先住犬の行動変化
昨日は多頭飼いを迎える側の話を書きましたが、今日は多頭飼いの当事犬に付いてお話ししましょう。
一頭で暮らしていた犬たちは、メンバーが増えることによって行動パターンが変わることがあるので、「今まではこうだったから。」と言うのは、あまりあてにならないことがあります。
例えば血のつながった親子の場合。
多くの場合、親犬の方が力関係で強いと思われがちですが、そうでもないこともあります。
子犬の方がだんだんと大胆になり、いつの間にか親犬が引いてしまうというパターンです。
力関係がうまく行っていれば問題ありませんが、一方的に片方がやられている場合は、ハンドラーの介入が必要になることもあるでしょう。
我が家の親子の場合は、母が常に絶対だったので、子犬たち(オスとメス)が大人になっても、力関係が崩れることはありませんでした。
「母は強し」の名言通り、かつて子犬たちが小さかったころ、ある晩庭にトイレ出しをしていた母犬が吠えながら庭に入ってきた不審者を追いかけて、あわやのところで噛みつくという場面がありました。
日常的に、人に対しても一切攻撃行動を取ったことが無い犬だったので、見ていた私はとても驚いたのを覚えています。
また、血の繋がっていない子犬がやってきた場合、最初からすぐに受け入れてくれることは少ないようです。
特に、2~3ヵ月程度の子犬は好奇心のままに突撃していくので、成犬はかなり嫌がり、初めは距離を取って観察してたり、場合によっては一喝することもあります。
そのうち帰るだろうと思っていた子犬が帰らないとわかると、時間はかかりますが、少しずつ受け入れていくパターンが多いようです。
そして、先ほどの母犬同様、守るべきものが増えると、先住犬の行動パターンが変わって来ることがあります。
故アシスタントは、もともと争いが嫌いな犬だったので、子犬の頃も先住犬に叱られると、部屋の隅っこで嵐が去るのを待つタイプでした。
成長しても、他の犬たちの喧騒を見ると、膀胱炎を発症してしまうほど繊細な犬で、平和主義者とも言えるタイプでしたが、現アシスタントを生後2か月で迎えてからは、少しずつ強くなっていきました。
散歩中吠えかかる犬がいても、一人の時は無視していたのに、彼が来てからは、吠えられると言い返すほどになりました。
何が言いたいのかと言えば、以前も書きましたが、「ウチの子は大丈夫です。」というのは、常に信頼できるものではないということです。
パック(群れ)になっているときの犬の行動は、一頭飼いのころと同じとは限らないので、愛犬の日々の変化をきちんと把握しておくことが大事です。
恐らく、多頭飼いの犬たちを一緒に連れて歩くときと、別々に連れて歩くときでも、犬の行動は変わっているはずです。
何かしら、問題行動が出て来そうなときは、一度別々に散歩をしてみたり、あるいはパックで歩いてみたりと、環境を変えることで解決できることもあるかもしれませんよ。
初めは並んで歩くのを嫌がっていたアシスタントも、並んで歩けるときも出てきました。
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