愛犬はオモチャを手渡ししてくれますか?
愛犬とボールやディスクを投げて遊ぶ人は少なくありません。
ボールを使っての競技はありませんが、ディスクキャッチの競技はあります。
ディスクキャッチのロングディスタンスであれば、ハンドラーの投げたディスクを犬がキャッチして、ハンドラーのもとに戻り、ハンドラーは再びそのディスクを投げなければいけません。
限られた時間の中で、どれだけ遠くに投げたディスクを犬がキャッチし、何回戻ってこられるかでポイントを競う競技ですから、ディスクの受け渡しはとても重要です。
リレー競技のバトンの受け渡しと同じですね。
ボールを投げて犬にとって来てもらう遊びであっても、犬がボールを手元まで持ってきてくれないことはよくあります。
ハンドラーの手前1メートルぐらいのところで口から離し、次に投げてもらったボールを取ろうと、ハンドラーが投げる前に走り出してしまう犬もいます。
遊びであれば問題ありませんが、ディスクの競技で、犬が途中で落としてしまえば、ハンドラーは走って取りに行き、スタートラインまでまた走って戻ってから投げなければいけないので、タイムロスになります。
ハンドラーは競技だからと真剣になりますが、犬はいつもの遊びと同じと考えているので、毎回手元に戻さなければいいと教えてあれば、犬はいつもと同じようにするでしょう。
手元まで持ってこないからと、犬を追いかけたり、焦って咥えているものを無理やり取ろうとすると、犬はますますハンドラーのそばには寄ってこなくなります。
では、どうするのか。
今日は若いYさんのプライベートレッスンがありました。
Yさんはリソースガーディングがあるのですが、ボール投げやオモチャの引っ張りっこも出来るようになってきて、「ちょうだい」のキューで少しずつ自分から咥えているものを出せるようになってきました。
出したからといって、取り上げられないことを教えてあげるために、敢えてこれらの遊びを導入しています。
今日は、ボールキャッチのあとに、ちゃんと手元にボールを持ってきてもらう練習をしました。
ボール遊びの楽しさは十分わかっているので、早く取りに行きたい気持ちと、咥えているものをすぐに手放したくない気持ちが入り混じって、ハンドラーからちょっと離れたところにボールを落とします。
そこで、私はボールを取りに行ったYさんに対して、私の手元にまで持ってきてくれるように頼みました。
頼んだら持ってくるのか?と言われそうですが、頼んだら私は動かず待ちます。
Yさんがボールを咥えて離れたところで立っていても、私は自分からは取りには行かず、私のそばまで持ってきてくれないと投げられないと伝えます。
つまり、手渡ししてくれないと、次のボールが投げられない状態が続くわけです。
この時私は一切ネガティブなことは言いません。
ひたすら、Yさんに考えてもらうだけです。
遊びたいYさんにとって、ボールが投げてもらえないのはつまらないので、考えた末私のそばまで来るようになりました。
ボールをもらったらすぐ投げてあげます。
「ちょうだい」でボールを口から離したご褒美はボールを投げること。
ゲームの後半には、私のすぐそばまでボールを咥えて持ってきてくれました。
まだまだイラっとしてお口が出ることがゼロになったわけではありませんが、少しずつ飼い主様との関係性を強化していただいているおかげで、Yさん行動に出る前に考えることも増えてきたようです。
焦らず、ゆっくり伝えていきましょう。
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