犬の行動学

2026年1月19日 (月)

苦手を減らす方法とは

犬にとって苦手なものは様々です。
個体によっても異なるので、全てに共通しているものばかりではありません。

例えば、
男の人、他犬、大きな音、車やバイク、掃除機などなど、
個々の犬によって苦手は異なるので、
個々の犬にあわせた対処法が必要になってきます。

しかし、共通していえることは、改善策は「少しずつ馴らしていく」ということ。
専門用語では「脱感作」と言われています。

では、どうやって馴らしていくのか。

ここでポイントになるのは「少しずつ」です。

「馴らす」という名目で、苦手なものに急に近づけたり、
苦手なものの中に投げ込むのはNGです。
これは「洪水療法」と言われて、トラウマを作ってしまうかもしれないという
リスクをはらんでいるからです。

そこで、「脱感作」が必要になってくるわけですが、
先日ブログで書いた、掃除機に馴らす話のSさんの場合。

Sさんがフリーの状態で、スイッチが入っていない掃除機を部屋の中に置いて
Sさんが自由にアクセスできるようにしたところから始まり、
スイッチを入れない状態で少し動かしたりしたあと、
今日はスイッチを入れる練習を行いました。

この場合大事なのが、Sさんと掃除機との距離です。
近ければ興奮しすぎてしまうので、離れた場所でスイッチを入れて音を聞かせます。
その時は、Sさんはサークル内の安全なエリアにいて
美味しいオヤツを食べることができます。

202601190

食べられれば大丈夫。
食べられなければ刺戟が大きすぎるということ。

Sさんは食べられたので、スイッチを入れた掃除機を少し離れた場所で動かしました。
そんな環境でも問題なくオヤツを食べ続けることができたので、
少しずつ近づけたところで動かして、問題なかったので今回はそこまでにしました。

焦らず、少しずつ、犬にとっての「大丈夫」を増やしていくことが大事ですね。

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2026年1月18日 (日)

トレーニングを始める前に。

犬のトレーニングというと、ある意味「訓練」や「しつけ」と言った厳しいものを想像しがちですが、本来は厳しいものではなく、犬にとって楽しいものでなければうまく行きません。

トレーナーや訓練士の元に行こうとすると、犬が行きたくないそぶりを示したり、トレーニングの後に、体調を崩してしまうなど、犬にストレスを与えてしまっているような場合は、トレーニング自体はうまく進みません。

そうならないためには、犬にとってトレーニングをポジティブにすることが重要です。
これは別に犬のご機嫌を取るということではなく、犬が楽しく学べる環境を作るということに他なりません。

二昔前は、犬の身体の成長を考えて、トレーニングは生後6か月以降が望ましいと言われていましたが、楽しく学べるトレーニングにおいては、もっと早くから始めても問題ありません。

もちろん、身体の成長が重要なトレーニングは別ですが、メンタル面や、頭を使うというプロセスを犬に教えていくには、早ければ早い方がいいと言われています。


さて、今日は生後5か月のJさんのプライベートレッスンがありました。
仔犬とは言え、動きも活発。
生半可な遊び方では満足できません。

満足できないとどうなるか。
悪戯や甘噛みなど、そのエネルギーのはけ口が人に向かうようになります。

そこで、遊び方も含め、犬との接し方をお伝えした後、
飼い主様がJさんにとって一番になるように、
楽しいトレーニングゲームもやっていただきました。

202601181

コツは、人が手を抜かず、動くこと。
楽をしていては、よいパートナーに育てることはできませんね。
本格的なトレーニングを前に、少しずつハンドラーとの関係性を深めていくことが大事です。

これからが楽しみですね。

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2026年1月17日 (土)

クライテリア(基準)を明確に

犬に何かを教えるには様々な方法があります。

以前にも書きましたが、教える内容によって、使う方法もいろいろです。
専門用語を使えば、
・ルアーリング
・キャプチャリング
・ターゲッティング
・シェーピング
などと言い表すことができますが、
言葉を知っていなくても、一般的に使われている方法があります。

例えば「ルアーリング」は、犬が好きなオヤツやおもちゃなどを使って、犬の行動を誘導して導く方法です。
犬の鼻先にオヤツを見せて、少し上に引き上げれば、犬は自然に「オスワリ」の姿勢を取るので、犬のお尻を押したり、首輪を上に引き上げたりする必要は全くありません。

いずれにしても、犬に新しく行動を教えようとすると、人は完成形を思い浮かべます。
「オスワリ」であれば、きちんとお尻を地面に付けて、前足をそろえるといった具合です。

初めから、腰を崩して、だらけた「オスワリ」を教えようと思う人はいないでしょう。

つまり、この時点で、クライテリアは明確になっているわけです。

このクライテリアに向けて、きちんと犬を誘導してあげなければ、
犬は「オスワリ」が何かを知ることはできません。

そして、もし横座りするようであれば、それを良しとするのではなく、
正しく座れるように手を貸してあげることが大事です。

「オスワリ」とはこういうものだ。正しく伝えてあげなければ、犬はお願いされても正解を出すことはできないからです。

また、教える内容によっては、少しずつクライテリアを変えていく必要があるかもしれません。
例えば、「持ってこい」などの場合、犬の行動はパーツごとに細分化されているので、
一度ですべてが出来るようになるわけではないからです。

このステージにおけるクライテリアはこれ。
次のステージではこれ。と言ったように、少しずつ進化させて、完成させる行動もあります。

人間がわかっていなければ、当然犬には伝わらないので、
教える前に、きちんとプランニングしておくことが大事ですね。


さて、我が家の見習い。
最初に脚側停座からの一歩を教えた時のクライテリアがちょっと甘かったので、
現在修正中。

202601172

修正するのはなかなか大変なので、最初からきちんと明確にしておかなくてはいけませんね。

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2026年1月16日 (金)

犬の行動の意味を知れば・・

愛犬が自然に取る行動は様々です。
もちろん、彼らなりに考えた行動です。
その結果、人が見て、思わず微笑んでしまう行動もあれば、
笑ってしまうような行動もあるでしょう。

しかし、よく見てみると、「笑ってしまう行動」の実態は
犬が焦っていたり、びっくりしていたり、怖がっていたりと、
犬が平常心でないときに起こることが多いものです。

見ていて笑えるからと、同じ状況を作ってしまえば、
犬はさらにストレスを溜めてしまわないとも限りません。

なんで犬がそんな行動を取るか考えてみましょう。
場合によっては対処が必要なこともあるので、
観察することが大事ですね。


さて、よくある掃除機に戦いを挑む犬。

恐らく最初から戦いを挑む犬はいません。
大きなモーター音と、床の上を素早く動く姿を見て、
警戒心と追いかけたい衝動が合わさっての行動と言えるでしょう。

小型犬が掃除機に挑んどいても、大して大きなダメージはありませんが、
中・大型犬が同じことをすれば、掃除機を破壊しないとも限らないし、
家の中に限らず、どこかで同じような状況を目にしたら、
当然同じ行動を取ることになります。

そうならないために、小さいころから、掃除機のように
大きな音を立てて動くようなものに馴らすというプロセスが重要になります。

先日パピートレーニングに伺ったSさん、生後5か月。
メイドさんが掃除をしていると、掃除機に挑みかかってくると笑っておっしゃっていたので、
少しずつ、気にしないでいるための練習プロセスをお見せしました。

最初は、動かない掃除機の周りでオヤツを撒いてみます。

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気にしないで食べていることに対して、褒めて強化。

次に少し掃除機を移動しても大丈夫かどうかの確認。

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その後、スイッチを入れないで掃除機を動かしてみます。

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これらのプロセスを踏んで、問題なければ、次はスイッチを入れて観察していきます。

初めから仔犬の周りで大きな音を立てて動かさないこと。

そうでなくても、犬たちは動くものに対して反応します。

夕方の散歩の途中、子供たちが遊ぶ公園を横切っていたら、
急に立ち話をしていた子供の一人が奇声を上げて走り出したので
そばにいた見習いがびっくりして跳ね上がってました。

急な動きには人間もびっくりします。
少しずつ大丈夫を増やすことが大事。

見習いは子供は苦手ではないので、敢えて「馴らし」の練習はしていませんが、
何度も子供を見ていれば、子供とはそういう行動をするものだと
学習していくはずです。

いい経験値を増やしてあげることが大事ですね。

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2026年1月15日 (木)

犬の要求を犬が無視することも学習する

要求吠えに対して、人がいちいち反応しないことが犬の学習のサポートになることは以前から書いています。

「無視する」ことに対して、「可愛そう」と言う人もいます。

新しい家に引き取られて、寂しい思いをしている犬であれば、その寂しさを紛らわすために、そばにいる時間を増やしたり、何かの気配を感じられるようにしたり、あるいは、昔は時計の針の音が、母犬の鼓動に似ているからと、毛布にくるんでそばに置いたりといったことも言われていました。

しかし、ある程度新しい環境に馴れ、知能も発達し、自己主張が出てきている犬の場合、いつもそれが通るわけではないと伝えてあげることは、その犬にとって、ある意味ストレス耐性を作るためには重要です。

常に誰かと一緒にいられるわけではない犬にとって、一人でいることにも馴れる必要があるのは当然ですね。


さて、今日は若いL君のプライベートレッスンがありました。

天気も良いので外でのレッスンに加えて、ディストラクションとして見習いを同伴しました。

ディストラクションを入れる前に、おうちで練習していただいているマット練習をやっていただきました。
別の場所でもすでにお試し済みですが、遠くで犬が遊んでいるような場所で出来るか確認です。

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落ち着いていられたので、飼い主さんと沢山遊んでいただいた後、
見習いにディストラクションをやってもらうことに。

見習いにお願いしたのは、その場で伏せていること。

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L君にとって見習いとは2度目ですが、一応犬なので、遊びたいモードで鼻泣きしています。

実は見習いも犬と接触したいタイプなのですが、4歳を過ぎ、母が仕事モードでお願いすると、意外と真面目に聞いてくれるので、そばでL君が鼻泣きしても知らん顔してくれました。

L君は見習いをよく観察しながら、私とコンタクトを取って作業している見習いを見て、自分も自ら伏せてじっとしているようになりました。
犬が犬を観察して学習するという行動をまさに実践してくれたようです。

ちゃんと待っていられたら、見習いにもLさんにもご褒美。

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最後のご褒美は、飼い主さんとの遊び。

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犬と遊ぶより、飼い主さんと遊ぶことの方が楽しいよと、今は沢山刷り込んでいかなくてはいけない思春期です。

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2026年1月14日 (水)

長いお休みのあとは・・・・。

人は連休が続いた後、学校に行くのや仕事に行くのが辛くなったりします。
場合によっては、辞めたくなったり。
なぜなら、楽しいひと時を過ごしてしまったので、
いつものルーティンになかなか戻れないからです。

犬との暮らしの中でも同じようなことが起こります。

長く家族一緒の日々が続いてしまうと、
人の仕事や学校が始まったときに、犬が分離不安になったり、
要求吠えが激しくなったりするというものです。
これはコロナ禍にも起こりました。

つまり、楽をしてしまうと、なかなか元の生活に戻りづらいということですね。

さて、今日は年が明けて初めての若い男の子のレッスンがありました。

前回までは、ハンドラーへの集中力もあり、
周囲の刺激に対しても、大分抵抗力が出てきたところだったのですが、
今日は、自転車、ランナー、子供など、様々なディストラクションが気になって
心ここにあらずな様子。

お話を聞くと、年末年始はとても楽しく過ごされたようです。

人間でもそうなのですから、思春期の男の子にとっては、
なかなか日常には戻りづらい様子。

そこで、基礎のトレーニングからやり直していただくことに。

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日常に戻るにはまだまだ時間がかかりそうですが、
ちょっと兆しが見えてきました。

根気よく続けていきましょう。

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2026年1月13日 (火)

些細なことのようですが。

先日のセミナーでは、日常的に気になっている課題へのアドバイスだけでなく、
普段ちょっと見過ごしがちだった、細かい部分もチェックしていただきました。

そのひとつがこれ。

脚側停座時の見習いの前足。
以前から時々出ていたことは気づいていましたが、
いつもではないので、ついつい見過ごしていました。

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私の側の前足だけが地面についていません。
前足なんて、どうでもいいじゃないですかと言われそうですが、
ここで、なぜ右の前足があがっているのか考えることが大事。

同時に、そうならないためにはどうするかを考えることも大事。

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一人ではなかなか気づきにくいことを講師に指摘していただき、
再度、おざなりにしてはいけないと改めて意識を持ちました。

ちょっとしたことを見過ごさないことが大事ですね。

Thank you Anne san

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2026年1月12日 (月)

選択するのはいつも犬

選択肢はいつも犬にあることは前にも書いています。

例えば、
ハンドラー(飼い主)に呼ばれて来るか来ないか。
「オスワリ」と言われて、座るか座らないか。

常に選択権は犬にあります。

やらないからと言って、どんなにハンドラーがイライラしたとしても、
犬には関係ありません。

来たければ来る。
座りたければ座る。

それは、来たくないから来ない。
座りたくないから座らない。
という犬の選択肢を良しとしているのではなく、
自ら、「来たい」「座りたい」という気持ちになるような関係性を
愛犬との間に築いていくことが大事ということです。

今回私が参加したオビディエンスセミナーは、FCIオビディエンス競技の課題に向き合うための、メソッドやテクニックを学ぶことは元より、そもそも、愛犬との関係性をどう築いていくかと言う、ある意味子犬の頃から、犬とどう接していくかと言うことも沢山教えていただくことができた時間でした。

それは、単純に、競技犬にするためのメソッドではなく、家庭犬であっても大事な要素です。

今回、屋外ドッグランが併設された施設でセミナーは開催されたので、
休み時間は犬たちとドッグランで遊ぶこともありました。

しかし、そもそも初対面の犬とすぐに仲良くなれるはずはないので、
基本的には、他犬と遭遇するときは、まず犬を呼び戻します。

今朝も犬たちと遊んでいるとき、丁度大型犬の多頭飼いの方が入っていらっしゃいました。

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とりあえず犬たちはそばに呼び戻して様子を見ることに。

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「戻ってきたくない」の選択肢は、この場合は犬の安全面を確保できなくなる可能性もあります。

競技犬でなくても、覚えておいて欲しい行動や習慣は沢山あります。

愛犬は呼んだらすぐに戻ってこられますか?

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2026年1月11日 (日)

オビディエンスセミナーに参加してきました。

Anne Liseのセミナー二日目は見習いのアデルと参加しました。

昨年から楽しみにしていたセミナー。
課題満載なのはわかっていることですが、客観的に観てもらうことで、さらに自分の弱点を明確にすることができます。

そして、もちろん弱点の改善方法のアドバイスをいただくことが最大の目標です。

Anne氏もおっしゃっていますが、オビディエンスのメソッドはひとつではありません。
なぜなら、ハンドラーと犬の数だけやり方があるからです。

引き出しはひとつでも多い方がいい。

他の参加者へのアドバイスが自分の役に立つこともありますし、
自分の犬には合わないこともあります。
そこを見極めながら勉強していくことが重要です。

明日は今日よりよくなるように、見習いとの協働作業は続きます。

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夜はノルウェーのオビディエンス事情などもたくさんお伺い出来て、
とても有意義な時間でした。

素晴らしい企画をありがとうございました。

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2026年1月10日 (土)

オビディエンスセミナーを見学しました。

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今日は講師にノルエウェ―からAnne Lise氏をお迎えしたオビディエンスセミナーを見学しました。

今までにも様々なセミナーに参加してきましたが、今回もとても勉強になるお話を沢山伺うことができました。
しかも、とてもわかりやすい。

我が家の犬たち、課題満載な方々ですが、これからの課題対策に役に立つヒントが満載でした。

そして、今回も改めて感じたのは、オビディエンス競技に出る犬であろうと、家庭犬であろうとベースは同じということ。
一貫して、好ましい行動が何か、好ましくない行動が何かを、わかりやすく伝えることが重要ということ。

企画してくださったIさん、関係者の皆様、ありがとうございました。

明日も楽しみですね。

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