キューの意味をあいまいにしない
言葉の使い方は難しいものです。
日本語にも、ひとつの言葉に様々な意味があって、使い方には注意が必要です。
愛犬との共通言語として使う言葉のキューも同様です。
意味があいまいになっていると、犬が混乱することは当然のことです。
以前、「マテ」の意味について書きました。
ハンドラーが言っている「マテ」と犬側が理解している「マテ」との意味が違っていると、ハンドラーは「マテと言ったのに、なぜ動く?」となってしまうことになりかねません。
つまり、ひとつの行動に対してはひとつのキューを当てはめるようにしないと、犬は理解しづらいということです。
もちろん、長年共に暮らしていると阿吽の呼吸で、たとえ人が間違えても、犬が「恐らくこれだろう」と予測して動くこともあるので、多少あいまいであっても、なんとかやっていかれることも事実です。
しかし、正確にお願いしたい場合、このあいまいさはお互いのストレスになります。
例えば「脚側停座」。
昔からの訓練方法の場合、「左脚側停座」=「アトヘ」、「左脚側行進」=「アトヘ」。
つまり、座っている状態も立っている状態も「アトヘ」と言うキューを当てています。
我が家はドッグダンスをやっていることもあり、
「左脚側停座」=「アトヘ」
「左脚側行進(左脚側立止の状態)」=「ヒール」
と言うように、キューを分けています。
さらに言うと、右の脚側位置は「ツイテ」で、この場合犬は座る必要がありません。
座って欲しければ、「ツイテ」のポジションにいる犬に、「Sit」と声をかけるだけです。
ドッグダンスの場合、ヒールワークで移動し続けることがあるので、
ハンドラーが止まったからと言って、犬に座ることを求めません。
逆に言えば、立っていることが重要です。
そこで、「脚側停座」と「脚側立止」ではキューを変えているわけです。
その分、右脚側では停座の必要が無いので、
ヒールポジションのみのキューで、座って欲しいときは敢えて「Sit」と声をかけています。
様々なドッグスポーツに併せてキューは存在しますが、
ひとつのキューで二つの行動を意味することを犬に伝えることは難しいかもしれません。
そんなこともあり、お散歩のときの犬の位置と、脚側行進の位置は異なるため、
同じキューを使わわない方がいいでしょう。
FCIオビディエンスでは、オートマティックスィットが求められます。
また、WCRLラリーオビディエンスでは、「脚側停座」と「脚側立止」両方の作業が求められるので、そのあたりからもキューをわかりやすく伝えることが不可欠です。
愛犬との符丁でもあるキュー、分かりやすく教えてあげたいですね。
上手にママさんと散歩するB君のこの距離はとてもいいのですが、「脚側(ヒール)」ではないので、「ヒール」を使わない方がわかりやすいかもしれません。
一方、ポジションを維持するように言われている見習いのこの位置は「脚側(ヒール)」を要求された結果です。
この二つの距離感に同じキューを付けることはできません。
面倒くさいかもしれませんが、きちんと伝えていくには、キューも大事にする必要がありますね。
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