犬の行動学

2019年4月13日 (土)

有意義なセミナーに参加してきました。

昨日は代官山で開催されたBAW主催のセミナーで、「効果的な社会化と行動のチェーン」の講義を聴いてきました。

講師はカレン・プライヤ・クリッカー・トレーニングのファクルティLaura VanArendonk Baugh氏。

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犬の社会化の重要性は今では一般飼い主に広まってきていますが、誤解されている部分も多いのではないかと常々感じていました。
今回のセミナーではその懸念が間違っていなかったことを確認できたとともに、後半の行動のチェーンについては、行動を起こすもとになるキューについてわかりやすく解明していただき、大変興味深く拝聴することができました。

頭でっかちになるのではなく、しっかり飼い主さまに還元できるように努めていかなければと思いました。

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素晴らしい講義をしてくださったLaura、主催のMikiさま、通訳の藤田様、ボランティアスタッフのみなさま、ありがとうございました。
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2019年3月11日 (月)

環境が変わると、犬の行動も変わります。

タイトルを読むと、「そりゃあたりまえ。」という声が聞こえてきそうです。

つまり、「飼い主は犬が失敗しにくい環境を作り、犬が褒められる頻度を増やすことで、犬が飼い主にとって好ましい行動をとりやすくする。」というのが犬に優しいドッグトレーニングと言われるものですから、環境を変えるというのはトレーニングの基本です。

しかし、長い目で効果を狙うこの方法とは別に、単に家の中と家の外という環境の違いだけでも、犬の行動はまったく変わることがあります。

いわゆる内弁慶というものに似ていますが、家の中ではこだわって自己主張していたのに、外に出たら借りてきたネコになるというのがそれです。


今回いろいろあって、ライフスタイルを変えなければいけない状況に置かれているHさんにとって私は悪者。
おうちの中にいるときの彼女の私に対する態度はかなり厳しいです。


ところが一歩外に出て、散歩を始めると途端に私のことが気になるらしい。

悪者はニコニコしながら声をかけて歩くし、時々目の前にトリーツを落としてくれたりするので気にならない訳はない。

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でも、家に帰ると、やっぱり「ここはアタシの家」と主張する。

心を開いてくれるまでは、まだまだ時間がかかります。

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2019年2月25日 (月)

犬の行動学:犬にとってメリットが無い行動は出にくくなる

陽性強化のトレーニングにおいて必ず使われる報酬。
それはトリーツであったり、一緒に遊ぶことであったり、あるいはスキンシップや散歩などですが、犬が好むこれらのことが次に起こるということを犬が理解しているから、犬に(人にとって)好ましい行動や、新しい行動を教えていくことができます。

報酬を使わないトレーニング方法を取り入れている人もいるかもしれませんが、犬にとって報酬、つまりメリットが実際の犬の行動を変えているという経験談を先日クライアントさんからお聞きしました。

Aさんのリビングにある一番下の引き出し。
中にはAさんの好きなおもちゃや悪戯したくなるようなものが入っていたそうです。
当然鼻や手を使って、Aさんは器用に引き出しを開けることを学習してしまいました。

引き出しをあけることはAさんにとってメリットがあるからです。

Aさんに悪戯されて困る物はAさんの手の(鼻や口など)届かないところにおいてくださいと、レッスンを始めたときにお伝えしたら、オーナーさんは引き出しを空っぽにしたそうです。

すると、Aさんの引き出しを開ける行動が減ってきたと先日言われました。

たまに開けて見ているようですが、以前ほど引き出しには興味を示さなくなったとおっしゃっていました。

つまり、引き出しを開けることはAさんにとって何のメリットもなくなったことを学習しているのです。

しばらくは、「もしかして」と思ってチャレンジするかもしれませんが、いつも空っぽであればこの行動は消去されていきます。


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犬はちゃんと学習していますね。

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2019年2月 2日 (土)

オーナーさんのサポートで犬は確実に学習する

社会化の時期を逃してしまい、1歳目前にしてトレーニングを始めたMさん。
見るもの聞くものすべてが刺激になって、いつも大興奮。

幸い警戒心や恐怖心はあまり表に出ていないようなので、まずは落ち着くことから教えています。

家の中での飛びつきも減り、自分から座ったり伏せたりすることもできるようになりましたが、私が伺うと大興奮でなかなかリビングのゲートが開けられません。

5日前に伺ったときは、自分から座って、ゲートが開くまで持続するのに5分以上かかってしまったのに、今日はなんと1分程度で自ら座り、ゲートを開けても動いたり飛びついたりすることなく待っていることが出来ました。
オーナーさんが、毎日継続して自発的に座ったり伏せることを教えてくださっているからでしょう。

その成果が外の散歩でも明確に見られました。

前回は30分以上かけてもまともに10メートルも歩けなかったのに、今日は玄関を出たときからかなり落ち着いていて、突然のダッシュも無く、数十メートルオーナーさんの存在を意識しながら歩けたのです。


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出来ないからと引っ込み思案になることなく、無理をして距離を延ばすことなく、出来ることを確実に増やしていってくださったことで、確実にMさんは成長することができています。

次回会うのが楽しみです。
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2019年1月31日 (木)

環境マネジメントの重要性

噛むことを覚えた犬に噛まないことを伝えることは難しいが、噛まない習慣を付けていくことは可能である。

「噛む」行動には必ず原因があります。
原因がわかれば、噛む状況を作らないように環境を整えてあげれば噛む確率は確実にさがってくるはずです。
※病気が原因の場合は、獣医師との相談が必要になる場合もあります。

長年うかがわせていただいているクライアントさんの犬は、子犬のころ甘噛みに対して何度もチョーキングされたために、人間に噛みついて抵抗したところ、人間がひるんだことから、嫌なことをされそうになったら噛めば解決できると学習しました。

その子にとって嫌なことは、自分のハウスに人間の手が入ること、首の周りに触ること、自分のごはんに近づくことなどで、最初は飼い主さんご家族に対してのみ噛みの行動が出ていました。

飼い主さん以外の人にはいたって愛想がよく、自分からすり寄っていくほどですが、それでも嫌なことをされそうになると歯をむいて威嚇する行動が次第に出るようになりました。


この犬にとって噛まないで生活することを学習させるには、噛もうと思わない環境を常に用意しておく必要があります。
頻繁に噛むことを続けていれば、イラッとしてから噛むまでの時間がどんどん速くなって、噛みのスイッチが入りやすくなってしまいます。

子犬のころの嫌な経験は簡単には消えません。

イラッとさせない環境づくりを続け、数年かけて、唸ってもすぐには口が出なくなりました。

ただし、機嫌が悪いときは首輪にリードが付けられないので、散歩に出られないときのことを考えて、去年からトイレトレーニングを始めたところ、トイレシーツの上でトイレが出来るようになりました。
いくつになっても犬は学習できるんです。


かわいいから触りたい。
犬なんだから嫌なことでも我慢させる。
トイレは外でさせるものだ。

そんな人間よりの考え方を捨てていただいたことで、現在はお互い距離感を上手にとって生活していらっしゃいます。

あきらめず、犬のきもちを考えながら、生活改善された飼い主さんの努力の賜物です。

あきらめたらそこで終わってしまいます。
犬とのかかわり方の形はそれぞれですが、お互いをよく知ろうとしないとうまくいきませんね。

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2019年1月20日 (日)

知らないうちに強化している愛犬の問題行動

犬の問題行動は人間(飼い主)にとっての問題行動ということはよく言われていることです。

お家のルールはそれぞれの家庭によって違います。
ベッドに乗ることをよしとしている家庭では、犬がベッドに乗っていても問題行動とは言いません。
食事中に人間の食べ物をもらってもいい家では、ダイニングテーブルの横で犬が食べ物を要求しても問題にはなりません。

つまり飼い主側が愛犬の行動を問題と思うかどうかが基準になっています。

いずれにしても、飼い主が問題行動だと思っている行動がどうしても無くならない場合、その理由を考えると、飼い主が無意識にその行動を強化していることがあります。

例えば、飼い主に要求するために吠える犬。
吠えればうるさいので、ついつい要求に応えてしまうと、犬は吠えることで要求がかなうことを学習します。

小型犬の抱っこの要求も同じです。
抱っこをせがんで飼い主に飛びついたり、散歩の途中で抱っこしてもらおうと急に止まって動かなくなったり。
飼い主は飛びつかれたことで、何の気なしに抱き上げたり、あるいは散歩の途中、動かないと先に進めないからと急いでいるときにさっと抱いてしまったりすると、賢い犬たちは確実に学習し、次回同じ行動をとるようになります。

愛犬を責める前に、まず人間の行動を見直してみませんか?
すると問題行動は意外と少ないかもしれませんよ。

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2018年10月25日 (木)

犬だってミスをする

私は以前、犬は動物だから、持って生まれた本能や素晴らしい身体能力屈指すれば失敗はないだろうと思い込んでいました。

しかしながら、実際はそうでないことが多いことを知り、犬もやっぱり判断を誤ることがあるのだと理解しました。

そんなこと当たり前でしょ?と言われそうですが、私は、犬が踏み外したり、ぶつかったりなんてありえないと信じていたのです。

確かに、危険を予知したり、危うくなった時に体勢を立て直したりすることができますが、気づかなければ、ドアにぶつかったり、走っていて障害物を避けそこなったりすることがあることを知りました。

同様に耳がいいと言っても、人の言葉を聞き漏らしたりもしています。


よくあるのが指示のキューです。
ブームになっていることばかりして、こちらが言ってることをやってくれないというのは別にして、きちんと理解していることなのに、何度言っても間違えるというときは、間違える動作のキューと指示の言葉が似ていることがあります。

かつて、犬に「スピン(回転)」をさせようとすると、ワンワン吠えながら回ってうるさいという話をきいたことがありました。
いろいろ話を聴いてみると、このハンドラーさん、愛犬に「スピーク(吠えろ)」も教えていたそうです。

つまり、犬は「スピ・・」と聞くと、とりあえず吠えながら回っておけば間違いないと理解していたようです。

頼んだことといつも違うことをしてしまうようなときは、キューの言葉を見直してみるのもひとつですね。


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2018年8月24日 (金)

犬はちゃんと考えている

犬が考えている場面は多く見られます。

新しい行動を教えているときや、選択肢を与えられて迷っているときなど、本能でも、習慣でも、反射的にでもなく、考えているなと感じることが沢山あります。

それは子犬でも言えることです。
何をどうすればいいことがあるだろうと、子犬なりに考えて行動しているのがちゃんと見て取れます。

もちろん子犬の考えていることはまだまだ未熟ですが、経験値が上がると、更に複雑なこともちゃんと考えられるようになります。
つまり、先の先を読むとでもいいましょうか。

今日見習いが知り合いの飼い主さんに甘えに行こうとしたとき、飼い主さんの後ろにお兄ちゃん犬が座っていて見習いの方をじっと見ているのに気づいて、「おっと。」と言わんばかりに、方向を変えました。

一方お兄ちゃん犬も、これ以上自分の飼い主さんに自分が近づいてしまうと、余計なことを言って、結果的に飼い主さんにとがめられることに気づき、そのままゆっくり後ろに下がって座りなおしました。

見習いはお兄ちゃん犬に「これ以上近づくなよ。」とよく言われているのでやめただけですが、お兄ちゃん犬の方は、自分が余計なことを言いたくならないように、自発的に刺激対象物から離れたのです。


犬たちはちゃんと考えているので、その気持ちを汲んであげることも必要ですね。


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お兄ちゃん犬はママが大好きです。

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2018年8月14日 (火)

甘噛みを考える

犬は噛むもの

確かに。

しかし、人間社会で共存していくためには、噛んでもいいものとダメなものをちゃんと教えていかなくてはいけません。

子犬同士の遊びを見ていれば、お互い顔に噛みついてみたり、尻尾を噛んでみたりと、いろいろなことをやり、やられた方は反撃したり、場合によっては「キャン!」といって噛んだ犬の傍を離れたりと、それぞれちゃんと意思表示をしています。

母犬や同胎犬と離れ、新しい人間と共に暮らすようになったからと言って、噛まなくなるわけではありません。
遊びの延長で手に噛みついてみたり、動くかかとに噛みついたりと、いろいろやります。
特に手はよく目の前で動くので、子犬にとっては格好のおもちゃのようにかぶりついてくることが多いものです。

しかも、「人間の手は優しいし、ご飯もくれるし、とってもいいものなんだよ。」と子犬の頃から教えていかなくてはいけないので、多少歯を当てられたからと言って、本気で子犬を懲らしめていれば、子犬はだんだん人間は怖いものと学んでいくでしょう。

もちろん性格の差もあるので、多少のことでは懲りないタイプの犬もいますが、一度やられたことは絶対忘れないというタイプもいます。

怖い思いをしたから、もうあの人間の傍に行くのはやめよう。と思うか、今度痛いことをしたらまた噛んでやろうと思うかは犬によっても違います。


基本的には、「嫌なことをしたら楽しい時間は終わる」というように犬に教えることで、犬は嫌なことをしないようにしようと学習していくわけですが、先ほど書いたように、すんなり学習する犬もいれば、何度やっても懲りない犬もいるわけです。


以前は、甘噛みをしてきたら、マズルを掴んでキャンキャン言わせるとか、口の中にグーを突っ込んで痛い思いをさせる、あるいはリードを吊上げるといった方法も犬のしつけと言う名のもとに推奨されていたようですが、事態を悪化させる可能性があることは考慮されていなかったようですね。

甘噛みの対処に失敗し、本気噛みに変化たために大変な思いをしている飼い主さんは沢山いらっしゃいます。

甘噛みを軽く見てはいけませんが、どの程度のものなのか、どう対処したらいいのかわからないときは、是非プロに相談してみてください。

ちなみに我が家の見習いは11月で3歳になるオスですが、時折膝に頭を乗せてきて、私の手をカプカプ噛んでいます。
決して歯を当てることはありません。
幾つになっても甘ったれは変わらないようですね。

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2018年7月15日 (日)

悪戯好きは勉強好き?

犬は悪戯をするものです。
というか、悪戯というのは人間側の言い分であって、犬にとっては遊んでいるだけです。
つまり好奇心旺盛な犬ほど、遊びも多岐に渡りますし、退屈すれば自分で遊びを創りだしてしまうでしょう。

となると、むげに悪戯を取り上げてしまうのは大事な好奇心の目をつんでしまいそうで気が引けますよね。
しかし、悪戯には多くの危険性をはらんでいるので、知らん顔は出来ません。

では、好奇心を失くさせないで、愛犬に安全に悪戯をさせるにはどうしたらいいでしょう。

悪戯をさせないのではなく、代わりになるおもちゃや遊びを与えることで、好奇心を満足させてあげてはどうでしょう。


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そして、最良の遊び相手は物ではなく飼い主だと思ってくれれば、飼い主との二人三脚で様々なドッグスポーツも含め、楽しい時間を一緒に過ごすことができるはずです。


小さい頃から何の問題もなかった愛犬は、それはそれで楽なのかもしれませんが、好奇心旺盛な犬ほど、学習意欲が高い可能性があります。


ふつーに悪戯をしていたアシスタント。
特に好奇心が旺盛なわけではありませんが、とりあえず、何かやろうと声をかけるとその気になってくれます。


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ずっと好奇心を持ち続けて欲しいものです。

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