接し方は個体に合わせて
ずっと以前のことですが、子犬の社会化の一つとして、100人の人間に抱っこさせるという可笑しなルールを提唱した方がいました。
もちろん、目的は人に馴らすためだったのですが、本当に何でも受け入れられる時期の子犬ならばまだしも、多少警戒心が出てきた子犬を無理やり知らない人に抱っこさせるということは、逆効果にもなりかねません。
なぜなら、子犬には全く選択肢が与えられないからです。
例えば、リードを緩んでいる子犬の傍に黙って立っていれば、子犬は自分から匂いを嗅ぎに来ることも選択できるし、飼い主の後ろに隠れて様子を見ることも選択できます。
しかし、逃げられない状況の抱っこを強いることは子犬にとってはとても辛い体験にもなりかねません。
オヤツなどを使って、子犬が自分から傍に寄りたい気持ちにさせてあげるという方法もありますが、無理矢理の抱っこはおすすめできません。
子犬にも選ぶ権利はあるというもの。
現に、ご近所の奥様に毎日抱っこしてもらっていたら、ある時期からご近所の奥様を見るとギャンギャン吠えて威嚇するようになったという犬もいました。
何かに馴らすというのは、犬に我慢を強いるのではなく、犬が「これくらいなら大丈夫」と許容できるようにすることです。
我が家のアシスタントは人にはフレンドリーで、知っている人には自分から寄って行って挨拶もしますが、ハグは苦手です。
ギュッとされそうになると逃げます。
ご自分のお子さんが、知らない人に、「かわいいねぇ」と抱きしめられたらどうしますか?
裁判沙汰になりかねませんが、どうも犬の権利は無視されているようですね。
さて、今日は生後6か月のKさんのプライベートレッスンがあり、ドッグランに同行しました。
他犬とは、以前ほど興奮することなく挨拶が出来るようになったそうですが、月齢的に思春期に入るので、多少警戒心も出てくるころ。
誰彼問わず仲良くできるとは限りませんし、相手の犬に威嚇されることもあるでしょう。
そんな中で、Kさんはとてもよく周りを観察しながら、時に遊びに誘ったり、時にちょっと怖くなって逃げ越しになったりと、いろいろな表情を見せてくれました。
しつこい犬が来て尻尾が下がるようなときは、さりげなくKさんの傍に行って、相手の犬との間に入ってみます。
相手がステップバックするタイミングで、Kさんは上手に視線を外して移動しました。
時にはハンドラーのさりげない介入も必要ですね。
帰り際には、以前は外で出来なかったオモチャで飼い主さんと遊べるようになったKさん。
少しずつ余裕が出てきましたね。
焦らず、ゆっくりサポートして行きましょう。
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