ドッグトレーニング:「般化(はんか)」を教える
先日、愛犬と目が合っていなくても、すでに教えてあるキューに対して、犬がちゃんと出来るように教えてあげましょうという話を書きました。
つまり、「オスワリ」をお願いしたら、ハンドラーと向かい合わせで立っていなくても、ハンドラーが違う方を向いていたり、ソファに寝転んでいたり、あるいは10メートルぐらい離れていても、「座る」行動は同じだよ。と教えてあげるということです。
周りの環境刺激(景色)が変わったとしても、取るべき行動は変わらないと伝えてあげることを「般化」といいます。
さて、今日のドッグダンスグループレッスンで、Lくんは単独バックステップの「般化」を学ぶことになりました。
なぜなら、ハンドラーと向かい合わせであれば、「バック」のキューである程度まで下がれるのに、ハンドラーの足の間のポジション(センター)から「バック」のキューを出すと、1歩ぐらいしか下がれないからでした。
「バック」の意味が分かっているのに、ハンドラーとの位置関係が変わって、目に映る景色が変わったことで、Lくんはバックできなくなってしまったのです。
そこで、ハンドラーには椅子に腰かけてもらい、足の間にいるLくんに「バック」のキューを出してもらったところ、ハンドラーとアイコンタクトが取れていなくても、Lくんは2歩ほど下がることが出来ました。
さらに下がれる距離を伸ばすために、ターゲットとしてプラットフォームを置いたところ、この位置関係であれば、Lくんはもっと下がれることがわかりました。
その後、距離が伸びたらクリッカーを鳴らして褒めていたところ、Lくんは自信をもってプラットフォームまで下がるようになったので、ご褒美のトリーツを取りに行っている間に、ハンドラーの向きを変えてもらいました。
つまり、初め下がれなかったセンターポジションにLくんを呼び込んで、すぐに「バック」のキューを出してもらったのです。
すると、景色が変わったことを気にせず、Lくんはプラットフォームまで下がって行くことができました。
当然、そのあと景色の違いに気づいて、また距離が戻ってきましたが、3回ほどセッションを繰り返していたら、ハンドラーの向きが変わっても、継続的にバックの距離が伸びるようになってきました。
だんだん新しい景色に慣れてきたのでしょうね。
こういう練習はすぐに効果がでるものではありません。
少しずつ、ハードルを低くして繰り返していくことで、犬が「あー、これもいつもと同じことだね。」と理解した時から、学習がさらに進んでいくことになります。
あきらめずに、地道な作業が大事ですね。
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