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2023年8月12日 (土)

犬の健康のはなし

先日我が家の見習いが楽しく遊んでいる動画をSNSの某グループにアップしたところ、様々なご意見をいただき、海外の飼い主さんたちの意識の高さに驚いたのでそのことをお話しします。

まず、避妊手術後2週間ということで「術後の犬にそんなことをさせるのは愚かだ。」というもの。
確かに、手術後の安静にはとても気を遣い、抜糸が済むまではアシスタントとの遊びも禁止し、単独のボール遊びも禁止。
朝の練習も、見習いは別メニューで歩くだけにして、10日後の抜糸で獣医さんに確認していただき、結果術後15日で晴れて自由運動を解禁し、目の前に投げたボールをキャッチするという簡単な運動から始めたのですが、その時の見習いのジャンプが相変らず元気いっぱいなので、お叱りをいただいたということでしょう。

さらにその後別の方からご意見が投稿され、それは「成長板」についてでした。

成長板とは、若齢期の犬の骨と骨のジョイントの部分にある軟骨組織で、それがホルモンによって成長と共に次第に骨の一部となって成長が止まるというものです。
以前ブログで書きましたが、成長板がまだ閉じていない状態で激しい運動をすると、成長板を痛め、正常に骨格が形成されなくなるので、とても重要な部分と言えます。

この成長板が閉じる時期は、犬種や犬の大きさによる差もありますが、生後12か月ぐらいから18か月ぐらいと一般的には言われているようです。
情報によっては11か月程度というところもあります。
この辺りは専門家の方のご意見を拝聴したいところです。

いずれにしても、見習いのジャンプの様子を見て、2歳に満たない犬にジャンプをさせることはいかがなものと、そもそもジャンプ自体が安全上問題じゃないかと言うご意見もありました。
前者は成長板が生後24か月まで閉じないからという理由でした。
※成長板の閉じる時期が意見の分かれ道と言えるでしょう。

202308121
※dogs 4 motion より(参考までに)

いろいろなご意見はとてもありがたいものです。

今回のこういったご意見を読みながら、あらためてネットで公開されいてる情報の日本版と海外版のいくつかを読み比べて、やはり統一感が無いことを感じました。

そしてさらに再確認できたのが、成長板とホルモンの関係です。

避妊や去勢は当然のことながら犬のホルモンのバランスを変えてしまう行為です。
早期手術のメリットばかりが独り歩きし、デメリットやリスクに関して、日本ではあまり報じられていないのが現状です。

ご存知のように私は獣医ではありませんので、実際日本の獣医師の現場でどのような情報が通念とされているのかは知りません。
ネット上に書かれている獣医師の意見をピックアップしてみると、一部の獣医師を除き、未だに早期手術推奨派が多いことも事実です。

海外においても統一されているわけではなく、早期手術を推奨する国がある一方で、犬の骨格形成を重視して、避妊・去勢手術自体を推奨していない国や、手術の時期に注意するよう警鐘を鳴らしている獣医師もいます。

私が得ていた国内情報では、成長板が閉じる時期は生後18か月頃ということだったので、今回見習いの手術は生後21か月で行いましたが、それ以上に、ヒート前の手術によるメンタル面のリスクを考えて、早期避妊は全く念頭になかったので、2回目のヒートが終わったタイミングで行いました。

避妊や去勢の時期はクライアントさんによく聞かれます。
獣医師ではないので、知りうる情報と個人的な経験からお伝えしていますが、簡単に決めるのではなく、メリット、デメリット、リスクを知った上で決断されることをお奨めします。

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