犬飼の先輩の言うことがあなたの犬にあっているかどうかはわかりません。
何とも長いお題ですが、ずっと昔、かれこれ40年近く前、
公園に犬と散歩に行くと、まことしやかに「犬のしつけはこうするものだ」と
勝手に人の犬のリードを持って教えてくる「自称訓練士」がいました。
今でも同じようなことをする人がいるようです。
確かに経験豊富な飼い主さんは沢山いますし、
その方々の言っていることは正しいこともたくさんありますが、
実際にどれくらいの数の犬や犬種と関わっているかどうかはわかりません。
犬種の特性の話はここでもよく書いています。
個体の違いも同様です。
この子にはあっているけど、この子には向かないという方法もあるので、
十把一からげに犬のトレーニングはできません。
ましてや、行動に何かしら問題が出そうなときはとても微妙な時期ですので、
その犬をよく知って、対処方法考えることが重要です。
もともとフレンドリーな気質に特化して繁殖されてきた犬種もいれば、
作業犬として、細かいことにも注意を払うように繊細さを求められた犬種もいます。
見た目に出た行動が同じであっても、犬の事情は違うので、同じ方法で修正出来るとは限らないのです。
「小さいころからマズルコントロールをした方がいい」ととある飼い主さんが言いながら、他人の犬のマズルをぎゅっと掴んで犬に怪我をさせたそうです。
人間のお子さんに、「しつけとはこういうものだ。」急に平手打ちを食らわせたら大問題ですよね。
そもそも「マズルコントロール」ってなんでしょう。
「マズルコントロール」とネットで検索すると「マズルガード」の話が出てきます。
「マズルガード」は犬の状況に合わせて一時的に使用するためにはとてもいいツールですが、それは犬にとっての罰でもなんでもありません。
万が一の状況を予防するためのもので、恒久的に使用するものでもありません。
しかし、どんな犬も装着できるようなトレーニングをしておくことは悪いことではありません。
一方「マズルコントロール」は、言うことを聞かない(反抗的?)な犬に対して、人間の強さを示すために力を入れてマズルを掴むという方法だったようです。
生まれつき反抗的な犬はいません。
ハンドラー(飼い主)とうまくコミュニケーションが取れていない結果、反抗的に見えているので、犬だけの問題ではありません。
それを力に任せて、犬にとって繊細な部位であるマズルを力を入れて掴むのは反則です。
親犬が子犬に教育的指導を入れるのとは違うからです。
いずれにしても、様々な諸先輩の話に耳を傾けることはいいことですが、実践すべきかどうかは本人が決めることです。
犬のトレーニングも日進月歩。
古い手法にとらわれず、犬の福祉(Welfare)を考え、科学的根拠に基づいたトレーニング法で導いてあげましょう。
我が家はマズルには優しく触ります。
すると、こんなこともさせてくれます。
マズルに触ることが嫌悪刺激になれば、歯磨きもさせてもらえなくなるでしょう。
犬に苦痛を与えないで上手に伝えていくのが人間側の技量ですね。
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