「大丈夫」を増やすには。
愛犬の様々なお困りごとのひとつに「他犬への過剰反応」というものがあります。
散歩中ほかの犬を見ると吠えたり、じたばたしてしまうような犬のことです。
吠える理由はいくつかあるというのは、以前から何度も書いていることですが、理由がなんであれ、「吠える」という行動は興奮を意味しているので、犬は平常心が保たれていないことになります。
これはトレーニングでなんとかなることではありません。
この場合の吠える理由は犬の「感情」が原因だからです。
「あの犬と挨拶したい。」
「あの犬は怖いから、こっちに来てほしくない。」
「あの犬は気に入らないから、文句を言いたい。」
これらはすべて犬の「感情」が発端となっているので、トレーニングで何とかしようと思っても難しいのです。
では、どうするのか。
「脱感作」という方法を使うのが一般的です。
「脱感作」とは、「ある刺激に対する感覚の過敏性を減らすこと、またはその方法」とネットで検索すると出てきます。
つまり、ポジティブであれネガティブであれ、犬にとって刺激になっているものに対する過敏な感情を少しずつ減らしていくために、刺激に少しずつさらして馴らしていくということを繰り返し行っていくことです。
ここで大事なのは「少しずつさらす」ということで、決して急に刺激をたくさん与えることではありません。
例えば、他犬が怖くて吠えてしまう犬の周りに沢山の犬を連れてきたら、おそらく固まってしまうでしょう。
そうならないために、安全が確保できる距離で他犬を目視させることから始め、少しずつ距離を縮めていくようなシチュエーションを繰り返していくことで、次第に他犬への過剰反応を減少させていくというものです。
飼い主が隣で「大丈夫だから」と繰り返すよりも、犬が自分で「大丈夫」と確信して、自信が持てるようになることが重要です。
さて、今日は久しぶりに犬たちと公園に行ったので、帰り際に見習いのディストラクション練習をしました。
いつもの練習場所は大分馴れてきたので、他犬反応も少なくなってきましたが、たまにしか行かない公園は、出遭う犬もほぼ初めてなので、いつもの「挨拶したい!」が出やすくなります。
そこで、ドッグランの脇にある駐車場の横で、ドッグランの犬たちを横目に、加えてドッグランへ行き来する犬たちがそばを通っても平常心を保つ練習をしました。
犬に近づきたい気持ちがあっても、ハンドラーのお願いしたキュー(伏せ)をちゃんとしていることがミッションです。
よく、犬が通るときにオヤツなどのトリーツを見せて、犬が他犬を見ないようにさせる人がいますが、それでは「脱感作」になりません。
他犬がいても「大丈夫」を作るには、犬にきちんと他犬を認識させることが不可欠だからです。
見習いは他犬を見ても、じっとしていられたので、ご褒美にオヤツをもらうことができました。
3才半にして、ようやく。
まだまだ伸びしろだらけの見習いです。
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