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2024年4月21日 (日)

犬の警戒心のはなし

子犬の頃は全てを受け入れることができたのに、成長と共に、ややこしいというか面倒くさくなってくることがよくあります。
今まで大丈夫だったのに、急に過剰反応が始まったなども同様です。
これはいわゆる犬の思春期で、ホルモンのバランスも含め、様々な物が作用して、犬の気持ちが自分でコントロールしづらくなる時期でもあります。

いつも書いていますが、「子犬の頃に社会化したから大丈夫。」というわけにはいかないので、犬の成長と共に社会化はずっと続くと言ってもいいでしょう。
なぜなら、犬にとっては日々新しいものとの遭遇があるからです。

特に生後5~6か月頃から、思春期への突入と共に警戒心も出てくるので、様々なものに馴らしてあげることが飼い主側の重要なサポートとなります。

警戒心は様々な形で現れますが、それに対して「ダメ!」とか「イケナイ!」と言われても犬にはわかりません。
なぜなら気持ちの問題だからです。

以前、見習いが強風の吹いている日の散歩中、突然はためいた自転車のカバーにびっくりして飛びのいたことがありました。
これに対して「自転車のカバーじゃないの。大丈夫よ。」と言ったところで、見習いには伝わりません。

「怖いものかどうか自分で確認してくれば?」ぐらいのスタンスが犬に納得してもらうためには有効です。

リードを緩めて、犬の行動を見守っていればいいだけです。
「大丈夫だから」とリードを引っ張って無理矢理確認させる必要はありません。
大丈夫かどうかは本犬が納得しなければ大丈夫では無いからです。

そんな犬の警戒心を少しクールダウンさせてあげるには、「待ってあげる」ことの他に「食べる」という行動も有効です。
食べるときは当然鼻を使いますし、口を動かし味わうという五感を使ってもらうことで、あがった緊張を緩和させてあげることが出来ます。

ただし、音響シャイなどで、本当に怖がっている犬には食べ物すらも役には立ちません。
食べ物も万能ではないということです。

愛犬の状況をよく観たサポートが不可欠ですね。

さて、今日は生後7か月のLさんのカウンセリングがありました。

初対面だし、訪問者だしで、Lさん的には私は早く帰って欲しい人だったと思います。
実際そう言ってました。
しかし、帰るわけにはいかないので、Lさんが落ち着けるように、トリーツを使ったり、目線を合わせないようにしながら、時間をかけて匂いを嗅いでもらって、なんとか受け入れてもらえました。

202404211

帰るころには、「ワタシ、オスワリもフセも出来るのよ」と得意げに見せてくれました。


トレーニングと違って、犬の気持ちを変えるのは簡単ではありません。
怖い思いをさせないような工夫が必要ですね。

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