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2025年7月

2025年7月14日 (月)

マットトレーニング

「カフェマット」なる言葉を初めて聞いたのは10年以上前のことだったでしょうか。

それをさかのぼること10年ぐらい前から、犬(ペット)同伴の飲食店が少しずつ増え始めたことで、犬を連れてカフェを利用する人が増えました。
公共交通機関などを利用して移動される場合はキャリーバッグなどを持参されますが、日常のお散歩の帰りに寄るときなどは、特にそういったものがないので、中には人間が座る椅子に直接犬を座らせる人もいたようです。

犬と暮らし始めると、抜け毛や汚れ、爪痕などで家が傷むことに人は少しずつ馴らされて行きます。
もちろん、毎日お掃除をして、外から帰ってきた犬の足を念入りに洗う方もいます。
衛生上気を付けることは必要ですが、あまり気にし過ぎてしまうと、犬に余計な負荷をかけすぎてしまうので、いい意味での「いい(良い)加減」はある程度必要かもしれません。

いずれにしても、動物と暮らしている人とそうでない人の感覚は当然異なるので、自分を基準に考えていると、非常識と言われないとも限りません。

カフェなどの飲食店に犬も連れて行かれるようになったあと、この犬飼いの基準と、そうでない人の基準が合わず、その後犬の入店が禁止になったお店もあったと聞いています。

外を裸足で歩いてきた犬を、直接人が座る椅子に乗せなくてもいいように、「カフェマット」が浸透し始めたのはそのあたりが原因だったかもしれません。

マットに限らず、犬に居場所を提供してあげることはとても大事です。
昨日のハウストレーニングでも書きましたが、犬にとって安心して落ち着ける場所を提供してあげることで、人間が美味しいものをいただいていても、足元のカフェマットで落ち着いて休んでいられたら、お互いのストレスが軽減されます。


さて、見習いにもマットトレーニングをチビの頃にやっており、居場所として教えてはありますが、まだまだ衝動には勝てないときがあります。

落ち着いて待てるように日々伝えていきましょう。

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練習時に持ち歩いている小さいカーペットは、マットと言えるサイズではありませんが、場所として認識しているので、伏せて待つことは理解しています。
本当はアシスタントのように、顎を地面に付けて休んでいられるようになるといいのですが、まだまだ順番が来るのをワクワクしながら待っている見習いです。

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2025年7月13日 (日)

ハウストレーニングの効果

犬を迎えたら、必ず「ハウス(クレート)トレーニング」をしましょうとしつこくお伝えしていますが、どうしても嫌悪感を抱いてしまう方がいます。
理由は「かわいそうだから」。

では、どうすれば「かわいそうでない」のか伺うと、いつでも自由に動き回れること。

確かに、ハウスに入って扉が閉められてしまえば、必然的に犬の自由は奪われてしまいます。
しかし、朝から晩まで一日中ハウスで過ごすわけではありません。

眠るとき、一人になりたいとき、安全を確保したいときにハウスは犬にとってとても重要な場所なのです。

かつて母子3頭のボーダー・コリーと暮らしていた時は、スペース上大きなハウス一台とドッグベッド2個を室内に置いてましたが、必ず誰かがハウスを占有していて、水を飲みに出てくると、そのすきに残りの誰かがハウスに入るというのが日常でした。

ドッグベッドよりも、ハウスの方が落ち着くと犬たちはわかっていたからでしょう。
特に多頭飼いの場合、安全な場所を確保するというのは1頭飼いよりも必要です。

仲のいい同居犬であったとしても、いつもべたべたくっついたり、遊びに誘われれば疲れてしまうからです。

しかしながら、トイレの失敗がなくなって、ある程度人とのコミュニケーションも取れるようになってくると、ハウスを撤去してしまうおうちは少なくありません。

落ち着ける場所がなくなると犬はどうなるのでしょうか。

人間でも、電車などの座席に座るとき、真ん中に座るより、端を好む人の方が少なくないようです。
どこかを壁に付けておくことで、守るべき方向が減って安心できるからです。

さて、今日は若い男の子のボーダー・コリー2頭のプライベートレッスンがありました。
前回お伺いしたとき、ハウスをもっと活用していただくようにお願いしていたところ、今日は2頭とも、玄関で挨拶が済むと、さっさとハウスに入ってくつろいでいました。

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素晴らしい!

ハウスが安全な場所と認識してもらうことで、落ち着けるようになったようです。
特に先住の子は、子犬の頃ハウストレーニングによって甘噛みが止まったそうです。

いつでもそばにいられれば、人に対する要求も増えてきますが、人間はいつでもその要求に応えてあげられるわけではありません。
居場所を明確にすることで、遊ぶときは遊び、休むときは休む。というメリハリある生活が彼のストレスを軽減させたのでしょう。

最後は、クライアントさんのリクエストで、ドッグダンスのトリックでも使う「おじぎ(バウ)」の教え方をアドバイス。

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2セッション目で、大分体が慣れてきたようです。

このあとは、ルアーリングを減らし、ボディーシグナルを減らし、言葉のキューだけでも反応できるように伝えていきます。
最終形は、立止からの「おじぎ」だけでなく、伏臥(フセ)からも「おじぎ」が出来るように教えていきます。

これからが楽しみですね。

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2025年7月12日 (土)

リアクティブ(吠え)の原因は?

愛犬の「吠え」に悩む飼い主さんは少なくありません。
「無駄吠え」という方もいらっしゃいますが、犬が吠えるにはそれなりの理由があります。
犬にとって「吠え」は人間にとっての「言葉」と同様の意味があるからです。

我が家の見習いはパーソナルスペースが広いので、安全なスペースの中に急に犬が入ってくると「吠え」て、来ないでくれと言うアピールをして、相手との距離を取ります。
子犬の頃、彼は他犬の存在をほとんど気にしませんでした。というより、眼中に入っていなかったので、急にそばに来られてびっくりしたり、急にそばに寄られて噛まれるというアクシデントがあったことが後の行動の要因だったかもしれません。
距離が取れていれば冷静さを保てるので、道端で他犬と遭遇したら、何も言わずに距離を取ります。

一方見習いはパーソナルスペースが狭いので、グイグイ犬に向かっていき挨拶をしようとします。
しかし、これは見習いの一方的なポジティブな要求なので、基本的には許可していません。

自分をアピールして吠える場合は、「違うよ」程度の声はかけて、「行くよ」と言いながらスルーしていきます。

他犬を見て吠える行動だけを見ても異なる理由があるので、犬が吠える行動すべてにはそれぞれの理由があるのがおわかりでしょう。
ということは、対処法も「吠え」の数だけあるはず。
一概に、一つの対処法では解決できないというわけです。

どういう風に吠えているかによっても異なるので、対象物だけで対処法は決められないというのもひとつです。

最近SNS上でリアクティブな犬の問題解決を装って、怪しげな誘導のあと、課金が発生する事例があるそうです。
あらかじめ費用が明示されているプロにお願いすることをお奨めします。


さて、我が家の見習い、昨日の散歩中ボーダー・コリーと遭遇しました。
不思議なもので、同じ犬種を見ると特に親近感が湧くようで、挨拶に行こうと必死になっていましたが、あいにく相手の犬は別のボーダー・コリーを待っていたらしく、見習いは全く眼中にはいっていませんでした。

そしてすぐにお待ちかねのボーダー・コリーがやってくると、二頭で楽しそうにワンプロが始まり、見習いは蚊帳の外。
全く無視されていたら、私のところに戻ってきて伏せました。

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しつこく突っ込んでいかないところがある意味成長の証かもしれません。

もし突っ込んで行っていれば、荒療治で追い返されないとも限りません。
相手の気持ちも尊重し、お互い平和的に対処することが重要ですね。

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2025年7月11日 (金)

ドッグトレーニング:何を報酬に使うのか。

「正の強化(Positive Reinforcing)」を使いながら犬に様々な行動を伝えていく過程では、当然のことながら「報酬(ご褒美)」が不可欠です。
なぜなら、リードや力によって犬を制御するのではなく、犬の自発的な行動を引き出すためには犬がポジティブである必要があるからです。

犬の好ましい行動のみをキャッチして、報酬を出していくことがトレーニングのメソッドになる場合、「報酬」と聞くと、ついつい食べ物に頼ってしまいがちですが、犬にとっての報酬は食べ物だけではありません。
それは、タイミングによっても異なってきます。

お腹が空いていれば、食べることに気持ちはフォーカスされやすくなりますが、そもそも食に興味の無い犬にとって、食べ物、特に毎日食べているドッグフードなどを見せられても、やる気に繋がらないことが多いものです。

「報酬」は犬によっても異なるので、食べ物に固執する必要はありません。
愛犬にとってのご褒美が何なのかを知ることが大事と言うのはそういうことにも繋がってきます。

食べ物以外の報酬では、「ハンドラーとの遊び」や「ライフリワード」があります。
ハンドラーとの遊びは、キャッチボールや引っ張りっこ、場合によってはプロレスごっこも入るかもしれません。
ライフリワードには、散歩に行くことや、地面の匂い嗅ぎ、犬同士の遊びなども含まれます。

これらの報酬を、トレーニングの中に上手に組み込んでいくことで、犬を飽きさせず、「お勉強」ではなく、遊びの中で学習することを習慣にしていくことができるわけです。

我が家の見習いにとって、人や他犬との挨拶は結構比重の高いライフリワードですが、これを使うことは出来ません。
なぜなら相手があることなので、いつも提供できるわけではないからです。

今日も、沢山のディストラクションがある中での練習だったので、報酬はオモチャの引っ張りっこ。
ガウガウ言いながら引っ張りっこを楽しんでくれるので、練習の合間合間に遊び時間を入れながら集中力を保っていきます。

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ちっちゃいオヤツ一粒でも頑張ってくれるアシスタントとは違うので、いろいろ工夫は欠かせませんね。

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2025年7月10日 (木)

環境は重要な因子

犬の行動を上手にコントロールするためには「環境設定」が重要といつも書いています。
この「環境」と言うのは、犬の周りにある全てのものなので、箱ものの「家」だったり、「外的刺激」であったり、場合によっては「家族」など、一緒に暮らす人たちだったりします。

つまり、犬の周りを取り巻くもの全てが「環境」になります。

人間も同様で、環境が変わればそれなりにストレスがかかってしまいます。
犬はそんなに繊細ではないと思われがちですが、実はちょっとした変化にも影響されます。

ドッグスポーツなどの競技に出ていると、練習と本番との違いが犬に大きな影響を与えることがよくわかります。
そこで、犬がいつも通りのメンタルを保つために、様々な環境の変化にも馴れるような練習が必要となってくるわけです。

実際に競技に出ていない犬であっても、当然日常生活に影響が出る環境の変化があるのでケアが必要です。

かれこれ25年ほど前、当時我が家にいた生後8か月の若い犬たちは、思春期と引っ越しと言う環境変化が重なり、新しい環境に慣れるまで半年近くかかったことがありました。

馴れるまでの若い犬たちの行動の変化で大きかったのは「吠え」でした。
引っ越し前までは、家の中でも外でもほとんど吠えませんが、家が変わった後、散歩に出て他犬と遭遇すると必ず弟犬が吠えて、他の犬を寄せないようにしたのです。
母犬と姉犬と一緒の散歩していて、女子は問題ありませんでしたが、弟犬だけが新しい環境の中で、警戒モードになってしまったようです。

半年近くたって、それも次第になくなり、ようやく散歩で遭遇する犬たちを見ても反応しなくなりましたが、反対に、今まで吠えた相手に吠えられるという状況になってしまいました。
人騒がせな弟犬でしたが、個体によって、順応性が異なるのは人間も同じ。

ちょっと変わった行動が出ても、平常心が保てるようにサポートしていくことが大事ですね。

さすがにアシスタントは経験値が高いので、多少の環境変化には動じず、今朝はいつもより多めに犬たちが散歩に来ていましたが、いつもと変わらぬパフォーマンスでした。

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2025年7月 9日 (水)

トレーニングはコンスタントに。

犬に行動を教えるときは、「鉄は熱いうちに打て」ではありませんが、伝えるべきことを繰り返し伝えていくのが早道です。
専門的な言葉で言えば、「強化頻度をあげる」ことが、犬の理解の早道となります。

この場合の「強化」とは、犬が正解を出して報酬を得られることです。
よって、犬が失敗ばかりを繰り返してしまうようなシチュエーションでは強化を得られないため、犬の学習は進みません。

実際の日常生活におけるトレーニングでは、なかなか教え手(人間側)の都合のいいように環境設定ができないので、レッスンでは敢えて環境設定しながらトレーニングを行い、強化頻度が高くなるように設定していきます。


さて、昨日の練習時、他犬の動きに翻弄されて集中が切れた見習い。

今日は距離のある他犬よりも近い場所にディストラクションとなるオモチャなどを配して練習していたところ、ちょうどいい具合にディストラクションとなる犬が登場。
昨日の今日ということで、見習いも馴れてきました。

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頑張ったご褒美はオヤツよりも遊び。

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他犬よりも私が持っているオモチャの方が距離が近いので刺激としての効果があがります。
つまり、遠くにあるものと遊ぶよりも目の前のオモチャ。

ただ、子犬の頃の見習いは、目の前のおもちゃより、遠くでディスクを追っている犬が気になって仕方がなかった時期がありました。
しかし、遠くのものを手に入れに行かないことを学習してもらい、目の前の物を選択するようになった経緯があります。

子犬育ては根気と忍耐と繰り返しですね。

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2025年7月 8日 (火)

フレンドリーなのはいいけれど。

昨日に続き、ポジティブディストラクションのはなし。

犬の犬好き、犬嫌いに関しては、「社会化」と言うプロセスも大事ですが、もともと持っている犬の気質や性格にも関係します。

そもそも、好きでも嫌いでもない、ニュートラルな犬もいるわけで、先代のアシスタントはどちらかと言うとそんなタイプでした。

若いころに怖い思いをしたことがあるので、トラウマになるかと心配したのですが、怖い思いをさせられた犬種限定のトラウマで済み、他犬種全般に関しては、問題なくニュートラルでいられることができました。

相手が近寄ってきても過剰反応することなく、こちらから興奮して近寄ることもなく、相手が強引なときはそっと避けるという、パートナーとしては理想的なタイプでした。

一方現見習いは、犬を見つけると大興奮。
犬だけでなく、人に対してもフレンドリーなので、近くで遭遇すると挨拶に行こうとします。

他犬に対しては日々のトレーニングの中で、いちいち挨拶をしなくてもいいと伝え続けて、どうにかスルーできるようになってきましたが、自由に走り回っているとやはり自分も仲間に入りたくて気をそがれてしまいます。
これがポジティブディストラクションです。

逆に言えば、犬嫌いな犬もいるので、見習いの挨拶行動は許可が出るまでは押さえて欲しいところ。

いつもの練習場所は、日常的には子供のサッカーやバスケットがディストラクション練習にちょうどいいのですが、暑くなってからは、愛犬家のお散歩時間と重なることも多く、視界に入るだけでは気にしなくなりましたが、さすがに、ボールを追いかけて走り回っている姿は刺激的だったようで、今日は集中が途切れました。

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まだまだ修行は続きます。

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2025年7月 7日 (月)

オヤツが犬の集中を妨げる

「ディストラクション」のことをよく書いています。

「ディストラクション」とは、犬の気をそらして集中を欠くもとになるもの。
ディストラクションになるものは、犬の個体によって異なります。

例えば、人、他犬、バイク、鳥、猫など、動くものや大きな音など、犬にとって集中を欠くものは沢山あります。

そんなとき、よく使われるのがオヤツ(食べ物)。
気を散らさなかったら、ご褒美に渡したり、緊張していたら何か口に入れてもらって落ち着いてもらうなど、ディストラクション対策に使われることも多いのですが、実は食べ物自体が大きなディストラクションになることもあります。

いつもより美味しいオヤツを出してしまったばかりに、普段なら問題なく出来るのに、犬は頭の中はオヤツでいっぱいになってしまい、ハンドラーに言われた言葉に反応できなくなるということもあるのです。

先代のアシスタントがドッグダンスのコンペのとき、その日参加賞としていただいたオヤツをあげて、リンクサイドにおいてからリンクインしたところ、踊っている間中、リンクサイドが気になっていたということがありました。

昨日の練習中も、見習いにいつもより美味しいトリーツを用意したら、視線はオヤツにくぎ付けで、私のキューに対して落ち着いて作業できなくなってしまいました。

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※目の前にあるオヤツに気がいってしまい、頭が働かなくなっている見習い

オヤツならなんでもいいのではなく、状況にあわせて使い分けすることが重要ですね。

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2025年7月 6日 (日)

ドッグトレーニング:弁別の難しさ

犬は、一貫して、繰り返して伝えてあげれば、必ず学習することができます。
競技に出ない犬であったとしても、「正解」を伝えてあげることはとても重要です。
間違ってしまったときでも、「どっちでもいい」という教え方をしてしまえば、犬はどちらでもいいと学習してしまいます。

一番わかりやすい例は「オスワリ」と「フセ」。
どちらもじっとしていることですから、日常生活においては、どっちをやっても大勢に影響はありません。
だからと言って「オスワリ」と言ったのに伏せてしまってもいいことにしていると、犬は「オスワリ」と「フセ」の弁別が出来なくなるわけです。

「お手、お変わり」なども同様です。
右手を挙げようが左手を挙げようがどっちでもいいことにしてしまうと、犬は適当にやるようになります。

ドッグスポーツの競技では、左右間違ってしまうと、ハンドラーの動きと合わなくなってしまうので、きちんと教えてあげることが重要です。
そのためには、間違えたことをそのままにしておかないこと。
正解を出したときにきちんと褒めて「正解であること」を伝えることが大切です。

さて、今日は見習いに両手を挙げることと片手を挙げることの違いを教えたのですが、途中でイライラしてきて、適当に足を挙げるようになったのでリセット。

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違いがわかるまで、ゆっくり教えていきます。

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2025年7月 5日 (土)

犬はちゃんと学習しています。

今日は等々力のDogLifeDesignさんでグループレッスンがありました。
それぞれの課題に合わせて進めていきますが、参加犬の1頭はまだパピーさんなので、基礎的なことを集中的にやっていただいています。

そのひとつがマットトレーニング。
おうちでは問題なくできているマットトレーニングですが、おうち以外で、しかも他の犬やら、知らないおばさんやらで、気になるものがあるなかで落ち着いて待機することはなかなか出来ません。

そこで、今日は敢えてリードを係留した形で、Mさんが自発的に好ましい行動を取ってくれたら、集中して褒めていく作戦。

最初は、ハンドラーさんが少し離れただけでも落ち着かなかったMさんですが、

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マットの上で座るたびに褒めていたら、

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何も言われなくても、自分からマットに戻って座るようになりました。

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もちろん、そこでも褒められて報酬が出るので、後半は何も言わなくても、じっとしている時間が増えてきました。

「マテ」同様、静かに待機していることを教えるのはなかなか難しいものですが、繰り返し頻繁に褒めていくことで、犬はその行動には必ず報酬が出ると学習し、次第にその行動を取りやすくなります。

無理に「ああしろ、こうしろ」と言うのではなく、犬が自発的に取りやすい環境づくりをした方が、犬にとって理解しやすいものです。

いろいろな場面で試してみてくださいね。

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2025年7月 4日 (金)

オヤツがないとやらなくなる?

犬に様々な行動を教えていく過程では、ルアーリング(誘導)でオヤツを使うだけでなく、報酬として食べ物などを使いますが、トレーニングの過程で、「なかなかオヤツがはずせない」とか「オヤツがないとやらなくなるからオヤツは使わない」と言ったお話も聞きます。

それらの弊害はオヤツを使うことの弊害ではなく、オヤツの使い方による犬の学習や理解の結果です。

つまり、オヤツが無ければやらないというのであれば、それは犬にとってあまり楽しくないことなのかもしれません。

日常生活においては、全てが犬にとって楽しいことばかりではありませんが、それを無理強いするのではなく、犬が「やってもいいよ。」と思ってくれるようにするために、オヤツなどの食べ物を使うことがあります。

場合によっては、オヤツを使うことで、その行動自体がそれほど嫌なことではなくなることもあります。

トレーニングで新しい行動を教える場合、強制はしないので、犬がその行動をとりやすくしたり、好印象を持ってもらうためにオヤツなどを使いますが、この使い方を誤ってしまうと、「オヤツがないと出来ない」犬にしてしまう可能性が出てきてしまいます。

しかし、使い方を間違えなければ、オヤツが目の前にぶらさがっていなくても、犬はその行動を自発的に取ってくれるようになるので、もしうまくいかないときはプロの相談してみてください。

さて、我が家の犬たち、キャバレッティが好きです。
これは単純なボディバランスのエクセサイズで、特に面白いとは思えないのですが、これが始まるとオヤツがもらえることが分かっているので、設置しただけで、勝手にやってしまいます。

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目の前にオヤツが落ちていなくても、すでに刷り込まれた行動は、犬の自発的行動となって出てくるわけです。

「オヤツが無いとやらない」とあきらめるのではなく、どうやったらやりたい気持ちになるか、犬の身になって考えてみると答えがわかりますよ。

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2025年7月 3日 (木)

ラリオビ定期レッスン

今日は月に一度のラリーオビデェインス定期レッスンでした。

前半は現状の課題の確認と改善策について。

一人で練習していると、どうしても見落としてしまうところがありますし、気づいていても、どう改善したらいいのかわからない部分もあります。
そんなところを拝見しながらアドバイス。

後半はコース練習。

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コース練習においても、課題の取り組み方や、全般的な今の問題点も含めてアドバイスをさせていただいています。

例えば、「オスワリ」や「フセ」の状態で、ハンドラーが動いてもじっとしていることは、課題を遂行するだけでなく、日常生活でも不可欠なので、細かいステップで繰り返し教えていくことが大事。

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ポイントは、「マテマテ~」と言い続けることではなく、いつまでじっとしていればいいのかを明確に伝えること。
短いセッションの繰り返しで、わかりやすく伝えていきましょう。

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2025年7月 2日 (水)

「ちょうだい(出せ)」を教える

子犬と遊ぶにはオモチャを介して遊ぶのがまず第一歩です。

撫でている手に甘噛みをしたり、動く手を追いかけるようになってしまうと、本気でなくても歯が当たったりして、人にとっても犬にとっても楽しくありません。
そこで、手をオモチャにするのではなく、噛んでも壊れないオモチャや、引っ張りっこや投げたりできるようなオモチャを使って遊ぶことをお奨めしています。

ボールなどのオモチャは転がしたり投げたりしながら子犬に興味を持ってもらうことから始まりますし、引っ張りっこのオモチャも、子犬の目の前で動かしながら、子犬が釣れるのを待ってあげると楽しく遊べるようになります。

オモチャを介して上手に遊べるようになるには、子犬からオモチャを受け取ることも必要になってきます。
受け渡しができないと、子犬はおもちゃを持ち逃げして一人遊びをしてしまい、人間がいなくてもいいと思ってしまうからです。

そうならないためにも、子犬からオモチャを渡してもらうことを教えておくことが大事。

無理やり取り上げるのではなく、渡してくれればまた投げてもらえるし、引っ張りっこも出来ると教えていきます。

子犬がオモチャを渡してもいいと思ってもらうためには、人に渡したらそれで遊びが終わってしまうと思わせないこと。
渡しても続きがあると思えば渡しやすくなります。
もちろん、遊びには終わりがあるので、最後は子犬が飽きる前に人が終わらせることも大事ですが、一度で終わってしまうと楽しくないので、何回でも続くと刷り込んでおくことが重要です。

それでもなかなか放してくれそうもないときは、全く同じオモチャか、同等の価値があるオモチャを用意して、持ってきたときに、もう一つを見せて放すのを待つという方法があります。

一度に二つは咥えられないので、当然一つは手放すことになるからです。

手放す瞬間に「ちょうだい」や「出せ」「放せ」などのキューをのせていけば、次第にキューと手放す行動がリンクされて行き、最終的にはキューで口から放してくれるようになります。

焦らず、少しずつステップアップしていきましょう。


さて、今日は若いK君のプライベートレッスンがありました。

遊びにも付き合ってくれるようになり、人とのコミュニケーションも大分取れるようになってきたK君。
ボールキャッチもとても上手です。

今日はママとのボール遊びの中で、少しずつ「放せ」のキューを教えてあげました。

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暑い時期はなかなか外では遊べないので、家の中でストレス発散させてあげることも必要ですね。

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2025年7月 1日 (火)

子犬の社会化

子犬にとって社会化が重要なのは明らかですが、ワクチンプログラムの関係で、子犬がなんでも受け入れてくれる時期に自力で散歩に出るのは難しいのが現実です。

そこで、一般的にお願いしているのは「抱っこ散歩」
子犬が自分の足では歩けない時期から、抱っこで外に連れ出し、様々な生活音に馴らしたり、実際に目の前を走りすぎる車や自転車、人や犬を目視させて、いちいち反応しなくていいことを教えていくわけです。

子犬は日々育っていくので、中型犬より大きくなると、抱っこができなくなります。
そこで登場するのがカート。
カートに乗せて、社会化散歩を楽しんでもらうわけです。

我が家は大型犬2頭とのくらしの後、中型犬との暮らしになりましたが、カートは子犬だけでなく、歳を取った犬の散歩のサポートにも使えます。
初代のボーダー・コリーは抱っこ散歩で頑張りましたが、シニアになってカートを購入してからは、子犬が来るとカートで移動するようになりました。

近所をただ散歩するだけでなく、今後犬たちにとって大きな刺激となりそうな車やバイクを見せに幹線道路沿いを歩いたり、交差点で行き交う車を見せたり、公園の中ではドッグランやスケボーのバンクなどを見せました。

おかげで、我が家の犬たちはバイクや自転車、キックスケーターもスルーできています。
要は,犬たちにとって周りにあるものは景色の一部でいちいち一喜一憂しなくてもいいと理解してもらうこと。


さて、今日はパピーさんのレッスンがありました。
カートも準備していただいたので、初カート散歩。

車の走る音だけでなく、風の音、エレベーターの乗り降り、空を飛ぶ鳥など、初めてが盛りだくさん。

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そんななかで、落ち着いていられたら、褒めてフード。
フードが食べられるのはメンタルが落ち着いている証拠。

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自分の足で歩けるようになるまで、少しずつ経験値をあげてもらいます。

かつて社会化のひとつに、「何人もの人に会って抱っこしてもらうのがいい」というのがありました。
確かに人にも馴れてもらうことは大事なことですが、「抱っこしてもらう」と言うのは無理があります。
なぜならそこに子犬の選択肢がないからです。

子犬がもし自分から寄っていくなら問題ありませんが、無理やり抱っこするのは子犬の意思を無視してしまうことになります。
社会化は子犬の意思を尊重しながら行う必要があります。
そして決して無理をしないこと。

これからが楽しみなEさんでした。

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