回が初めてでした。

クラスはフリースタイルのノービスクラス。
いわゆる初級レベルです。

前回のルーティン以降取り入れた新たなムーヴは短い距離の前進と、前進した状態でのトリック、そして後肢で立って、私に前肢をかけて私の周りを一周するというもの。

どちらのムーヴもみなさん簡単そうにやっていらっしゃいますが、一から教えるのはそれなりに大変です、

ターゲットがなくても前進し、前を向いたままこちらのキューを聴いて動くという行動を、どこでも出来るようにするには時間がかかります。
練習では短距離はほぼ出来るようになっていましたが、本番ではキューがかかる前に勝手にスピンしてしまい焦らされました。
先読みですね。

一方、2足立ちの練習では、後肢で立つ動きとフリップジャンプが弁別できず、勢いで何度か蹴られているので、私のキューをきちんと聴いてから落ち着いて行動できるようにするために、いろいろ工夫を余儀なくされました。
こちらは無事に作業でき、エンディングを迎えることができました。

新しい動き以前に実はこのルーティンを始めてから大きな壁にぶつかりました。
それは見習いの「声」です。
エキサイティングなムーヴでは時折吠えがでることがありましたが、習慣にはなっていませんでした。
ところが、次第に作業中「ヴー」といった声が出始め、エスカレートすると吠えが出るのです。

オビディエンスだけでなく、ドッグダンスも吠えは禁物。
興奮、ストレスが過剰になると出やすくなるのが吠えです、
吠えが出始めると、ハンドラーのキューも耳に届きづらくなります。
冷静でなければ作業はできません。

この行動を放置してやり続ければ声や吠えが習慣化してしまいます。
この対策も同時にやらざるを得なかったこともあり、今回のエントリーは大きなチャレンジでもありました。

全体としてはコンテンツもさほど多くないので、結果は期待していませんでしたが、蓋を開けてみたら、14ペア中1席をいただきました。
興奮吠えが出なかったことも幸いしたのでしょう。
見習いは最後まで集中を切らすことなく踊ってくれました。

若いころは問題なかったことが、成長とともに少しずつ出始め、気が付くとどうにもならなくなっている「魔の3歳」。
多くの犬たちが通る道のような気がしますが、あきらめないことが大事ですね。

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