社会の中の犬
先日、クライアントさんとのお散歩レッスン中に遭遇した小型犬が、クライアントさんの方に猛進してきたことがありました。
その子はアグレッシブには見えず、ただただ遊びたかったのでしょう。
飼い主さんの「ダメよ~。」の声にも耳を貸さず、グイグイこちらに来ましたが、ちょうどこちらは「出来るだけ他犬に対して平常心を」の練習中でしたので、「〇〇ちゃん、行くわよ~。」と、挨拶させることなく通り過ぎました。
もちろん〇〇ちゃんは後ろ髪をひかれていましたが、挨拶しない時もあるということを伝えて行くことも重要なので、〇〇ちゃんの要求は通りませんでした。
その小型犬にしても、〇〇ちゃんにしても、攻撃性は無いので、極端なことを言えば、「他の子と挨拶したがっているのをやめさせるなんて理不尽だ。」とか、「犬のきもちを尊重すべき。」と言われてしまいそうですが、経験値の低い犬はどういうときが良くて、どういうときが悪いかの弁別がしづらいものです。
挨拶しようと突進していったけど、相手の犬が犬嫌いであれば、場合によっては双方トラウマにならないとも限りません。
ハンドラーの許可が出てから挨拶しにいく。
ハンドラーの許可が出たら好きにしていい。
という基本を教えてあげないと、犬たちは自分のペースで動いていいと学習します。
先日とあるSNSの投稿で、ドイツで暮す犬たちの、社会に溶け込んでいる様子が紹介されていました。
それは一面かもしれませんが、犬飼いの一人としては様々な場所に愛犬を連れていかれることを羨ましいと思い、職業的には日本も犬という動物に対する考え方を根本的に変え、接し方を見直していかないと、社会に溶け込めるようにはならないだろうと感じました。
ずっと以前の出来事ですが、通っていた公園に初めてドッグランが出来た時のこと。
公園の中を犬たちと散歩していたら、知らない老人がこちらに向かってきて、「ドッグランがあるのだから、犬をそこから出すな。」と言われ、開いた口がふさがらなかったことがありました。
公園の半分ぐらいがドッグランだったら、ある程度納得もできたかもしれませんが、テニスコート1面半ぐらいのドッグランがあったからといって、犬たちを全部そこに押し込めることは出来ません。
まだまだ「犬」への認識が低い日本です。
犬たちとの暮らしのこと、もっと伝えていかなければいけませんね。
今日は久しぶりに見習いの「平常心」の練習でした。
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