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2024年4月29日 (月)

行動を変えるには時間がかかるんです。

仕事柄、ご愛犬の様々な行動の問題の対処に伺うことが多いのですが、人間側が「問題」と思っていても、当然犬側に問題意識は無いので、通常その行動を習慣的に取っていることが多いのが現状です。
つまりその行動を取ることが犬にとって何がしかの報酬となっているために、その行動は繰り返されているわけで、行動の歴史は短くは無いと言えます。

習慣になっている行動を変えることは簡単ではありません。
人間でも同様ですよね。
車を買い替えれば、ギヤや操作パネルの違いに慣れるのに時間がかかるのと同じです。

しかしながら、問題となっている行動は、プロが犬を扱えばすぐに変わると勘違いされている方が少なくないようです。

ずっと昔、問題解決するドッグトレーナーが出てくるテレビ番組があったように記憶していますが、その中で、インターフォンに吠える犬に対して、アルミの灰皿を何枚か重ねてガチャガチャと音をさせて、床に投げつけるというシーンを見ました。
犬はびっくりして吠え止み、その後もインターフォンが鳴るたびに同様のことを繰り返せば吠え止むようになると言う内容でした。

大きな音がすればびっくりして体がすくむのは人間も同じです。
毎回繰り返されれば、音が鳴るたびに音に過敏になってくる可能性もあります。

東日本の震災の時、スマホのアラームが鳴るたびにドキドキしたのを覚えています。

大きな音が鳴るたびに不快な気持ちになれば、「音響シャイ」になる可能性も出てくるでしょう。
「音響シャイ」は我が家の初代ボーダー・コリーも3歳で突然発症し、耳が遠くなるまで続きました。
その間、雷・花火・金属バットの音など、家の中にいても外にいても、彼女の不安は収まらず、とても辛そうだったのを覚えています。

特に大きな音による不快な経験をしたわけではない犬であっても発症する「音響シャイ」の発症確率が上がる可能性がある方法を行動変容に使うのはおすすめできません。

新しい行動を教えるよりも、修正や変容に時間がかかることは明らかです。
日々の地道なアプローチで変えてあげることが大事ですね。


さて、今日はドッグダンスのグループレッスンがありました。
L君は、前進の練習を始めましたが、ルアーリングで最初の一歩はすんなり出られるようになりました。

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あとは「前を向いて立つ」ことや、「キューを聴いて一人で前進していく」ことを細かいステップに分けて教えていきます。

新しい行動を教えるときも時間はかかります。
焦らず、犬が理解しやすい方法で教えていきましょう。

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