「咬む犬」と暮すこと
先週「人と動物の共生大学」のライブ配信で「触れない犬の行動療法の実際」というライブ配信がありました。
私は主催イベントで遠征していたこともあり、帰ってきてからアーカイブをゆっくり見ました。
獣医行動診療科認定医である奥田順之氏のお話です。
「触れない犬」とは触られることを嫌悪し、咬むというものです。
触る触らないに限らず、犬の咬みつき行動には様々な原因がありますが、どんな原因であったとしても、犬が嫌がっていることで「咬む」行動を選択していることに違いはありません。
※喜んで興奮しすぎて咬むのとではダメージが違います。
いくつかの症例のビデオを観ながら解説をされていましたが、小型犬であっても「咬む力」は相当なものですから、無傷でいられることはほとんどありません。
実際私も飼主さんが触れない小型犬に対し、緊急を要することで手を出さざるを得ず咬まれ、その後瘢痕化したため、治癒にはかなり時間がかかりました。
「咬む犬」の行動修正として、かつて某放送局が現場の実態を放映したこともありましたが、対処の方法はいくつかあったとしても、犬にとってストレスや負荷をかけすぎず、咬みつき行動を減らしていくには、その原因となることを人間がしないこと、あるいは、そういう環境に犬を追い込まないことが重要なポイントになります。
つまり、「咬みつきスイッチ」が入りづらい状況を続けていくことで、「咬む」行動の閾値があがり、ちょっとイラっとしてもすぐ咬む行動に出づらくなるようにするということです。
人と暮していく犬にとっては、嫌なことを全くしないで一生暮らすことは出来ません。
トリミング、爪切り、ブラッシング、獣医師の診察等々、犬にとって楽しくない状況は必ずついてまわります。
嫌なことを嫌なことと刷り込まないために、人間側が犬のきもちになってサポートしていくことが重要になります。
幸い我が家には、私を咬む犬は一頭もいませんでしたが、獣医師が苦手な犬が一頭だけいます。
獣医師を転々としたり、ハズバンダリーケアを施したり、診察をしなくても病院に何度か通わせてもらったりと、いろいろ試しながら暮らしています。
そもそも、犬が咬むようになるのは人間の問題であることも少なくありませんが、犬の個体による性質も大きく関わってくるので、「イヤ!」と言う気持ちを無視して強制していると、「イヤ」と唸ることを止めて、突然咬みつくようにもなってきます。
犬と暮すことを決めた人は、まさか自分の犬が自分を咬むようになるとは思ってもみないはずです。
特に小型犬の場合は、人間は力で押さえつけることが出来てしまうので、ついつい犬の気持ちを見落としてしまうこともあるかもしれません。
これは、犬の好きにさせるということではありません。
犬が嫌がることを強要するのではなく、犬が嫌がらなくても出来るようなサポートを時間をかけてやってあげる方法を見つけることが犬のストレスを軽減できるというお話です。
いろいろ強いてきても文句ひとつ言わずについてきてくれる性格の犬もいます。
おっとりしていて、いちいち細かいことは気にしないタイプなのでしょう。
そういう犬たちとの暮らしはのんびりした時間が流れています。
しかし、そんな犬ばかりではないので、愛犬の性格をよく知ることも大事ですね。
さて、我が家の見習い、人に手を握られるのは好きではありません。
足ふきも嫌いですが、無理矢理掴むのではなく、足をあげるたびにキュー(4本の足それぞれ)をつけてトリーツをあげていたら、とりあえずあげてはくれるようになりました。
でも、好きではないので、やたらにやらせることはありません。
あげてくれても握るのではなく、私の手や足に乗せてくれるだけでOKです。
ドッグダンスのトリックには足(手)技が沢山ありますが、見習いの習得はむずかしそうですね。
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