ドッグランの使い方
ドッグランの活用法については以前にも何度か書いた記憶があるのですが、たまたまお問い合わせがあったので、再度個人的な意見を述べたいと思います。
これはあくまでも個人的な意見です。
海外のドッグパークと違い、日本国内のドッグランは比較的小さいところが多いです。
そもそも、海外のドッグパークを実際に利用したことがないので断言はできませんが、アメリカの場合、情報から調べてみると、その広さは大きいものであれば東京ドーム8個分ぐらいのものもあるそうです。
大型犬エリアと小型犬エリアに分かれていたり、オンリーシュとオフリーシュのエリアに分かれているところもあり、リードが付いていないと心配な飼い主や、自由に走らせたい飼い主の希望に沿ったドッグランが一般的なようです。
つまり、ドッグランは愛犬と自由に遊べるスペースであり、時にはボールやディスクで遊んだり、一緒にジョギングをしたり、のんびり散策したりと、愛犬と飼い主が楽しく過ごす場所として提供されています。
もちろん、犬同士の友達を作ることもできますが、それが目的になってしまうと、犬が苦手な犬はドッグランに入れないということになってしまいます。
ここで大事なのは、犬が苦手な犬は決して社会化が出来ていない犬とは限らないということです。
犬と暮らしている飼い主さんすべてが愛犬との時間を楽しむ場所としてドッグパークを利用出来るのが理想です。
しかしながら、実際日本のドッグランはスペースがあまりないので、犬が苦手な犬にとっては苦痛でしかありません。
なぜならパーソナルスペースが取りづらいからです。
犬が苦手な犬だってオフリーシュでのんびり散策する機会は欲しい。
でも、狭いから難しい。というのが日本の現状です。
犬同士のコミュニケーションも大事ですが、犬にとって一番は飼い主(ハンドラー)で無ければ犬とのコミュニケーションは取りづらくなります。
犬同士で遊んでいても、呼ばれて飛んで戻ってくれば問題ありません。
ドッグランまでの道のりも、飼い主をぐいぐい引っ張って行くのでなければ問題ありません。
日ごろの運動量が足りないから、ちょっと走っておいで~。でもいいと思います。
要は、飼い主がちゃんとコントロール出来ているかどうか。
子犬のころは、犬同士との距離感を学んでもらうために、我が家の犬たちもドッグランを経験させました。
犬種の特性や個体の性格もあって、犬同士で遊ぶことにあまり魅力を感じないタイプの犬と、犬に興味はあるけれど、走ることの方が好きなので、一緒に走ってくれる犬とはうまく遊べても、邪魔しにくる犬とはうまく遊べません。
現見習いが生後7か月で初めて入ったときのこと。
走るのが好きな見習いはひとりで走り回っていたのですが、気づいたら後ろに大型犬が。
遠目には追いかけっこを楽しんでいるように見えますが、よく見ると
かなり必死で逃げていますが、最後は追い付かれて
このあと転がされました。
新参者の洗礼というところでしょうか。
このあと見習いは、かなり低姿勢でこの犬と接していました。
衝撃の体験だったことでしょう。
同じ犬種がいるときはたまにドッグランに入ることもありますが、そうでないときはほとんど入りません。
犬種によって遊び方も違うからです。
私とボールやディスクなどで遊べるスペースがあるところで、犬たちとの時間を楽しむようにしています。
なぜなら、リードをつけずに犬と一緒に遊べる場所が、日本にはドッグランぐらいしかないからです。
中には犬同士では遊ばないと聞いて「かわいそう」と思われえる方もいるようですが、気の合う犬とそうでない犬がいるだけなので、かわいそうとは全く思っておりません。
ドッグランをどう使うかによって、犬のきもちも変わってきます。
ドッグランで神経や身体的なエネルギーを使い果たしてしまった犬たちは疲弊するので、そのあと飼い主と何かやるエネルギーは残っていないでしょう。
家で悪戯をしないようにと、エネルギーを発散させるために敢えてドッグランを利用する人もいるくらいですから。
一方、ドッグランでリラックスできた犬は、そのあと集中して作業に臨むことも出来るでしょう。
愛犬との関係性をどう築きたいかによって、ドッグランの使い方も変わってくるはずです。
正解はそのペアごとなので、万民に共通する正解はありません。
使い方はそれぞれだとお互い理解していればいいのです。
以前、誰もいないドッグランで、リードを付けて入っていた犬に対して、後から入ってきた犬が突進していき、リードを付けていた飼い主さんが相手の犬を止めるようにお願いしていた場面を見ました。
近寄って欲しくないと意思表示をしたのですから、本来ならば、「すみません」で呼び戻せば事なきを得るのでしょうが、突進していった犬は飼い主さんが呼んでも戻っていきませんでした。
そしてその飼い主さんは、「ドッグランなんだから、リード放してあたりまえなのに!」と自分の行動を正当化していました。
いいんですよ。放して。
でも、つないでくださいって言われたら、呼び戻せばいいんです。
あの子は犬が苦手なんだな。と想像してあげればいいんです。
自分の犬はフレンドリーなのかもしれませんが、相手の犬のきもちも考えてあげなければいけませんね。
広いドッグパーク、本当にうらやましいです。
広さがあれば、お互いのパーソナルスペースを確保することができます。
小さいころから呼び戻しの練習をきちんとしてからリードを放しましょうね。
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