「持来」のはなし
「持来」は訓練用語ですが、簡単に言うと「持ってこい」のこと。
訓練競技においては、咥えて持ってくるものは、ダンベルの形をした木製の物がよく使われますが、日常生活における「持来」の対象物はなんでもかまいません。
とりあえず、何かを咥えて来ることを教えるには、まず「遊ぶこと」から始めるといいでしょう。
つまり、無理矢理口を開けて何かを突っ込むのではなく、自分から咥えたい気持ちにさせてあげることが大事ですね。
おもちゃの場合、その後引っ張りっこになったり、持ってきてくれたらまた投げてあげるといった行動を繰り返すことで、犬が咥えたり、咥えて動くことに馴れさせてあげるといいでしょう。
その後、きちんと「持来」を教えるためには、言葉の「キュー」を聞いて咥え上げ、ガジガジ噛んだり、振り回したりすることなく、ハンドラーに手渡すことが重要なポイントになってきますが、その際も、犬が嫌がらないように教えていかないと、「持来」自体にネガティブな印象を持ってしまうので注意が必要です。
特に競技の「持来」では、手渡しをするときの犬の位置も重要です。
例えば、ハンドラーの左脚側に座ってから手渡すのか、ハンドラーの正面に座って手渡すのかです。
JKCの競技では、正面でも脚側でもどちらでもかまわないと規定に記されていますが、WCRL規定のラリーオビディエンスでは、正面停座の作業が多いため、「持来」に関しても、正面停座が要求されています。
どちらにしても、咥えて持ってきたものを、きちんとした姿勢でハンドラーに手渡すように教えるのですが、これが意外と難しいのです。
なぜなら、咥えて戻ってきた後に停座をお願いすると、犬の意識は停座にフォーカスされて、咥えてきたものを口から放してしまうという現象が起きてしまうからです。
そこで、座っているときに物品を咥えさせたり、保持させたり、手渡ししてもらったりという行動の練習を、咥えて持ってくる行動とは別に繰り返していきます。
「オスワリ」と言う行動と「持ってくる」と言う行動が出来たから、すぐに合体できるだろうと思っていると、「あれ?出来ない」ということになりかねないので、パーツの練習だけでなく、パーツを合体させる練習をきちんとやってあげることが大事ですね。
さて、WCRL規定ラリーオビディエンスのセミナー・練習会とトライアル(公式競技会)が6月23日、24日、山中湖のドッグリゾートワフで開催されます。
ラリーオビディエンスは、競技中も犬を励ましたり、声をかけたり出来るので、入りやすいオビディエンス競技のひとつです。
作業の進め方に馴れてくると、課題は酷似しているので、ハンドラーがサインカードを覚えればJKC主催のラリーオビディエンスにも参加しやすい競技です。
一度体験してみませんか?
参加お申込みの締切は6月10日です。
詳細はこちら👇から。
http://chn.air-nifty.com/dance_with_dogs/2023/03/post-4a8156.html
皆様のご参加お待ちしております。
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