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2024年6月29日 (土)

都合のいい犬はなかなかいない

先日来お話している「犬の社会化」に関係していますが、今日は犬の「社交性」のお話し。

そもそも「社交性」とは何を言うのか。

「犬同士喧嘩をしないで仲良く出来る」
いかにも「社交性」がある犬と言う感じですね。
人間で言えば、「よくできた人」「大人」と言ってもいいでしょう。

「私あの人は好きじゃないから遊ばない」などとは絶対言わないタイプということです。

しかし、実際犬同士にも好き嫌いはあるわけで、どの子とも仲良く遊べるわけでは無いと言うことは、ドッグランを10分観察しているとわかります。

「他の犬と上手に遊べない犬が悪い」わけではありません。
他犬が苦手な子でも、仲のいい子はいたりするので、要は好き嫌いの問題ということです。

しかし、人間の目から見ると、自分の犬が他の犬たちと楽しそうに遊んでいると、「社交性」があって、ちょっと優越した気分になることは間違いありません。
いわゆる「うちの子は誰とでも仲良く出来るいい子」というわけです。
逆に、他の犬と仲良く出来ない犬を連れている人はとても肩身が狭い思いをしてしまいます。

果たしてそれは正しいのでしょうか。

散歩中、他の犬が視界に入っても平常心でいられる犬の方が、散歩中ハンドラ―も落ち着いて歩けるのではないでしょうか。
犬を見るたびに、遊ぼうと興奮してしまう犬を連れて歩くのは大変です(体験から)。

先代のアシスタントは、生まれ持った気質と子犬時代のブリーダー環境に加え、我が家にすでに先住犬が2頭いたことから、他犬反応が少ない犬でした。
つまり、喜んで大興奮することもなく、アグレッシブに突進することなく、怖くて逃げることがない、いわゆる平常心を保てる犬だったので、トレーナーと言う仕事柄大変助かりました。

現アシスタントは他犬にあまり興味が無いので、小さいころからドッグランに入れても、私のことしか見ていませんでした。
その代わり、むやみに近寄ってこられるととても緊張する犬ので、散歩中は若干気を遣います。

一方現見習いは、人や犬に自分から近寄って挨拶しに行こうとするので、散歩中平常心を保つのに苦労します。

要は、他の犬を気にしないでいてくれる方が楽と言うことです。

しかし、他の犬と楽しく遊ぶ愛犬を見たい人は沢山いるわけです。
愛犬が犬らしく、他の犬と楽しそうに追いかけっこをしたり、プレイバウをしている姿を見るのは微笑ましいものです。
ところが、犬と遊ぶことが楽しいと学習している犬たちは、場合によっては、人よりも犬と遊ぶ方が楽しいので、楽しいことを探しながら散歩をするようになります。
よく言う、犬探し散歩です。
犬を見つけると伏せて相手が近寄って来るのを待ってみたり、吠えて呼んでみたりと言う感じですね。

「遊んでいいよ。」と言われたときだけ犬と遊び、「傍にいてね」と言われたら、周りを無視できるような都合のいい犬はそうそういません。
先代アシスタントのような犬と暮している人はある意味ラッキーです。

しかし、そうでない犬の場合、愛犬とうまくコミュニケーションを取るためには「トレーニング」が必要になってきます。
なぜなら、「犬のきもち」は急ににコントロール出来ないからです。
「トレーニング」によって、やって欲しい行動を日常的に犬に伝えることで、多少きもちが先行している場合でも、コントロールできるようになります。

愛犬との心地よい暮らしのためには、人間の努力も欠かせませんね。

今日は久しぶりに公園を犬たちと歩きました。

広い園内で犬と遭遇するくらいであれば、大分自制心が付いて来た見習いですが、帰り際ベンチ脇で静かにオフになる練習をしました。
犬が通る道からは10メートルほど距離が取れるので、大興奮にはなりません。

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日々の練習は欠かせませんね。

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