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2025年7月30日 (水)

犬の選択肢を尊重する

犬のトレーニングは楽しいものです。
レベルは目標によってそれぞれですが、行動を伝えていく過程がコミュニケーションを深めていくことはいつも書いています。

しかしながら、「Are you ready?」にも書きましたが、犬が身体的にもメンタル的にも準備が出来ていなければ犬の学習は進みません。

「愛犬はいつも準備万端」とならないことはみなさんもご存じの通り。
そもそも、ハンドラーとの作業が楽しくて仕方がない犬であれば、準備が出来るまでの時間は短いものですが、そうでない場合は、なかなか集中がとりづらいものです。
特に周りに刺激的なものが沢山あれば、犬の集中は取れません。

さらによくあるのが、「この子はビビりで。」や「この子は〇〇が苦手で。」という場合、周囲の刺激が学習を妨げてしまうことはよくある話。
場合によっては食べ物さえも口にできないこともあります。

かつて、とても静かな環境のブリーダーの元で育てられた犬が、新しい飼い主さんの元に来てから、まったく散歩に出られないと言われて伺ったことがありました。

犬自体に問題があるわけではありませんが、様々な環境刺激に順応できずに犬が困っている状態でした。

この子と家の門を出るまでに、何回かレッスンを行う必要がありました。
なぜなら、玄関を出た後フリーズしてしまうからです。
そんな犬を無理やりリードを付けて引っ張っても犬はストレスを感じるだけです。

玄関から門までの数メートルをクリアし、門の外に出て、さらに散歩に行かれるまでの道のりは短くありませんでした。
車の音、建設現場の音、日常の生活音すべてが彼女の思考を止めてしまったからです。

こういうことは保護犬でもよくある話です。
保護犬を迎える状況は様々です。
野犬から生まれた子犬、パピーミルの崩壊による犬など、周囲の環境刺激だけでなく、人との関係性すらもゼロの状態の犬たちにとって、人からの提案を苦痛に感じる犬は少なくありません。

こういった犬たちに対しては、圧をかけて動かすのではなく、犬が自分で安全を確認して動けるようにサポートしていくことが大事なポイントになります。

犬を迎えたからと言って、その日から楽しいワンライフが始まるとは限りません。
犬の状態に合わせ、犬が自ら動けるようになるのを待つという忍耐も不可欠。

無理に圧をかけるのではなく、犬が自分から動けるような環境づくりが大切ですね。

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写真は、今はオーナー様ご家族と本国に帰って、同居犬とのびのび暮らしているYさん。
オーナー様の愛情と忍耐で、少しずつ怖いものを克服していくことができました。

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