怖がる思春期の犬への対応法
生後2~3ヵ月の子犬は、好奇心旺盛で、なんにでも顔を突っ込んでくるのが当たり前ですが、思春期から大人になるにつれ、少しずつ現実社会を目の当たりにして、怖いものも増えてくるようになります。
警戒心をあらわにしたり、怖いと言って後ずさる愛犬を見たらどうしたらいいのでしょうか。
一般的な回答は、「大丈夫よ。怖くないから。」と言って、リードを引っ張りながら通り過ぎていく。というものが多いのですが、「怖い」と思っている犬に「大丈夫」という意味はなかなか伝わりません。
ともすれば、「大丈夫」という言葉は自分が怖いものを見てパニックを起こしているときに使われる言葉と学習され、「大丈夫」と言われると、何か起こるのではないかと逆に警戒心をあおってしまうこともあります。
では、どうすればいいのか。
犬自身が、「大丈夫だ。」と納得することです。
そのためには、「待つ」ということが重要です。
例えば、いつもの散歩コースに突然置かれた粗大ごみ。
あるはずのないものが目に入れば、犬は不審に思って警戒します。
立ち止まったり、あとずさりしたり、場合によっては横っ飛びする犬にどう対処するのか。
できればリードを少し緩めて、自分で確認作業を行わせてあげるといいでしょう。
もちろん危険がないとハンドラーが判断したうえでのことです。
粗大ごみのそばに自分からいってにおいを嗅いで、危険がないと納得すれば、次回道端に何かいつもと違ったものが置いてあっても大騒ぎをすることは少なくなります。
これが昨日お話しした「般化」です。
怖がっている犬を無理に引っ張って行って、風が吹いて倒れてきたりしたらトラウマになりかねないので、ハンドラーが安全を確認したうえで、犬に自分で確認する時間をあげることが大事です。
ある日突然道端に置かれた大型バイクのカバーを見て後ずさりした当時生後半年ぐらいだった現アシスタント。
リードを伸ばして、自分で確認させたら、翌日から気にしなくなりました。
昨日も散歩中道の真ん中に落ちていたコンビニのパンの空袋。
普通に落ちているだけなら気にしませんが、風に吹かれて道の上をさまよっていたので、一瞬アシスタントが足を止めましたが、自分からチェックしに行って、大丈夫と納得したら、そのままやり過ごしました。
年齢を重ねても、怖いと感じるものはゼロにはならないので、その都度犬に納得させてあげるといいでしょう。
私は個人的に、いろいろな物の名称を言うようにしています。
例えば、対面から自動車が走ってくれば、「車が来るからこっちに来て。」とか風に舞っている落ち葉が気になる見習いには、「葉っぱ食べないでね。」とか普通に話をしています。
何かをお願いするとき、長いフレーズはわかりづらいものですが、固有名詞を言うことで、それに対してどういう行動をとったらいいのか学習してもらえたらと思っているので、緊急でないときは会話風にしています。
もちろん緊急事態の時は「来い」とか「伏せ」といった簡潔ワードを使います。
犬は予測する動物なので、ちゃんと伝えることで、不安にさせないことも必要かもしれませんね。
相変わらず待機練習が続く見習いです。
じっとしている待機がなぜ必要かと言えば、アシスタントが練習しているとき見習いが傍で興奮していれば、自分の練習の時は精神的に疲弊してしまうからです。
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