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2025年2月 4日 (火)

犬との折り合い

犬の要求すべてを受け入れてあげられるのであれば、どうぞ応えてあげてください。

でも、「今日はダメ」とか、「これは食べてもいいけど、それはダメ」とその時々で人間の都合を押し付けなければならないのであれば、阿吽の呼吸が出来るまでは、ある程度の行動制限をかけながら、わかりやすいルールを教えてあげましょう。

「かわいそうだから」と言って犬の要求に応じてしまえば、いつでもどこでも犬の要求に応えてあげないと、犬は「ダメ」と言われるたびにストレスを感じてしまうようになります。

まずは、習慣になるまで、体が自然に動くようになるまでは、愛犬の安全を確保して、愛犬が理解しやすい方法で伝えていくことが肝心ですね。

今から30年近く前に我が家に初めて迎えたボーダー・コリー。
生後2ヵ月でやってきて、とにかく賢かった(飼い主バカ)ので、夜寝るときは寝室で一緒に寝ていました。
ケージはありますが、夜中にトイレに行かれるように開けたまま。
幸い寝室には特にいたずら出来るものがなかったこともあり、問題行動は出ませんでしたが、毎朝5時になると私のベッドに上ってきて、私の顔を舐めるようになりました。

子供のころから犬と一緒に寝る生活にあこがれていた私にとって、この瞬間は極上の時間だったのですが、3日目ぐらいに気づきました。
毎朝5持、犬に起こされて起きる習慣をこれから先十何年も続くのだろうか・・・。

最初は楽しくて起こされるままに起きていましたが、もし起きなければもっと激しく起こしに来る可能性もあるし、具合が悪くて5時に起きられないことも出てくるはず。
そんなとき、この子はストレスにならないのだろうか。

そして4日目の朝、私は顔をどんなに舐められても起きずに寝たふりをしました。
あきらめた子犬は、ベッドの足元まで下がって伏せて待つようになりました。
私は薄目を開けて、子犬が伏せたのを確認できたら、勝手に起きるようにし、
自分のペースで朝は起きると彼女に伝えることができました。
このやり取りの中で、私は子犬に一切ネガティブなことは言っていませんが、子犬にはちゃんと伝わりました。

犬と暮らし始めると、様々な感動があります。
かわいい彼らについついほだされてしまうこともあるでしょう。
長年暮らしたパートナーであれば、犬も人間のパターンを学習しているので、多少の臨機応変さは出てきますが、一緒に暮らし始めた犬たちにとっては全てが新鮮で、学習の対象になります。

「こうやればうまくいく」と学習した犬たちは根気よく自分のペースで人を動かそうとします。
そしていつの日か大きな勘違いをしてしまうのです。

「この家は私が管理するわ。」

インターホンが鳴れば、吠えながら玄関に走り、窓辺に知らない人が見えれば、近づかないように警戒吠えをし、お客さんが帰ろうとすると、勝手に群れから離れないようにと威嚇し、ご飯が遅いと吠えて催促し、食べ始めると、自分のものだと主張して周りに人を寄せ付けない。

これらは、ちょっとした犬の勘違いから始まっています。
犬が悪いのではありませんが、頑張りすぎる犬は時に歯をむくこともあるでしょう。

そうならないように、犬が勘違いしないように、小さいころからわかりやすく共存生活のルールを教えてあげることが大事ですね。

ちなみに現アシスタントは私と一緒に寝ているので、特に起こしには来ません。
見習いの方は、ドッグベッドで寝ているので、私が起きたように見えると挨拶に来ますが、軽く挨拶する程度で、しつこく起こしには来ません。
しつこく来ても起きないことを学習しているからです。

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愛犬との共同生活、お互いなるべくストレスレスに出来るといいですね。

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