リソースガーディングの予防
リソースガーディングとは犬が資源を独占しようとしてガードすることを言います。
資源とは、場所だったり、食べ物やおもちゃだったり、あるいは人間だったりと様々です。
犬が「自分のもの」と思い込んでいる物すべてが対象になります。
ガードが酷くなると、そばに来る者に対して唸ったり、歯をむいたり、場合によっては攻撃をしてくることもあります。
攻撃と言うより防御と言った方が正しいのですが、いずれにしても、犬は勘違いをしている可能性が高いので、すこしずつ「違うよ」と教えていく必要があります。
これを力で組み伏せようとすればされに事態を悪化させてしまうことにもなりかねないので、私は少しずつ認識を変化させていく方法をとります。
しかし、そもそも勘違いを生じさせないために、子犬のころからあることをやっておけば、リソースガーディングは出にくくなります。
あることとは、
1.子犬が入手しては困るもの(危険なもの)を、子犬の口や手の届くところに置かない。=環境設定
2.子犬と一緒に遊びながら、「ちょうだい(出せ)」を教え、もらったものをまた子犬に渡して遊びが楽しく続くことを教える。=トレーニングの重要性
3.生活全般を許可制にする。=犬との生活の基本
何やら軍隊めいていますが、そういうことではなく、玄関から飛び出たりしないように、「いいよ。」と言われてから出るとか、ごはんもフードボウルがきちんと置かれて「いいよ。」と言われてから食べるとか、簡単なことです。
飛びつくのも同じ。
後ろから勝手に人をどついてくるのではなく、「飛びついてもいいよ。」のキューを教えてあげることで、人もケガをしなくて済みます。
4.対処法として、子犬が何かに執着しそうになったら、代替品を渡すことで回避する
などです。
今日は2歳のYさんのレッスンがありました。
お散歩も上手に出来るようになったYさん。
リソースガーディングがありますが、ご家族みなさまが協力し合って、危険な状況を作らないようにしてくださっています。
もちろん、オモチャ遊びでは、ちゃんと手渡ししてくれるようになりましたが、食べるものは場合によって興奮をあおってしまうそうです。
そこで2歳の誕生日プレゼントにと用意された特大の鹿の角がどうしてもあげられなかったそうなので、私が試しにあげてみることにしました。
初めはなんだかわからなかったYさんですが、齧っているうちにその魅力に引き込まれたようです。
私は全部を渡さず、一部をもったまま、Yさんのテリトリー内で鹿の角を渡しました。
私の手があっても、Yさんは気にせず齧っているので、途中で一番好きなオヤツを見せながら「ちょうだい」で鹿の角をもらい、オヤツはハウスに入れたところ、Yさんはオヤツを食べにハウスの中に入りました。
だまし討ちはしないので、食べ終わったらまた鹿の角を見せて「どうぞ」。
しばらく齧ったらまた出してもらい、オヤツを食べてもらう。
こんなことを繰り返し、最後は「ありがとう」でハウスにオヤツを入れておしまいにしました。
このように細かいステップを踏まなくても、日常的に取り上げるだけで終わらせてしまうことが無ければ、犬たちは自分のものを飼い主に取られてもさほど執着することはありません。
もし、唸ったりしているとすれば、その犬に勘違いをさせているのかもしれません。
我が家のアシスタント、たまに食後に牛のひづめが出ます。
臭いですが、本犬大好きなので、時折あげます。
でも、歯も心配ですから、数分で回収します。
「Vinちゃん、ありがとう。」
彼は、またいつかもらえるとわかっています。
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