楽しいことは終わらないと伝える
犬は楽しいことが大好きです。
楽しいことが終わると思うと、何としても阻止しようとします。
漠然としていて、何が言いたいかわからないかもしれないので、簡単な例を二つ。
パピーレッスンで、子犬に初めてカラーやハーネス、リードを着けた時、犬たちはどんな行動を取ったか覚えていますが?
フリーズしたり、あるいはなんとかはずそうと噛んでみたり、リードを思い切り反対方向に引っ張って、ハンドラーの方に行くのを嫌がったりしませんでしたか?
つまり、今まで自由だった世界が、急に制限された状態になり、自由を奪われたことによるカルチャーショックを感じているのです。
もちろん、カラーなどを着けるときも、子犬にとって楽しいことや美味しいものと関連付けをしながら、少しずつ馴らしていくことで、最終的には気にせず装着させてくれるようにはなりますが、時間がかかる子もいます。
自由が奪われることは誰でも嫌ですよね。
そんな犬たちにとって、リードを外して遊びまわれるドッグランは夢のように楽しい場所なので、飼い主がいくら呼んでも戻ってこないというのは当然起こりうることと考えていいでしょう。
では、そうならないためにはどうすればいいのか。
日ごろからの呼び戻し練習は最低限必要なことですが、それに加えて、呼ばれて戻って来ても、楽しいことが終わってしまうわけではないと教えていくことが重要なポイントになります。
呼ばれたら家に帰る時間とインプットされていれば、5時のチャイムが鳴っても帰りたくない子供と同じで、なかなか戻っては来ません。
帰る時間になる前から、何度か呼び戻しては、「遊んできていいよ。」と解放してあげることで、犬は呼び戻されることが嫌悪刺激にならなくなります。
同様に、オモチャをなかなか渡してくれない犬の場合も、オモチャを取り上げるのではなく、まだ遊びが続くことを教えてあげると、取りに行ったオモチャをすぐに渡してくれたり、引っ張りっこの途中で離してくれるようになります。
なかなか手渡ししてくれない子の場合は、代替品を見せたり、美味しいオヤツをご褒美にあげることでも、出してくれるようになります。
今日のプライベートレッスンではA君のトレーニングのご褒美として引っ張りっこをやってもらいました。
トレーニングのご褒美として使う場合は、トレーニングが継続されるので、オモチャを回収する必要がありますが、出してもらったオモチャをすぐにしまってしまうのではなく、数回繰り返すことで、A君が気持ちよく出してくれるように練習してみました。
根気よくやっていきましょう。
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