鉄板のキューを作っておく
「動きが速い」とか、「落ち着かない」とか、いいような悪いような代名詞に使われるボーダー・コリー。
一緒に暮らした経験が無い人にとってボーダー・コリーは、「頭がよくて、ドッグスポーツが出来て、一緒にいると楽しい犬」というイメージがあるかもしれませんが、一度でも一緒に暮らした方、特に何度もボーダー・コリーを迎えている人にとっては、まさに前述したイメージに「たしかに。」と大きくうなづくはずです。
先日参加したウェビナーでも、いわゆる「衝動」をコントロールするすべを伝える方法(インパルスコントロール)などのお話がありましたが、例として必ず出てくるのがボーダー・コリー。
そもそもハーディング(羊追い)のDNA(遺伝子)が受け継がれているボーダー・コリーにとって、動くものへの集中力はなかなかのものです。
もちろん、ハンティング(猟)系の犬たちも、街中でハトや猫を見ただけで追いかけてしまう犬もいるので、ボーダー・コリーだけの問題ではありません。
欧米では、裏庭にリスがいたり、散歩コースでウサギなどの小動物と遭遇したりと、犬にとって大きなディストラクションになるものが沢山あるので、インパルスコントロールはとても重要な課題と言えるかもしれません。
日本であれば、ネコやハトぐらいでしょうか。
そういうものに反応する犬はボーダー・コリーに限ったことではありません。
動くものに反応するのはどんな犬種であれ起こりえることです。
そんなときに重要なのは、犬の行動を止められるかどうか。
そもそもそうならないようにインパルスコントロールをするわけですが、もし反応してしまったらどうするか。
そんなときは、どんな時でも絶対にやってくれる「鉄板行動」をひとつ教えておくことが重要なポイントになります。
ボーダー・コリーの場合は「フセ(ライダウン)」が有効な鉄板キューと言われています。
もともと、羊追いの作業の中で、犬は羊と距離を取りながら圧をかけて歩みを進め、羊が暴走しそうになれると、ハンドラ―は犬を「フセ」させたり、あるいは羊の周りを遠まきに周らせて、羊の進行方向を妨げるわけですが、このとき「フセ」のキューが効かないと、羊との距離が詰まってしまい、上手に羊の動きをコントロールできなくなります。
我が家の犬たちも、当然「オスワリ」は教えましたが、どちらかと言うと「フセ」の頻度の方が高いです。
一度伏せると、動きづらくなるというのも一つですが、実際刺激対象物と遭遇した時、「オイデ」と言われてすぐに対象物から視線を外して踵を返せる犬は多くありません。
結果「オイデ」は無視されてしまうことになりかねないことから、「フセ」を使うことで、対象物は見続けていても、前進行動を止めることが出来ます。
もちろん「マテ!」と言って止まれればいいのですが、以前も書きましたが、「マテ」の意味を犬がどう理解しているかによって結果は変わってきます。
座っている犬や、伏せている犬に「マテ!」と言うことで、犬はじっとしていることを理解している場合、動いている犬に「マテ」と言ったときどう反応するかを検証してみた方がいいでしょう。
うまく行かないときは、歩いているときに「フセ」と声をかけてみたりして練習してみるといいでしょう。
オビディエンスや訓練競技には、「常歩行進中」や「速歩行進中」の作業というのがあります。
歩いているときや走っているとき、「オスワリ」や「フセ」「タッテ」と言ったら、犬はハンドラ―が動いて行ってしまっても、その場で止まるようにと理解させます。
競技会に出ないから関係ないのではなく、こういうトレーニングが日常生活においても有効になるので、是非やってみて下さい。
※アシスタントのFCIオビディエンスクラス3競技の「脚側中の立止」作業
歩いているときに「立止」のキューを出して、ハンドラーはそのまま歩き続けます。
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