トリーツのあげ方は教えたい行動によって変わる
褒めて育てる、いわゆる「正の強化」によるドッグトレーニングにおいては、当然犬にとってご褒美となる食べ物を使います。
※食べ物がご褒美にならない犬はそれに代わるものを使います。
しかし、ご褒美をあげることばかりに集中してしまったり、やってくれなかったらどうしようと思ってしまうハンドラー側の問題で、ついつい、いつもトリーツを手で握りしめてしまうようになると、結果「トリーツを持っていないとやらない犬」を作ってしまうことになります。
目の前に100万円置かれていなくても、頑張ったらボーナスとして100万円口座に振り込まれるとわかっていれば、人はちゃんと仕事をします。
犬も同様です。
頑張ったらご褒美が出るというルールが理解出来ていれば、目の前にトリーツをぶら下げなくても、やってくれるようになります。
ただし、強化の過程(まだ学習している段階)においては、教える内容によって、敢えてトリーツを持っていることを伝えておいた方がいい時もあります。
例えば、行動の持続を教えるとき、ご褒美のトリーツを一つもらったら、さっさと目の前からいなくなってしまうような場合は、「次があるから、オスワリし続けていてね。」と手の平に乗っているトリーツを一つずつゆっくり渡して、座っている時間を伸ばしていくこともあります。
一方オスワリという行動の意味が分かっている場合は、トリーツを見せずにキューを出して、出来たら言葉やマーカーであっていると伝えて、後からおもむろにトリーツを渡すようにしていくことがトリーツを外すステップでは欠かせません。
つまり、目の前に見えなくても、頑張ったらご褒美がでるというルールに切り替えていくということです。
このステップは、犬の準備が出来ていても、人間が心配でなかなか手からトリーツがはずせないために、足かせになっていることが少なくありません。
愛犬を信頼してみることも大事ですね。
さて、今日はHくんのプライベートレッスンがありました。
お散歩中のディストラクション対策として、まずはディストラクションが無いときから、ハンドラーさんへ意識を集中する習慣づけから始めます。
もちろん、頑張ればご褒美が出るので、Hくんも落ち着いて作業が出来ていました。
これを習慣にしていきたいですね。
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