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2025年1月29日 (水)

要求吠え、なんで治らないのか。

犬の要求吠えに対する対処法として一番わかりやすいのは、リアクションしないこと。

よく「無視をする」とか、「その場を離れる」という方法も言われていますが、要は相手が何を言っても相手にしないことです。
それは、要求に応えてしまうことは当然のことながら、「ダメ!」と言ってみたり、手で押したりすることなども、犬にとっては自分い意識を向けてくれたことで「報酬」となるからです。

ここ十数年、体罰を使った強制訓練から「報酬ベース」のポジティブトレーニングに移行していることからもわかるように、アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点からだけでなく、犬の学習の観点からも、「報酬」を使った方が犬が学習しやすいと言われている理論の、まさにわかりやすい状況が要求吠えが治らない原因とも言えます。

つまり、こちらは叱ったりして犬をいさめているつもりでも、犬はこちらの意に反した報酬を得ているので、いつまでたっても治らないということです。

そこで、リアクションをしないことが、報酬を与えないこととなり、犬のその行動は次第に消去されていくというのが、科学的根拠をもとにした解決法になるわけです。
この方法によって、犬によっては、「なんだ、何も起こらないのか、吠えていても疲れるだけだ。」とその行動をとるメリットがないことを学習し吠えが減り、ハンドラーとしては吠えない状況を増やして報酬を出していく方法をとることで、改善されることが多くなります。

しかし、犬によっては、いつも書いている「個体差」ですが、あきらめの悪い犬もいて、いつまでも要求する犬もいます。
そんなときはどうするのか。
犬にやってほしくない行動が出る前に、やってほしい行動を教え、そのほうが報酬が出ると刷り込んでいくことが重要になります。

「鶏が先か、卵が先か」の理論のようですが、ハウストレーニングを上手に行うことで、犬はハウスの中から「出せ!」と吠えることはしなくなります。

同様に、オヤツが欲しいと騒いだり、飛びつく犬に対して、リアクションせずに根気よくじっと待っていると、やがておさまる瞬間がやってくるので、その瞬間に褒めてオヤツを渡し、次の要求が来る前に、再度褒めて渡すようにします。
その間、犬がもし「オスワリ」や「フセ」などの作業を知っているのであれば、お願いして、出来たときにすかさず褒めてオヤツをご褒美として渡していくことで、犬は頑張るとオヤツがもらえ、単に騒いだり飛びついてもオヤツには直結しないことを学んでいくことになります。

これらのプロセスにはタイミングがとても重要になりますが、そもそも犬が悪いのではなく、犬はなにがしかの学習をした結果行動しているだけなので、その行動が起きない環境づくりをする人間側の忍耐と根気が不可欠と言うことですね。

さて、いまだに引っ張ったら前に行けないとわかっているのにまだまだかぶり気味でチャレンジする見習い。
よく考えて行動しましょうね。

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