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2024年12月21日 (土)

ご褒美にオヤツをあげるのは、オヤツで釣っているのとは違います。

ドッグトレーニングには様々な方法がありますが、最近は、犬の好ましい行動を褒めることで、犬の好ましい行動が出る頻度を増やしていく「正の強化」を使った手法が一般的になっています。

以前はリードを使って行動をコントロールしようとしたり、手で押したり引いたり、あるいは、好ましくない行動に対して体罰を与える方法が使われていて、それになんの疑問を持っていなかった時代もありました。

当然以前の手法においても「ボールなどを使って遊ぶ」という方法は使っていましたが「オヤツ」などの食べ物を使う方法はあまり取り入れられていませんでした。

そんな歴史と、「実際オヤツを使ってみたら、犬がオヤツが無いとやらなくなった。」という状況に陥った人が、オヤツを使うことに抵抗を感じているようです。

先日のワークショップでも、「オヤツが無いと犬がやってくれない」というお悩みを持っていらっしゃる方がいました。
しかし、それはオヤツを使うことによる弊害ではなく、オヤツの使い方の勘違いから起きている可能性が高いように思います。

例えば、「持続」を教えるときは、敢えてオヤツを持っているということを犬に伝え、「オヤツをもらうためには、動かないでじっとしていた方がいいらしい」と犬に学習してもらうことがあります。
「持続」の概念を知らないと、犬は言われた行動をやって褒められたら、すぐにどこかに行ってしまったりするからです。
いわゆる「食い逃げ」状態です。

しかし、実際ひとつひとつの行動を教えるときには、行動を促すときにルアーとしてオヤツを使うことがあったとしても、ある程度行動を理解すると、その後はその行動と言葉のキューが関連づけられてきたら、上手に出来たら褒めた後にオヤツを渡すように流れを変えていくので、最終的にはオヤツが目の前になくても犬はきちんと言われたキューを理解して行動することができるようになるのです。

初めはオヤツをふんだんに使っても、その行動が理解できれば、使う頻度は減ってきます。
もちろん、また新しいことを教えるときは、ふんだんにご褒美を用意してあげます。
そんなときは、ご飯の量を減らしてあげることも、ウェイトオーバーにならないための重要なポイントです。

ここでひとつ重要なのは、日常的に、特に犬が頑張っていないのに、「かわいいから」とオヤツをあげすぎてしまうと、オヤツの価値が下がってしまい、「それぐらいの報酬ならやらない。」とそっぽを向かれてしまうかもしれないので注意が必要です。
何もしなくてもオヤツがもらえるのに、敢えてやらなくてもいいと学習してしまった結果です。

いずれにしても、犬のトレーニングは犬が楽しくなければ進みません。
ご褒美は見合ったものを用意しましょう。

さて、昨日のWCRL規定ラリーオビディエンストライアル、ルール上、課目によっては終わった後にオヤツをあげることが許されています。
この場合のオヤツは、頑張っている犬へのご褒美として使うだけでなく、犬の緊張をほぐすためにも使えます。

見習いは特にオヤツをあげなくても、そんなにテンションが変わらないので、作業終了時まであげませんでしたが、アシスタントの方は、次から次へと続く課題に頭がいっぱいになってしまうことがあるので、落ち着いて作業してもらうために途中でオヤツをあげました。

食べること、口を動かすことで、犬は自分を落ち着かせることができます。

アシスタントは、レベル2以上だと、スピード制御が必要だったり、動きがトリッキーだったりするので、声が出そうになります。
そこで、昨日は競技の途中で2回ほどオヤツタイムをあげました。

おかげで、最後まで吠えることなく作業を終えることができ、今回は吠えのペナルティがなかったことで、210点満点で1席となりました。
愛犬の様子をよく観ながら作業することも大事ですね。

202412211

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