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2024年2月29日 (木)

犬の学習には時間がかかる

ふた昔以上前の「犬のしつけ」と言われるものでは、犬がやって欲しくない行動を取ったら「即罰」で叱るということが当たり前のように行われていました。
つまり、「ダメ!」や「イケナイ!」と言って、外であればリードを引き上げたり、家の中であれば、お尻を叩くといったような行動が不随していました。

叱られた犬は、「そうか。こういうことをやるといけないんだ。もうやめよう。」と思ったら二度と同じことは繰り返さないでしょうが、実際犬が一度でその行動を止める確率はとても低いと思われます。
そこで飼い主はまた同じことを繰り返すことになります。
もし、犬が二度と同じことをやらなかったとしたら、「そうか。こういうことをやるといけないんだ。もうやめよう。」と思ったのではなく、「飼い主に死ぬほど怖い目に遭わされたから、もう何もしないことにしよう」と思ったに違いありません。
つまり、トラウマになるほど怖い思いをしたということです。

以前クライアントさんの犬で、ハウスの扉を完全に開けてやらないと出てこないという子がいました。
理由を聞くと、小さいころハウスから飛び出そうとしたときに足が挟まって、大泣きするほど痛い思いをしたそうです。
そのためその子はハウスのカギが閉まっていなくても、扉が全開になっていない限り出てこないから、ハウス待機させるのが楽だとおっしゃっていました。
これは飼主さんが故意にやったことではなく、たまたま起きたいわば「天罰」方式の罰を受けたことによる大きなトラウマです。

愛犬に言うことを聞かそうとして、そんなトラウマ持ってほしいですか?

犬に何かを伝えるには時間がかかります。
なぜなら、そこには犬の学習時間が必要だからです。
一度で覚えられる犬なんてそうそういるわけがありません。

「オスワリ」一つとっても、犬はハンドラ―の一挙手一投足を観察しながら、「もしかしてこれかも」と腰を下ろしてくれたとしても、犬が完全にその言葉のキューを理解したかと言えばそうではありません。

家の中だろうと外だろうと、他に気になるものがあったとしても、また、ハンドラ―が立っていても、座っていても、犬の方を向いていなくても、言葉で「オスワリ」と言われたら、すぐに腰をおろして、解除されるまで座り続けていることが「オスワリ」だと理解してもらうまでには、練習を繰り返すことが不可欠です。

つまり、人間の根気と忍耐がなければ続けられないということですね。

何か一つのことを教えようと思ったら、犬が考えて行動できるようになるまで、丁寧に教えてあげることが重要です。


さて、今日は若いA君のプライベートレッスンがありました。
A君はもともと大人しいタイプで、大きな問題行動も出ていませんが、最近小枝フェチになったようで、地面の上が気になって仕方がありません。

わざと小枝を置いて、A君に小枝に行かないでほしいと伝えていきます。
たかが小枝くらいと思うかも知れませんが、落ちている小枝を全部咥えて食べてしまうというのは考えものです。
健康上もあまりおすすめできません。

A君には選択権があります。
小枝に向かって止められるか、飼い主さんの傍を歩いて褒めてもらってオヤツをもらうか。

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一度の練習で行動が変わることはありませんが、A君には沢山考える時間が与えられるので、飼い主さんのサポート次第で、少しずつやって欲しくない行動を消去していくことができます。

あきらめずに向き合っていきましょう。

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