犬の行動学

2025年3月18日 (火)

リソースガーディングの予防

リソースガーディングとは犬が資源を独占しようとしてガードすることを言います。
資源とは、場所だったり、食べ物やおもちゃだったり、あるいは人間だったりと様々です。
犬が「自分のもの」と思い込んでいる物すべてが対象になります。

ガードが酷くなると、そばに来る者に対して唸ったり、歯をむいたり、場合によっては攻撃をしてくることもあります。
攻撃と言うより防御と言った方が正しいのですが、いずれにしても、犬は勘違いをしている可能性が高いので、すこしずつ「違うよ」と教えていく必要があります。
これを力で組み伏せようとすればされに事態を悪化させてしまうことにもなりかねないので、私は少しずつ認識を変化させていく方法をとります。

しかし、そもそも勘違いを生じさせないために、子犬のころからあることをやっておけば、リソースガーディングは出にくくなります。

あることとは、

1.子犬が入手しては困るもの(危険なもの)を、子犬の口や手の届くところに置かない。=環境設定

2.子犬と一緒に遊びながら、「ちょうだい(出せ)」を教え、もらったものをまた子犬に渡して遊びが楽しく続くことを教える。=トレーニングの重要性

3.生活全般を許可制にする。=犬との生活の基本
何やら軍隊めいていますが、そういうことではなく、玄関から飛び出たりしないように、「いいよ。」と言われてから出るとか、ごはんもフードボウルがきちんと置かれて「いいよ。」と言われてから食べるとか、簡単なことです。
飛びつくのも同じ。
後ろから勝手に人をどついてくるのではなく、「飛びついてもいいよ。」のキューを教えてあげることで、人もケガをしなくて済みます。

4.対処法として、子犬が何かに執着しそうになったら、代替品を渡すことで回避する

などです。

今日は2歳のYさんのレッスンがありました。
お散歩も上手に出来るようになったYさん。
リソースガーディングがありますが、ご家族みなさまが協力し合って、危険な状況を作らないようにしてくださっています。
もちろん、オモチャ遊びでは、ちゃんと手渡ししてくれるようになりましたが、食べるものは場合によって興奮をあおってしまうそうです。

そこで2歳の誕生日プレゼントにと用意された特大の鹿の角がどうしてもあげられなかったそうなので、私が試しにあげてみることにしました。

初めはなんだかわからなかったYさんですが、齧っているうちにその魅力に引き込まれたようです。

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私は全部を渡さず、一部をもったまま、Yさんのテリトリー内で鹿の角を渡しました。

私の手があっても、Yさんは気にせず齧っているので、途中で一番好きなオヤツを見せながら「ちょうだい」で鹿の角をもらい、オヤツはハウスに入れたところ、Yさんはオヤツを食べにハウスの中に入りました。

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だまし討ちはしないので、食べ終わったらまた鹿の角を見せて「どうぞ」。
しばらく齧ったらまた出してもらい、オヤツを食べてもらう。

こんなことを繰り返し、最後は「ありがとう」でハウスにオヤツを入れておしまいにしました。

このように細かいステップを踏まなくても、日常的に取り上げるだけで終わらせてしまうことが無ければ、犬たちは自分のものを飼い主に取られてもさほど執着することはありません。
もし、唸ったりしているとすれば、その犬に勘違いをさせているのかもしれません。

我が家のアシスタント、たまに食後に牛のひづめが出ます。

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臭いですが、本犬大好きなので、時折あげます。
でも、歯も心配ですから、数分で回収します。

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「Vinちゃん、ありがとう。」

彼は、またいつかもらえるとわかっています。

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2025年3月12日 (水)

愛犬の要求にどう応える?

よく、「ウチの犬はわがままだから」とおっしゃる方がいます。
「わがまま」とはどういうことを言うのでしょうか。
人間でいえば、「自分の要求を通そうとする」ということになるでしょう。

犬にとっての要求とは、

「お腹が空いた。」
「かまって欲しい。」
「散歩に行きたい。」

などなど、いろいろあるとは思うのですが、基本的には当然の要求ですね。
しかしながら、常にすぐに犬の要求に応じてあげられないこともあります。
そこで、今は応じてあげられないと伝えたとき、犬がどう反応するかで、
「わがまま」なのか「そうではないのか」判断されます。
つまり、要求することが悪いわけではないということ。

我が家の犬も同様で、家が大好きなアシスタントは、仕事が終わると「早く帰ろう!」と催促し、見習いは、アシスタントと練習していると「自分もやりたい」とジタバタします。
っが、すぐに応じられないと伝えると、とりあえず我慢します。
多少口では文句を言ったりしていますが、ずっと言い続けるわけではありません。
なぜか。

要求し続けても、要求がすぐには通らないと学習しているからです。

しかし、一度でも要求がすぐにかなった経験があれば、当然犬は「すぐにかなう」とチャレンジし続けます。
いわゆるあきらめの悪い状態です。

「わがまま」とレッテル(ラベル)を付けてしまう前に、人間側の行動を見直してみることも大事ですね。

気を付けなければいけないのは、「わがまま」とレッテルを貼られた犬は、時に自分の要求がかなわなかったときに、唸ったり噛んだりする行動を取る可能性があるということ。

そうならないためには、自分の行動が犬に勘違いをさせていなかったか、生活習慣から見直してみることも重要です。

もちろん、どの犬の性格にも個体差があるので、同じ接し方をすれば必ず同じ行動をする犬になるとは限らないので、よく観察することが必要です。

さて、昨日レッスンが終わりかけたとき、わたしが上着に手を通したら、「早く帰ろう!」と待機していたアシスタントが吠えました。
一声程度ならいいのですが、「早く!早く!」とアシスタントは少し吠え続けたので、「まだだから。」と言ったところ、吠え止みました。

催促しても、すぐに帰るわけではないと理解したからです。

人間側の都合で同伴しているので、彼の言い分はもっともですが、協調してもらえると助かるので、ネゴシエーションは必要ですね。

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2025年3月11日 (火)

ことばのキューはいつ付ける?

犬に行動を教えるとき、目力で圧をかけて教えたりしていませんか?
例えば、オスワリしない犬をじっと睨みつけたりしたことありませんか?

犬はことばを覚えらえる動物です。
つまり、弁別が出来るということ。

かつて、1000個の名前(ことば)を覚えたボーダー・コリー、Chaserの話を覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アメリカの行動心理学者であったオーナーがChaserと暮らすなかで、犬の認知と言語学習の研究をおこない、その結果、Chaserが1000ものことばを覚えたというわけです。

ことばのわかる犬にとって、行動それぞれに名前(ことば)が付いていることは、手振り身振りで認識してもらうよりわかりやすいはずです。

もちろん、年齢を重ねて耳が遠くなったら、視符や体符を使って伝えることは大事なことですが、元気な犬にジェスチャだけで、細かい動きを弁別させるのはなかなか難しいものです。
何しろ、犬はこちらが思っている以上にこちらの動きを観察しているのですから、ちょっと手を動かしただけでも、「次はなに?」と手ぐすねを引いて待っている状態です。

だとしたら、紛らわしいボディシグナルだけでコミュニケーションを取るのではなく、きちんと伝えてあげる方が犬にとっては優しいのではないでしょうか。

そこで問題になるのが、ことばのキューを付けるタイミングです。

行動自体をわかっていない犬に、「オスワリ」を連呼しながらトリーツを見せてルアーリングをしても、すぐにことばと行動はリンク付けされません。
動体視力のいい犬達にとって、手の動きが刺激になってしまうからです。

トリーツで誘導しても構わないので、まず腰を下ろす行動を何度も練習して習得させ、オヤツが目の前になくても、腰を下ろす行動が理解できて来たら、「オスワリ」ということばを言ってからハンドシグナルを使って行動を促すことで、犬はことばのキューを認識しやすくなります。

何事も段階を踏んで教えていかないと、犬が完璧に理解するには時間がかかります。
焦らず、丁寧におしえてあげましょう。

今見習いに教えている「前を向く」動作。
通常のオビディエンスでは前進させた後犬を止めると犬は振り返るのですが、今教えているのは前を向いたまま立っていること。

前を向いているときにクリッカーでマークしながら、「前を向く」という行動に「ヘッド」というキューを付けていきます。

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視線を合わせられない状況では、視符や体符は意味をなさないので、しっかりことばで伝えることが大事ですね。

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2025年3月 8日 (土)

犬もストレスを感じます

ストレスが人の健康に害を及ぼすことは周知のことですが、さらに、ストレスによって人の行動に影響を及ぼすこともみなさんご存じのとおりです。
なにがしかのストレスがかかると、いつも違う行動をとってしまったり、イライラしてしまったりすることがあるはずです。

同様に、犬もストレスを感じていれば、身体的にも精神的にも影響を受けることがあります。

ストレスの原因は様々ですが、環境の変化もそのひとつです。
大きな環境の変化は、引っ越しやファミリーメンバーの変更などです。
かつて、コロナ禍でいつも日中仕事でいないはずの家族が在宅するようになったあと、再び出勤し始めて分離不安を発症したケースが沢山ありました。
これも環境の変化によるストレスです。

同様に、いつも帰ってくる人が来なかったりするだけでも、犬はストレスを感じてしまわないとも限りません。

よくあるのが、長い留守番の日に限ってトイレを失敗したり、部屋の中のものを破壊したりする行動です。
犬は何も嫌がらせをしようと思ってやっているわけではありません。
不安からくる行動の可能性が高いと言われています。

犬も機械ではないし、感情もあるので、普段と違う行動を取っているときは、何かいつもと違う環境になっていないかを考えてみるのもひとつですね。

ストレス発散の一つは体を動かすことですので、お散歩やトレーニングなどで気晴らしをしてあげることも重要です。
特に若い犬の場合は、お散歩に出られないことがストレスになることもあるので、そういう時は家の中でも、頭を使うトレーニングなどをゲーム感覚でやってあげると、ストレス解消になります。

愛犬がいつもと違う行動を取っていたら、環境を見直したり、ストレスを感じていないか考えてみるのもひとつですね。

今日は午後から雨が降り出してしまい、いつもと同じ散歩メニューがこなせなくなったので、家の中でドッグダンスのトリック練習をやってもらいました。

体と頭を使ったことで少しはストレス解消になればいいのですが。

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2025年3月 6日 (木)

まったく、若犬ってやつは・・・。

思春期の犬たちの様々な問題については以前も書いたような気がします。
誰もが上手く乗り越えていかなければいけない、思春期の犬たちの扱い方。

「教えたはずなのに」
「そんなこと、今までやったことなかったのに。」
「それは、この前も見たヤツでしょ?」

どれをとっても、もうわかっているはずと思っていたのになぜ?

若犬の行動はなんとも理解に苦しむようなことがたくさんありますが、別に特にその子が変なのではありません。
一般的な思春期の犬の行動パターンと言っていいでしょう。
できなくて当たり前。
できなかったらまたサポートしてあげ、わかるまで付き合えばいいのです。
忍耐と根気は不可欠です。


さて、今日はラリーオビディエンスの定期レッスンがありました。
若いBくん、いろいろなことがわかってきてスキルはあるのですが、コース練習を始めたとたん、室内に置かれたスティック型のクリーナーにロックオン。

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毎月来て見てるのに、なぜ?

いろいろなことに衝動的になるのが思春期の犬の行動でもあります。

とりあえず一度確認したら、次からは気にならなくなりました。

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次回はどうかな?

経験値をあげながら、メンタルが落ち着くのを見守っていきましょう。
もちろん、放置しておくのではなく、日々ちゃんと観察しながら、対処していきましょう。

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2025年2月22日 (土)

散歩に出る前に

散歩が上手に出来ないワンコさんは少なくありません。
そもそも「上手に」が何を基本にしているかは、飼い主さん次第ということもあるので、一概に否定することはできません。
常に引っ張られて散歩をしていても、元気な愛犬を見て喜んでいる飼い主さんの場合は、「引っ張り」を問題と考えていない場合があります。

いずれにしても、マイペースで散歩している犬でも、飼い主さんと同調できていればそれは問題にはなりませんが、飼い主さんとペースがうまく合わなかったり、急に引っ張られて怪我をしてしまうような場合は、問題なしとは言えません。

よほどのことがない限り、散歩に行きたくないと玄関先で座り込む犬以外は、基本的には外に行きたがる犬の方が多いのですが、その気持ちのまま玄関を飛び出してしまうと、なかなか飼い主さんに意識を向けてもらうのは難しくなります。
気持ちが全部外向きになってしまうからです。

玄関を出る前、あるいはマンションのエントランスを出る前に、一度落ち着いてから散歩に行くと、無駄な興奮は抑えられます。
玄関前でオスワリをさせる必要はありませんが、まずは飼い主さんが外に出て安全を確認してから犬に出てもらうというワンステップがあることで、犬の興奮は少し抑えられるので、試してみてください。

もちろん、その後も、犬に引っ張られて散歩をしていれば、犬は「引っ張っても必ず飼い主はついてくる」と学習するだけなので、なかなか引っ張りは治らないでしょう。


さて、今日は久しぶりにYさんのお散歩レッスンがありました。
2歳を過ぎて、少し落ち着きが出てきたというYさん。
それでも、散歩で外に出ると、気持ちはほかに全部持って行かれています。

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地面の目地や人の影など動くものが大好物のYさん。
私のことなど全く見てくれなかったので、気づくまで待ってから散歩に出ることにしました。

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すると、トリーツの効果が出てきて、自分から意識を向けてくれるようになりました。

犬にとって何が大好物かは異なるので、大好物に勝てるものを見つけることが大事ですね。

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2025年2月19日 (水)

犬を暇にさせない

なんとも抽象的なお題ですが、好奇心が旺盛な犬ほど、暇な時間があるといろいろやらかします。
犬はただ、楽しいことはないか、刺激は無いか、と周りばかりを気にして、自分の世界の中で満足することを考えて行動しているので、何も悪いことをしているわけではないのですが、外部からの刺激に興奮してしまうようになると、ハンドラーの声も耳に届きにくくなってしまうので、常にハンドラーの存在は意識しておいてほしいものです。

もちろん、一人でいる時間をリラックスしていることも大事です。

では、どうすれば犬のきもちを満たしてあげることができるのでしょうか。

答えは、犬と関わる時間を濃密なものにすることです。
犬と関わっている時間は真剣に犬と向き合い、遊びだろうがトレーニングだろうが、一緒に楽しみ、休む時は一人で静かに休む習慣をつけていくことです。

真剣に遊んだりトレーニングしたりすれば、犬は頭も使うし、体も使うので、ある意味疲れます。
疲れたら一人で休むことを習慣にすることで、犬は一人でいることが苦痛ではなくなります。

子犬のころは一人遊び用のグッズを使うのは問題ありません。
それによって、クレートやケージの破壊が防げるのであればどんどん利用しましょう。

しかし、成長と共に人とのコミュニケーションが取れるようになってきたら、オンとオフをきちんと教えてあげること重要です。
「じっとしていなさい」と言ってもなかなか出来ないので、じっとしていやすい環境づくりも大事です。


これは家の中だけでなく、外でも同じです。
犬が多少なりとも一緒に散歩している飼い主に意識を向けていなければ、落ちている物を拾い食いしたり、視界に入ったカラスやハトにロックオンしてしまうこともあるでしょう。
たとえ一瞬気持ちが刺激に持って行かれたとしても、すぐに飼い主の声で我に返ってくれれば問題ありません。
そのためには、日ごろから、飼い主への意識づけを強化しておくことが重要ですね。


さて、今日は若いK君のお散歩レッスンがありました。
おうちの中の行動はだいぶ落ち着いてきて、ご家族とのコミュニケーションもとてもよく取れるようになっていますが、思春期真っただ中の彼にとって、外は刺激満載。
一歩外に出ると、何か面白いことはないかと、気持ちは全部外向きになっているので、少し飼い主のことを気にかけてもらうように練習していただきました。

活動的なボーダー・コリーにゆっくり歩けと言うのはなかなか難しいので、歩度を速めていただいたところ、お互い少し歩きやすそうになりました。
日々の努力のおかげで、今や車には無反応なK君です。

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思春期はまだまだ続くので、サポートは欠かせませんね。

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2025年2月14日 (金)

犬育ては時間がかかる

犬の思春期の話は以前にも書きました。
犬の反抗期と言われることもありますが、別に本当に反抗しているわけではなく、大人の階段を上っている犬たちの心身の成長の過程で、様々な外的影響に犬自身が冷静に対処できなくなってしまうことによる行動とも言えます。

では、仕方がないとそのまま放置しておくのか。

犬は賢いので、放置されておかれれば、それでいいと学習していきます。
そこはやはり、「こうして欲しい」と言うこちらの意図を伝えていく手間を惜しんではいけません。

今犬に出来ることは何か。

難しいことにチャレンジさせて、エラーを引き起こさせるよりも、今まで出来てきたことを確固たるものにするためにサポートしていくことで、思春期を乗り越えたとき、犬は好ましい行動を身に着けていることにもなります。

そのためには、人間の忍耐と根気が不可欠です。

犬の社会化も、子犬のころの一時のものではなく、成犬になったとしても、日々犬たちの周りで起こる様々な事象に対して平常心でいられるようにサポートしていくことが大事です。

これは、子犬のころから一緒に暮らしている犬との関係だけでなく、成犬になって迎えた犬との関係性を深めていくためにも重要なことなので、あきらめずに時間をかけて伝えていきましょう。

さて、我が家の見習い、最近ようやく落ち着いて待機が出来るようになってきました。
先日の競技会でも、コットというスペースは用意しましたが、犬が視界に入るたびに大興奮していた頃から比べると、私の声が耳に届きやすくなってきたようです。

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まだまだですが、あきらめずに続けていきましょう。

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2025年2月13日 (木)

犬の行動変容をサポートする

困った愛犬の行動を直すにはどうすればいいのでしょうか。
叱る?
叱ったら2度とやらなくなるでしょうか。

そんなことはありません。
やってはいけないことだからやめよう。と犬が冷静に判断できることであれば、やらなくなる確率は高くなりますが、犬の衝動(反射的行動)から発生する行動に関しては、行動だけを変えるのはとても難しいものです。

つまり、犬の行動の元となっている犬のきもちから変えてあげないと、行動は変わりづらいということです。

なぜ犬がその行動を取るのか。
そのあたりから検証してあげると、答えは見つかるかもしれませんね。

さて、今日は若いE君のプライベートレッスンがありました。
バイクやトラックなどの騒音が嫌いなE君。
近づいてくると興奮して吠えが出ます。
嫌なものは嫌。
当然ですね。
叱ったところで治らないでしょう。

E君の苦手なものを、そうでないものに変えていくには、苦手なものに過剰反応しないで別の行動を取るように強化していきます。

さらに、日常的にE君が衝動的に行動しないように、散歩の仕方も変えていくことにしました。

レッスンを始めて2ヵ月。
E君が大分バイクを気にしなくなってきました。

バイクの遭遇が他の楽しいことのリンク付けで、バイクへのフォーカスが落ちてきたことと、飼い主様へのアテンションが増えたことで、「お散歩=バイク探し」の構図が崩れてきたことに由来しています。

まさに飼い主様の努力の成果。

今日もとても落ち着いて散歩が出来ました。

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もちろん、まだまだ100パーセントではないので油断はできません。
これからも日々のサポートが欠かせませんね。

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2025年2月10日 (月)

行動にはそれぞれ個別のキュー(名前)をつけましょう。

「『オスワリ』と言われれば腰を下ろすことであって伏せることではない。」
と言うのはあたりまえの話ですが、競技会に出るわけではないので、大勢に影響はないという方は、
犬が「オスワリ」と言われて伏せたとしても大して気にしない人は少なくないのではないでしょうか。

おうちのルールが、「オスワリでもフセでも、どっちでもいい」とアバウトであれば、犬にもアバウトな要求しかしてはいけません。
いつもアバウトなのに、今日に限ってちゃんとしなさいと言われれば、それは犬にとって大きな混乱となります。

もし、「オスワリはオスワリ」「フセはフセ」とやってもらいたいと思ったら、きちんと教えてあげることが重要です。
そのために、ひとつの行動に対しては、それに対応するひとつの言葉のキューを付けて繰り返し教えてあげることが不可欠です。

特に左右対になっているような場合、どっちがどっちなのか適当に教えてしまうと、犬もとりあえずどっちかやっておけばいいだろうと考えるようになります。

代表的なものが、「お手」「お変わり」です。
たかが「芸」と言われてしまうかもしれませんが、犬が混乱しないためには、どっちの前足が「お手」で、どっちが「お変わり」であることを教えてあげる必要があります。
右回り、左回りなども同様です。
ひとつのキューで両方教えれば、犬はやりやすい方しかやらなくなります。

これは「芸(トリック)」に限ったことではありません。
日常的に道を歩いていて曲がりたいとき、私は犬たちに「レフト」「ライト」を教えています。
以前自転車で散歩していた時代があるので、曲がるときはあらかじめ犬に伝えておかないと大事故になりかねないからです。
今の犬たちとは歩いて散歩していますが、曲がりたいときは早めに言うようにしています。
犬を蹴り飛ばさないためにも重要です。

最近見習いに、私の前で前を向いている状態で、「お手」「お変わり」のキューを出す練習をしています。

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「お手」や「お変わり」は目の前の人間の手に前足を乗せることではなく、何もなくても、前足をあげることと教えているので、当然左右の足のキューは犬目線です。
我が家の場合は、犬の左前足が「ポウ」、右前足が「フット」。
私との位置関係が変わっても、見習いの上げる足は変わりません。

アイコンタクトがとれていなくても、言葉のキューをきちんと伝えてあげれば、犬はどこでもできる「はず」ですね。

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