愛犬が唸ったら
犬の感情表現にはいくつかの方法があります。
吠える
啼く
しゃべる(吠えるまでいかない声)
唸る
ボディランゲージ
ボディランゲージには、犬の表情や体の動き、尻尾の動きなど様々な表現がありますが、細かく確認されたければ、LILI CHINさんの書かれた「DOGGIE Language」という本をご覧になると、イラスト付きで分かりやすいでしょう。
「吠える」理由は様々あるということはいつも書いています。
「啼く」ときには、いろいろなストレスがかかっていて、不安を感じているときなど。
「しゃべる」ときは、大きなストレスにはなっていなくても、感情が口をついて出てしまったときと、見習いを観察しながら個人的に考察しています。
では、「唸る」ときはどんなときでしょう。
犬は人との遊びの中で唸ることがあります。
おもちゃを介して遊んでいるとき、興奮して声が出てしまうというときです。
しかし、一番注意しなければいけないのは、「恐怖」と「警告」です。
「恐怖」を感じたときに唸った犬を放っておくと、次に同じことが起きたときは「噛む」可能性があります。
唸ることで感情を表してくれればまだ対処の方法がありますが、無視していると、突然「噛む」行動をとることがあるので注意が必要です。
「警告」も同様ですが、「警告」は時に続けて「噛む」行動に移ることがあるので、そもそも近寄らなければいいだけです。
他人の犬であれば、唸られたら距離を取るのが一番ですが、自分の犬の場合どうすればいいのでしょうか。
まずやらなければいけないのは、理由を考えること。
犬が怖がっているのか、犬は攻撃しようとしているのか。
なんらかの精神疾患を患っていない限り、可愛い愛犬が突然攻撃を仕掛けてくることはありません。
通常は何かしら犬に取って嫌なことをハンドラ―がしようとして唸るケースが多いものです。
その場合、犬が嫌がっていることを理解して、犬が嫌がらなくても直面できるような環境設定などを工夫して接することが重要です。
当然「大丈夫」になるまでは時間がかかりるので忍耐が必要です。
「犬なんだから自分の言うことを聞いて当たり前」と力でねじ伏せて問題ない犬もいれば、状況が悪化することもあるので要注意です。
一方「警告」に関しては、ちょっとした犬の勘違いから発生することが少なくありません。
よくあるのが「リソースガーディング」です。
「リソースガーディング」についても何度か書いていますが、犬の勘違いから犬の行動に変化が生じて起こるものです。
つまり、家全体を守らなければいけないと余計な使命感にかられて、家族も含めて、家の中全体をガードしようとするものです。
ガードするものは、食べ物やおもちゃなどに限りません。
犬が普段生活している「エリア」、犬に取って重要な「人」など、犬が「自分の物」と思っている物がすべて対象になります。
飼い主さんやお気に入りのソファなども同様です。
そんな勘違いをさせないためには、日常的に犬が生活するスペースを制限して、いい方は悪いかも知れませんが、いろいろな行動を許可制にすることです。
例えば、「ソファに乗ってもいい?」とお伺いを立ててくれるくらい。
そうでないと、「今ボクがソファでくつろいでいるから、他の人は勝手に使うなよ。」という思考が当たり前になってしまうからです。
犬にとって安心できる安全なスペースを提供することは問題ありませんが、犬に家をすべて明け渡してしまうことはお勧めできません。
明け渡されても、どの犬もリソースガーディングが出るわけではありませんが、リスク管理は重要です。
あとから、こんなはずじゃなかったとならないように、愛犬と話し合って折り合いをつけていかれるといいですね。
さて、我が家のアシスタントは私のベッドで寝ています。
と言っても足元の方ですが、寝返りを打っても特にどかないし、寝ぼけて蹴ってしまっても怒りません。
暑くなれば勝手に下りて自分のハウスに行って寝ています。
一方ベッドが狭いこともあり、見習いはベッドに乗せていません。
アシスタントが乗っているのを見て、小さいころは自分も乗ろうとしていましたが、ドッグベッドとハウスが用意してあるので、そっちで寝るように言い続けていたら、そういうものだと理解し、一度もベッドに乗ってきたことはありません。
習慣を変えることは時間がかかりますが、初めからそういうものだと教えておくと、お互いストレスが軽減されますね。
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