鉄板のキューを作る
キューとは犬に伝える指示の合図(言葉)です。
コマンド、命令などと言う言葉で言われていますが、人と犬の立場は上下関係では無いので、「命令」と言うのは少々違和感があります。
例えば「オスワリ」と言うときは、犬に命令するのではなく、「オスワリ」と言う行動を取ってくださいと伝えているだけです。
犬は「オスワリ」という言葉が「腰を下ろすこと」と理解出来ていれば当然出来るわけですが、やらないからといって犬が反抗的なのではなく、まだ「オスワリ」の意味をきちんと理解していなかったり、周りが気になって(ディストラクションがあって)集中できなかったり、あるいは健康に問題があって座れなかったりという理由がある可能性があるとハンドラ―は考える必要があります。
いずれにしても、行動と名前がリンク付けされていて、その行動を阻むような障害が無ければ犬は出来るわけですが、その行動自体が、多少の障害があったとしても、反射的に取れるぐらいに繰り返し練習して、犬を褒めることで、その行動が「強化」された「鉄板のキュー」があると、犬の行動を止めたいときや、安全を確保したいときにとても役立ちます。
例えばボーダー・コリーは動体視力や運動神経が優れていることから、動いているものを見ると、瞬時に動く可能性が高い犬種です。
それはハーディング(羊追い)の遺伝子を引き継いでいる犬種的特性でもあります。
そんな犬の動きを止めようとして「マテ」といっても犬はなかなか止まれないのですが、「フセ」と言うと犬はすぐにその場に伏せるので、犬の動きを止めることが出来ます。
ハーディングの作業でも「フセ(ライダウン)」は頻繁に使用されています。
我が家の犬たちも、バタバタしているときは「フセ」と声をかけます。
二頭一緒にトイレをしているとき、先に終わってしまった方がフラフラしているときは「フセ」と言って動きを止めて、二頭目の排泄が済むまでじっとしていてもらいます。
動きを止めている間に排せつ物を無事に拾えるようにするわけです。
さて、今日は若いYさんのプライベートレッスンがありました。
Yさんはリソースガーディングがあったので、環境や対応を変えながら、細かいことを気にしなくても大丈夫と伝えていますが、たまにイラっとするときがっても、飼い主さんが「オスワリ」と言うと落ち着くことが出来るようになってきたそうです。
愛犬に問題となるような行動が見られたときは、その行動のみに対処するだけでなく、基本のトレーニングをきちんと教えてあげることが一助になることもあります。
もちろん、問題を抱えていないワンちゃんも同様です。
鉄板のキューありますか?
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