犬の行動学

2021年7月 3日 (土)

リアクティブにさせないためには。

「リアクティブ」という言葉は犬の行動を評価する時よく使われます。
辞書では「反応性が高い」と書かれています。

外的刺激に対し、興奮してり吠えたり、場合によっては攻撃するような犬のことを「リアクティブ」とひとまとめにしてしまうことがありますが、興奮すること自体は、攻撃的になることばかりではありません。
中には嬉しくて大興奮し吠えてしまう場合もありますし、中には怖くて「こっちに来るな!」とわめいている場合もあります。

例えば、嬉しくて吠えながら向かっていく犬。
本犬は全く悪気はなかったとしても、向かってこられた犬がみんな大歓迎するとは限りません。
二頭が接触した場合、ハッピーエンドにならないこともあるわけです。

当然、犬を見れば攻撃を仕掛けたくなる犬もゼロではありません。

怖いと思って吠えている犬に「大丈夫だ」と言って無理やり他の犬に近づけようとすれば、窮鼠猫を噛む状態にならないとも限りません。
相手も、大人しく噛まれているとは思えないので、お互いが嫌な経験をしてしまうことになります。

では、リアクティブな犬たちにはどう対処すればいいのでしょうか。

喜んで大興奮している犬の場合は、セルフコントロールを教えていきます。
怖いと思って警戒している犬より、喜んでいいる犬の方が、しばらくたてば興奮がおさまるからです。
落ち着けば、行きたい方向に迎えることを学習させます。
この場合、行きたい方向に向かうことが報酬となるわけです。

攻撃的な犬に関しては、個々の犬によって対処法が変わるので、今回は触れませんが、怖くて吠えている場合は、一度刺激の対象物から距離を取って、どれくらい距離をとれば落ち着いていられるのかを検証します。

その後、犬に選択肢を与えつつ、「おいで」のサインで犬を刺激から離すことを繰り返しながら、犬は何も怖い経験をしないことを学習させていくのです。

どちらの場合でも、すぐに治るわけではありません。
犬が学ぶ時間を与える必要があるからです。

さて、先日見習いとの練習が終わって、私が肩のリハビリでディスクを投げていた時、そばを同じ犬種を連れた方が通りかかりました。
たまたま同じ犬種と言うこともあり、挨拶をさせたかったのか、こちらに近づいていらっしゃいました。

見習いは、私から離れた場所で「マテ」の状態です。

202107031_20210703213201

聞けば、その方の連れている犬は若いオスとのこと。
あいにく見習いは、初対面のオス犬が苦手です。
生徒さんの場合は、生徒さんにもきちんとお伝えてしているので、お互い距離を取ったり、何かの場合は呼び寄せることで、緊張させないようにし、回を重ねるごとに馴れていってもらいます。

近寄っていらした方は、見習いを見て、「ちゃんと待っていてお利口さんですね。」とおっしゃってくれました。
ちゃんと待っていなければ、本犬も嫌な思いをしてしまうので、私は重ねて待つようにいいました。
距離は20メートルほど。
これぐらいあれば、十分リアクティブにならずにいられます。

そして、声をかけて下さった方には、丁寧に見習いとの挨拶を遠慮させていただきました。

見習いも叱られることなく、相手の犬も嫌な思いをすることなく、平和な時間が過ぎました。

アシスタントだと、まったくこういう気遣いはいらないんですけどねぇ。

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2021年6月18日 (金)

犬の観察力を侮らない。

先日パピーさんのレッスンに伺ったときのこと。

基本のキをちゃんと教えたいとおっしゃる飼い主さんの意向もあって、家庭犬のデイリートレーニングだけでなく、ヒールポジションや、姿勢変更なども、きちんと理解出来るように細かくお教えしているMさん。

ターゲットがあることで、勝手に動いてしまうのを防ぐメリットがあるということをお見せしようと、アシスタントにプラットフォームに乗ってもらうことにしました。

プラットフォームとは、マットのようなもので、その上にいるといいことがあると犬が学習していると、ハンドラーと離れて作業する際も、落ち着いてプラットフォームの上にいることができるというものです。

案の定プラットフォームを床に置けば、さっさと上に乗って、「何するの?」と聞くアシスタント。
そこで、姿勢の変更やスピンなどの回転の動きなど、プラットフォーム上で作業をしてもらい、その都度きちんと褒めていたところ、その後サークルからMさんを出すと、Mさん何も言われないのに、勝手にプラットフォームの上に乗って伏せました。

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アシスタントがプラットフォームの上で何かやるたびに、オヤツをもらっているのを見ていたからでしょう。

当然、何も言わなくてもちゃっかり乗っているMさんも褒められました。

多頭飼いの場合、新入りが先住犬の行動を真似るというのはよくある話です。
犬たちはお互いよく観察していますから。
その点、ある意味「二頭目は楽」と言われますが、要は一頭目が良い見本でなければ楽にはなりません。
多頭飼いを考えるときは、先住犬とちゃんとコミュニケーションが出来るようになってからの方が、「こんなはずじゃなかった」とならないで済みますよ。

もちろん、一頭ずつ真剣に向き合う時間を作ることが大前提ですが。

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2021年5月15日 (土)

犬の行動:そんなものも気になるの?

「子犬の社会化」ということばが周知されるようになってしばらく経ちますが、完璧な「社会化」は無いので、日々生活する環境にあわせてサポートしてあげることが欠かせません。

そもそも「社会化」とは犬をいろいろなものに馴らして、いちいち怖がったり、びっくりしたり、興奮しなくてもいいということを学習させてあげるためのものです。

そのために、様々な生活音を聞かせたり、散歩で欠かせない外の景色に馴らしたり、匂いを嗅がせたり、さらには、住居エリアに合わせた特別のもの(電車、飛行機、サイレン等々)に馴らしてあげることが不可欠です。

さて、昨日のプライベートレッスンに伺ったAさん。
おうちの中では飼い主さんの言葉もよく聞こえるAさん、苦手なお散歩も少しずつ克服しています。


実はAさん結構お水を消費するので、ボウルが小さいとすぐ無くなってしまうことから、少し大き目の水入れを用意されました。
ところがその容器がステンレス製だったため、水を飲もうと顔を持って行くと、その先に自分の顔が映っていて、怖くて近づけず、水が飲めないそうです。

元々、おうちの冷蔵庫などに自分のシルエットが映っても気になってしまうAさん。
以前お散歩レッスンをされた子が、街中のウィンドウに映る自分の姿を他の犬と思って吠えるという行動が出ていたことがあるので、特殊な行動ではないのですが、ステンレスに映った自分の顔が気になってお水まで飲めなくなるとは。

そこで、持っていた大き目のトリーツをひとつ水入れの中に落としてみました。

すると、最初は少し戸惑っていましたが、トリーツの誘惑が大きかったのか、自分から水入れに顔を突っ込んで、水を飲みつつ、トリーツも食べてくれました。
何度か同じことを繰り返した後、散歩から戻って喉が渇いたAさん。
一瞬水ボウルの前で躊躇したものの、そのまま水を飲めるようになりました。

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犬にとって気になる物は様々です。
散歩に行く途中、いつもはない場所に置かれていたゴミ袋だったり、大きなバイクのカバーだったり。
自分から安全が確認できると、次回からは気にしなくなるので、無理に引っ張っていくことなく、自分から確認できるようにサポートしてあげられるといいですね。

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2021年5月 4日 (火)

犬の行動:トラウマ

犬も人間同様トラウマを抱えることがあります。
肉体的や精神的にショックを受けてしまった場合、長く尾をひくことがあります。

トラウマを持ってしまうと、その原因と同じことや類似したことが起こりそうになれば、当然予測し、それを回避する行動を取ろうとします。

私の場合は、幹線道路のアンダーパスで渋滞の最後尾にいたとき追突された経験が、何十年経った今でもあり、そのアンダーパスに入ると、ついついバックミラーを見てしまいます。
もちろん、少しずつは薄れては来ていますが、バックミラーを見るという行動はある意味習慣になっています。

犬の場合、ある場所に行くと大きな音がして不快感を感じるとすれば、その場所に通じる道を避けようとします。
電車の踏切や工事現場などが当てはまります。

さて、我が家のアシスタント、ニコルは人が大好きなので、当然獣医さんも大好きです。
しかし、耳掃除で嫌な経験をしてから、病院までは行きますし、待合室も入りますが、待っている間に何度も帰ろうとして出口に向かうようになりました。
その後耳掃除は一回もされていませんが、未だにその病院に行くと、嫌な気持ちになるようです。
もちろん、診察室に入ってしまえば、抵抗することなく、触診等も普通に受けられます。

ところが、別の病院に行くと、耳掃除との関連性が無くなるのか、待合室にいても楽しそうにしていますし、診察室に入っても、帰りたいそぶりは全く見せません。
当然、獣医さんに会っても、普通に挨拶をかわし、触られてもいつもの「撫でてもいいわよ~。」のスタンスで、全く嫌がるそぶりは見せません。
完全に耳掃除の病院とは別と理解しているようです。

一方、見習いの場合も人に対しては低姿勢で挨拶をしに行くタイプで、診察台も楽しそうに乗るのですが、診察モードに入った途端、昔のトラウマがよみがえり、緊張が走ります。
彼の場合は、病院とのリンク付けではなく、どこの病院に行っても、診察モードに入った途端緊張するようです。

物事の受け止め方は個体によって違います。
同じことをされても大して気にしない犬もいますが、見習いの場合は生後4か月からかなり感受性が強かったようです。

子犬の嫌悪感を無視してはいけません。
そして、子犬だからと力で押さえつけることは禁物です。
子犬はいずれ大人になり、力も強くなります。
そして何より、彼らには肉を引き裂き、骨を砕くことができる犬歯を持っているのです。

犬歯を使わないのは信頼関係があればこそ。
無理強いをしなくてもいいように、うまく話し合いが出来るといいですね。

トラウマを持ってしまうと、行動を変えるのはなかなか難しいものです。
そうならないように、早めの対応をお奨めします。
ハズバンダリーケアもそのひとつ。
うちの子は大丈夫。かもしれませんが、いろいろなことがダメになってしまわないように、子犬の頃からケアしてあげると、お互いのストレスは軽減できるでしょう。

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※診察室にいることが緊張感をもたらしているわけではない二頭。

トラウマへの対処法として「馴らす」方法がありますが、やり方を間違えてしまうと、さらに酷い状態になることもあるので、注意が必要です。
いずれにしても、トラウマを作らないようにサポートすることが大事ですね。

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2021年4月 5日 (月)

リードの存在

今日は愛犬のお散歩に欠かせないリードのお話。
なぜリードの話になったかというと、クライアントのAさん、実はとてもリードにセンシティブなことがわかったからです。

お散歩のハーネスもリードもすんなり付けさせてくれるAさん。
お散歩の途中も、飼い主さんの声が聞こえるようになってきて、お互いのストレスが少しずつ減少しているとのこと。

今日のレッスン、お散歩しながら行うつもりで外に出てみたら、結構雨が降り出してきてしまったので、急遽家の中に変更することにしました。
ところが、リードを持っていると問題なく歩けるのに、手からリードを離した途端に固まりました。

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外の散歩では当然リードを離すことは無いので、今回はリードを手から離す初体験となりましたが、リードが地面についた状態ではAさん歩いてくれません。

少し離れたところから、呼んでも固まっています。

様子を見ていたら、いろいろ考えて、リードを避けるように戻ってきてくれました。

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飼い主さんに、リードに何か嫌悪感を持つようなことがあったかお聞きしましたが、特に無いとのこと。
そこで推測した限りでは、よく犬友と出会ったときに一緒に遊ぶそうですが、そのときリードを着けたまま遊ばせるので、時には足が絡んで嫌な思いをしたことがあったかもしれないとのこと。

実は前回のレッスンで、散歩に行こうとリードを着けたあと、手に持たないで出る準備をしていたら、尻尾にリードがかかった状態になった途端Aさんのテンションが急に下がって、表情が暗くなってしまいました。
その時はリードが体に触っていることが気になっているのかと思っていましたが、今日の様子で、リードを引きずっている状態自体が嫌なのだとわかりました。

そこで一度リードを軽いタイプに変えて、さらにリードを垂らした状態で、Aさんが好きなフードサーキットをやってみると、少し動けるようになってきました。

要はリードが着いた状態で嫌なことが起こらないと再学習してもらうこと。
焦らず、少しずつ馴らしてあげることになりました。

犬によっては、リードが着いているときと着いていないときで行動が変わる子もいます。
いつもリードの反対側にいる飼い主を引っ張って歩く癖がついている場合、引っ張ってることである意味安心しているので、リードが軽くなった途端不安になる犬もいます。

たかがリード、されどリード。
ちょっとしたことでも気にする犬もいるので、リードさばきには注意が必要ですね。
特に小型犬の場合、顔の周りでリードが動くだけでも嫌がって噛もうとする子もいます。

以前譲渡されて間もない犬のお散歩で、フレキシブルリードを使った飼い主さんが持ち手離してしまったところ、その音にも驚いて、犬が逃げてしまったということもありました。
幸い犬はその後保護されて飼い主さんの元に戻ってきましたが、走って逃げる後ろから、ガチャガチャと大きな音を立てながらフレキシブルリードの持ち手が追いかけてくる状況はさぞ怖かったことでしょう。

リードは愛犬の安全を守る大事な命綱ですので、ストレスのないリードさばきでお散歩出来るといいですね。

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2021年4月 3日 (土)

犬の行動を変える要因を知る

よくお聞きするのは、「ウチの子は〇〇だから。」とか、「ウチの子は大丈夫。」と言った言葉ですが、これはある意味、犬にラベルを付けているようなものです。
では、本当に犬はラベルどおりに行動するのでしょうか。

いえいえ、犬の行動は周囲の環境によって変わるので、ラベルは意味をなさないことがあります。

では、周囲の環境とはどんなものでしょうか。
それは、犬にとって刺激となるものが犬の傍にある場合です。
刺激は犬にとって楽しいものかもしれませんし、あるいは怖い物などネガティブなことかもしれません。

例えば、人が大好きで、誰にでもフレンドリーな犬がいるとします。
飼い主さんは、「ウチの子は人が大好き。」と信じていて、「触っていいですか?」と傍に寄ってくる人がいると、「ウチの子は大丈夫ですよ~。」と自分の犬を近寄せます。

確かに、その犬は大人には慣れていて、大人が寄ってくると尻尾を振って大歓迎をしますが、実は子供が苦手でした。
子供は動きが予想できないので、その犬は出来れば近寄りたくないと思っています。

そんな犬の傍に子供が走り寄ってくれば犬は当然逃げようとします。
安全な場所に逃げれば、犬は特に嫌な経験はしないので、その後も子供が来れば距離を取ることを学習していきますが、大人にフレンドリーだから子供も大丈夫と勘違いして、子供が「触らせて~。」と近寄ってきたとき、飼い主さんが「大丈夫よ。」と犬が逃げられない状況を作ってしまうと、犬は自分の身を守るために、吠えたり噛んだりするかもしれません。

恐らく飼い主さんは、「人が大好きな犬なのに、どうしたのかしら。」と思うでしょう。
飼い主さんの思い込みで犬は怖い思いをしてしまったわけです。

犬同士の場合も同じです。
いつも会う犬友達と仲良くすることが出来るからと言って、その犬がどんな犬とも仲良くできるとは限りません。

逆に、犬を見ていつも吠えている愛犬を、「ビビり」と決めつけて、いつもよその犬から逃げていると、犬の自立心を育てられなくなることもあります。

「いつもこうだから。」と決めつけてしまうと、本当の犬の姿を見誤ってしまうこともあるので、「こういうときもある」ぐらいに考え、困った行動が出ているとしたら、改善できる可能性があることも考えて、犬と向き合ってみると、解決策がみつかるかもしれませんね。

特に、そばに飼い主さんがいる、いないという環境の違いも、犬の行動には大きく影響する場合があります。
飼い主さんが見ていないと、愛犬の新たな一面が見られるかもしれません。

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※一般的に、飼い主がそばにいない状況で係留されている犬に近づくのは危険です。
犬が嫌だと思っても逃げられないことに起因します。
自分の犬が大丈夫だからと近づけるのも危険です。
外で待っている犬を見たら、遠目に眺めるだけにしましょう。

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2021年3月29日 (月)

犬の行動をよく観察しましょう。

昨日も書きましたが、3Daysイベントの最終日、インドアドッグランの半面を借り切ってWCRL規定のラリーオビディエンストライアルをやりました。
隣のランスペースは、あいにくの雨で屋外ドッグランで遊べない犬たちがフリーを満喫するという状態でした。

WanByWan主催のラリーオビディエンストライアルは今回が8回目となりますが、初回以外はいつもインドアドッグランを半面借りて行っていますので、当然お隣では犬が走り回っている状況になることは想定内。
しかし、昨日の犬密度はとても高く、競技中の犬たちよりも、隣のランの中の犬の状況の方がとても気になってしまいました。
※競技に参加している犬たちは、ある程度ディストラクションへの免疫があります。

気になったひとつは、ドッグランとは言えインドアなので、入り口には排泄を済ませてから利用するようにと言う但し書きがあります。
ところが、中に入ってすぐに排尿してしまう犬がいました。
犬があまりに多すぎて距離が取れず、緊張してしまったのでしょう。

また、ずっと遊んでいて、気が付いたらしゃがみ込んでいる犬。
人間もそうですが、体を動かせば尿意を催すことは想定内。
ハンドラーが時間をみながら、トイレを促しに外に連れ出すという気遣いも必要でしょう。

走り回って、ガウガウ遊んでいる犬に対して吠える犬。
ストレスを感じていると思ったら、一度ランから出て落ち着かせてあげることも必要かも知れません。

極めつけは、イベント終了後、ずっとクレート待機だったアシスタントと見習いのトイレをさせに外に出て戻ってきたところ、ちょうどランのゲートを開けたすきに大型犬が隣のランから飛び出して、我が家の犬たちに向かって走って来るという状況に。

元々誰彼かまわずウェルカムなタイプではない見習いは若いオス犬ですので、後ろから追いかけられたら応戦の可能性があります。
犬が走り出たのに気づいた私は、犬たちを急かして走って貸し切りランのゲート内に滑り込み、大型犬の目の前でドアを閉めることが出来ました(走れてよかった・・。)
当然、その犬に悪気はないし、ちょっかい出しに来ただけなのでしょうが、一見さんの場合、一触即発にならないとは言えません。

犬たちと走っているとき、後ろの方で犬を呼ぶ声は聞こえていましたが、結局犬は飼い主の元にすぐに戻らなかったのでこういうことになったのでしょう。

「呼び戻し」について、いつもしつこく書いていて、いい加減読者の方々も「またか。」と思っていることでしょう。
しかし、知らない大型犬に追いかけられたら、小型犬の飼い主さんだけでなく、中型犬の飼い主さんもひどく怖い思いをするものです。
追いかけられた犬の方はさらにストレスを感じてしまいます。

生後8か月ぐらいの頃、たまたま入ったドッグランで、大型犬2頭に狩られて背中を噛まれそうになったアシスタントは、その後6年経ったときも、隣のランで同犬種の犬が走り回っているのを見て、競技課題をスルーしそうになりました。

いずれにしても、自分の犬を守ってあげられるのは飼い主さんだけ。
昨日のランの中にも、沢山ストレスをかかえてしまった犬は少なくなかったのではないでしょうか。
犬同士だからみんな友達になれるという人間側の勝手な妄想は捨てて、それぞれの犬の様子を見ながら対応してあげましょう。
そして、ちょっとでも異変を感じたら、すぐ自分の犬を呼び戻して、距離を取ることも必要です。

「呼び戻しても帰って来ない」という場合は、呼び戻しのキューが犬にとって嫌悪刺激になっている可能性があります。
例えば、「オイデ」と言われて行ってみたら、大嫌いなシャンプーや爪切りだったなんていうことが続くと、「オイデ」=「嫌なこと」とインプットされます。
それじゃ、誰だって行きたくないですよね。

もしそうなってしまったら、呼び戻しのキューを変えることをお奨めします。
ただし、一度キューを変えたら、そのキューを使っているときは、いつも犬にとって楽しいことが起きるものだとインプットされるまでは嫌なことは絶対しないこと。

犬の立場に立ってみると、意外とわかりやすいことだったりしますよ。

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※待機が終わって、いつものように走るアシスタント見習い

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2021年3月19日 (金)

犬友がいないとかわいそう?

ドッグランで、犬同士が楽しそうに走り回っている姿を見ると、自分の犬にも犬友達を作ってあげなくてはいけないと思ってしまう飼い主さんが多いようです。

子犬を迎えると、早くドッグランに連れていこうとはやる気持ちを抑えるのが大変そうです。

しかし、犬も人間同様、相性の良しあしがあります。
話が通じる相手とそうでない相手もいます。

そう言ったことを無視して、愛犬によその犬と仲良くするように無理強いするのは禁物。

もちろん、子犬の頃、社会化の一環として多くの犬と出会うことはとてもいいことですが、それを無理強いすることもまた禁物です。
子犬が興味を持って、自分からよその犬に近づいて行かれればいいのですが、怖がっていたり、緊張しているのに、リードを引っ張りながらよその犬に近づければ、当然子犬にはいい経験になりません。

そんなときは、ロングリードを使って、子犬がいつでも逃げられる場所を用意することをレッスンでは取り入れています。

子犬の頃、よい経験を積んでいれば、成犬になってもよその犬に警戒心をむき出しにする確率は減ると思いますが、逆に、道端でよその犬に遭うと、挨拶したくて大興奮するという画も見かけます。
よその犬を見るたびに大興奮されては、飼い主さんも大変ですし、相手の犬が犬好きでなかった時は大迷惑です。

「ウチの犬は犬友達がいなくてかわいそう。」と残念に思う必要は全くありません。
犬には信頼すべき飼い主さんがいるだけで十分な場合もあります。

他の犬に興味が無いなら、お散歩もスムース行くでしょう。

先日クライアントさんが、こんなお話をしてくれました。
海外生活をしていたとき、カフェなどに入ると、愛犬が足元でくつろいでいたり、街中を歩けば、リードが無くてもちゃんと飼い主さんと一緒に歩いている犬たちがいたそうです。

犬大好き犬で、犬を見れば興奮してしまう犬だったら、足元で落ち着いてくつろいだり、飼い主さんとのんびりお散歩を楽しむのは難しいかもしれません。
逆に犬に対して攻撃的な場合や警戒心が強い場合も難しいです。

目指すところは、他の犬がいても平常心でいられること。
挨拶を交わしてもよし。
知らん顔もよし。

要は犬にとってストレスにならないこと。
犬友達がいなくても、愛犬が不幸せとはかぎりませんよ。

アシスタントのニコルは争いごとが嫌いなので、他の犬が攻撃的でなければ、挨拶に応じることが出来ます。
しかし、どちらかというと、犬より飼い主さんの方が気になるようで、挨拶も飼主さんにしに行きます。

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一方がもう一方の犬に執着することで、喧嘩になることもあります。

適度な距離感を持てる犬に育てたいですね。
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2021年3月 3日 (水)

リアクティブドッグという犬はいません。

「リアクティブ」という言葉はドッグトレーニングではよく使われます。
辞書では「反応性が高い」と書かれています。

つまり、外的刺激に対し、興奮したり吠えたり、場合によっては攻撃するような犬のことを「リアクティブ」とひとまとめにしてしまうことがありますが、内実はそうではありません。
自ら攻撃を加えに行く「アグレッシブ」な犬と「リアクティブ」な犬はイコールではありません。

ただ、見た目はよく似て見えることがあるので、吠えている姿を見て、「アグレッシブ」だと思われてしまうこともありますが、飼い主さんがよく理解していればいいことだと思います。

では、この「リアクティブ」にはどのように対応していけばいいのでしょうか。

そもそも、「リアクティブ」な犬というのは、最初から「リアクティブ」なのでしょうか。

犬は成長の過程で、様々な面を見せてくれます。
何にでも好奇心を持って、自分から確認しにいくことが出来る「親和的」な時期と、いろいろな物が気になって、警戒心がふつふつと湧いてくる時期が見られます。

そんなときに、大丈夫だからと無理強いをすれば、犬は当然警戒心をさらに強くしてしまいます。
大事なのは警戒しなくてもいいと犬が理解できるようにサポートすることです。

方法としては子犬の社会化と同じですが、子犬の頃の社会化はその時期だけのものではなく、落ち着いた成犬となるまでは、引き続きサポートしてあげる必要があります。

もちろん個体差があるので、警戒心が強く出ない犬もいます。
ある意味ラッキーと言えるでしょう。

リアクティブにならなくていいように、ちょっとした変化を見過ごすことなく、ケアしていきたいですね。

この犬は「リアクティブ」というレッテルをつけるのではなく、犬の気持ちを切り替えていくことで、リアクティブな犬ではなくなる可能性のあることを忘れてはいけませんね。

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※こちらの見習い、若いころは犬を見かけると吠えてました。
最初は、「遊ぼう!」と興奮して吠えていましたが、どの子とも遊べるわけではないとわかって、吠えは収まりました。
ある時期からは「こっちに来るなよ。」の警戒吠え。他の犬とむやみに距離を縮めないことで、吠えの頻度は減りました。
男の子の気持ちの変化、結構難しいです。

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2021年2月24日 (水)

犬に自信をつけさせる

犬の行動が成長とともに変わることは当然のことです。
特に子犬の頃から2歳ぐらいの成犬になるまでは、人間の子供と同じように体や心が成長していくので行動も変わります。

先日、思春期の男の子の行動が少し変わってきたというブログを読みました。

男の子は女の子以上にゆっくり育ちます。
体も心も。

女の子はヒートが来ると、急に落ち着いてしまうことがありますが、男の子はなかなかそうはいきません。

思春期は人間と同じように、犬たちも不安定になりがち。
昨日まで大丈夫だったものが、急にそうではなくなったり、過剰に反応してみたりと、様々な行動の変化が見られます。

その都度驚かされることは沢山ありますが、思春期はそのうち通り過ぎるものと思って、子犬の頃と同じように、ひとつひとつ自力で乗り越えるサポートをしてあげればいいでしょう。

以前見習いが家の近所に停めてあったカバーのかかった大型バイクを見つけたときのこと。
角を曲がったらちょうど目に入り、急にフリーズし、後ずさりしながら吠えたことがありました。

人間の子供であれば、「バイクが停めてあるだけよ。」と言うことで納得できますが、犬はそうはいきません。

それを、確認させずにリードを引きながら通り過ぎてしまえば、翌日も同じ行動を取る可能性があります。
しかし、逆に、大丈夫だと言って無理やり近づければ、「怖い」と言う気持ちが先に立って、犬は考える間もなく、怖いものの前にさらされるという経験をしてしまうでしょう。


そこで、私はリードを少し緩め、彼に確認する時間を犬に与えたところ、少し腰は引けていましたが、自分で傍まで行って匂いを嗅ぎ、「なんだ、怖くないものだったよ。」と納得し、翌日からはそれを気にしなくなりました。

このような状況は、子犬の初めての散歩においてもよく見られるところです。
「大丈夫、大丈夫」と言って、腰の引けている子犬を無理やりリードで引っ張って近づけるのは禁物。
特に相手がただのオブジェクトではなく、生き物であった場合は相手の動きは予測できないので、犬が怖い思いをしないとも限りません。

相手が犬の場合は、相手の飼い主さんに確認する必要があるでしょう。
犬の安全が確保できている場合は、時間を取って、犬に自分で確認させることが、犬に自信を持たせることにもなるので、出来るだけサポートしてあげるといいでしょう。

子犬も、思春期の犬も、成長途上にあることは同じです。
日々の変化を見過ごさないことが大事ですね。

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※生後1歳ごろの見習い。
今まで誰にでもフレンドリーに寄って行っていた見習いが、少しずつ初対面の人は警戒するようになり、自分から車に戻ることが多くなりました。

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