「褒める」しつけの勘違い
いつも書いていますが、ドッグトレーニングには様々な手法があります。
かつては「強制訓練」が主流で、リードを使ってコントロールしたり、押したり引いたりしていましたが、現在は犬が自ら動くことをサポートする「正の強化」の手法が広く広まってきています。
実は、この「正の強化」のトレーニングに対して、勘違いをしている人がいるようなので、今日はちょっとそんなお話。
「正の強化」では犬を褒めるので、「褒めるしつけ」と言われることもあります。
確かに、「叱るしつけ」ではなく「褒めるしつけ」ですが、犬が何をやっても褒めているわけではありません。
しかし、とあるクライアントさんが「ウチは褒めるしつけをしています。」と言ったら、「褒めるしつけはダメだ。しっかり叱らないと。」とよその飼い主さんに言われたそうです。
その方は愛犬を褒めていないのでしょうか。
クライアントさん曰く、その飼い主さんの犬はとても大人しい犬だったそうです。
犬にも人間同様個性があります。
もともと大人しい犬もいれば、やんちゃで好奇心旺盛な犬もいます。
同じように育てて、同じ結果が出るとは限りません。
力で抑制しようとすれば、子犬の頃は人間の方が勝っていても、大人になってきたら、犬たちには犬歯という武器が備わります。
子犬の甘噛みでさえ、血だらけになる人もいるというのに、成犬になって果たして抗う犬歯に人間は太刀打ちできるのでしょうか。
我が家のボーダー・コリーたち、今までにわずか6頭しか育てていませんが、どの子も性格が違い、理解度も違えば、学習速度も違います。
同じ方法で教えてもなかなか伝わらないときもあるので、教え手としては、手を変え品を変えというように、工夫しながらサポートしています。
もちろん命の危険に関わるような事態に遭遇すれば、多少声を荒げて犬を制止することもありますが、犬を押さえつけて抑制する必要はありません。
愛犬と「やりあう」のではなく、上手に「おりあいをつける」ことが、お互いのストレスを軽減させつつ、コミュニケーションを取りやすくしてくれるはずです。
そもそも種が違うものどおし、一方的に力で言うことを聞かせようとするには無理があります。
犬にうまく伝わらなければ、犬が悪いのではなく、どうやったら犬が理解できるか人間の方が考えるべきですね。
特に、様々なドッグスポーツを犬と楽しんでいる人たちは、目標に向けて、愛犬に一生懸命伝える努力をしています。
「出来ないお前はバカだ。」と犬を責める飼い主さんはあまりいません。
なんとか愛犬が出来るようにとみなさんサポートされ、出来たときは愛犬を沢山褒め、一緒に喜んでいます。
いわゆる、良きパートナーですね。
さて、今日は若いM君のプライベートレッスンがありました。
楽しいことについつい釣られて、呼び戻しの精度が落ちているようなので、今日は飼主さんと真剣に遊びながら、リコール練習。
さらに、停座(オスワリ)や伏臥(フセ)で足を崩してしまうので、飼い主さんが自らプラットフォームを用意して(作って)練習してくださっています。
少しずつ、身体の使い方も覚えていかれるといいですね。
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